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芥川龍之介コミュの芥川龍之介の美意識

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について何か喋りたいことある?

かなり特異な其れと私は思うけど・・・

コメント(1)

というわけで、言いだしっぺとして喋りますよ。長文につき忙しい人はスルーをお勧め。

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私が初めて小説らしきものを読んだのは彼の『鼻』だったと記憶している。私が持っている唯一の文学全集と云えば筑摩書房の其れだけだ。この全集だけは今まで捨てずにきた。既に半世紀以上の「つきあい」である。

私は彼の美意識・・・其れは或る種の精神的症例を感じさせるが・・・に惹かれるし又共鳴できる。その美意識とは? 思いつくままに例を挙げよう。勿論、彼の文章である。
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不眠症
真夜中の廊下の隅に
笠の青い電燈のスタンドが一本
ひつそりと硝子戸に映ってゐる。­ーーー
いつも頭の中を見つめる度に。
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風の靡いたマッチの炎ほど不気味にも美しい青いろはない。
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火事はどこか祭礼に似てゐる。
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最も美しい石竹色は確かに蟇(ひきがえる)の舌の色である。
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わたしは或雪霽の薄暮、隣の屋根に止まってゐた、まっ青な鴉を見たことがある。
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若楓は幹に手をやつただけでも、もう梢に簇(むらが)つた芽を神経のやうに震はせてゐる。植物と言ふものの気味の悪さ!
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このテの神経症な感覚の文章は、彼の残した文章の至るところで見いだせるが、其れが彼の文学の最大の魅力と言える。少なくとも私には。

掲題に挙げた俳句は・・・これが俳句と言えるかどうかは別にして・・・彼の自殺の前に友人に残したもので「自嘲」と前書きがある。この「俳句」からして彼の精神的な病を感じさせるが、私には惹かれるものが確かにある。彼は以下のような俳句も残している。

「怪しさや夕まぐれ来る菊人形」
***
あるいは、

「凩(こがらし)や目刺に残る海の色」

「青蛙おのれもペンキ塗りたてか」

等、印象に残る俳句も残している。

しかし、私にとって芥川文学の他者には換え難い最大の魅力は、彼の文学の持つ或る種の怪異性であり、その金字塔は小説 『地獄変』 だと私は思っている。
***
鼻水や喉にも残る秋の暮
  (私)              

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