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あなたはもうひとりの私だからコミュの何かを差し出すということ − 循環エネルギー

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ずいぶん昔のことだが、出張先のカンヌの波止場を散歩中に家族ぐるみの計画的スリの被害に合いそうになったことがある。


複数の子連れの難民風母親が憐憫を誘う眼差しで観光客に近づき、必死に懇願する隙に子供が新聞紙などで隠した手を相手のハンドバッグに忍び込ませ財布を抜き取るという手口だと地元の人からあとできいた。


幸い被害には合わなかったものの、その先の話を聴いて考えてしまった。


さも貧しい暮らしをしているだろうとそのジプシー風の彼らのあとをつけると駐車場にとめてある高級車に乗り込んでさっそうと帰宅なんていうケースも珍しくないんだそうだ。


生きていくということは厳しいことだ。


他人に迷惑をかけたとしてもファミリービジネスとして割り切って貫いている母親に「あっぱれ」と思う気持ちとともに世界のどこにいっても自分自身を護ること、社会を変えていく意識の重要性など思うことがたくさんあった。


それは南仏の独特な社会現象なのかもしれないが、その体験をしてからというもの物乞いへの献金を吟味するようになった。


募金や献金の裏側にどんな仕組みがあるのかを吟味できるようになったのはあのできごとのお蔭だ。


『腹を空かせた人に魚を施せばその人は1日だけ生きのびることができるだろう


『腹を空かせた人に漁の方法を授ければその人は一生食べ物に困ることはないだろう


この言い伝えも私は大好きだ。


サンフランシスコは気候が温暖、寒波も熱波も来ない。


しかも教会などによるホームレスへの街ぐるみの支援活動も盛んだ。


他州がホームレスをバスに乗せ当地に送り込むという話も聴いたことがある。


あちこちの街角に立つホームレス。


「何日も何も食べてません。なんでもいいです。あなたに神のご加護をexclamation ×2」といった段ボールにマジックペンで書いたプラカードをかかげてたつ人。


歌を歌う人。大道芸人さながらに数分間の信号待ちのドライバーにジャグリングを披露するカップル。交差点で止まる車一台一台に話しかけ営業活動する人。人それぞれだ。


南仏でのあわやの体験をした私はルールを決めている。


パフォーマンスをする人は経済エネルギー循環の意識が高いという判断で何かを差し出すことにしている。飛び切りの笑顔だっていい。


もらう前から自分から何かを差し出すことができるなら、つまり相手の幸せも考えることができるならこの機会を踏み台にきっと明るい将来を自ら創造していくことができるだろうと察するからだ。


しかし、プラカードを持ちたたずむだけのホームレスの場合は私からも何もしないことにしてきた。これを教訓に明日は自ら笑顔だけでも差し出してほしいと思い幸運を祈る。


自分だけ欲しいものをもらいたい、それが当然だと思うことに被害者的意識への違和感を感じるし、私は自分自身の優越感を得るためだけに何かをあげることなど断じてしたくない、そう思っている。


転ばぬ先のその先の杖としてこの夏から始めた糖質制限決行のため、私のパントリーには食べない食品の備蓄がいっこうに減らない。


処分したいが捨てるのは申し訳ない。そこで妙案を考え出した。


街に繰り出す時に車に積んでいき、ホームレスの方たちに有効利用してもらうことにした。


私が食品の処分を助けてもらうのだから交換条件はいらないだろう。


糖質混入でも一応健康食だ。遠慮なく差し出せる。


未開封のものだけをショッピングバッグいっぱいに詰め込んだ。


交差点でたたずみ、ただただ行きかう車に視線を投げかける男性がいた。


戸惑ったが未開封のライスポップのスナックを渡した。


とめどもなく涙が私の頬を流れていった。


..


..


こちらに来て間もない頃スタンフォード大学を出て職にあぶれホームレスになったことがあるというバスの運転手の話をラジオで聴いたことがある。


その話を思い出した。


私はその時にそういうある意味過酷な環境に自分を置いていることを再自覚し、ホームレスになる自分を疑似体験した。


高等教育を受けている人でも誰でもこの国ではホームレスなど背中合わせ。


自由・解放を求め自分を売り物に身体を張り生きているならそれは当然のこと。


誰でも一寸先はわからない。


..


真剣な眼差しで食べ物を受け取るその人のことが他人事とは思えなかった。


その人に食べ物を差し出しているようで、実は私は疑似体験をしたホームレスの私自身に施しをしてたように思う。


そして喜んで食べていただけることに食べ物も喜ぶことだろうと思う。


屋根のあるところに住み好きなところに旅ができ、たくさんの素晴らしい方々とこうしてつながれ友好を深め、嬉しいと思える仕事を授かり本当に私は恵まれていると思う。


信号が変わりその場を立ち去ったあとも涙はしばらく止まらなかった。








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