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パンダ編集社コミュのelement foce〈1〉

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水の国の姫

此処は、水の国マリナーン―
この世界、モーフィリアにある四つの国において、一、二、を争う国土が大きく水と緑の豊かな国
そして、中心に聳える大きな城はログストル城。この国を統治するログストル王家の城だ。この国は、ログストル家が散り散りに領土を治めており、国全体を支えている。

 「アクア様、朝でございます」
 侍女が、部屋に入るなり、少女を起こす。
 「おはよう…」
 眠い目を擦って天蓋つきのベッドから起きる少女。水のようにしなやかな髪、マリンブルーの瞳、あどけない少女の顔立ち―
彼女の名前は、アクアシス=ログストル。この国の王であるアグーノ=ログストルの娘であり、一国の姫君。訳あって、警備部に所属しており、父の護衛を生業としている。
 「アクア様、国王様がお呼びですので、お早めにお支度していただかないと」
 「わかったわ、直ぐに参りますとお父様に伝えて貰えるかしら?」
 「かしこまりました」
 侍女は、頭を下げ部屋を後にした。
 少女がベッドから出て、寝衣を脱いで正装服を着ようとしたその時―
 「アクア。おはよう、今日も元気にしているかい?」
 振り向くと、少女の前には、高い位置でひとつに結った蒼い長い髪は川のようにしなやかに流れ、深海のようなディープブルーの瞳、凛々しい眉、純白のストールを首に巻き肩出しの上着に下は布腰に巻いて短いズボンが見え隠れし、かなりの美形の男がベッドに腰掛けてこっちに手を振っている。身に着けている装飾品には高価な宝石があしらえている。高貴な立場なのだろう。
しかし、この男、一体どこから…?
 「兄様!」
 今は着替えの最中、片方の腕で慌てて胸元を隠し、パンツ一枚のアクアはもう片方の腕で兄に向かって側にあった枕を投げつけた。
 ところが、枕は男の身体をすり抜けてしまった。
 一体、どういうことなのだろうか?
 「ムカつくわ〜っ!実体がここに居ないなんてぇ!側にいたら、思いっきり殴ってやるんだから!」
 「兄に対して暴力はいけないなぁ」
 「私を心配して、精神通信で会いにくるのはいいんだけど、もう少し状況考えなさいよ!もうっ」
 毎日のように連絡してくる兄に対して、少女は軽く無視をしながら途中だった着替えを再会させ、上は襟元に5枚の花のようなエンブレムの入った白の詰め襟をはおり、下には同じ色のプリーツミニスカートを履き、そこから長く伸びた足にはアメジストをあしらえた白いブーツと着替えをすませながら、少しうんざり気味でため息交じりの返答を返した。
 上着の襟元には、『N/C/G』と刺繍してある。
『N/C/G(属性管理機構)』(通称エヌ・シー・ジー)とは(nature(ネイチャー) attribute(アトリビュート・) control(コントロール・) mechanism(メカニズム) at(・) guardian(ガーディアン)の略)、生まれ持って魔力に長けた者を能力者(ガーディアン)と呼ばれるそれらが属する機関である。
この、兄様と呼ばれている男、ティアス=ログストルはこの少女の兄であり、この国の王子、彼女の所属する『N/C/G』の国王議会の議員でもある為、この水の国には居らず、向かいの国に当たる土の国の『N/C/G』本部に身を置いている。
 容姿端麗、頭脳明晰、秀麗優美と三拍子の揃って言うこと無し。当代随一の魔力を持つティアスは、群を凌駕するほどのピカイチ、学生時代は首席でスピード卒業をし、現在王となる修行の為、この役職で国の状況を勉強している。
 精神通信とは、テレパシーの一種であり『N/C/G』の運営する魔法学校を卒業していれば誰でも使える基本魔術。普通は相手と交信が出来れば一人前だが、ティアスはそれ以上の実像をビジョンとして精神通信に乗せることが出来るのだ。
「こちらの国にいる五つ子が妙な神託を受けたんだ!」
 「妙な?」
 
 ―― 黒き雫 清き水を濁さん ――
 
 「黒き雫?何ですの?」
 「分からない…。しかし、アクアのいる水の国に何かあるのではないかと…我々議員の推測ではあるが…」
 「兄様、安心してください。今の所は、何も無いようですが?」
 「そうか、兄は安心したぞ。五つ子のお告げは…ないのだな」
 !
 ほんの一瞬であった。何かがティアスの精神通信にノイズが走った。
 次の瞬間、ティアスの姿が漆黒のローブを深く被った者に変わり、アクアに話しかけた。
 「この国に眠りし『龍』を私は求めている…
               私の半身を奪った、あの、憎っき『光の龍』をなっ!」
 ローブを纏った者は消え、映像は元の兄の姿に戻ったが、とてつもない憎悪を体中に覚え、その場から身動きが取れなかった。
 「兄様!今の…?」
 「俺の通信に誰かが干渉しやがった!アクア、やはり、お告げに間違いは無さそうだ。俺はお前の側には居てやれないのが悔しい」
 「別に、兄様居なくても、私が何とかしてみせるわ!」
 「そんな事言わずに、この兄を頼ってくれよ」
 アクアは、兄を嫌いというわけではなく、勿論、ティアスの方が魔力や技術も上で手よりたいのもあったが、今回の件は自分の居る国というのと、兄が本部から席をはずせないというのも分かった上での判断なのだ
 「さぁて、今日もお仕事、お仕事!兄様も自分の持ち場に戻ったらどうです?もうそろそろ、議会の時間じゃなくて?」
 「…む、む、む〜。…仕方ない、また後で連絡する」
 兄の立体映像が消えて、一安心する妹。
 「…ふぅ、兄様にも困ったものだわ、こう毎回のように現れられては、おちおちゆっくりしていられやしない」
 アクアは、先程侍女から父王が呼んでいる事を思い出し、王の間へ向かう。
 彼女の部屋から、王の間まではそんなに距離は無かった。
 しかし、先程のこともあったせいか足取りが重く、王の間まで遠く感じた。
 「変ね、いつもと違うわ…何かしら、この嫌な感じは…」
 そんな時であった、一人の男が声をかけてきたのである。この声は、先程の兄ティアスのものではなく、違う存在。
 「よう、アクア。何元気の無いツラしてんだよ」
 この男は、アクアの幼馴染のヒース、最近親衛隊になったばかりの青年、紺碧の瞳にロングの金髪、長身の割には幼さがまだ残る容姿、新品の甲冑に勲章、高価そうな剣を腰に携えている。年齢は、十七、八というところだろうか。
 「別に、兄様がいつものように出てきてうんざりしていた所よ!」
 「そう、ティアス様をないがしろにするもんじゃないぜ」
 アクアだって分かっていた。
 幼い頃、森で迷ってしまった自分を何日も探し回ってくれた兄、その帰りにモンスターに襲われそうになった自分を、身を挺して守ってくれた事…兄が家族一心配してくれた事―
 しかし、こう毎日のように…ましてや、着替えの最中に現れられては頭に来る。
 「アクア、あんまり顔色よくないぜ…?」
 「大丈夫よ、兄様が居なくたってこの国を守るのが、私の勤めよ」
 「あんまり無理すんなよ、お姫様」
 「あんたに心配されちゃ、あたしもダメね」
 「んだと!もう、心配しねぇよ!」
 「アクア様!国王様が呼んでいらっしゃるというのに、早くいたしてくださいまし!」
 痺れを切らし、女中がアクアの前に現れ、再び催促をする。
 「すぐに行くわ…」
 「俺も、これからモーセント卿に呼ばれててよ」
 「叔父様が?何で、あんたなんかを?」
 「違ぇよ、この城の剣士を集めて何かするつもりなのは、先輩から聞いたけど」
 「叔父様、一体何を考えているのかしら?まあ、頑張ってよ」
 「あぁ、じゃあな!アクア」
 青年は、司教であるアクアの叔父の所へ向かって歩いていった。
 「あたしも急がなきゃ!」

続く…

コメント(2)

おぉ!この先が気になります!
妨害して出て来た黒い人物は、一体なにをしでかすんでしょう?!

アクア姫、警備隊に所属するだけあって勇ましいですね!
大事に想うあまり頭の上がらない、ティアス兄様が微笑ましいですほっとした顔

性格的に、私はヒースさんが気になりますぴかぴか(新しい)今後活躍されるんでしょうか?呼び出しの内容にも注目ですね!

次を楽しみにしていますほっとした顔ぴかぴか(新しい)
コメントありがとうございますぴかぴか(新しい)

今回の話は第1話の10分の1ぐらいで短くて申し訳ないくらいですあせあせ(飛び散る汗)
ティアス兄様は第1話であまり活躍がないんですが2話辺りで凄さを発揮しますぴかぴか(新しい)

ヒース君は何気にファンがつきやすいようでなんか脇役っぽくなくなりつつあります(笑)彼も、第1話後半で本領発揮しますぴかぴか(新しい)

下手くそなので読める小説か心配だったんですが
続きが読みたくなる話で良かったぴかぴか(新しい)

この文章おかしいなと思ったら、全然構わないので言って下さいねわーい(嬉しい顔)

完成するに当たるにはいろんな意見が聞いてみたいのでぴかぴか(新しい)

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