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全国解離性障害友の会コミュの解離性同一性障害とは?

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■解離性同一性障害(DID)ーその1
解離性同一性障害は、以前は多重人格障害と呼ばれていたもので、2つ以上のアイデンティティ(自己同一性)や人格が入れ替わって現れる状態をいいます。
 解離性同一性障害は、精神障害の中では比較的頻度が高いとみられています。他の精神障害で入院している人の3〜4%にこの障害がみられ、薬物乱用の治療施設に入っている人にも少数ですがこの障害がみられます。ただし、暗示を受けやすい人に対する心理療法士の影響が出ているケースも多いのではないかと指摘する専門家もいます。
 解離性同一性障害は、いくつかの要因の相互作用によって引き起こされるとみられています。関与する要因にはたとえば、非常に強いストレス、自分の記憶・知覚・自己同一性などを意識から切り離す能力、精神の発達異常、小児期の保護や養育の不十分さなどがあります。
 人間の発達には、小児期に異なるタイプの複雑な情報や経験を統合できるようになることが必要です。まとまりと複雑さを備えた自己の同一性を確立していくにつれて、自分自身と他者のさまざまな知覚や情動を分離しておけるようになる段階を経て、子供たちは成長していきます。こういった異なる知覚や情動が自分の中の「異なる自己」の形成にかかわってくるわけですが、虐待や重大な喪失、トラウマを経験した子供がすべて、多重人格になる資質を備えているわけではありません。また、多重人格になる資質をもった多感な子供たちも、正常な対処方法を身につけていたり、多くの場合十分に大人の保護を受けて守られていることにより、解離性同一性障害にはなりません。

■定義
1。2つまたはそれ以上の、はっきりと他と区別される同一性または人格状態の存在( その各々は、環境および自己について知覚し、かかわり、思考する比較的持続する独 自の様式をもっている)。
2。これらの同一性または人格状態の少なくとも2つが反復的に患者の行動を統制する 。
3。重要な個人的情報の想起が不可能であり、ふつうの物忘れで説明できないほど強い 。
4。この障害は、物質(例:アルコール中毒時のブラックアウトまたは混乱した行動) または他の一般身体疾患(例:複雑部分発作)の直接的な生理学的作用によるもので はない
注:子供の場合、その症状が、想像上の遊び仲間または他の空想的遊びに由来するものではない。

■疫学
1。性:記録されている患者の圧倒的多数は女性である。これは女性が精神保健システ ムで診察されているのに対して、男性は暴力を外に向けるので、司法システムに入っ てしまっているということも考えられる。
2。年齢:20代〜40代に多い。文献の通覧による診断時の平均年齢は28.5歳である。 また高齢者より若年成人に起こりやすい。
3。一般精神病院の入院患者の0.5〜2%がDIDの診断基準を満たし、全精神科患者 の5%もがこれに相当する。

■症状
 解離性同一性障害の人はしばしば、他の精神障害や各種の身体疾患の症状に似た一連の症状を訴えます。中には、実際に別の障害があって症状を引き起こしていることもありますが、過去の体験が現在に侵入し、それが症状に反映されている場合もあります。たとえば、悲しみに沈むのはうつ病を併発していることが原因の場合もあれば、多重人格の1つが、過去の不幸に根ざした感情を再体験している場合もあります。
 解離性同一性障害は慢性的で、何もできない状態に陥ったり命にかかわる可能性もありますが、多くの場合は日常生活にあまり支障がなく、創造的で生産的な生活を送っている人も多くいます。この障害の人は自分を傷つける行為(自傷行為)をしがちな傾向があり、自分の手足などに切りつけることもあります。自殺を図るケースもよくあります。
 解離性同一性障害では、その人の中に存在している複数の人格のうち、いくつかの人格は重要な個人的情報を知っていますが、他の人格はその情報を知りません。内面の複雑な世界の中で、いくつかの人格は互いの存在を知っていて、人格間の相互作用もあるようにみえます。たとえば、人格Aは人格Bの存在を知っていて、まるでBを見張っているかのようにBの行動を把握していますが、人格Bは人格Aの存在を知っている場合もあれば、そうでない場合もあるといった具合です。他の人格と人格Bも、互いの存在を知っている場合とそうでない場合があります。
 人格が入れ替わり、ある人格が表に出ているときに取った行動を他の人格がときに認識していないことが、解離性同一性障害の人の生活にしばしば大混乱を招きます。人格同士の相互作用がしばしばみられ、自分の内面から会話が聞こえたり、自分の中にいる人格が自分の行動について意見を言ったり、話しかけてくる声が聞こえてきます。時間の流れがゆがむような感覚があり、時間の空白や健忘なども生じます。自分自身から離れていく感覚(離人症)や、周囲の事物が現実ではないような感覚(現実感消失)がみられます。自分自身に対するコントロールや、他者に対するコントロールのいずれにも不安を抱きます。また、激しい頭痛など体に痛みが生じる傾向があり、性機能不全になることもあります。そのときによって異なる一連の症状群が発現します。
 解離性同一性障害の人は、自分がしたことを覚えていなかったり、自分の行動の変化を説明できなかったりすることがあります。よく自分のことを「私たち」「彼」「彼女」などと表現します。ほとんどの人が、生まれてから最初の3〜5年間のことはあまり覚えていないものですが、解離性同一性障害の人では、6〜11歳の期間にもかなりの健忘がみられます。

1)精神医学的症状
 a:抑うつ症状、b:解離症状(健忘、遁走、離人感、時間脱落が多い)、c:不安症 状と恐怖症状、d:物質乱用、e:幻覚、f:思考障害、g:妄想、h:自殺と自傷、i: 緊張病症状、j:性転換と衣装倒錯などがみられる。
2)神経学的・内科学的症状
 a:頭痛、b:感覚障害(ヒステリー性)、c:運動障害(ヒステリー性)など。
3)既往歴
 a:精神科の病歴:DIDと診断されるまでにいくつもの診断がついていることが多 い。よくある診断名は うつ病、精神分裂病、分裂感情障害、躁うつ病、様々な人格 障害(とくに境界性人格障害)、側頭葉て んかん、その他のてんかんである。
 b:内科の病歴
 c:社会的生活史:職歴の特徴は頻繁な転職である。
 d:成人後の虐待歴

■診断
 解離性同一性障害の診断にあたって、医師は徹底的な精神医学的面接を行います。特定の症状の説明になる体の異常があるかどうかを調べるため、内科的な診察も必要となることがあります。解離性同一性障害の診断に役立つ質問票も開発されています。
 面接はときには長期にわたって行う必要があり、催眠または薬物を利用した面接(健忘と関連障害: 治療と経過の見通しを参照)を慎重に行うこともあります。催眠または薬物を利用した面接を行うと、他の人格に会わせてくれたり、記憶の空白期間に関する情報が明らかになる可能性があります。しかし、催眠や薬物を利用した面接自体が解離性同一性障害の症状を引き起こす可能性があると考え、こうした方法は使用すべきでないとする医師もいます。

【鑑別診断】
1。一般身体疾患の直接的な生理学的作用によって引き起こされる症状とは区別されま す。 物質の直接的な生理学的作用によって引き起こされる症状は、物質がその障害 と関連しているならば、 解離性同一性障害とは鑑別します。
2。DIDの診断は解離性健忘、解離性遁走、および離人症性障害に優先します。
3。DIDをもつ人は、トランスおよび憑依トランス症状をもつ人から区別されます。
4。DID(精神分裂病および他の精神病性障害、「双極性障害、急速交代型」、不安 障害、身体表現性障害、人格障害を含む)と種々の他の精神疾患の鑑別診断に関して は、症状が見かけ上重なっているように見えるため、複雑です。
(精神分裂病は自分が自分以外の人間であると信じる点や、他の人の声が聞こえると報 告する点において、DIDと誤認されるおそれがあります。しかし、精神分裂病には 、思考障害や慢性の社会的荒廃などが存在します。DIDにおいては、シュナイダー の一級症状が、平均4〜6認められ、精神分裂病者よりも精神分裂病としての様相を 帯びているともいわれるので、特に診断には注意を要します。)
5。DIDは詐病や援助希求行動様式の可能性のある虚偽性障害と区別されます。

【診断のポイント】
DIDは慢性の解離状態です。解離性健忘や解離性遁走のような一過性で、範囲以上に広がらずに終息する解離状態とは違います。したがって、患者の日々の生活体験と治療者―患者間の相互作用との中に解離過程が存在する証拠を発見できるはずです。
 DIDは3歳の幼児も発症することがあります。発症時期が早ければ早いほど、予後は悪いです。また、最初の症状が認められてから診断が下されるまでには、5〜10年の年月が経っています。この間に違う病名がついていることも多いです。この障害は解離性障害の中でも最も重症で慢性的な疾患であると考えられており、一般的に不完全にしか回復し得ないと考えられています。加えて、おのおのの人格が固有の精神疾患をもっていることもあります。それらの中では、気分障害、人格障害、他の解離性障害が最も一般的です。
 DIDの患者から病歴を聴取することは難しいです。その理由として、生活史の記憶が交代人格に分割されているということや数多くの不整合と明確な暦年時間関係の欠落などがあげられます。

【生活史の聴取】
1。健忘または「時間喪失」に関する質問
 具体例をたくさん聞き出すことが重要。正常人にも見られる単調な状況や極度の集中 の際に限るわけでは なく、様々な状況で起こっている。
2。離人感と非現実感に関する質問
 解離性障害一般の重要な体験であり、特にDIDにはよくある症状である。しかし、 分裂病、精神病レベ ルの抑うつ、側頭葉てんかんのような他の精神神経病でも現れ ることがあるので鑑別診断に留意する。
3。日常生活体験に関する質問
 生活体験に関する記憶と共に、嘘つき呼ばわりや第三者に目撃されている行動の否認 、侵入性の心的イメ ージなどについて。
4。シュナイダ―の一級症状に関する質問
 シュナイダ―の一級症状とは、考想化声、対話形式の幻聴、自己の行為に随伴して口 出しする形の幻聴、 身体への幻聴体験、考想奪取やその他の思考領域での影響体験 、考想伝播、妄想知覚、感情や衝動や意志 の領域に現れるその他の作為・影響体験 である。DIDにおけるシュナイダーの一級症状の平均数は、3.4 〜6.6といわれて いる。考想伝播、思考化声、妄想知覚を訴えることはまれである。精神分裂病患者以 上に 精神分裂病の様相を帯びている。

【診断の確定】
1。交代人格脚注1との出会い
2。交代人格が持続的な存在であって、一過性の自我状態現象でないことを確認する
 (真の交代人格は長い時間を経ても、また状況が非常に変化しても「その人らしさ」 を持ちつづけ、一貫 し持続する存在である)

【心理検査】
現在、DIDに対する決定的な検査はない。しかし、繰り返し用いられてきたテストはあります。

1。MMPI
 3つの研究(それぞれNは15名以上)から特徴的なプロフィールは高いF尺度(妥 当性得点)、高いSc 尺度(分裂病尺度)となっている。
2。ロールシャッハ・テスト
 豊富で多彩な運動反応、変動的矛盾的な色彩反応を共通の特徴としている(Nは6名 ほど)。

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