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大江戸捜査網コミュの「逆療法」ネタを振り返る

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 「大江戸捜査網」で隠密同心が進める探索方法の中には,どうみてもサディスティック過ぎるものも含まれていた。標題に示した「逆療法」はその典型例であろう。ここでは,第180話「過去の恐怖を追え!」を基に検討してみよう。

 この話は,大工の兄弟が荒れ寺の地下で請け負った工事が幕府転覆をもくろむ一味による火薬密造工場であったために,口封じの拷問にあったところが出発点である。拷問にあった兄弟は大川に「すまき」にされ,弟の正吉は死亡したものの,兄の正次は一命を取り留めた。しかし,正次は自らの受けた行為はおろか,妻子の存在すらわからない極度の記憶喪失に陥っていた。
 この事件の捜査に入った隠密同心は,正次の記憶回復に向けて様々な手を尽くすが今ひとつ功を奏しなかった。その中で,十蔵は正次宅を訪れたお吉が正次の妻であるおさきが息子の寛太に対して行ったお仕置きを目の当たりにし,その場にいた正次が拷問を思い出したのか記憶を回復しそう,という情報を聞き,正次の記憶回復を早める手段として勘解由に鞭打ち拷問を志願した。ここでいう「逆療法」というのは,十蔵が肉体的苦痛をあえて承知で拷問を受け,それを正次にみせることでトラウマ同然の悪夢を甦らせると同時に,事件の真相解明を進める一連の行為を指す。

 さすがに劇中にはなかったが,十蔵の「逆療法」に対しては,提案の場に居合わせた勘解由・お吉・お紺(音次郎は密造工場に潜入していたので不在)には戸惑いが隠せなかったはずだ。

お吉・お紺:「旦那,そんなことをして大丈夫なの?」
勘解由:「井坂,いくら正次が『打つ』行為に反応したからと言っても,お前がわざわざワシに拷問まがいの芝居を打つのはどうなのか,考え直せ」
十蔵:「正次が本当のことを言ってくれるのなら,ワシは鞭打たれても平気だ。御前,手を抜かずに(鞭打ちを)お願いしたい」(土下座をする)

 「大江戸捜査網」でこのような「逆療法」ネタは松方編で数話ほどあり,すべて松方弘樹さん演じる清次郎が主導していた。しかし,余りにも迫真の演技で繰り広げられる「逆療法」ネタは「PTSDによるトラウマ」が問題となる現在のドラマ・映画では難しいのではないだろうか。この点にもストーリー展開の時代性を感じてならない。

 ちなみに,この話の印象として,正次の記憶回復に向けたプロセスについては,隠密同心のチームプレーが随所に出ているように思った。とはいえ,人目をはばからないお紺の嗚咽(これも攪乱するための芝居)には驚いた。また,正次が記憶回復しそうになった最初の場面であるおさきによる寛太へのお仕置きシーンは,追いつめられた心理状況の中でも子供を決して甘やかさないおさきのキャラクターがよく出ていた。また,なぜ寛太がお仕置きを受ける羽目になったのか,については最初のシーンで金太をからかうところから推察ができる。この話は,隠密同心の探索だけではなく,長屋に住む正次一家についても描ききっており,重層的な展開として見応えがあるように思った。

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