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ニュース資料集コミュの【検証】中川昭一氏 バチカン警報報道

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【検証】中川昭一氏 バチカン警報報道


政府は4月7日、中川昭一氏がバチカン博物館で警報を鳴らしたとの報道について、鈴木宗男衆院議員(新党大地)の質問主意書に対し答弁書を提出しました。現在、複数の報道機関が答弁書の『警報機は鳴った』という箇所を指摘し、「中川大臣がウソをついていた」と報道しています。

しかし、中川氏は本当に「ウソ」をついているのでしょうか?

結論から書きます。私は「中川氏はウソを言っていない」と考えます。なぜなら「警報は鳴った」が「中川氏や通訳、大使、現地スタッフなどの随行者はその警報を聞いていない」と思われるからです。そして、中川氏が「ロープを越えてラオコーン像に触ろうとした」ために止められたのはのは事実ですが、随行者および警報を聞いた警備員も含めて誰も中川氏のその行動を「非常識な行動だとは思わなかった」からです。

以下、それを私なりに検証していきます。
まず、各新聞の報道を見てみましょう。


==========
【朝日新聞】
http://www.asahi.com/politics/update/0407/TKY200904070134.html
バチカンの警報機、やっぱり鳴っていた 政府が答弁書
2009年4月7日11時56分
 政府は7日、中川昭一前財務相がイタリアでの「もうろう記者会見」後にバチカン博物館を観光し、立ち入り制限の場所に入ったために警報が鳴ったとの報道について、「バチカン博物館に事実関係を確認したところ、『警報機は鳴った』旨の説明を得た」との答弁書を閣議決定した。中川氏はテレビ番組で「全く警報は鳴っていない」としていた。答弁書では、バチカン博物館の説明として、「警報機は鳴ったが、その音量は警備関係者に認識させるもので全館に響くほど大きくなく、警報機の音に気づいた人もいれば気づかなかった人もいたであろう」としている。
 ◆
【産経新聞】
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090407/stt0904071159002-n1.htm
バチカンの警報「鳴った」 中川氏“失態”で答弁書
2009.4.7 11:59
 政府は7日の閣議で中川昭一前財務相がローマでの「もうろう会見」後、バチカン博物館で警報を鳴らす失態を演じたとの報道について「博物館に確認したところ『警報は鳴った』との説明を得た」とする答弁書を決定した。鈴木宗男衆院議員の質問主意書に対する答弁。
 答弁書によると「音量は警備関係者に認識させるためのもので全館に響くほど大きくなく、気付いた人もいれば気付かない人もいるだろう」と説明した。
 ◆
【読売新聞】
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090408-OYT1T00013.htm?from=navr
やっぱり鳴っていたバチカン博物館の警報機…政府が答弁書
4月8日00時08分
 政府は7日の閣議で決定した答弁書で、中川昭一前財務・金融相が2月にバチカン市国のバチカン博物館を視察した際、立ち入り禁止区域に入り、同博物館の警報機が鳴っていたことを明らかにした。
 答弁書では、同博物館に確認し、「警報機は鳴ったが、その音量は全館に響くほど大きくなく、気づいた人も気づかなかった人もいただろう」とした。中川氏は3月、CS放送の番組で「警報機も鳴っていないし、注意もなかった」と述べていた。鈴木宗男衆院議員(新党大地)の質問主意書に答えた。
 ◆
【J-CASTニュース】
http://www.j-cast.com/2009/04/08039113.html
中川元大臣「ウソ」暴いたのは 「質問主意書の鬼」鈴木宗男だった
2009/4/ 8
> 中川元大臣は警報機も鳴っていないし、バチカン博物館から注意もされていないし、酒の臭いもしていない、と主張。それはバチカンの関係者も認めていることだとし、

「記者会見の延長線上で『さもありなん』と報道されたが事実とは違う。日本を代表するメディアが取材までしているのに、(間違った報道は)残念な事だ」
と痛烈にメディア批判を展開した。

> 鈴木議員の今回の質問主意書に対し、政府は09年4月7日付けで回答した。その中身は、09年3月3日付けの回答は、中川大臣の事務所を通じてのコメントで、政府が改めてバチカン博物館に事実関係を聞いたところ、「警報機は鳴った」という説明を受けた、というもの。鈴木議員が中川元大臣のウソを暴いた形だ。
==========


2月21日(土)の朝日新聞の記事を見てみましょう。


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【朝日新聞】
http://www.asahi.com/politics/update/0220/TKY200902200293_01.html
http://www.asahi.com/politics/update/0220/TKY200902200293_02.html
中川氏、バチカンでもお騒がせ 美術品に素手・警報作動

 【ローマ=南島信也】主要7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)での「もうろう記者会見」で引責辞任した中川昭一・前財務・金融相が、会見の約15分後にバチカン博物館を観光した際、触ることが禁じられている
★1 歴史的に貴重な美術品に素手であれこれ触るなどしていたことが、
バチカン関係者の話で分かった。立ち入りが制限された場所に入ったために警報も鳴ったという。記者会見後にも失態を重ねていたことになる。
 関係者によると、中川氏は財務省の玉木林太郎国際局長や秘書官らとともに現地時間14日午後4時20分ごろから約1時間半、
★2 在バチカン日本大使館の上野景文大使らの案内で
同博物館とサンピエトロ大聖堂を見学した。一行は計10人で、博物館側のイタリア人1人が案内役についた。見学は中川氏側からの要望だったという。
 同博物館は広大なため、大使館側は古代の彫刻が展示された「大燭台(しょくだい)」のギャラリー、「タペストリー」のギャラリー、「地図」のギャラリーのほか、ミケランジェロの天井画や「最後の審判」などで世界的に有名なシスティーナ礼拝堂といった主要部分だけを回る1時間の見学コースを用意した。
★3  到着時から中川氏の足取りはフラフラとおぼつかなく、言葉もはっきりしなかったという。案内役の説明を聞かずに歩き回ったほか、入ってはいけないエリアに足を踏み入れたり、触ってはいけない展示品を素手で複数回触ったりした。
★4 そのため警備室の警報が少なくとも1回鳴ったという。
 バチカン博物館でも特に有名な、「八角形の中庭」の「ラオコーン」像を見学した際には、観光客が近づき過ぎないようにするための高さ約30センチの
★5 さくを乗り越えて石像の台座に触るなど、非常識な行動をとったという。
 博物館には通常、午後4時までに入館しなければならないが、中川氏らが訪れたのはその後だったため、システィーナ礼拝堂以外では
★6 一般の観光客の姿はほとんどなかったという。
 中川氏は博物館見学後、サンピエトロ大聖堂を訪れた。午後6時前にホテルに戻り、午後7時半に日本に向けローマ空港を出発した。
★7  同大使館は朝日新聞の取材に対し、「(見学中の中川氏は)ずいぶんお疲れだなという印象を受けた」とコメントしている。

    ◇

 一連の経緯について、中川昭一氏の事務所は「体調が悪かったため、見学中に入ってはいけない区域に入ってしまって警報が鳴ったのは事実だ。関係者に迷惑をかけることになり申し訳ない」と釈明している。
==========


重要と思われる部分に★マークを付けました。
上から順に検証していきます。


★1「歴史的に貴重な美術品に素手で触る」のは非常識か?
たしかに、日本では美術品に手を触ってはいけないのが一般的ですが、海外では彫刻類を手で触るのは、むしろ普通です。それが立体美術を鑑賞するパブリックな方法なのです。これはアニメ化もされた『ギャラリー・フェイク』という漫画でも紹介されています(1巻「触覚の絆」参照)。

もちろん手で触れられない場合も多々ありますが、実は、中川氏の訪問したバチカン博物館(美術館)は、事前に許可を取っていれば一部の「歴史的に貴重な美術品に素手で触る」ことができる美術館として、世界的に有名なのです。そのため同美術館は視覚障害者からの評判が高く、日本でも「手で見るバチカン美術館への旅」というツアーが組まれたこともあるようです。

==========
47NEWS
http://www.47news.jp/CN/200307/CN2003071901000027.html
「触る美術館」開館へ 目の不自由な人のため
 【ローマ18日共同】ミケランジェロの「最後の審判」などで知られるバチカン美術館は18日、目の不自由な人のために美術品の一部を「触る美術館」として近く公開することを決めた。貴重な美術品に手を触れることを認めるのは極めて異例で、盲導犬も同行できる。  歴代のローマ法王が収集した膨大な美術品を展示するバチカン美術館は、13の美術館のほか一つの絵画館と碑文を中心に集めた4つの美術館から成る。各館長は触ることのできる、古代ギリシャ、ローマ時代の彫刻やレリーフ、石棺などを選び出し、展示する。数点の絵画も対象になるという。  バチカン美術館のブラネリ総館長は「目の不自由な人が、触ることで貴重な美術品にアプローチしてほしい」と新たな試みの意図を述べている。来館には予約が必要で、近くFAXで受け付ける。予約FAX番号は国際電話+39(06)69881573。
2003/07/19 01:05 【共同通信】

※ただし、2003年以前でも一部の美術品を手で触ることができた模様。
<参考>
http://www5c.biglobe.ne.jp/~obara/tenyaku_shokuchi/shokuchi_shiryou2.html
資料2 関連年表
>1994年11月、「手で見るバチカン美術館への旅」の一行が、ローマ訪問。触地図などのワークショップにも参加
==========

彫刻を手で触ろうとしても不思議ではない社会常識があり、
なおかつ一部の美術品を手で触ることを許可している博物館で、
観客が彫刻に触ろうとした場合、
現地の人間がそれを「非常識な行動」だと思うでしょうか?
だからこそ、現場の人間は誰も中川氏の行動を問題だと思わなかったのではないかと思います。

そもそも、バチカン博物館の見学は中川氏の要望だったとも伝えられています。
だとしたら、中川氏は事前にバチカン博物館の美術品には素手で触れるものが存在することを知っていた可能性もありますし、現地の人間が「美術品の中には触れるものもありますよ」と中川氏に伝えていたかもしれません。


★2
★7
「在バチカン日本大使館の上野景文大使」証言の疑問
==========
TBSニュース
http://video.aol.jp/video-detail/-/3991130598
(動画は既に削除済み)
>中川前財務大臣が問題の記者会見の直後に行ったバチカン観光について、同行していた駐バチカン日本大使がJNNの取材に当時の状況を語りました。
 「大臣は非常に熱心に見学していた」、同行したバチカン大使は問題のバチカン観光の印象をこう述べました。
 「(中川前財務相は)確かに若干くたびれているという感じは見受けられた。特に酒のにおいがするという感じは私は持ちませんでした」(駐バチカン 上野景文 大使)
 駐バチカンの上野景文大使は、問題のバチカン観光に、1時間半にわたって同行しました。バチカン観光の話は4〜5日前に要請があり、バチカン側と調整したといいます。
 そして、観光当日、中川前大臣は触れることが禁じられている貴重な美術品を素手で触ったり、彫像の台座に座り込むなどの異常な行動をとり、警報機が鳴る騒ぎになりました。
 「熱意のあまりだと思いますが、少し接近しすぎたということだと思います。(Q.触ってはいけないものに触ってしまった?)それはあったと思います」(上野景文 大使)
 法王選びの際に行われる「コンクラーベ」と呼ばれる儀式のことなどを詳しく聞いていたという中川前大臣。歴史や美術に関心があるところを見せたかと思うと、その一方で、ガイドの話を聞かず、勝手に別の場所に行こうとしたこともあったといいます。
 「そういうこと(単独行動)は数回あった気がします。大臣の見たいものもあるが、バチカンの見せたいものもあり、その調整が必要になります」(上野景文大使)
 バチカン側からの抗議は今のところはないということですが、次々と明らかになる中川前大臣の問題行動にさらに批判が集まりそうです。(21日 21:27)
==========

この議論で中川氏を非難する人間がよく出してくるのが、このTBSで放映した証言です。
上野景文大使の発言部分を書き出してみます。

<前半>
「大臣は非常に熱心に見学していた」
「(中川前財務相は)確かに若干くたびれているという感じは見受けられた。特に酒のにおいがするという感じは私は持ちませんでした」
(朝日新聞★7参照)
<後半>
「熱意のあまりだと思いますが、少し接近しすぎたということだと思います。(Q.触ってはいけないものに触ってしまった?)それはあったと思います」
「そういうこと(単独行動)は数回あった気がします。大臣の見たいものもあるが、バチカンの見せたいものもあり、その調整が必要になります」

前半は断言口調ですが、後半は突然「思う」「気がします」などの推測に変化しています。
常に中川氏のそばにいたはずの上野大使が、なぜ推測で答えているのでしょうか。
もしも、上野大使が中川氏のそばを離れたのなら、実際に見ていないのだからその証言は二次、三次ソースということになります。
そして、大臣の行動に「調整が必要」なのは当然のことで問題でも何でもありません。
後半はTBSの質問文が不明で、たとえば「もしも警報が鳴ったとしたら、どのような状況が考えられますか?」という仮定の質問でも上記のような返答になる可能性があります。
逆に、TBSがつけた文章は以下の通りです。

「観光当日、中川前大臣は触れることが禁じられている貴重な美術品を素手で触ったり、彫像の台座に座り込むなどの異常な行動をとり、警報機が鳴る騒ぎになりました。」
「歴史や美術に関心があるところを見せたかと思うと、その一方で、ガイドの話を聞かず、勝手に別の場所に行こうとしたこともあったといいます。」
「バチカン側からの抗議は今のところはないということですが、次々と明らかになる中川前大臣の問題行動にさらに批判が集まりそうです。」

実は、このTBSの言う「騒ぎ」「勝手に別の場所に行こうとした」にはTBSの勝手な捏造の疑いがあり、同時に、前述の理由から「バチカン側からの抗議」があるわけがないと断言できます。
この点については後述します。



★3
★5
★7
まず、「中川氏の足取りはフラフラ。言葉もはっきりしなかった」という朝日の記事は上野大使の「大臣は非常に熱心に見学していた。若干くたびれていたが酒のにおいはしなかった」という証言と矛盾している点を指摘しておきます。

次に、「案内役の説明を聞かずに歩き回り、入ってはいけないエリアに足を踏み入れたり、触ってはいけない展示品を素手で触った」という部分については、通訳として中川氏のもっとも近くで随行した和田誠神父が反論しています。

重大なのは、和田神父は朝日新聞の最初の報道後、日本の新聞・テレビその他の取材を受け、中川氏に非常識な行動は無かったと繰り返し証言したにもかかわらず、その証言は一行も取り上げられなかったという点です。つまり、この時点でマスコミが恣意的に証言を選んでいたことがわかるのです。マスコミにとって、和田神父の証言は報道したくない内容だったのだと考えざるを得ません。

余談ながら、この点、毎日新聞が地村さんの記事を横田ご夫妻の証言を無視して朝刊の1面に掲載したことが思い出されます。
 ↓
【日本】毎日新聞の情報工作 「めぐみさん、94年6月生存」 地村さん妻証言
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=41636049&comm_id=3344585

そして、現在発売中の『正論』5月号に、和田神父の証言が掲載されています。
興味がおありの方はお読みください。
要点をまとめておきます。

・中川前大臣の博物館見学は、事実と違う形で報道されている。

・中川前大臣に非常識な行動は無かった。

・見学の間中、中川前大臣と話をしていたのは通訳の私だ。
 中川前大臣の言葉は非常にはっきりしていたが、中川前大臣の
 言葉がはっきりしなかったと証言したのは、いったい誰だ?

・私の通訳なしで、イタリア人ガイド(女性)の言葉を
 中川前大臣が理解できるわけがない。
 したがって、中川前大臣が「案内役の説明を聞かずに歩き回り」、
 「勝手に別の場所に行こうとした」りすることができるわけがなく、
 私の通訳中に歩き回ることもなかったし、非常に熱心に説明を
 聞いていた(★2 TBSの上野大使の証言と一致)。

・熱心すぎたあまり、中川前大臣がラオコーン像に近づいたのは事実。
 ただし、「さく」というのは誤りで、実際はロープ(写真参照)。
 そのため、警備員が「イタリア人ガイドに」一言二言注意したが、
 中川前大臣がすぐに戻ったため、問題は無かった。
 「石像の台座に触る」こともしていない(朝日新聞★5参照)。

・バチカン博物館は大きく、普通は5〜6時間かかる見学を1時間半
 ほどで回らねばならない都合上、相当な急ぎ足となったため、
 「フラフラ」できる余裕などなかった(朝日新聞★3参照)。

・一週間後、日本で中川前大臣が非常識な行動をしたと報道されたが、
 非常識な行動など最初からなかったのだから、バチカンで中川前大臣
 の「非常識な行動」が話題になるわけがない。
 (だからTBSの言う「バチカン側からの抗議」などありえない)



★4
★6
一読してお分かりの通り、朝日の記事を信用すれば、「警備室の警報が少なくとも1回鳴った」と書かれている以上、警報が鳴ったのは警備室です。つまり、警報は館内では鳴らず、警備室でしか鳴らなかったのではないでしょうか。

警報と聞くと、消防用の非常警報のようなけたたましいものを想像しがちですが、この警報とは警備室内に知らせるためのもので、目ざまし時計のデジタル音程度のものでしかなかった可能性も考えられます。だとすれば、中川氏をはじめとする現場の人間が警報を聞いていないのも納得できます。つまり、中川氏が「警報は鳴らなかった」というのはウソではないのです。(あくまで私の推測が正しければ、ですが)

そして、「一般の観光客の姿はほとんどなかった」のに(朝日新聞★6)、「騒ぎ」になった(TBS)とは、いったい誰が騒いだのでしょうか? ましてや、警報が警備室でしか鳴らなかったのだとしたら、そもそも騒ぎになるはずがありません。各報道機関は、まず「警報がどのようなもので、どの程度の音量だったのか」「警備室だけでなく、館内にも警報が聞こえたかどうか」を確認して報道する必要があります。



以上の内容から、再度私の結論を推測を含め、まとめます。
==========
●バチカン博物館での中川氏は言葉も行動も非常にしっかりしており、
 一人で歩き回ったりしなかったし、滞在時間が短かったため、まず
 フラフラしているヒマ自体なかった。

●ラオコーン像でロープの内側に入ったのは事実だが、警備員が
 イタリア人ガイドに軽く注意しただけで中川氏もすぐに戻ったため
 まったく問題にならず、周囲の誰もそれが非常識な行動だなどとは
 思わなかった。

●海外には彫刻類を素手で触って鑑賞する伝統があり、バチカン
 博物館も許可を取れば一部美術品を触れるため、目の見えない人にも
 評判が良いのだが、日本の報道はその事実を知らないか、または
 意図的に無視している可能性がある。

●したがって、朝日新聞やTBSの報道は事実誤認や先入観で
 報道されている面がある。

●通訳として中川氏の見学中、常にそのそばにいた和田誠神父は
 「中川大臣に非常識な行動などなかった」と証言したが
 日本の報道機関はその証言を無視した。

●警報が鳴ったのは事実(バチカン博物館側の証言)。
 しかし、それは警備室で鳴っただけで、館内では鳴らなかったため、
 中川氏をはじめ見学の一行は誰も警報を聞かなかった。

●だから最初、中川氏は「警報は鳴っていない」と事実を言った。

●しかし、警備室で警報が鳴ったのも事実なので、答弁書にそう書いた。
 (答弁書を書いた人間は警報が警備室でしか鳴らなかったことを知らない?)

●したがって、中川氏はウソを言っていない。
==========

よって、私は中川氏がウソを言っていたとする報道は事実誤認か、あるいは「ウソは言っていないが、真実も言わない」式のミスリード報道であると考えます。要するに、「”点”は報道するが”線”で結ばない報道」。”点”そのものは事実なので、ウソは言っていないと言い逃れができるわけです。あくまでも、私の推測が正しければですが。

コメント(25)

博士の独り言
http://specialnotes.blog77.fc2.com/blog-entry-2262.html
毎日「取材なし記事」に思う
2009/02/21(土) 23:20:20 [メディア/意見書]

取材しないで書ける毎日新聞


中川前財務相:お騒がせ もうろう会見直後、バチカンで石像触り警報鳴る
【ローマ藤原章生】 ローマで開かれた先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)で、ろれつが回らない状態で記者会見に出席し、辞任に追い込まれた中川昭一前財務・金融担当相が、会見直後に訪れたバチカン博物館で陳列品の石像に触れるなどマナーの欠ける行いをしていたことが、同行者らの証言でわかった。中川氏は博物館でも政府代表とは言い難い姿をさらしていた。毎日新聞記事(切り抜き)2月21日夕刊(8面)より参照のため抜粋引用/写真は毎日新聞の同記事より参照のため引用
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執拗な中川昭一「報道」

 中川昭一氏の政治生命を絶ちたいのであろう。毎日紙面でも執拗な攻撃が続いている。表題の写真選びも意図的である。内容も、相変わらず、その場に居合わせたかの、「見て来た」ような記事である。云く、「今月14日午後4時(日本時間15日午前0時)すぎ、ローマ中心街のホテルで、眠り込みそうな表情で会見を終えた中川氏は、その足で博物館に向かった。イタリアを去る間際の2時間の「視察」で、当初から予定に組み込まれていた」と。続けて、云く、「財務省職員を伴った中川氏を現地の大使らが案内する形で、一行10人は博物館職員と共に館内を回った。午後4時の閉館時刻を過ぎていたため、一般客はいなかったという」と。

 続けて、云く、「その際、中川氏は館内を好きに歩き回った。触ることを禁じられている石像を2回ほど触り、一度は警報のブザーが鳴った」と。描写が細かい。記事に、「・・という」と出て来てはいるが、論調は新聞と謂うよりは、同紙が得意とするその分野の小説に近い。問題と指摘されている、「見てきたように書く」記事は、同紙の体質に由来するものであろう。同紙面についても、厳正に記録しているが、朝日新聞と同様に、「中川昭一」報道には、文脈に明らかな意図とその背後とのつながりが観える。これについては、あくまでご参考として、後稿の機会に報告したい。
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「取材無し」で記事が書ける

 最近、毎日紙面の確認できた1つの傾向は、同紙の場合は、取材をしなくても記事が書けることだ。他紙の情報、記事も、あたかも、自らがその場に居て取材していたように書く。これについて、昨日、同紙に問い合わせた様子を報告する。

筆者: 御紙2月18日付2面の「検証 ローマの2日」と題する記事について、伺いたい。
毎日: その記事が何か。

筆者: これは、御紙がその場で直接取材して書かれた記事か? その場に居合わせたような書き方だが。
毎日: ウチの記者はその場にいなかった。周辺取材というか、中川氏に同行した関係者から聞いた内容を、ウチの記事にしたものと思われる。

筆者: それならば、一般紙面の慣用句として、たとえば、「関係者によれば」、「関係筋によれば」との書き始めから、内容を紹介する形で書くべきではないか。
毎日: ウチの紙面をご覧になれば判ると思うが、ウチはそんな書き方はあまりしない。直接取材しなければ記事を書けないというのか?

筆者: 御紙も新聞ならば、通常の慣用句や表現方法を用いるべきではないか、とお尋ねしているのだが。現状では、直接取材なのか、関係筋による情報なのか、区別がつかない記事に映る。直接取材していないのであれば、その様子を客観的に明示しても良いのではないか。新聞は公器であるべき存在だ。その立場で、内容の事実確認や責任を問われるケースもあるはずだが。
毎日: ウチのやり方について、とやかく言われる筋合いにない。

筆者: その場にいなくても、または、取材しなくても、御紙なら記事にできる。そのやり方に文句を言うなということか? 購読者の1人として伺っているのだが。
毎日: 言いたいことはそれだけか。
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 物事のごく基本的な筋道さえ分からなくなっているのだろうか。掘り下げた意地の悪い質問かもしれないが、購読者が淡々と問い合わせすれば、腹立たしく返す。淡々と、こうですよね、と確認の意味で質問しても、相応の答えは返って来ない。毎日新聞のやり方に文句があるのか(要旨)と返す。残念な応対である。

<続く>
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中川昭一氏への執拗な攻撃

 通話を切ろうとする空気が伝わって来たが、問い合わせを続けた。

筆者: 連日の紙面を拝見しているが、中川昭一氏の辞任後にいたっても、執拗に「酩酊会見」に関する記事や、その関連記事が目立つが。明らかに度を超している報道だ。大報道と見ている。そこまで、中川氏を攻撃する理由は何か。
毎日: 一国の大臣が醜態を見せた。それを記事にしているのだが。

筆者: 一国の大臣をあつかうならば、少なくとも明暗両方を客観的に報じるべきだ。そもそも、G7会議で中川氏の職務に瑕疵はあったのか? その問いもなさずに、「酩酊会見」に関する記事を連日掲載する。その中に取材もしていない記事も目立つ。
毎日: ・・・

筆者: 過去に、酩酊状態で会見に臨んだ他国の首長もいる。その様子が世界に配信されたからといって、「辞めろ」との声は上がったのだろうか。100パーセント完璧な人間は存在しない。問うべき職務の内容を問わずして、1つの失態を、いつまで報道し続けるつもりか。
毎日: ご意見として関係者に伝える。

筆者: 御紙が今日(2月20日付)で書いている「バチカン観光」にしても同様だ。行く国々の見学、観光はどのような政治家でも通例ではないか。
毎日: ご意見として関係者に伝える。

筆者: 一連の「大報道」を個の圧殺と認識している。明らかな暴力である。中山成彬氏の事例と同じだ。御紙は「個」に対する暴力の先導役を買い、結果的に、それを利用する政治勢力を幇助していることになるが。
毎日: 幇助とは聞き捨てならない。(「幇助」に敏感に反応)

筆者: 幇助といわずして、何と謂う。
毎日: ご意見として関係者に伝える。
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 率直な感想を申し述べれば、この時の反応は、特定国の人物と話す時と同じだ。整然と問いかけても、論旨を理解しようとせず、ヒステリックに返す。好んで行っていることではないが、今後も、他紙と同様に同紙の検証を続ける。
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取材をしないで書ける特技

 以下の記事は、表題と同日付の毎日新聞(8面)の記事だ。筆者にとっては、興味深い分野の科学記事だが。


毎日新聞記事(切り抜き)2月21日夕刊(8面)
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 その内容を拝見すれば、どこかで読んだことがあった。記憶をたどれば、2月18日付の日本経済新聞(16面)に論旨を同じくする記事があった。記事を締め括る神奈川大学助手の談話も同じである。ごく単純に紙面を拝見すれば、日本経済新聞掲載の「3日後」に、若干の手を加えて膨らませた「記事」を、毎日新聞が掲載しているようにも映る。


日本経済新聞記事(切り抜き)2月18日夕刊(16面)
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 写真(想像図)がカラーになっている。こういう書き方が毎日新聞だ、と返されれば、“主張”になるのかもしれないが。通常は、情報の鮮度も新聞に問われる1つの要素だ。同記事を最新のニュースと読む購読者もおられるのかもしれない。
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■ 主な関連記事:

・朝日「バチカンの変」の闇 2009/02/21
・毎日「バチカン観光」記事に問う 2009/02/20
・朝日毎日「総理追求」の闇 2009/02/19 
・手紙・中川昭一議員殿 2009/02/18 
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【筆者記】

 小学校の壁新聞でさえ、それなりの取材をして書く。以上、どこかでご参考としていただければ幸いである。紙面記事を参照し、小考を報告する。
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 読者のみなさまにはお忙しい中、ご訪問をいただき感謝しています。ここに、小稿を新たにアップさせていただけたことを有難く思います。 拙い記事に対し、有志のみなさまより、内容を的確にフォローいただくコメント、身を案じてくださるコメント、メッセージをいただき感謝します。一日一日を大切に、みなさまと共に考え、真実を共有できればと願っています。事実を指摘する批判は「悪口」ではなく、真実を掘り出し、その共有のために不可欠です。また、真実の共有はすべての第一歩です。正論は真実から生まれ、良識の声は必ず力になる。辛抱強く支えてくださるみなさまに心より感謝します。

<了>
以下、新聞記事を時系列順に記録。

 ◇

朝日新聞
http://www.asahi.com/politics/update/0220/TKY200902200293.html
http://www.asahi.com/politics/update/0220/TKY200902200293_01.html
中川氏、バチカンでもお騒がせ 美術品に素手・警報作動
2009年2月21日3時2分

バチカン市国=AP
 【ローマ=南島信也】主要7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)での「もうろう記者会見」で引責辞任した中川昭一・前財務・金融相が、会見の約15分後にバチカン博物館を観光した際、触ることが禁じられている歴史的に貴重な美術品に素手であれこれ触るなどしていたことが、バチカン関係者の話で分かった。立ち入りが制限された場所に入ったために警報も鳴ったという。記者会見後にも失態を重ねていたことになる。

 関係者によると、中川氏は財務省の玉木林太郎国際局長や秘書官らとともに現地時間14日午後4時20分ごろから約1時間半、在バチカン日本大使館の上野景文大使らの案内で同博物館とサンピエトロ大聖堂を見学した。一行は計10人で、博物館側のイタリア人1人が案内役についた。見学は中川氏側からの要望だったという。

 同博物館は広大なため、大使館側は古代の彫刻が展示された「大燭台(しょくだい)」のギャラリー、「タペストリー」のギャラリー、「地図」のギャラリーのほか、ミケランジェロの天井画や「最後の審判」などで世界的に有名なシスティーナ礼拝堂といった主要部分だけを回る1時間の見学コースを用意した。

 到着時から中川氏の足取りはフラフラとおぼつかなく、言葉もはっきりしなかったという。案内役の説明を聞かずに歩き回ったほか、入ってはいけないエリアに足を踏み入れたり、触ってはいけない展示品を素手で複数回触ったりした。そのため警備室の警報が少なくとも1回鳴ったという。

 バチカン博物館でも特に有名な、「八角形の中庭」の「ラオコーン」像を見学した際には、観光客が近づき過ぎないようにするための高さ約30センチのさくを乗り越えて石像の台座に触るなど、非常識な行動をとったという。

 博物館には通常、午後4時までに入館しなければならないが、中川氏らが訪れたのはその後だったため、システィーナ礼拝堂以外では一般の観光客の姿はほとんどなかったという。

 中川氏は博物館見学後、サンピエトロ大聖堂を訪れた。午後6時前にホテルに戻り、午後7時半に日本に向けローマ空港を出発した。

 同大使館は朝日新聞の取材に対し、「(見学中の中川氏は)ずいぶんお疲れだなという印象を受けた」とコメントしている。

    ◇

 一連の経緯について、中川昭一氏の事務所は「体調が悪かったため、見学中に入ってはいけない区域に入ってしまって警報が鳴ったのは事実だ。関係者に迷惑をかけることになり申し訳ない」と釈明している。
毎日新聞 (※削除済み)
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090221dde041010024000c.html
中川前財務相:お騒がせ もうろう会見直後、バチカンで石像触り警報鳴る
2009年2月21日 東京夕刊

 【ローマ藤原章生】ローマで開かれた先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)で、ろれつが回らない状態で記者会見に出席し、辞任に追い込まれた中川昭一前財務・金融担当相が、会見直後に訪れたバチカン博物館で陳列品の石像に触れるなどマナーの欠ける行いをしていたことが、同行者らの証言でわかった。中川氏は博物館でも政府代表とは言い難い姿をさらしていた。

 今月14日午後4時(日本時間15日午前0時)すぎ、ローマ中心街のホテルで、眠り込みそうな表情で会見を終えた中川氏は、その足で博物館に向かった。イタリアを去る間際の2時間の「視察」で、当初から予定に組み込まれていた。

 財務省職員を伴った中川氏を現地の大使らが案内する形で、一行10人は博物館職員と共に館内を回った。午後4時の閉館時刻を過ぎていたため、一般客はいなかったという。

 その際、中川氏は館内を好きに歩き回った。触ることを禁じられている石像を2回ほど触り、一度は警報のブザーが鳴った。

 疲れていたようだが、酒臭くはなく、酔っている様子はなかったという。同行した上野景文駐バチカン大使は「天皇陛下が(礼儀正しく)視察するような形でなかった。美術が好きで触ってみたかったようだが、周囲が振り回されたり、騒ぎになるようなことはなかった」と話している。

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 ■ことば

 ◇バチカン博物館
 ローマ市内にあるバチカン市国が誇る世界屈指の美術館。歴代の法王が集めてきたコレクションが収蔵されている。ミケランジェロの壁画「最後の審判」や「楽園追放」などの天井画があるシスティーナ礼拝堂など、見学コースは全長7キロ、総面積は約4万2000平方メートルに及ぶ。

毎日新聞 2009年2月21日 東京夕刊
毎日新聞
http://mainichi.jp/photo/archive/news/2009/02/21/20090221k0000e040018000c.html
中川前財務相:バチカン博物館でマナー違反 石像触り警報
2009年2月21日

中川昭一前財務・金融担当相=藤井太郎撮影

 【ローマ藤原章生】ローマで開かれた先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)で、ろれつが回らない状態で記者会見に出席し、辞任に追い込まれた中川昭一前財務・金融担当相が、会見直後に訪れたバチカン博物館で陳列品の石像に触れるなどマナーの欠ける行いをしていたことが、同行者らの証言でわかった。中川氏は博物館でも、政府代表とは言い難い姿をさらしていた。

 今月14日午後4時(日本時間15日午前0時)すぎ、ローマ中心街のホテルで、眠り込みそうな表情で会見を終えた中川氏は、その足で博物館に向かった。イタリアを去る間際の2時間の「視察」で、当初から予定に組み込まれていた。

 財務省職員を伴った中川氏を現地の大使らが案内する形で、一行10人は博物館職員と共に館内を回った。午後4時の閉館時刻を30分ほど過ぎていたため、一般客はいなかったという。

 その際、中川氏は館内を好きに歩き回った。触ることを禁じられている石像を2回ほど触り、一度は警報のブザーが鳴った。

 疲れていたようだが、酒臭くはなく、酔っている様子はなかったという。同行した上野景文駐バチカン大使は「確かに、天皇陛下が(礼儀正しく)視察するような形でなかった。美術が好きで触ってみたかったようだが、周囲が振り回されたり、騒ぎになるようなことはなかった」と話している。

 【ことば】バチカン博物館 ローマ市内にあるバチカン市国が誇る世界屈指の美術館。歴代の教皇が集めてきたコレクションが収蔵されている。ミケランジェロの壁画「最後の審判」や「楽園追放」などの天井画があるシスティーナ礼拝堂など、見学コースは全長7キロ、総面積は約4万2000平方メートルに及ぶ。

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毎日新聞 2009年2月21日 10時44分(最終更新 2月21日 13時05分)
日本経済新聞
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20090222STXKG003221022009.html
中川前財務相、バチカン博物館で警報鳴らす 柵越え美術品触る
2009年2月21日

 【ベオグラード21日共同】辞任した中川昭一前財務相が、失態を演じた14日の先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)での記者会見後に見学したバチカン博物館で、美術品の周囲に設けられた柵を乗り越えたり、触ることが禁止された美術品を素手で触ったりしていたことが20日、ローマ法王庁(バチカン)関係者の話で分かった。
 中川氏は会見後の14日午後、財務省幹部やバチカン博物館の職員らと約1時間半、館内を見学。その際、大蛇に襲われるギリシャ神話の登場人物をかたどった有名なラオコオン像の前で柵を越え、警報が作動した。さらに、触れてはいけない美術品にも1、2回触ったという。
 しかし、いずれの場合も博物館職員は問題行為ととらえず、制止しなかった。また、バチカン側も今後、中川氏に抗議などをする考えはないという。(21日 11:33)
読売新聞 (※削除済み)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090221-OYT1T00338.htm
あきれた中川さん、バチカン奇行…博物館でタッチ、警報鳴る
2009年2月21日

 【ローマ=松浦一樹】ローマで開かれた先進7か国財務相・中央銀行総裁会議(G7)終了後の記者会見で失態を演じ、辞任した中川昭一前財務・金融相が記者会見直後に観光で訪れたバチカン博物館で、貴重な展示品を手で触るなどの非常識な行動をしていたことが20日わかった。

 関係者によると、中川氏は14日夕、財務省幹部や上野景文・駐バチカン大使、安藤裕康・駐イタリア大使らとともにミケランジェロの彫刻「ピエタ」などで有名なバチカン博物館を約2時間、バチカン関係者の案内で見学した。その間、複数の展示品に手で触り、ある彫刻作品を見ていた際には後方にふらふら回って近づき過ぎ、警報機が鳴ったという。

 同行者の一人は、見学中の中川氏が「くたびれた様子だった」といい、別の同行者は「あまり静かな訪問でなかった」と認める。上野大使は「それほど問題はなかったと思う」と語り、案内役のバチカン関係者も「抗議が必要なほどではなかった」と話している。

 バチカン博物館は、ローマ法王庁が管理する各種美術展示施設の総称で、コンクラーベ(法王選挙)の会場として知られるシスティーナ礼拝堂、サンピエトロ大聖堂などが含まれる。日本人観光客に人気で、法王庁は国外から訪れる要人のために、特別の見学コースを用意することもある。

(2009年2月21日14時38分 読売新聞)
毎日新聞 (※削除済み)
http://124.83.183.242/select/opinion/watching/news/20090222ddm004070026000c.html
(キャッシュ)
http://72.14.235.132/search?q=cache:6uuMLJwFP80J:124.83.183.242/select/opinion/watching/news/20090222ddm004070026000c.html
社説ウオッチング:中川財務相辞任 当初は反応に濃淡
2009年2月22日 東京朝刊

 ◇「政権末期の症状」−−毎日
 ◇「態勢立て直し急務」−−読売
 経済の底が抜けそうな中で、政治が緩んでいる。麻生太郎首相の盟友で、経済対策の要でもある中川昭一財務・金融担当相がローマで先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)の記者会見にもうろうとした状態でのぞみ、辞任に追い込まれた。思想・政策上の失言や疑惑ではなく、「醜態」ゆえの閣僚の引責は極めて異例である。この異様さを各紙はどう論じたか、推移を点検した。

 ◇5紙「辞任は当然」
 ろれつの回らぬ記者会見から3日後の17日夜、中川氏は辞表を提出した。翌18日朝刊、各紙はそろって社説で取り上げた。毎日、朝日、日経、産経、東京5紙は「当然」「当たり前」と辞任を受け止め、読売は「国内外に批判と混乱を招いた以上、辞任はやむを得まい」と評した。

 ただ、各紙の取り上げ方や反応には当初、違いもあった。会見(現地時間14日午後)の模様が日本では15日に報道され、ネットを通じて広がり海外メディアも取り上げ始めたが、翌16日朝刊の社説で指摘した主要紙は毎日だけだった。他紙の多くは社説で、G7会合の評価に内容を集中したためだ。

 毎日もやはりG7会合がこの日の社説の主題だったが、その中で中川氏について「危機下のG7後に開かれた会見とは思えない緊張感を欠いた様子が報じられた。世界第2の経済大国代表として貢献しなければいけない日本の財務相の姿とは言い難いものだった」と指摘した。経済危機にあたり日本がメッセージを発すべき場であの有り様では、理由のいかんを問わず問題化は避けられないと判断したためである。

 中川氏帰国後の16日、ショッキングなまでにもうろうとした様子がテレビなどで一層克明に、繰り返し報道された。中川氏は国民に陳謝し、当日、酒は口に含んだが失態はかぜ薬を多く飲んだためと説明。野党は中川氏の罷免を要求したが、首相は続投を指示した。

 翌17日朝刊、各紙社説の取り上げにはやはり濃淡があった。単独のテーマとして取り上げたのは毎日、朝日、東京の3紙だ。

 毎日は「醜態の責任は免れない」との見出しで「財務相の不審な言動は各国で報道された。まさに国益を損なうお粗末さだ」と批判、首相にけじめをつけるよう促した。朝日は「この大臣で大丈夫なのか」、東京は「国をおとしめる醜態だ」と題し、中川氏が職務を続けることに疑問を投げかけた。

 一方、日経、産経はマイナス経済成長を取り上げた社説の結びで中川氏の会見問題にふれ、それぞれ「失態」「極めて残念だ」などの表現で批判した。これに対し、読売は17日付社説でも言及しなかった。

 国内外の批判や野党の攻勢の中、中川氏は17日昼に記者会見を行い、09年度予算案や関連法案の衆院通過後に辞任する意向を表明した。しかし、「条件つき」の辞任に野党はむしろ反発し、参院での中川氏への問責決議案提出に踏み切った。与党にも即時辞任やむなしとの意見が広がり、中川氏は一転、辞表提出に追い込まれた。

 中川氏の「酒好き」は政界で有名だった。ただ、もうろうとした状態がかぜ薬のためか、飲酒の影響かは、いまだ判然としない。ローマの「もうろう会見」の場で、中川氏に飲酒の有無をただす質問は無かった。「醜態」をどうとらえるかなどで社説も、重視度や反応に違いが出たと思われる。

<続く>
 ◇「政治は結果責任」−−朝日
 それでも、各紙が18日朝刊社説でほぼそろって辞任は当然との見解を示したのは、酩酊(めいてい)と取られても仕方ない状態で海外で会見にのぞんだ責任を重くみたためだ。朝日は「世界第2の経済大国の財務相の異様な姿は世界に報じられ、懸念とからかいの対象となった。政治は結果責任だ」と評し、産経も「風邪薬の飲みすぎが原因だと説明したが、国際会議出席に際して失態を演じ、それを世界に発信してしまった事実は変わらない」と突き放した。

 同様に深刻なのは、当初は中川氏の続投、さらには条件付き辞任で収拾可能と見誤り、傷口を広げてしまった麻生内閣の危機意識の希薄さだろう。中川氏の財務・金融相への起用は首相による「お友達人事」と目されている。収拾に動かなかった首相の対応を毎日は「それにしてもお粗末だったのは麻生首相の対応だ。なぜ深刻さに気付かないのか」と任命責任と併せて批判。手をこまねいていた自民党の様子も併せ「やはり政権末期の症状だ」と指摘した。

 「麻生政権の命脈は尽きつつあるのではないか」(朝日)、「迷走を続ける麻生政権の現状は憂慮に堪えない」(日経)、「政権全体に危機意識が欠落していると指摘せざるを得ない」(産経)など、各紙とも政権の統治能力に疑問を示す論調が強まった。読売は「異常な事態」としつつ、「予算案などの早期成立に向け、態勢の立て直しが急務だ」と説き、重要案件の成立に麻生政権が全力を注ぐよう求めた。予算案や定額給付金の関連法案審議の急場を控え、首相にはあまりに痛い右腕の失脚だった。【論説委員・人羅格】

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毎日新聞 2009年2月22日 東京朝刊

<了>
この記事は朝日の財務省擁護記事と見るべきではないか。
財務省はアジア開発銀行の理事や局長に財務(元大蔵)官僚を大量に「天下り」させており、現八代目総裁の黒田東彦氏も元財務省キャリアの国際金融畑の官僚出身。

そのアジア開発銀行は、世界中が中国融資を中止または減少させる中、その流れに逆らって中国向け融資を増加させている世界で唯一の国際援助機関であり、アメリカを中心に強硬な廃止論が存在している。現実に、アジア開発銀行の中国融資にアメリカが反対し、驚くべきことに日中が協力に連携し、その反対を押し切って融資を決定したという事例が存在する。

この問題については『終わらない対中援助 かくて国益は損なわれる』(青木 直人著 古森 義久著 PHP研究所 税込 \1,470)に詳しい。と言うよりも、唯一の解説書。拉致問題解決のためにも、一人でも多くの日本人に読んでほしい本です。

 ◇

朝日新聞
http://www.asahi.com/politics/update/0223/TKY200902230299.html
バチカンご乱行・中川氏に、財務省「距離置いていた」
2009年2月23日19時58分

 イタリアでの主要7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)での「もうろう記者会見」で引責辞任した中川昭一・前財務・金融相が、会見後に観光したバチカン博物館で展示品に素手で触った問題で、財務省の杉本和行事務次官は23日の記者会見で、同行した玉木林太郎国際局長について「大臣から距離を置いており、行動のいちいちを必ずしも把握する状況になかった」と釈明した。

 「視察」は中川氏の希望で14日夕方の帰国前の空き時間に行われ、玉木局長のほか現地大使や秘書官らが同行。関係者によると、中川氏はふらふらした状態で、貴重な美術品に触ったり、立ち入り制限区域に入ったりして、警備用の警報が鳴ることもあった。

 杉本次官は「視察自体が財務省の業務かと言われれば、なかなか難しい」と述べ、バチカン訪問は公務外との認識を示した。幹部が同行した理由を「大臣に緊急に連絡することが必要になることも考えた」と説明。財務省の職員の責任については「非常に残念」と述べるにとどめた。
毎日新聞
http://mainichi.jp/photo/archive/news/2009/02/23/20090224k0000m010092000c.html
中川氏バチカン問題:「行動を逐一把握せず」財務次官釈明
2009年2月23日 21時58分(最終更新 2月23日 23時02分)

財務省の杉本和行事務次官
 中川昭一前財務・金融担当相が失態を演じた先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)の会見後、バチカン博物館で立ち入り禁止区域に入るなど非常識な行動をしていたことに関し、財務省の杉本和行事務次官は23日の会見で「緊急連絡に備え国際局長が同行したが、中川氏の行動を逐一把握する状況になかった」と釈明した。

 「財務省は中川氏を制止できなかったのか」との批判について、杉本次官は「さまざまな指摘を受けていることは承知しており、非常に残念」と述べた。ただ、バチカン博物館でのトラブルは「中川氏の希望で公務終了後に組まれた視察で、財務省の業務かと問われればなかなか難しい」と指摘、中川氏の私的な行動を役所が管理するのは困難だったとの見方を示した。【赤間清広】

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毎日新聞 2009年2月23日 21時58分(最終更新 2月23日 23時02分)
しかし、自国の財務大臣は守らないのに、なぜ財務官僚は擁護するのでしょうか。

 ◇

読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090223-OYT1T00900.htm?ref=kizasi
財務次官「大臣行動いちいち把握せず」…バチカン問題釈明
2009年2月23日21時36分

激震・麻生政権

 財務省の杉本和行次官は23日の記者会見で、辞任した中川前財務・金融相がバチカン博物館を視察した際、触れることを禁じられている展示品を素手で触るなどした問題について「(同行した財務省職員は)大臣のグループから時に距離を置いていて、大臣の行動のいちいちを把握する状況でなかった」と釈明した。


 杉本次官によると、視察には玉木林太郎国際局長が緊急連絡などに備えて同行したが、駐バチカン大使らが前財務相を案内していたため、距離を置いていた。バチカン視察が公務にあたるかどうかについては「視察が財務省の業務かといえば、なかなか難しい」と述べる一方で、「大臣は24時間大臣であり、行動する時は大臣という形で物事が進むことは当然あった」とも語り、明確な回答を避けた。

(2009年2月23日21時36分 読売新聞)
4/13現在、麻生総理の言い間違えが誤報であったという話題が騒がれています。

  【日本】麻生首相「弥栄」を「いやさかえ」誤報 TBS社員謝罪せず
  http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=41643970&comm_id=3344585

その誤報は共同通信から出たものを各社がコピペして報じたものらしい。
どうも共同通信が諸悪の根源ではないかという疑問を感じます。

 ◇

産経新聞
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/090224/erp0902240910000-n1.htm
バチカン警備員が中川氏柵越えに注意 博物館見学で
2009.2.24 09:09

このニュースのトピックス:不祥事

 辞任した中川昭一前財務相が14日のバチカン博物館見学の際に美術品の周囲に設けられた柵を乗り越えた問題で、博物館の警備担当者が駆け付け一行に注意していたことが23日、関係者の話で分かった。
 一行は財務省の玉木林太郎国際局長、秘書官、上野景文駐バチカン大使、博物館側のガイドらで、中川氏の求めに応じ見学中、写真撮影も行った。財務省の杉本和行事務次官は23日、同行した同省幹部らが「(中川氏の)行動をいちいち把握する状況になかった」との認識を示していた。
 中川氏は大蛇に襲われるギリシャ神話の人物をかたどったラオコオン像の前で柵を越え、警備室の警報が作動。警備担当者が一行の中のガイドに注意した。柵を越えた中川氏は中で座り込むようなことはなかった。
 見学は、中川氏が失態を演じた先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)での記者会見後に行われた。(共同)

 ◇

参考(共同の記事を産経が報じたものと思われます)
 ↓
産経新聞
(削除済み)
http://sankei.jp.msn.com/culture/imperial/090410/imp0904101259013-n1.htm
(キャッシュ)
http://72.14.235.132/search?q=cache:yzNz6b1TLRoJ:sankei.jp.msn.com/culture/imperial/090410/imp0904101259013-n1.htm
麻生首相「弥栄」を「いやさかえ」と言い間違え 両陛下の祝賀行事
2009.4.10 12:54
このニュースのトピックス:皇室

またやっちゃった?麻生首相=10日午前、国会(酒巻俊介撮影)
 麻生太郎首相は、10日午前に皇居・宮殿で行われた天皇、皇后両陛下のご結婚50年を祝う祝賀行事で述べた祝辞で、「弥栄(いやさか)」(いよいよ栄えること)と言うべき部分を、「いやさかえ」と言い間違えた。
 麻生首相は、衆参両院議長や最高裁長官、各閣僚らとともに宮殿「松の間」で行われた祝賀行事に出席。首相は出席者を代表し、両陛下の前で祝辞を述べたが、「両陛下の益々のご健勝と皇室のいやさかえを心から祈念し…」と発言した。文脈上、ここは「いやさか」というべきだが、「いやさかえ」と言い間違えた。
少々時間が前後しましたが。

 ◇

毎日新聞 (※削除済み)
mainichi.jp/select/seiji/news/20090227ddm041010009000c.html
中川前財務相:G7出張のチャーター機、4100万円 庶民もうろう
2009年3月21日11時4分

 ◇定期便なら往復94万円
 「もうろう会見」で引責辞任した中川昭一前財務・金融担当相が先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)出席のためローマに出張した際、民間のチャーター機を使用し、その料金が4100万円だったことが26日分かった。衆院予算委員会で川内博史氏(民主)の質問に財務省が明らかにした。

 財務省によるとローマに中川氏を含め20人が赴き、総費用は6000万円。チャーター機以外は、定期便を利用した職員の飛行機代と20人分の宿泊費1300万円など。11人を派遣した日銀は1300万円で、飛行機代は900万円だった。中川氏のほか警護官、政務秘書官、財務省職員3人の計6人が搭乗した。

 予算委で与謝野馨財務・金融・経済財政担当相は「予算審議中は国会に出る時間を最大限に確保すべきだと考えている。審議に支障がないようぎりぎりまで見極め、国際会合に遅滞なく出席できる日程とする必要があり、やむを得ない措置だった」と答弁した。

 ただ川内氏は、中川氏が成田空港から出発した時刻(13日正午)の2時間後に、イタリアの航空会社のローマ直行便があったと指摘した。同社ホームページによると、ローマへの料金は最も高いビジネスクラスで1人往復約94万円。

 財務省によると、04、06、07年にG7出席のため、3000万〜4300万円かけチャーター機を使用した。【野口武則】
毎日新聞
http://mainichi.jp/photo/archive/news/2009/02/28/20090301k0000m010081000c.html
中川前財務相:もうろう会見を地元で謝罪 議員辞職は否定
2009年2月28日 22時00分(最終更新 2月28日 22時43分)

辞任後、報道陣の前に初めて姿を現し、一連の騒動について改めて謝罪する中川昭一前財務・金融担当相=十勝管内音更町の「十勝川温泉第一ホテル」で2009年2月28日、田中裕之撮影

 先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)後の「もうろう会見」で引責辞任した中川昭一前財務・金融担当相が28日、十勝管内音更町で地元後援会の総会に出席し、改めて陳謝した。総会後、記者会見した中川氏は「『しっかり反省をしてやれ』という意見を頂いた。信頼回復には時間がかかると思うが、やるべきことをやっていく」と話し、議員辞職の考えは否定した。

 中川氏は17日の辞任表明後、体調不良を理由に東京都内の病院に入院したとしてこれまで公の場に姿を現さず、27日の09年度予算案の衆院本会議採決は医師の許可が出なかったとして欠席した。中川氏は現在の健康状態について「特に悪いところはないが、腰の方はすぐ治るものではない。毎日リハビリしている」と説明した。

 総会は非公開で行われ約300人が出席。出席者によると、中川氏は一連の騒動について涙を流して謝罪した後、一人一人と握手し支持を求めた。ある出席者は「(後援会など)身内はともかく、一般有権者に理解してもらえるかは疑問。一度議員辞職した方が格好が付くかもしれないが、世論の厳しさを本人が自覚しているかどうか」と漏らした。【田中裕之】

毎日新聞 2009年2月28日 22時00分(最終更新 2月28日 22時43分)
またも共同の記事です。

 ◇

産経新聞
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090221/stt0902210856004-n1.htm
中川前財務相、柵越えて美術品触る 会見後のバチカン博物館
2009.2.21 08:55

辞任の記者会見する中川財務相=17日午後7時24分、財務省

 辞任した中川昭一前財務相が、失態を演じた14日の先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)での記者会見後に見学したバチカン博物館で、美術品の周囲に設けられた柵を乗り越えたり、触ることが禁止された美術品を素手で触ったりしていたことが20日、ローマ法王庁(バチカン)関係者の話で分かった。
 中川氏は会見後の14日午後、財務省幹部やバチカン博物館の職員らと約1時間半、館内を見学。その際、大蛇に襲われるギリシャ神話の登場人物をかたどった有名なラオコオン像の前で柵を越え、警報が作動した。ただ、博物館職員は問題行為とはとらえず、制止しなかった。バチカン側も中川氏に抗議などをする考えはないという。(共同)
朝日新聞
http://www.asahi.com/politics/update/0314/TKY200903140053.html
中川前財務相「警報鳴ってない」 バチカン報道に反論
2009年3月14日11時7分

 自民党の中川昭一前財務相は14日放映の朝日ニュースターの番組で、イタリアでの「もうろう会見」後に観光したバチカン博物館で立ち入り制限区域に入ったことなどを伝えた報道について「全く警報も鳴っていないし、私に対しての注意もなければ、お酒のにおいなんか全くしていない」と反論した。

 中川氏は「念願のバチカン美術館に1時間半ぐらいお邪魔をし、つつがなく終わったと思っていた」と説明。帰国後、バチカン関係者に確認したとして、中川氏は「バチカンの方が、答えたことと全然違う報道になっていると当惑している。直接電話でも何回も話したし、正式にお手紙もいただいている」と語った。

 一方、もうろう会見については「政府・与党に迷惑をかけたという気持ちは、どういう誤報や意図的報道があろうと責任は感じている」と釈明した。
毎日新聞(2/21の記事を、3/14にアーカイブに移動)
http://mainichi.jp/photo/archive/news/2009/02/21/20090221k0000e040018000c.html
中川前財務相:バチカン博物館でマナー違反 石像触り警報

中川昭一前財務・金融担当相=藤井太郎撮影

 【ローマ藤原章生】ローマで開かれた先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)で、ろれつが回らない状態で記者会見に出席し、辞任に追い込まれた中川昭一前財務・金融担当相が、会見直後に訪れたバチカン博物館で陳列品の石像に触れるなどマナーの欠ける行いをしていたことが、同行者らの証言でわかった。中川氏は博物館でも、政府代表とは言い難い姿をさらしていた。

 今月14日午後4時(日本時間15日午前0時)すぎ、ローマ中心街のホテルで、眠り込みそうな表情で会見を終えた中川氏は、その足で博物館に向かった。イタリアを去る間際の2時間の「視察」で、当初から予定に組み込まれていた。

 財務省職員を伴った中川氏を現地の大使らが案内する形で、一行10人は博物館職員と共に館内を回った。午後4時の閉館時刻を30分ほど過ぎていたため、一般客はいなかったという。

 その際、中川氏は館内を好きに歩き回った。触ることを禁じられている石像を2回ほど触り、一度は警報のブザーが鳴った。

 疲れていたようだが、酒臭くはなく、酔っている様子はなかったという。同行した上野景文駐バチカン大使は「確かに、天皇陛下が(礼儀正しく)視察するような形でなかった。美術が好きで触ってみたかったようだが、周囲が振り回されたり、騒ぎになるようなことはなかった」と話している。

 【ことば】バチカン博物館 ローマ市内にあるバチカン市国が誇る世界屈指の美術館。歴代の教皇が集めてきたコレクションが収蔵されている。ミケランジェロの壁画「最後の審判」や「楽園追放」などの天井画があるシスティーナ礼拝堂など、見学コースは全長7キロ、総面積は約4万2000平方メートルに及ぶ。

毎日新聞 2009年2月21日 10時44分(最終更新 2月21日 13時05分)
私の推測が正しければ、中川昭一氏はウソを言っていません。
朝日新聞が報じた通り、警報は警備室で鳴ったのであって、館内では鳴らなかったため中川氏ら及び随行者はそれを聞かなかった。
また、中川氏らのそばにいた警備員はイタリア人ガイド(女性)に注意したのであり、中川氏はすぐに戻ったため注意されていない。

また、以下の日経新聞の「事実関係を否定した。」は、誤解を生じる良くない表現。
中川氏が否定したのは、「和田誠神父ら当事者の証言を無視した報道」です。

 ◇

日本経済新聞
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20090314AT3S1400L14032009.html
2009年3月14日 10:38

中川前財務相、バチカン騒動を否定 警報機報道「事実と違う」

 自民党の中川昭一前財務相は14日午前に放送されたCS番組で、ローマで開かれた7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議後に訪問したバチカン博物館で、柵を乗り越え警報機を鳴らしたなどとされる問題について「非常に事実と違う」と語り、事実関係を否定した。中川氏は「(博物館を)案内してもらい、つつがなく終わったと思っていたらあの報道。(バチカン側も)全く警報機も鳴っていないし、私に注意もしていないとお怒りになっている」と述べた。(14日 10:38)
産経新聞
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090314/stt0903141119001-n1.htm
「バチカンで警報機鳴らしてない」 中川前財務相が反論
2009.3.14 11:13

このニュースのトピックス:自民党

中川昭一前財務相

 自民党の中川昭一前財務相は14日朝の民放CS放送番組で、ローマでの先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)での「もうろう会見」後に視察したバチカン博物館で、立ち入り禁止区域に入って警報機を鳴らすなどの失態をしたとの報道について「警報器も鳴っていないし、私に対する注意もなかった。同行した神父さんから、お酒のにおいはしていなかったと手紙をもらっている」と述べ、一部は誤りと主張した。
 中川氏は「もうろう会見」については「途中まではきちんとした対応をしたと記憶するが、記者とのやりとりが同席した白川方明日銀総裁に移る中で緊張感の糸が切れ、文字通りもうろうとしてしまった」と釈明。さらに「政府・与党に迷惑をかけた。誤報や意図的報道があっても責任は感じている」と述べた。
以下の読売新聞の
>「少し美術品に接近しすぎたということはあったと、バチカン大使館から聞いている」(杉本和行次官の2月23日の記者会見)
という記述は巧妙であると思われます。

中川氏がロープを超えてラオコーン像に近づいたのは、和田神父の証言からも明らかですから。
しかし、杉本和行次官の証言は使い、現場にいた和田神父の証言を無視しているのはどうしてでしょうか。

同じく現場にいたということは、どちらの証言も一次ソースとして等価であるはずです。
(杉本和行次官が同行していたことが前提ですが)

むしろ、中川氏だけでなく、現地の博物館スタッフやイタリア人ガイド(女性)と言葉を交わしている和田神父の証言の方が、どちらかと言えば重要であるはずです。

第一、和田神父に聞けば「バチカンが抗議をするかどうか」は当然のこととして、「そもそもバチカン側は今回の中川氏の見学で問題があったと感じているのかどうか」も簡単に確認できます。

 ◇

読売新聞 (※削除済み)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090314-OYT1T00787.htm
「美術品触れてない」中川氏、バチカン視察報道に反論
2009.3.14

 中川昭一前財務・金融相は14日放送のCS放送朝日ニュースターの番組で、2月にバチカン市国のバチカン博物館を視察した際、展示品に触れたとされる問題に関し、「報道は事実と違う。警報機も鳴っていないし、私に対しての注意もなかった」と反論した。

 この問題では、視察に同行した財務省側が「少し美術品に接近しすぎたということはあったと、バチカン大使館から聞いている」(杉本和行次官の2月23日の記者会見)と説明している。

(2009年3月14日19時33分 読売新聞)
朝日をはじめとする報道機関は、取材を通じて「警報機が鳴った」事実を把握していたと思われます。
朝日は記事タイトルなどで「警報機が鳴ったかどうか」を強調しています。

要するに、以下のような意図があった可能性があります

「警備室で鳴った事実を、館内にいた中川氏は知らない」
 ↓
「案の定、日本に帰国した中川氏は警報は鳴っていないと言い出した」
(正確には中川氏には「館内ではならなかったので、聞こえなかった」)
 ↓
「ネットも中川氏の意見に同調し始めた」
 ↓
「警備室で鳴ったという部分をぼかせば、中川氏もネットもウソツキにできる」
 ↓
「この点を追及して、中川陣営がバチカンに確認すれば、警報が鳴っていたという返事が返ってくるに決まっている。なぜなら、警備室では鳴ったのだから。だからマスコミはウソは言っていない」
 ↓
「中川陣営は落胆し、中川氏の発言力や信頼は落ち、ネットは失望して慎重論が敷衍して行動を自主的にセーブさせるようになるだろう。すなわち、マスコミへの抵抗勢力を弱体化できる」
 ↓
「したがって、中川氏の全ての行動は確認できていないという見解を貫く」
「当たり障りのない証言は掲載しても検証はせず、都合の悪い証言は無視する」
「中川氏の警報は鳴っていなかったという発言をことさらに大きく取り上げ続ける」
「その間に政治家を使って質問主意書を出し続けさせ、政府にバチカンに警報が鳴ったかどうか確認せざるを得ないように仕向ける」
「当然バチカンからは警報が鳴ったという返事が返ってくるから、そのタイミングで中川氏がウソをついていたかのように、一斉に報道する」
「中川陣営は落胆、ネットもマスコミを攻撃しにくくなる」
 ↓
「ただし、あとで事実を検証されたときの保険に、警報が聞こえ無かった人もいるかもしれない、と但し書きを付け加えておくのが、より安全である」

 ◇

朝日新聞
http://www.asahi.com/politics/update/0407/TKY200904070134.html
バチカンの警報機、やっぱり鳴っていた 政府が答弁書
2009年4月7日11時56分

 政府は7日、中川昭一前財務相がイタリアでの「もうろう記者会見」後にバチカン博物館を観光し、立ち入り制限の場所に入ったために警報が鳴ったとの報道について、「バチカン博物館に事実関係を確認したところ、『警報機は鳴った』旨の説明を得た」との答弁書を閣議決定した。中川氏はテレビ番組で「全く警報は鳴っていない」としていた。答弁書では、バチカン博物館の説明として、「警報機は鳴ったが、その音量は警備関係者に認識させるもので全館に響くほど大きくなく、警報機の音に気づいた人もいれば気づかなかった人もいたであろう」としている。
上記の朝日の記事と構成が同じです。
ネタ元が同じなのでしょう。

そして、「音量は警備関係者に認識させるためのもので」という記述があります。
バチカンの返答にはもっとはっきりと、「警備室で」と書いてあったのではないでしょうか。
政府は、バチカンの返答の原文を公表し、随行した官僚と和田神父にその内容を確認し、博物館へのインタビューで補足するべきでしょう。

 ◇

産経新聞
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090407/stt0904071159002-n1.htm
バチカンの警報「鳴った」 中川氏“失態”で答弁書
2009.4.7 11:59

このニュースのトピックス:国会

 政府は7日の閣議で中川昭一前財務相がローマでの「もうろう会見」後、バチカン博物館で警報を鳴らす失態を演じたとの報道について「博物館に確認したところ『警報は鳴った』との説明を得た」とする答弁書を決定した。鈴木宗男衆院議員の質問主意書に対する答弁。
 答弁書によると「音量は警備関係者に認識させるためのもので全館に響くほど大きくなく、気付いた人もいれば気付かない人もいるだろう」と説明した。
まず、タイトルで中川氏が警報音「大きくなかった」と発言したかのように誘導しているのは悪質です。
中川氏の見解は「聞こえなかった」のはずです。
そして、相変わらずロープではなく「柵」という言葉を使い、いかにも乗り越えてはいけないところに無理やり侵入したという点を少しでも強調しようとしているように感じます。

もっとも、日経も毎日と同じく現地取材をしていない可能性が非常に高いので、ロープであること自体を知らない可能性もあるかと思います。

 ◇

日本経済新聞
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20090407AT3S0701H07042009.html
バチカン博物館の警報音「大きくなかった」 中川前財務相

 政府は7日、自民党の中川昭一前財務相がローマでの7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議後に訪れたバチカン博物館で、柵を乗り越え警報機を鳴らしたなどとされる問題についての政府見解をまとめた。「警報機は鳴ったが、音量は全館に響くほど大きくなかった」と指摘。「音に気づいた人もいれば、気づかなかった人もいたであろう」とした。7日閣議決定した鈴木宗男氏の質問主意書への答弁書で示した。(01:38)
読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090408-OYT1T00013.htm?from=navr
やっぱり鳴っていたバチカン博物館の警報機…政府が答弁書
2009年4月8日00時08分


 政府は7日の閣議で決定した答弁書で、中川昭一前財務・金融相が2月にバチカン市国のバチカン博物館を視察した際、立ち入り禁止区域に入り、同博物館の警報機が鳴っていたことを明らかにした。


 答弁書では、同博物館に確認し、「警報機は鳴ったが、その音量は全館に響くほど大きくなく、気づいた人も気づかなかった人もいただろう」とした。中川氏は3月、CS放送の番組で「警報機も鳴っていないし、注意もなかった」と述べていた。鈴木宗男衆院議員(新党大地)の質問主意書に答えた。

(2009年4月8日00時08分 読売新聞)

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