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☆モンスターハンター外伝☆コミュのドンドルマへの復讐!・終

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題:ドンドルマへの復讐!
       〜最終章、前編・復讐の時〜   

作:リョウ


 ココット村の村長代理に任命された”モロ”は数日間の治療期間の後、ホッツ、メロ、そしてアノ日の二日後に村に来たソルをドンドルマへと連れ帰ってきた。ソルに到っては重症で意識を取り戻さぬまま荷台に乗せられての帰還となった。
 モロは静かにホッツ、メロを振り返り気遣いを見せつつも動揺を隠せずにいた。ドンドルマを呪う言葉を発し、取り乱したメロを連れ帰る事が何かの悲劇を生むまいかと危惧し余分に治療期間をとった。最終的にはホッツの説得がものをいった。
 ホッツは塞ぎ込むメロの前に座り三時間一言も発せず視力を失った目でメロを見つめ続けた。そして一言「メロ・・・、一緒に帰ろう・・・。」と呟くとソレを聞いたメロはホッツの膝に顔をうずめ泣き崩れた。共に帰ろう、メロはソレだけを考えた。
 街に着いた四人は大老殿へ直行し傷が癒えないソルを除き、大長老の前に通された。ホッツ、モロは跪くがメロはソレをしようとしない。正面から大長老を睨みつけた。
「ホッツ、メロよ、よく戻った。ココットでの一件聞き及んでおる。」
「私はアナタを・・・、父の命を救えなかったドンドルマが憎い!」
 今にも泣き出しそうな悲痛の叫びを浴びせるメロを大長老はじっと見つめる。暫しの沈黙の後、大長老は立ち上がると直ぐメロの前で涙し、土下座した。
「すまぬ!大臣ゴザの邪な心根に気付かずお主の父を死なせてしまった責任はワシにある!」
 街を統治する立場の者がする振る舞いではなかった。その姿にメロは一瞬たじろいだ。
「ゴザ?どういうことでしょう?」
 盲目の戦士となったホッツは顔を上げ問いを発する。
「ゴザは己の感じるままに部下を使いアモンの父と村をこの世から葬リ去ったのだ。その過程でココットにいたハンターも動かされ、村は無防備となった。残されたハンターはゾロとメロのみ・・・」
 その話を聞き初めてアモンに対しての裏切り行為にも似た一件を二人は知る事となった。散々自分の中に溜まっていた恨み辛みを浴びせた後、メロは静かに「顔を上げてください」と呟く。泣き崩れる大長老を引き起こし坐させるとメロは今度は自分が跪いた。
「解かっていたのです。誰のせいでもないということは・・・。あんなにも優しかった父を失った事は私自身・・・」
「お主にとってだけでなくなく、ドンドルマの、この世にとっての大きな痛手である!」
 大長老は憤慨していた。ギルドナイトに命じてゴザを二人の前につき出した。
「この者の処罰はメロ、お主に一任する!好きにするがいい。」
 縛り上げられたゴザは力なく頭を垂れ床を見つめている。メロはそんなゴザを立ち上がらせじっと睨み、大きく振りかぶると平手打ちを浴びせた。その後静かに大長老を振り返ると口を開いた。
「そのお心遣い感謝します。ですが私に出来る事は今のが精一杯です。この後の事は大長老にお任せします。ソレよりも今はアモンの事に気持ちをさかなければなりません。」
 大長老は一度大きく頷くとゴザを退室させて再び口を開く。
「・・・、アモンは村崩壊後行方をくらましておる。使いの者を出し追っているが居場所はまだ摑めておらん」
 三人は一様に顔を見合わせ沈黙していた。蚊帳の外におかれていたモロは口を開く。
「大長老!私アノ地一帯を知り尽くしています。どうか私にアモン様捜索の任お与えくださいまし!」
「モロよ・・・、その心遣い有難いが今のアモンの精神状態を考えるに捜索には危険が伴うのだ」
「ソレは承知しています!私もかつてはハンターのハシクレ!どうか!」
 暫くの沈黙の後今度はメロに顔をむけるとモロは頭を下げた。
「メロ!頼む!オイラはゾロが戦っている時に何も出来なかった自分が腹立たしくてたまらんのだ!どうか、どうか!その娘のお前の手助けをさせてくれ!」
 額を何度も床に押し当てるモロの肩に手を伸ばしたメロは涙していた。
「わかった・・・、アモンを見つけてきて・・・。ただし、危険を感じたら直ぐに退き返してね、約束よモロさん」
 かくしてモロが率いるアモン捜索隊が組まれることとなった・・・。 


 人々から忘れ去られた地にある火山麓にアモンは立っていた。村で黒衣達を斬ってから身体に変化を感じている。その変化は上手く説明出来る物ではなかったが何かが違う。血が逆流しているような・・・。目に見てとれる変化もある。腕と頬に変色が見られる。ソレは日毎に増し、今は紫色のうろこ状になっていた。時より襲う激痛はきまってメロや、ホッツの事を考えた時に起こり、いつしかそれらの事を考えるのをやめた。昨夜に到っては信じられない事が起きた。
 火山近くには食料とする物が少なく辺りを見回しながら朦朧としていたアモン。いつしか眠りについていた時、巨体が降り立つ音で目が覚めた。目の前には初めて目にするモンスター”ミラボレアス”がじっと此方を見ている。噂だけ耳にしたことがあったがその圧倒的な存在感はアモンのような強者であってもたじろぐ程である。刀を構えたものの死を覚悟したほどだ。
 その身体は血のように真っ赤に染まっている事からミラボレアスの一種で火山に住む”ミラバルカン”と推測したが刀を構えるアモン襲い掛かってくる気配は無い。それどころかゴロゴロと喉を鳴らしその長い首で何か肉のような物をアモンの前に押し出すとその場に寝入ってしまった。恐る恐る近づきその肉らしき物に見入ると空腹のせいか気がつくと噛り付いていた。”アプケロス”の生肉である事を後に知る事となった。今はそのバルカンもアモンの横に付き従っている。
 ここへやって来たのは刀を火山の火口に封じる為、そう思っていたがその想いとは裏腹に日々刀を振るい続け気がつけば一ヶ月が経とうとする頃、モロとその一行がアモンのもとへやってきた。


 メロはボウガンを構え訓練所に設置されている的に向かいあっていた。装填し横に跳んだ後的に向かって発射する、その動きを反復していた。
「メロ・・・、あれからずっとこの調子なの?」
 壁に寄りかかり隣のホッツに問い掛けたのはエルだった。
「一心不乱にだな・・・。」
 応えたのはホッツの横に座り込んでいるニノである。ホッツは黙ったままメロの気配を探っているようだ。ホッツにもわかっていたのだ。アモンの性格を知っているからこそ彼が出すであろう結論は一つしかない。ソレは悲しい結論であろうが確信に近いモノをメロもホッツも感じていた。その結果もたらされる脅威を考えればメロがもくもくと行っている訓練も頷ける。
「二人とも覚悟を決めておいた方がいいかもしれない・・・。」
 沈黙していたホッツの言葉の意味を何とか理解しようと二人は考えるがソレはでてこない。もしメロ達の直感が正しければ、ドンドルマにとってこれほどの脅威があっただろうか?モンスターは本能によって動きその野生の本能に恐怖する事もあるが、経験を経たハンターならばある程度の事は予想の範囲を大きく超える事は無い。しかし今度の相手は・・・。
 ”元ハンター、アモンの迎撃”となる。来るべき時の為ホッツは震えを覚えた。


 モロは痛みに耐えていた。間近に迫った死を受け入れようとしている。ミラバルカンの強力な顎で噛み砕かれた骨の軋みが激痛を誘い意識をかりとろうとしている。必死にアモンに語りかけようと口を開くも言葉を発する事無く血が溢れ出す。
 アモンはその光景を見つめていた。助けに走る事も可能な中、身体は動き出そうともしていない。
それどころかアモンの口元には薄ら笑いをうかべている。モロの身体はもはや機能しなくなり屍となった。ミラバルカンは屍を地面に破棄捨てると咆哮を上げる。それに反応してアモンはミラバルカンの背に飛び乗り同じように雄叫びを上げる。
 アモンを乗せたミラバルカンがゆっくりと飛び上がりドンドルマを目指す。

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