イギリスのいわゆる新聞メディアながら、ポップミュージック関係の情報も幅広く取り上げるガーディアン紙が、2010年ベスト・アルバムになんとジャネル・モネイ(Janelle Monae)の“The ArchAndroid (Suite II & III)”を選出した。
ジャネル・モネイは、自らを‘アンドロイド’に見立てたSFストーリー仕立ての壮大なコンセプトと、クラシカルなタキシードをシャープにアレンジしたファッションやパワフルなライブ・パフォーマンスで注目を集める女性シンガー。インディで活動し一部で熱い注目を集めていたが、ディディ(Diddy)に目をかけられてBad Boyと契約し、メジャーに昇格した。彼女のメジャーでの初のアルバム“The ArchAndroid”も評価は高かったが、英ガーディアン紙のランキングでは各メディアで絶賛されているカニエ・ウェスト(Kanye West)の“My Beautiful Dark Twisted Fantasy”を2位に抑えて見事1位に。英ガーディアン紙は、カニエのセレブ視点とジャネルの広い世界に向けた視点を対比して、それぞれ「自分」対「私たち」の作品だと指摘。またジャネル・モネイを、アウトキャスト(OutKast)、プリンス(Prince)、デヴィッド・ボウイ(David Bowie)、ファンカデリック(Funkadelic)らになぞらえて、R&Bという‘ラベル’に収まらない才能の持ち主と称えている。
“The ArchAndroid (Suite II & III)”はSF仕立てだからといってエレクトロではなく、ファンクやヒップホップの流儀をモネイのスピーカーから飛び出すような歌声と組み合わせた幅広い魅力を備えた作品で、そのミュージックビデオ“Tightrope”でモネイらが披露するダンスも印象的。いろいろな部分でヒネリが効いた作品だけに、イギリスの評論家がベストに選んだのも納得、といったところか。なおジャネル・モネイは、プリンス(Prince)が今月からスタートさせているWelcome To America Tourにスペシャル・ゲストとして参加している。
Bad Boyにかつて所属し、“Special Delivery”“Let's Get It”といったヒットを出していたラッパー、Gデップ(G Dep)が警察に出頭、なんと17年前の殺人を自白した。
Gデップは、現在も派手な宣伝活動にいそしんでいるディディがBad Boyレーベルから売り出したラッパーで、2001年のアルバム“Child from the Ghetto”からは“Let's Get It”、“Special Delivery”というヒットを生んでいる。数年前には同じくBad Boyに所属していたルーン(Loon)のアルバムに参加したりミックステープ作品を発表するなど、Bad Boyを離れて以降も活動は続けていた。
ホット・ロッドは、デモテープが偶然50セントの手に渡ったことをきっかけに当初は50セントのレーベルであるG-Unit Recordsと契約。ドクター・ドレー(Dr. Dre)が手がけ、メアリー・J.ブライジ(Mary J. Blige)がゲストという豪華なシングル“Be Easy”をリリースし、メジャー・デビュー作も準備されるなどG-ユニットの最年少メンバーとして大きな期待を背負っていたが、そのままリリースのタイミングを逃した状態のまま音沙汰が途絶えていた。ここ数年、ゲーム(the Game)やヤング・バック(Young Buck)などの離脱に象徴されるようにG-ユニットの活動そのものも縮小傾向にあったこともあり、久々の明るい話題となった。ホット・ロッドはすでに、ヨーロッパをツアー中に現地のダンスミュージックに影響を受けて制作したというポップな新曲“Dance With Me”を今月16日にiTunesでリリースしており、念願のデビュー作リリースに向けて活動を再開、50セントの新レーベルからの新たなスタートを切る。
R&Bシンガーのモニカは、今年発表したニューアルバム“Still Standing”で最優秀R&Bアルバム部門、その新作からのリード・シングルで、7週連続で全米R&Bチャートの1位を制した“Everything To Me”で最優秀女性R&Bボーカル・パフォーマンス部門と、グラミーに2部門ノミネートを受けている。グラミー・ノミネートは「思いもよらなかったから本当にびっくりした」と素直に喜んでいるモニカだが、すでに次のアルバムに取りかかっているという。ヒットメーカーのポロウ・ダ・ドン(Polow Da Don)との制作から手をつけているとのことだが、次なる新作はひとりかふたりのプロデューサーに絞って完成させたいと構想を明かした。「はやくアルバム・タイトルを思いつきたいんだけど。そうすれば方向性が定まるから。“Still Standing”の時みたいにね。1月にはタイトルを決めて、3月くらいにはシングルを発表したいわね。それでアルバムは7月かな。思い切ってやっていかないといけないけど」と今後のスケジュールも発表。さらに、この次回作が完成した後にはクリスマス・アルバムも発表したいのだとか。これがうまく年末に発表できれば、2011年は2枚のアルバムをリリースと大忙しになりそうだ。
モニカは今年10月には北米男子プロリーグNBAのロサンゼルス・レイカーズでガードを務める4つ年下のシャノン・ブラウン(Shannon Brown)との婚約も発表と公私ともに順調だ。なお、現在発売中のbmr 389号(2011年1月号)の2010年ベストソング・ランキングではモニカの“Everything To Me”が1位を獲得している。