ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

全国解離性障害友の会コミュの解離性同一性障害とは?その2

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
解離性同一性障害(DID)ーその2

■交代人格
DIDの症状の中心は交代人格の存在です。交代人格は圧倒的な心的外傷体験に対する患者の防衛反応として生まれ、時と共にかなりの自律性を獲得し、自分を分離独立した存在にしようと努力します。そして、様々な交代人格が入れ替わり立ち代わり、患者の行動を支配します。しかし、どのような交代人格も一人の独立した人間ではありません。交代人格全員が一個人の構成部分なのです。平均的な人格の数は5〜10の範囲です。
 交代人格を識別する次元は、A:優位を占める感情が何か、ということと、B:観察可能な行動、です。また、交代人格によって価値観や身体イメージ、自己概念は異なります。

【交代人格の類型】
 患者は一人一人独自であるが、多重人格を作り上げている要素(受けもつ機能と保持する感情および記憶)は類型的で共通しています。

1。主人格
 任意の時期において最大時間、体を管理的に支配している人格。治療を求めてやってくる人格はたいていこの主人格である。
2。子ども人格
 全ての患者の人格システムに認められる。子どもや幼児の人格は時間が凍結されていて、早期の心的外傷体験の記憶や感情を保持する役割を担っていることが多い。
3。迫害者人格
 主人格と真っ向から対立していると考えている交代人格。患者の生活を妨害し、主人格や他の交代人格を傷つけたり殺害しようとして身体をひどく傷つけることがある。治療者に対しても軽蔑的態度をとり、積極的に治療をぶち壊そうとする事が多い。
4。自殺者人格
 ひたすら自殺することだけに心を奪われていることが多い。
5。保護者人格
 身体が周囲から過去の心的外傷を思い出させるような危険を受けていると思われるときに出現。内部の抑制システムの一端を担い、自己破壊的な交代人格に対抗している 。
6。内部の自己救済者
 身体的に活気がなく感情にも比較的乏しい交代人格であるが、内面における人格システムの活動の情報と洞察とを与えてくれる。
7。記録人格
 患者の生活史についておおむね完全な記憶をもっている。記録人格はDIDの患者には普通いるもので、過去の出来事や他の交代人格の行動についての歴史的情報を与えてくれる。
8。異性人格
 女性患者の男性人格は身体防衛や機械操作のような男性性を強調した振る舞いや行動をするのに対して、男性患者の女性人格は外部世界よりも内部システムの力動の方で活躍することが多く、表に出現することは少ない。
9。性的放縦人格
 禁じられた性衝動を示し、性的生活を送ることがある。
10。管理者人格および強迫的人格
 職場に出現して患者が生活費を稼ぐ手助けをする人格で、冷酷で、情に流されず、権威的である。。
11。薬物乱用者
 鎮静剤、睡眠剤、麻酔剤などが一般的に用いられ、刺激剤、アルコールがそれに続く。
12。自閉的人格身体障害のある人格
 自閉的人格は他の人格が身体を使う気のないときに「出される」ことが多い。患者が閉じ込められたり、押さえつけられたりするような状況で出現しやすい。
13。特殊な才能や技術を持つ人格
 自分のすることには並外れて熟練していて、ある一つの特別な能力や才能を表すためだけに存在していることがある。
14。無感覚的あるいは無痛覚的人格
 痛みの感覚を否定するもので、身体の自傷他害のときに活性化する。その起源は苦痛な身体的・性的虐待にさかのぼる。
15。模倣者および詐欺師
 模倣者は他の交代人格を模倣し、その声になる。詐欺師は治療を妨害したり、混乱させたりして、治療者を間違った方向に導くことがある。
16。悪魔と聖霊
 原理主義的宗教信者や田舎出身の患者にみられ、自分のことを悪魔や聖霊だという。善良な聖霊人格は内部の自己救済者と同様に、悪魔は迫害者人格と同様に扱われる。
17。オリジナル人格
 重大なストレスからの身体の生存を助けるために、出生直後に生まれ、最初に交代人格(の第1号)を切り離した存在。非活動的で幼少時のある時点から「眠らされている 」などの無能力状態におかれていることが多い。それはこの人格が心的外傷に対処で きなかったためである。オリジナル人格が主人格であるとは限らない

【交代人格のその他の側面】
交代人格たちはお互いのことを種々の程度に知っているが、主人格だけは普通は他の交代人格たちのことを知りません。記録人格のように、他の交代人格全てを知っているという交代人格もあれば、一部を一組として知っているという交代人格もあります。また、交代人格Aは交代人格Bの存在と行動を知っているが、交代人格Bの方は交代人格Aの存在を知らないこともよくあります。この特性は「方向性知覚」といわれ、多重人格システムには典型的です。
 交代人格の多くは自分たちが共有している身体の安全や快適さに驚くほど無頓着な態度を見せます。
 大抵の交代人格は名前を持とうとしますが、ある期間名を明かさないこともある。名前の多くは本名から派生しています。またその交代人格が内面外面で演じる役割によってつけられていることもあります。
 交代人格が最初に出現したときの患者の年齢は過去の外傷を探索するのに役に立ちます。

■人格変換
人格変換とはある交代人格が別の交代人格に変わる過程のことであり、DIDの中核的行動現象です。変換の結果現れるものを、身体的変化と心理的変化に分けることができます。

1)身体的変化
A:顔の変化
 目と口のあたりが顕著である。
B:姿勢や運動の行動的変化
C:声や話し方の変化
 声の高さ、大きさ、速さ、区切り方、アクセント、言葉遣いで顕著である。
D:衣装と身づくろい
 服装、身づくろい、化粧の変化は数回面接するだけで明らかになる。
F:人格変換中の行動
 人格変換に要する実際の時間は何分の1秒から数分まである。ほとんどは閉眼ないし 眼球上転が合図となっている。

【心理的変化】
1。感情
 人格変換のもっとも有力な指標であり、他に説明がつかない突然の変化。この一見場違いで不安定な感情のせいで、躁鬱病や分裂病と誤診されることもある。
2。行動年齢
 成熟水準の明らかな変化であり、たいていの交代人格は患者の実年齢より若い。
3。思考過程
 思考能力には成人並みの推論能力をもっている交代人格もいれば、子ども人格のように概念と言語の理解が未熟で意思疎通しにくい交代人格もある。

■人格システム
【交代人格の数】
二重人格の場合の2から数百の「人格」までの報告がありますが、二重人格はまれです。子どものころから多くの心的外傷を受けた患者ほど、多くの交代人格を持ちます。また、最初の交代人格の出現が若いほど患者がもつ交代人格は多くなる確率が高いです。

【人格システムの構造】
1。多層構造
 多層構造(重なり合い、layering)は交代人格のグループであたかもお互いに覆い被さりあっていたり、別の交代人格の下に埋もれているように思われることをいう。この現象は苦痛と恐怖とを細かい部分に分割し、思い出しにくいように拘束する、解離 という防衛過程の一部に過ぎない。記憶に欠陥が見出されたときは多層構造を疑うべきである。
2。ファミリー
 親戚関係の人格グループで治療上、有意義な点がある。あるファミリー内部の交代人格同士は、別のファミリーの交代人格同士よりも、一般にお互いに自分以外の人格の存在に気づいていることが多く、記憶や技術の共通の貯蔵庫に近づきやすい。
3。ツリー状構造
 核となる交代人格が頂点にあり、そこから次の結節点(交代人格群)まで枝が下向きに伸び、順々に下向きに枝分かれしてさらに多くの結節点に至る。このツリー状構造をさかのぼって核となる交代人格に向けて治療は進む。
4。男女の違い
 男性患者は暴力を外部に向けて攻撃的に表現する傾向があり、女性患者は不安に陥りやすく、暴力を自分自身に向ける傾向があり、それは身体症状の形をとるか、自殺・自己破壊行動の形をとる。

■治療と経過の見直し
 症状の中には、自然に現れたり消えたりする(変動する)ものもありますが、解離性同一性障害が自然に治ることはありません。通常、多数の人格を1つに統合することが治療の目的になりますが、必ずしも成功するとは限りません。統合が難しい場合は、その人の中の複数の人格同士の関係に協調性をもたせ、正常に機能できる状態にすることを目指します。
 薬物療法により、不安や抑うつなどの合併症状が軽快することはありますが、この障害自体には作用しません。
 心理療法には往々にして根気が必要で、感情的な苦痛を伴います。その人の中に存在している複数の人格が取る行動や、治療中にトラウマ体験の記憶がよみがえることで生じる絶望感から、何度も感情の危機的状態に陥るおそれがあります。本人にとってつらい時期を乗り越え、苦痛に満ちたつらい記憶に真正面から取り組めるようになるまで、精神科の医療機関に何回か入院する必要があるかもしれません。通常、週2回以上の精神療法セッションを最低3〜6年行う必要があります。催眠療法は有効な場合があります。
 解離性同一性障害がどのような経過をたどるかは、その人にみられる症状や障害の特性によって異なります。たとえば、人格障害、気分障害、摂食障害、薬物などの乱用による障害といった重い精神障害も併発している場合は、経過が比較的悪くなる傾向があります。

【治療の課題】
1。治療同盟の確立
 全ての交代人格との間に信頼を築かなければならない。患者に配慮しているということを証明するには交代人格一人ひとりを顧慮し、お気に入りを作らないようにする。
2。患者の生活変化を促進する
 解離性防衛の起源は過去の心的外傷にある。この防衛の発現は現在の行動の中にある。解離という病的症状をより適応的な対処法に置き換えられるかどうかは、主に小児期の外傷事件の想起と再処理とにかかっている。深い変化を起こそうとする前にまず患者は安定しなければならない。
3。内部の分裂を統一に置換する
 目的と動機の点で安定した一体感を達成すること。統合した患者は最終的に過去と折り合い、交代人格の喪失を味わう悲哀の作業をうんとしなければならない

【治療の諸段階】
1。診断をつける
2。最初期介入
 交代人格に出会い、病歴を収集し、人格システムとの治療関係を作り出すこと
3。最初期安定化
 人格システム全体と契約して制御不能だった行動を制御できるようにすること。契約はまず最初に、(1)治療のタイプと期間、(2)危険なまたは自己破壊的な行為の コントロール、(3)治療的境界、の3つに焦点づけ、つづいて患者の身体の保全、治療者の保全、治療者のプライバシーの保護、治療者の所有物の保全、他の人格の所有物の保全、などがある。
4。診断の受容
 自分以外の交代人格の存在を何らかの形で受容すること
5。コミュニケーションと協力の発達
 基本的側面として、1)コミュニケーションを発生させる、2)共通の目標に向けての協力を確実化させる、3)内部の意志決定過程を発生させる、4)人格変換をしやすくする、である
6。外傷の消化
 催眠療法と薬物による変成意識状態を利用して、解離性の行動を生み出している外傷的な感情と記憶を治療する。
7。解明と統合
 多重人格のままでいることも選択できる。融合(結合)は複数の交代人格を単一の存在にまとめる。
8。解明後の対処技術の向上
 統合した患者は心的防衛機制としての解離を奪い去られて、これまで解離行動で自覚せずにいたり回避していた日常の問題に直面し、対処していかなければならない。統合直後に治療を終了するのではなく、この苦難と志向の時期を乗り越えなければならない。

【解離性同一性障害の効果的な治療の原則】
1。安全な治療の枠組と一貫した境界。
2。治療の焦点は克服や、治療過程への患者の積極的な関わりにあてられるべきである 。
3。治療は強い治療同盟に基礎付けられるべきである。
4。無意識的に抑圧された感情が解除されなければならない。
5。治療は強調、協力、共感、あるいは互いの関係を強調し、人格の分離を余分なこととして、葛藤を弱められるようにするべきである。
6。コミュニケーションは明快で直接的であるべきである。
7。全ての交代人格に対して公平であるべきである。
8。治療者は患者の指揮を回復させたり現実的な希望を徹底的に叩き込むようにすべきである。
9。治療の歩調が重要である。「1/3の法則」を守るとよい。
10。治療者は責任をもち、信頼をもたせる。
11。治療者は感情表出を許容する温かい態度をとるとよい。
12。治療者は患者の認知の障害を訂正し、前進のための基礎としなければならない。

■解離性同一性障害と小児期の虐待
 解離性同一性障害の成人の約97〜98%は、小児期に虐待されていたと報告しています。虐待の事実は、解離性同一性障害の成人の85%、小児と青少年の95%で立証されています。
 小児期に受けた虐待が解離性同一性障害の主な原因の1つであることは確かですが、こんな仕打ちを受けたと本人が強く主張する個々の虐待が、すべて必ずしも本当にあったとは限りません。報告された虐待体験の中には、明らかに正確性に欠けるものも混じっています。また、虐待されたという事実はまったくない人で、幼少時に体験した親の死などの重大な喪失や重い病気など、大きな精神的重圧のかかる経験が障害の原因になっている場合があります。

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

全国解離性障害友の会 更新情報

全国解離性障害友の会のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング