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☆モンスターハンター外伝☆コミュのドンドルマへの復讐!終3

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題:ドンドルマへの復讐!
       〜最終章、後編・復讐の時〜   

作:リョウ


 もし未然にこの事態を避ける手段があったなら・・・、その場に居合わせた人々が、その現場に駆けつんとする四人がそんな事に思いを馳せていた。炎による煙と砂煙が所々で見られるドンドルマは暗雲に支配され、希望を断ち切らんとする空気が人々の間を縫う様に行き交う。全てを決める戦いは大老殿の中で始まろうとしていた。
「アモン!!いったいなぜ・・・」
 その場に立つ者達の言葉を代弁するようにロイは問い掛けた。その問いも含め、全てを蔑むような低い笑い声を上げながらアモンはスラリッと竜魔道刀抜く。
「笑止」
 ボソリッとそう呟くとロイとの間合い物凄い速さで詰め何の躊躇も無く刃を渾身の力で振り下ろす。
その速さに一瞬たじろぐも両足を開き、腰を落とすと盾を構え、剛撃に備える。攻撃を受けきると同時に追撃、そう考えていたロイにとって目を疑うような事はその時訪れる。右腕に構えていた盾が真っ二つ両断され、大理石の床に音を立てて落ちた。ソレを追う様に真っ赤な血液が勢いよく床に広がる。
 ソレを当然とばかりに見下ろしていたアモンは振り下ろした刀をすくい上げるように背後を一周させて右側より斬りかかる。しかしその刃先を遮るようにギルドナイトの盾が投げよこされる。側近の盾を取り上げ投げつけたのは大長老である。刀の軌道を遮られ一瞬たじろぐアモンから身体を反転させ逃げ延びるロイ。右腕は血液を大量に滴らせながら生気を失い始めていた。
「つぅああああ!!!!」
 反撃の雄叫びを上げながら大長老がアモンにひけをとらないほどの素早さで間合い詰め、アモンの動きをコピーするように刀を振り下ろす。ソレを涼しい顔で身体を横向きにしてかわすアモン。これまた再現とばかりに胴目掛けて刃をはしらせるも今度は後方に一歩下がっただけで避ける。しかし大長老はさらに追撃となる突きを見せる。今度は追い詰めたかのように思われたがアモンはにやつきながら上体を後ろに反らしソレすらもかわしてみせた。その人知を越えた能力はさらに加速する。上体を反らした上体で刀を振り上げる。刃先が腰の辺りをカスるも、大長老は刀を足元目掛けて掃う様に斬りつけながら後方に跳ぶ。
 アモンは足首、大長老は腰をお互いかすめるかたちになったが、思いの他深手を負ったのは大長老の方であった。出血部分の腰を手で押さえながら膝を着く。その瞬間先程から不敵な笑みを浮べていたアモンの口元がより一層ゆるむ。
 ソノ笑みを見逃さなかったロイはもう一つの事に気付くと「大長老!!」と呼びかけながら渾身の力で立ち上がると、走り出していた。
 アモンとロイ以外の者がソノ存在を忘れかけていた。ロイの一声に反応した大長老は若干の遅れをとりソレに気付いた。そして唇を噛み締めて覚悟を決めた。
 空けられた風穴よりバルカンが顔を出して、今まさに火炎を吐き出さんとしていた。たとえ盾があったとしても防ぐ事が出来ない。それは解かっていたが走り出し、火炎と大長老の背の間に身体を投げ出したロイ。凄まじい轟音の後に砂煙の中から無残な姿のロイがゆっくりと皆の目に入る。
「ロイ様!!!!」
 数人のナイトが駆け寄ろうするも先回りしたアモンがその者達の首をはねる。体制を立て直した大長老を嘲笑うかのように攻撃目標を変えたバルカンは瀕死のアカネギに向かって再度火炎を放つ。身動きの取れないアカネギは真っ黒な墨と化した。あっという間のできごとである。巨大な爪で再び大長老をバルカンが追撃してくる。万事休すと思われたが・・・、次の瞬間声を上げたのは大長老ではなくバルカンの方であった。凶悪な眼に後方より放たれた矢が突き立てられたのだ。ドラゴンファングと言われたエルがニノと共に姿を表していた。スタミナ消費を防ぐ強走剤Gを飲んだ二人がホッツとメロより一足早く大老殿に到着したのだ。スタミナ消費の心配が無くなったニノが怯み悲痛の咆哮を上げるバルカンに接近すると”鬼人化”し、胸部を乱舞で切り裂く。力なく首をもたげたバルカンの頭部に大長老が刀を突き立てる。
 連続攻撃にバルカンの背中で音を上げていた翼がゆっくりと止まろうとしていた。かろうじて命を保つバルカンにトドメを刺さんと弓を引いたエル。しかしバルカンに気を取られていたエルの背後にはアモンが刀を振り上げ、立っていた。彼の存在に気付いた時には弓を引いていたエルの右腕が宙を舞っていた。遅れて到着したホッツとメロはその光景を呆然と見つめている。返り血を浴びたアモンが鬼のような形相で二人の方へと振り返った。


「やっときたか・・・」
 二人の顔を見るやそう言いはなつアモンは刀を振るい血をはらう。無言でボウガンを構えるメロ。ホッツも唾を吐き捨てた後ゆっくりと大剣を構える。
「おまえら・・・、何の為に今こうして俺と対峙している?」
 おおよそ予期していなかった問いかけがアモンの口から出てきたことによりメロは眉をひそめる。
答えられずにいるメロの代わりにホッツが口を開く。
「あなたは今、モンスターに近しい存在となっている。我々はハンターだ!故に・・・」
「ハッハハハハハハハハハ」
 声高らかに笑うアモンにより圧倒される。暫し笑った後、笑みを浮かべながらアモンは再び口を開く。
「それは俺も知っているが貴様等の理屈であろう・・・。しかし何故モンスターを狩るのだ?モンスターが人々を襲うからか?ならばなぜ今のお前達はその人々を苦しめるであろうモンスターから剥ぎ取った素材より武器を作り振るい、それらで防具を作り身にまとうのだ?」
「それは・・・」
「ふん!何を言ってつくろったところで所詮言い訳、貴様等はもしかしたら”最初に襲い掛かったのは人間”だったのかもという考え方を知らんのだ。すべては自分らに都合よく考え、行動し、真実を覆い隠す。」
 言い返す術が思い浮かばず沈黙しているメロの前に割って入ったホッツは声を荒げる。
「ならば今度はこちらが問う!それだからといって我々にただ食われるエサになれと言うのか?」
「そら!その考えも所詮は貴様等主体の価値観でものを言っているに過ぎない!そんなあさはかな生物なら食われ絶滅するのも自然の摂理というもの!」
 もう会話の成立する相手ではない。そう感じた二人はアモンと命のとり合いを覚悟した。ホッツは鼻で笑いながら「ヤレるものならやってみやがれ」と呟くと右腕だけで大剣を二度上下に振り回す。
「少々おしゃべりが過ぎたようだな・・・。完全なる人間との決別の為に最後の仕上げとして貴様等に恐怖を植え付ける。」
「私の知っているアモンはどうやらもう死んでしまったようね・・・」
 力強く装填するとメロはゆっくりとした足取りで間合いをとる。
「待てや!!!」
 後方より叫んだのは右腕を失い気絶しているエルを抱きかかえるニノであった。ゆっくりと部屋の隅にエルを寝かせると怒りを爆発させるように鬼人化するニノ。その姿を見たメロは入れ替わるように後方に下がり横になっているエルに寄り添う。
「ニノ!冷静さをも・・」
「黙ってろホッツ!こいつは俺がヤる!」
 声を荒げると同時にツッ込んでいくニノをもはや止める事は出来なかった。懐に素早く飛び込んだニノは渾身の乱舞でアモンに斬りかかる。
 世の中には概念というものが存在する・・・。その概念が根底から覆された時、人々はそれをどううけとめるのか・・・。この場に居合わせた者に限っては体の芯から凍りつくような寒気を味わう事となった。
 音速を超えるとも言われたニノの乱舞を眉一つ動かさずアモンはかわしていった。一番恐怖を感じたのはニノであろう。そんなニノの血の気の引いていく顔を楽しむようにかわしながらジッと見つめるアモン。そして次の瞬間ソレを上回る驚愕の出来事が皆の前で起こる。乱舞の最後の一撃は振り上げられた二本の剣がアモンの頭上に降ってくる一撃。それをアモンは太刀で受け止めたのだ。
 双剣は防御となる盾を捨て、攻撃の為にもう一本の剣を握る為ガードが出来ない。コレと同様に大剣と片手剣の間に位置する太刀はやはりモンスター等の攻撃に耐えうる構造に無い細見の武器であり、やはりガードは出来ない。これが基本概念である。
 今まで幾多のモンスターを切り伏せたニノの剣もモンスターの攻撃同様ガードは不能・・・、のはずであった。その場が凍りついた時、アモンはボソリと呟く。
「貴様の愛した女を二度と危険な場に立てないようにしてやったんだ。感謝してほしいな」
 言い放つと鎧ごとニノの胸部を貫いた。
「ニノ!!!!!!」
 刀が引き抜かれ力なく倒れるニノの名を叫んだのは意識がもどったエルであった。メロの制止を振り切り、傷口から血が噴出すのにもお構いなしにニノに走り寄る。
「アモン!!!!!!」
 ホッツが怒りの形相で大剣を振り下ろすも涼しい顔でそれをかわしたアモンは今度は懐から角笛を取り出し、けたたましく吹き鳴らす。
 それが合図となり虫の息となっているバルカンの背中よりランポス科で最も獰猛な『イーオス』のボス『ドスイーオス』五匹が現れ、それぞれに仲間を呼ぶ咆哮を上げる。古龍襲来時同様どこからともなく現れたイーオスはその数を次々と群れを成し、ついには大老殿にも浸入してくる。ギルドナイト等もそれらに応戦し、乱戦へと様変わりしてく。いき絶え絶えのニノを庇うエルの背中にも容赦なく襲い掛かるイーオスの群れ。必死にエルの救出を試みるメロはボウガンを乱射する。大長老も鬼神のごとくイーオスをなぎ払う。
 地獄絵図となった大老殿を見つめ、満足げな表情をしたアモンは必死にイーオスを切り捨てながら向かってくるホッツを見ると声高らかに言い放つ。
「今日はこれで失礼するぞ。貴様まで今日仕留めたら楽しみがなくなる。この命奪いたくば火山奥地まで来い!」
「ふざけるな!今勝負しろ!!!」
 腕に噛り付いたイーオスの首を握り、壁に投げ捨てながらアモンに向かっていくホッツはもはや完全に冷静さを失っていた。
「いずれ時はくる!お前が来なければ再びこの地に参上しよう!!」
 そう言い放つと横たわったバルカンに蹴りを入れ起こすと、背に飛び乗り高笑いを上げながらゆっくりと飛び立っていく。
「アモーーーン!!!」
 ホッツの叫び声も混乱の中に吸い寄せられ、消えていく。イーオスの群れは絶え間なくドンドルマを攻撃し、多くの犠牲者をだした。
 異例の古龍襲撃に始まり多くのハンター、ナイトらが命を落とし、オロチの三鬼龍、ニラタマ、アカネギそして孤高の龍ロイの死。次代を担うエル、ニノは生死を彷徨うであろう重症を負わされた。先の戦いでのゾロの死も含めるとドンドルマ再興の光は、大長老をはじめとした多くの人々にとって遥か遠き光と感じられた。
 竜魔人アモン・・・こうしてこの名はドンドルマの歴史に刻まれることとなる。

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