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米押し達磨倶楽部コミュの原因不明の熱

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脚が痛い。これは熱の前触れ、それも原因不明の。
医者にも解らない。
だだ、可能性として、脳の体温を司る部分に傷が有るのかも知れない、とは言われた。
父の介護のさなかに発症。
だから、この病気を分かるのは、…
しかし、もう会えない。
自分より一回りも年上の私と和歌子を、実の息子夫婦同然に…
しかし、私はそんな『アイツ』を裏切った。
私は和歌子を幸せにできなかった。娘も。
…ワンを愛してしまった。そのワンも妻にはできなかった。
その上、ミカさえ不幸にしようとしている。
歩く時の振動で、横膈膜が痛い。既に熱は39度を完全に越しているはず。
この熱は、何故か恐怖感を伴う。
私は、アドレス帳からは既に消してある番号をキーで押していた。
発信音。
(しまった)
慌てて切る私。
直ぐに着信。切っても切っても。
だが、ついに…
「ショウ、ショウ!」
アイツの声。 もうだめだ。
「オフクロ、かあさんっ」
「ショウ、どうしたの?また熱が出たの?!動いちゃ駄目よ」
直後、道端で私は嘔吐した。

気が付くと、私はアイツの匂いと車の振動の中にいた。
私は膝枕しているアイツの腰を抱き締めた。
「やっ、オウさん、気が付いたか?」
Nさんのご主人の声だ。
とすると、これはアイツではなくNさん?
「マザコンなのね、オウさん」
思いもかけぬ、ミカの声だ。
「年上のNさんに弱い訳だ。…もっとも、お義母様は一回りも年下だそうだけど」

…アイツ、なにもかも全てお見通しかよ!
いや、参った。

病院で点滴を受けると、私はミカの部屋に寝かされた。
ミカは、かつて、私にこの症状が出た時、あのアイツが必ずしてくれたように、私の頭を抱えて添い寝する。
アイツと同じ化粧品の匂いをさせて。
私はミカに聞いた。
「アイツ、何て言ってた?」
ミカは笑い、
「『抱いて死にな』っつさ」
「 えー?!」
「ま・さ・か」
そして、私の顔を覗き込んだ。


「『抱いて死にな』と。ま〜さ〜か」


(タイテシ ニナ ト マサ〜カ)

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