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不妊!大作戦コミュの2010 3月山下湘南夢クリニックゲスト講演、『不妊と鍼灸治療』

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2010年3月に、山下湘南夢クリニックにて、ゲスト講演しました、
講演録をアップいたします。

『不妊と鍼灸治療』

これからIVF-ET(体外受精ー胚移植)などを含めた治療を考える
一般方々向けの講演です。

2010山下湘南夢クリニックゲスト講演、『不妊と鍼灸治療』1
1)25年前の不妊、35歳と諦めたら妊娠1
【図:1】1
2)3つのキーワード2
【図:2】(3つのキーワードのほうで)3
一つ目は、『35歳』3
医師による不妊治療終了宣言4
「あきらめたら妊娠」5
3)肝気鬱結、ストレス状態の不妊5
4)一連のシステムがスムーズに動くと言うこと9
5)IVF-ET(体外受精ー胚移植)での
              二人目不妊、身体の力がない場合13
   〔身体が疲れ果てての不妊、二人目不妊〕14
6)様々な身体の状態、東洋医学で考える『何が必要』17
7)攻めと底上げの二重作戦20
8)身体作り23
9)赤ちゃんと出会うために24

コメント(11)

..1)25年前の不妊、35歳と諦めたら妊娠
...【図:1】
私は日々、妊娠したいというご希望の皆さんと時間を過ごし、赤ちゃんと出会えるためのお手伝いをしています。

そんな私が『不妊』や『赤ちゃんが出来ないための治療がある』ということを初めて知ったのは、私自身が妊娠ー出産した20年以上も前のことです。


25歳の私は、妊娠について考えるまもなく妊娠し、当たり前のようにお腹が大きくなり、
ある暑い夏の日に赤ちゃんを産みました。

妊娠中は、マタニティースイミングに通い大きなおなかをかかえて楽しむうちに沢山の妊婦仲間ができました。私の出産予定日は7月25日。お仲間には5月ぐらいから、9月ぐらいまでの出産予定日の方々がいらっしゃり、『もうすぐママになる』という共通点で、話がはずみました。

20代が中心の仲間の中に、25歳の私よりはちょっと年上、30台半ば過ぎと思われる妊婦さんがいらししゃいました。彼女と私は出産予定日が近く話がはずみ仲良くなりました。あれこれ話しするうちに、彼女の妊娠にまつわるお話を聞きました。

『赤ちゃんが欲しくて、だいぶ大学病院に通っていたの。でも35歳になって、ドクターから「治療をおしまいにしましょう」といわれて、コタツで泣きにないていたの。そしたら、なぜだかポコッと授かって・・・』

大きなおなかをさすりながら話す彼女は、とても安定して幸せそうでした。


もう今から20年も前のことです。マタニティースイミングでは、私と同世代の元気な若い妊婦さんが多く、私自身も当たり前に妊娠し妊婦になっていたので、ちょっとお姉さんの彼女の『赤ちゃんが欲しくて、病院に頑張って通ったけど、もう治療をやめましょうといわれて絶望的な気持ちになった』というお話を、すでに妊婦になった彼女を目の前に、私はあまり実感なく、ふーんそういうこともあるんだなあと思いながら聞いていました。


目の前の彼女も一緒にスイミングを楽しむ普通の妊婦さん、なんら変わるところがありません。

一緒に楽しくプールの時間をすごし、私は7月に、彼女は8月に出産しました。
翌年、彼女は私より少し早く年子のお子さんをを出産し、私も続いて年子の女の子を出産しました。10歳近く年齢の違う私たちでたが、その2年の間に、次々と年子の子供を授かり、二人のお母さんになったという過程はまったく同じでした。


このお話、今思うと、考えさせられるキーワードがたくさんあります。
考えてみましょう。

..2)3つのキーワード
このお話には、3つのキーワードがあります。

....【図:2】(3つのキーワードのほうで)


....一つ目は、『35歳』

大学病院の先生が『35歳ですから、不妊治療は終了です』とおっしゃった時代は、IVF-ET(体外受精ー胚移植)などがなく、いまでいう『一般不妊治療』のみで行われていた時代です。

すなわち、排卵を多くさせたり、人工授精をしたりという身体の中でおこることを応援する治療です。不妊治療そのものが、年齢的な要因で大きく治療成績が左右されます。残念ながら『若い』ということはとても大切な要素なのです。そして35歳までの『若い』方が、身体の中でおこることを応援する治療で成功しなかった場合、それ以上同じ治療を繰り返しても無理だということなんですね。妊娠に一番必要な『精子と卵子の出会い』そのものが出来ていなければ、いくら身体のなかでおこる排卵などを応援してあげても妊娠することが出来ないということです。

年齢要因ということを考えると、
31歳までは妊娠率はほぼ横ばいですが、
31歳を過ぎると徐々に妊娠率は低下していきます。
つまりすでに年齢要因的な問題が出始めるといことです。
このあとは特に35歳、37.5才とぐっと妊娠率が低下するといわれる年齢があります。

赤ちゃんの出来やすさは、『不妊治療歴の長さ』ともリンクします。
つまり、ある程度の不妊治療の長さがあれば、同じ年齢でもこれから赤ちゃんが出来る可能性は低いと言うことです。

35歳でドクターが不妊治療終了とされたのは、それまでの長い不妊治療歴を踏まえ、
年齢要因も加わった現状に対して、『これ以上医療的介入は意味がない』というご判断だったのでしょう。

....医師による不妊治療終了宣言

この医師が「不妊治療終了宣言」をしてくれるというのは、厳しいことなのですが、
ご本人にとっては、気持ちの切り替えはもしかしたらしやすいのか?と私は感じてしまうことがあります。厳しい現実ですが、「生理があれば妊娠出来る」と漠然と思っている女性は多いのではないかと思うのです。でも、もともと妊娠しやすい人であっても、年齢要因が重なれば「絶対妊娠しないというわけではないが、妊娠しにくい」状況になります。ましてやもともと妊娠しにくい「不妊」の方であれば、「厳しく、難しい状態」であることは事実です。この事実の中、ご自身だけで「不妊治療終了」を決断するのは無理なことではないかと思います。このときに医師から宣言してもらえることはある意味有難いことなのかもしれません。そしてその上で、「私はもう少し治療したい」という希望が受け入れてもらえることも大事なのかと思います。妊娠には思っても見ない奇跡があるのもまた事実なのです。確率、可能性をどう把えるかは、その方の人生の文脈の中で生きてくる事柄です。現状を踏まえ選択するということが重要なのではないかと思います。


....「あきらめたら妊娠」
さて、「あきらめたとたんに妊娠」ということは、実はよく妊娠にまつわるエピソードとして聞かれることではないかと思います。もう無理だと治療をやめたら妊娠したなど、不思議なエピソードがよく聞かれます。

このあきらめたとたんに妊娠ってどういうことなのか、東洋医学的に考えてみたいと思います。


..3)肝気鬱結、ストレス状態の不妊
【図:3】

今思うと、彼女の不妊は、いわゆるストレス性のもので、大きな器質的な問題はないケースだったのでしょう。

イラストをご覧ください。
東洋医学の世界では、このように人間を一本の木にたとえることがあります。

健やかな心身とは、左側の図です。
肥沃な大地にどっしりとした根をおろし、健やかに天空に枝葉を伸ばす一本の木。
太陽が光を降り注ぎ、一つの生命として暢びやかに安定している様をあらわしています。

それに比べ、右側の図は、幹も色味を増し緊張している様子ですし、天空を枝葉が埋め尽くし、
風が通ることも、光が柔らかく一枚一枚の枝葉に降り注ぐとこも出来にくくなっています。そのなかで、ぎらぎらと太陽だけはより光をましています。
人間は、一生懸命頑張って生きています。
一生懸命頑張るということが、この枝葉をぐうっと生い茂らせて情報に目を光らせ、
気持ちを集め凝らして頑張っているということなのです。

そしてこれが身体のストレス状態です。

ぎゅうぎゅうとなって詰まってしまった天空があるが故に、身体の全体に対する気血の巡りが悪くなり、妊娠で一番大切な、「妊娠に致るための一連のシステム」がスムーズに運ばなくなってしまうのです。

長年の不妊治療は、身体に大きな負担と精神的なストレスを呼び込み、このような
「ストレス状態」で身動きが取れない身体になり、結果として妊娠しにくくなっていたのでしょう。
諦めて泣きはらすことによって、この天空にぎゅうぎゅう詰まった枝葉が払われ、
風が通り、光が一枚一枚の枝葉に降り注ぎ、ふんわりと彼女の下に赤ちゃんがやってきて
くれたのではないかと思います。


20年前の治療では、卵子と精子を直接的に出会わせて子宮に戻すという体外受精の技術がありません。ストレス状態で動かなくなってしまった卵管がおこしているあとちょっとという不妊状態に対して、なすすべもなかったのでしょう。


不妊は、オールオアナッシング。つまり、妊娠できるか、出来ないか二つに一つです。

彼女のように、大きな問題はない、もう一息、卵管采がスムーズに動いて、卵子と精子の出会いさえあれば妊娠にいたるのだという状況でも、ただ「妊娠できない」という事実の前には、不妊という状態しかありません。


もうあと一息、でも精子と卵子が上手く出会えていない。

この解決に、現代では体外受精という選択肢が用意されています。
出会えていない精子と卵子を体外で出会わせ、子宮に戻す。このことで沢山の方々に
朗報がもたらされました。本当に有難い治療方法だと思います。


赤ちゃんが欲しく、大学病院に通うころの彼女に、いまもし出会えたらとふと思うことがあります。

彼女は、病院の先生からの話にショックをうけ泣き晴らすということで、からだがストレス状態から脱し、全身の気のめぐりの悪さがとれ、卵管采が気持ちよく動き卵子をキャッチし、精子と出会い、肩の荷が降りリラックスできた子宮内膜にスムーズに着床できたのでしょう。

彼女が、最後に妊娠を得ることが出来た状態、それと同じ状態を作るように鍼灸でお手伝いができます。アドバイスができます。

また、現代では体外受精という手段があります。
彼女に、体外受精の技術があったら、ストレスなく不妊治療が受けられ、赤ちゃんと
もっと早く出会えたかもしれません。

そしてまた、IVF-ET(体外受精ー胚移植)の手を借りても、ストレス状態による、ふんわりと着床してくれないという不妊状況は存在します。そういったときにも鍼灸は力強いお手伝いをすることができます。

赤ちゃんが欲しい、妊娠したい。そう願っていらっしゃる方々に、
少しでもお手伝いが出来れば、私はとってもとても嬉しいのです。

..4)一連のシステムがスムーズに動くと言うこと
【図:4】

人間を一本の木にたとえる、つまりイラストの左側にあります「木」がそのありようです。

?妊娠?ということを中心に考えてみましょう。

右側の図をご覧ください。

腎というのは、「木」のどっしりとした大地をさしています。木をしっかりと支え養う肥沃な大地が?腎:生命の土台?と言う言葉で表現されています。

根っこの部分と大地の部分、つまり「脾と腎」東洋医学でいう、
胃腸の力(脾)と生命力の源(腎)の力です。

蓋となっている肝は暢びやかな心身。天空に向かって気持ちよく生い茂る枝葉、幹のありよう、そして全体のスムーズな循環をあらわしています。

この腎と肝に支えられ、守られ、妊娠にいたる一連のスムーズにおこることが妊娠にはとても大切です。

精子が順調に卵管を旅し、
卵子が卵管采に上手く把えられ、
卵管膨大部で、精子と卵子の出会いとなり、受精卵が出来る。
初期胚、桑実胚、胚盤胞と、卵管は受精卵を育み、運び、腎の土台がつくりあげた
ふかふかのお布団にふんわりと受精卵を着床させます。

この一連の流れは、すべて、腎の土台と、肝の暢びやかな心身が大切なのです。

東洋医学はこの腎の土台を作ることや、肝の暢びやかな心身を作ることにとても
力があります。そしてこの二つは妊娠にいたる旅にとってとても重要なのです。

IVF-ET(体外受精ー胚移植)では、この図の中央、?精子の旅?と?出会い??受精卵の旅?にとても大きな力を発揮してくれます。

物理的に卵管の閉塞などがある場合、精子と卵子の出会えず受精卵が出来ません。
一般不妊治療と言われる人工授精までの『身体の中でおこることの応援』を中心とする治療では、この物理的に出会えていない状態についてはなすすべがありません。
20年前の彼女は、多分ストレスのために卵管がスムーズに動くことが出来ず、
精子と卵子の出会いが妨げられていたのでしょう。
現代でしたら、IVF-ET(体外受精ー胚移植)が彼女の強い味方になったと思います。

4)後半


西洋医学の治療で、過度の排卵誘発など負担になる治療を受け続けると、生命の土台である腎を痛めてしまいます。不妊治療を受け続けていてだんだん身体の調子が悪くなってきたとおっしゃる方はとても多くいらっしゃいます。【沢山排卵させればチャンスが増える】確かに、多少の過排卵は治療の性質上必要とされるでしょう。でも、腎に大きな負担をかける薬漬けとも思われる治療は、腎の土台をすり減らし、却って悪循環をおこし、『どんどん卵巣の反応が悪くなり、薬も大量に必要となってしまった』『沢山の卵はとれたけど、妊娠出来なかった』そして『いくら薬をつかっても反応しなくなってしまった』という腎の疲弊状態を招いてしまいます。

では、全ての西洋医学的治療をやめて、自然に任せる一本に絞る東洋医学的な妊娠への道が唯一最良の道でしょうか?

私は、『妊娠に致るための旅』は、その年齢、状況などにより個々に判断されるべきだと考えています。年齢が若く不妊治療歴が短ければ『自然』に任せ、東洋医学的な不妊治療だけで挑戦する時間をもつのもとてもよいと思います。不妊治療のファーストチョイスが東洋医学(鍼灸)であっても、かなりの割合の方への解決策になると思います。
しかしながら、卵管などに物理的な要因がある、精子の数が極端に少ないなど、『自然』に
任せる治療法だと、『精子と卵子の出会い』が出来ないと考えられる場合は、やはり『西洋医学』の手を借りるという選択肢も考えに入れておかなければなりません。
ましてや年齢要因が絡んでくると、選ぶことの出来る範囲が刻々と減ってしまいます。
その方のチャンスを最大限に生かすためにはどうしたらいいのかを考えることが大事です。
このためには、不妊カウンセラーと一緒に『不妊治療の作戦』をたて、計画的に目処をもって前に進むことが大事です。不妊治療では『時間の無駄』が最大の敵です。ご自身の大事な時間を無駄にしないように、そしてただ闇雲にあせり過度な治療で腎を痛め悪循環に陥らないようにと願わずにはおれません。


私はもう10年以上IVF-ET(体外受精ー胚移植)をなさる方々のお身体を東洋医学的な四診を通じて拝見してきました。シンプルに、脈を診て、腹を診て、舌を診て、皮膚を診ることを通じ、『こんなに?』と思うほど強い治療繰り返し、繰り返し身体を痛めつけてしまった方を沢山拝見しています。

 そうした経験を通して、できる限りナチュラルでスムーズな高度生殖医療は、結局妊娠への近道ではないかと思うに致っております。山下湘南夢クリニックはじめ、加藤レディースクリニックグループのシンプルなARTを私が信用できるものだと思うゆえんであります。そして、山下先生の採卵、移植などのスムーズで確実なテクニックは、信頼に足る技術を提供できる数少ない先生のお一人だと思います。シンプルでナチュラル、そして確実な技術によるIVF-ETは、東洋医学でいうところの、?腎?にも?肝?にも負担をかけず、?妊娠にいたる一連のシステムがスムーズに働く? 妊娠に近い高度生殖医療なのだと私は理解しています。

妊娠は足し算治療では得られない。
無駄な足し算、念のためにの足し算をしない。
生命の土台である腎を痛めない
ストレスのない気持ちの良い暢びやかな心身。

妊娠ということを、息を詰めるように考え込まないでくださいね(^_^)。
気楽に、肩の力を抜いて、楽しんではじめましょう!


..5)IVF-ET(体外受精ー胚移植)での二人目不妊、身体の力がない場合
【図:5】

先ほどは、身体のストレス状態が妊娠に与える影響についてお話ししました。

さて、この図を見てください。
左側は先ほども出てきました『健やかな心身』をもった人間のありようです。
そして右側はなんだかだいぶ困った感じが伝わるのではないでしょうか。
大地も痩せ根も細くなり、幹も、そして天空に広がる枝葉も困窮して枯れかけ縮こまっています。
身体がだいぶ疲労困憊し、疲れ果てている状態です。

....〔身体が疲れ果てての不妊、二人目不妊〕
私の所にいらしていた患者さんで、『不妊』状態に悩む方に鍼灸治療と併用してIVF-ET(体外受精ー胚移植)をお勧めしたところ、あっさりと妊娠され、無事にかわいい女の子をご出産。鍼灸治療も無事卒業となりました。このとき、残った凍結胚が3つ。

その後子育てをされ、二人目が欲しいと思った彼女は、さっさと凍結胚を戻しました。
ひとつめ、ふたつめと戻すものの妊娠せず。妊娠-出産に致ったよいグレードの凍結胚ですので
『なんで妊娠しないんだろう?』と思いつつ、『まあ、たまたまだわ』と思い、戻したそうです。

二つ目の凍結胚で妊娠しなかった結果がでたときに、『身体の状態が悪いのかしら?』と
再度私の所に戻っていらっしゃいました。

お身体を再度、四診させていただいて、【図:5】の変化をされていること気がつきました。
だいぶ疲労困憊のお身体になっていたのです。妊娠、出産、産後の状況、育児は、
30代半ばの彼女の体力をだいぶ奪っていたのでしょう。

私がなにより不思議だったのは、こんな【心身ともに疲弊状態】にあるのに、ご本人が気がつかないことです。おかしいと自分のことを思わなかった?と伺っても、「少し疲れ気味かなとは思ったけど、育児もあるし・・」とのお返事。自分で自分のことはわからないというのはこういうことなのかと思いました。

『身体の状態を、一人目の妊娠前の状態まで戻すこと。またせめて体重をあと2kg増やすこと。そのときまで凍結胚の移植は待ったほうがいいと思いますよ』

と、アドバイスさせていただきました。

しかしながら彼女は、ご自身の年齢が30代後半になり子育てに体力的な不安があること、そして上のお子さんとの年齢差なども考え『早く二人目が欲しい』と、あれよあれよという間に、3つめの凍結胚を移植し、残念ながらの結果に致りました。

その後、『もう少し待ったら・・』というアドバイスをさせていただいていましたが、すぐに再度の採卵、移植をなされ、2回目の移植で妊娠しなかったときに初めて『このままじゃダメなんですね』と納得してくださいました。凍結胚の移植(それも年齢がわかかったときの!)が3回、採卵2回、移植が3回を過ぎた所の出来事です。

鍼灸を週に1回以上、そして養命酒などの薬酒を毎日。薬酒は身体の力をつけてくれますが、いままで【妊娠するかも】といつも思っていたので、なかなかお酒である薬酒に手が出なかったようですが、肚をくくって半年の身体作りを思い立ったのでじっくりと飲むことにされました。自宅でのお灸も毎日。

そして体重が1.5キロ増えたところで、再チャレンジ。採卵しフレッシュで戻し。
これは一人目のお子さんを妊娠された方法です。残念ながら妊娠せず。このとき凍結した
胚盤胞を移植。無事に妊娠されかわいい男の子をご出産されました。


身体の疲弊状態は、一人目の妊娠ー出産を経験した方でも、妊娠に立ち向かう大きな壁に
なるということがわかります。

1度も妊娠したことがない方だと、身体の疲労状態が問題なのか、ストレス状態が問題なのか、はたまた、なにか他の要因で妊娠出来ないのか判然としないことが多いと思います。そして『妊娠すること』自体が抱える不可思議さのせいで、『妊娠しない理由』を見つけるのは案外難しいことだと思います。ただ、今の状態を分析することは出来ます。そして出来ることをコツコツと積み重ねることも出来ます。その道が少しでも妊娠に近くなるようにと願わずにはおれません。


..6)様々な身体の状態、東洋医学で考える『何が必要』

さてさて、ストレス状態や、心身ともに疲弊状態など色々なお体の状態を説明させていただきました。少し整理してみましょう。

【図:A】 

肥沃な大地に、しっかりとした太い根が張り、力強い幹に暢びやかな枝葉が天空に向かって
手を広げています。光が降り注ぎ、そよ風がとおり、水が根から枝葉を通じて天空から水滴となって地面にゆっくりと降りていきます。風と水の循環が絶え間なくおこり健やかな心身を保っています。

【図:B】

比較的しっかりとした大地があります。
しかしながら、天空の部分には枝葉がみっちりと茂り、風が通り抜けることも、光が降り注ぐことも困難になり、渋滞した道路のようになってしまっています。

一生懸命頑張ろう、目を光らせて、意識を高ぶらせて前向きに頑張っている、頑張りすぎている方によくおこる状態です。

天空がぎゅーぎゅーと渋滞してしまっている状態は身体全体の風と水の循環を滞らせ、巡りの悪い心身となります。いわゆるストレス状態というわけです。

妊娠するときには、『一連のシステムがスムーズにおこること』が必要です。
ストレス状態は、この一連のシステムの流れを悪くしてしまいます。
鍼灸がとても効果的なタイプです。

【図:C】

なんとも寂しい一本の木です。
一番初めに出てきました、肥沃な大地に根ざすしっかりとした木と比べると一目瞭然。
大地の力も、天空に伸びる枝葉も枯れかけています。

この状態は、

もともと体力がない方、
心身ともに疲弊するような状況を過ごしてきた方、
一人目の出産後の養生が不良であった方

などにみられます。
心身ともに疲弊した状態です。

まず、大地の力を取り戻しましょう。
肥沃な大地は東洋医学の世界でいう脾胃(胃腸)の力の充実から生まれます。
小さな子供を育てるように、あなた自身を育てる必要があります。
そして、しっかりとした大地、根を作り、すこしづつ天空に向かう枝葉も
充実させていく。そんな身体作りが必要な状況です。

漢方や鍼灸の手助けが必要な状態です。
すこしづつ、すこしづつ、身体を充実させていきましょう。

【図:D】

現代人に多く見かける状態です。

大地の部分に余り力がなく、根もひょろひょろとしています。
身体を支える部分の充実度が足りない状態です。
それなのに、身体の上部、枝葉の部分はやる気満々。
がんばるぞ、がんばるぞと天空に枝葉を密集させています。
ただ、支える大地の力が不足しているため、天空の枝葉も色が悪く
枯れ枝が密集しているような状態です。

身体の支えがないのに、気持ちだけ高ぶり頑張ろうと無理をしているストレス状態です。

大地の力を充実させることと、高ぶりすぎたストレス状態をコントロールすることが
大切です。

漢方と鍼灸を組み合わせ、土台の充実とストレス状態のコントロールを上手にはかり、
健やかな心身を作っていきましょう。

..7)攻めと底上げの二重作戦
【図:7】

西洋医学と東洋医学、医学の体系として根底から考え方が違います。
ただ、妊娠という目標に対して考え方アプローチの違いはあっても向かうところは同じです。

私たちは、西洋医学も、東洋医学も利用して、妊娠するために努力することができます。
両者にはそれぞれ相反するようなメリットデメリットがあります。

西洋医学の大きなメリットは、薬による直接的な排卵誘発や、IVF-ET(体外受精ー胚移植)における、直接的に採卵し受精卵を作り子宮へ戻すなどの技術です。これは東洋医学ではまったくかなわない大きなメリットとなります。

しかしながら、この西洋医学での大きなメリットは身体の土台への直接的な負担や、ストレス状態をより強くするという『心身そのものに掛ける負担』が大きいのです。

『病院で不妊治療を続けたら身体の調子が悪くなって・・・』

 というお声が聞かれるのもこのためですし、

『薬の使いすぎで、だんだん卵が取れなくなってきてしまったのです』

という状況になるのも、心身そのものへの負担が大きすぎたためです。

不妊治療により『妊娠』がスムーズにおこれば、これらデメリットも、さほど大きな問題とならずに妊娠出来たことのメリットの方が大きいと思います。

しかしながら、不妊治療はある程度継続しなければならないケースも多々あります。
そのときに、このような治療が続くことは、妊娠するために努力し続けることがかえって悪循環を生んでしまうということになってしまうのです。

このときには、東洋医学の手を借りて、この悪循環から抜け出してください。
また、よりスムーズに妊娠への道が開けるように、東洋医学の大きなメリットである、妊娠する力への直接的な応援になる土台の力作り、そしてストレス状態の緩和をはかり、健やかで暢びやかな身体作りをおこなっていただきたいと思います。

妊娠への不妊治療は、

『西洋医学による力強い攻めの治療』と

『東洋医学による身体作りからおこなう底上げの治療』が

必要で、この『攻めと底上げの二重作戦』を

..8)身体作り


睡眠:お肌の綺麗になると言われている時間は卵巣にとってもとても有難い時間です。
10時から午前2時までの睡眠は宝になります。

運動:足腰を使う運動が最適です。いわゆるエアロビクス的な心肺運動を指すのではなく、歩くことを中心に、しっかりとした土台作りを目指します。

お灸:毎日、ご自宅でお灸による身体作りをしましょう。続けることでとても大きな効果をもたらします。

食事:間食をさけ、美味しく頂くことを心がけましょう。『何か良いものは?』と探し求めるよりも、日々の心のこもった食事を頂くことが一番だと思います。極端にタンパク質を制限したり、大豆製品の取りすぎも身体にかえって負担となる場合があります。極端をさけ、楽しくいただきましょう。


..9)赤ちゃんと出会うために

我が子に会いたいという気持ちは誰もがもつ素直な感情です。
一生懸命我が子に出会うための旅をなさる皆さんの
    負担が少しでも軽くなるように、
    一日でも早く出会えるように、
   明るい気持ち、楽しい気持ちを持ち続けられるように、
そんな応援の気持ちでいつもいます。

こうのとりは気まぐれで、待つ時間は長く切なく辛いものかもしれません。
私の師である伴先生が、そんな皆さんに『待つ時間を過ごすための暝想法』を
教えてくださいました。ぜひ、お試しください。
少しでもお力になれればうれしいです。

 ☆~゙☆~゙☆~゙待つ時間を過ごすために☆~゙☆~゙☆~゙

考えるということはとても精力を使うことです。根気が必要なんですね。この精力とか根気というのはどこから来ているのかというと、腎に貯められている根本的な力から来ているわけです。

腎気がしっかりしていると、しなやかで正確な思考ができますけれども、腎気が弱ってくると、根が腐った樹のように不安定なひねくれた考え方になったり、そのような根をがっちり固めようとするために頑固になったりします。

このような時は、考えるということを休むという方法を取り、腎気を休めることが建設的です。けれども、人間の不思議と申しましょうか、このような時は、まるでチベットの山奥で強い寒風に吹かれてからからと激しく回る風車のように、根のない思考が頭の中をめぐってしまいます。考えないようにしようと考えると、どうすれば考えないことができるのだろうと考え、考えを止めるにはどうするかなどと、禅の本を読み始め考え込んでしまうわけですね。

まさに思考というのは、人間の特徴であり、その人生の健全なあり方に対して、両刃の剣となるものです。

そこで、考えを止める方法の一つを提案しておきます。


それは暝想をするということです。暝想というと何かおどろおどろしいものですが、ここでお薦めするのはとても単純なことです。それは、「身体の声を聴く」ということです。自分自身の身体と対話してみるわけです。

まず、その声を聴きたい部位を選びます。痒いところ痛いところなどは、すでに身体がその声を発しているわけですから、そこにある思いに耳を傾けていきます。思い当たらなければ、身体の中心である臍下の奥の丹田(女性であれば子宮)を選ぶとよいでしょう。

その身体を得、その身体を使った時のことなど、ゆっくりと思い起こして、小さな声も聞き逃さないように、深く深く心を澄まし、ゆったりと耳を澄ましていきます。そこにある、悲しみや、喜び。重さや、広がり。を感じ取ります。

人は、一つの、宇宙です。その、宇宙の、中の、宇宙の、一部の、一点の、声を、聴いていきます。

全身の力みを抜いて、その部位に耳を傾けます。横になってもかまいません。ゆったりと、ゆっくりと、こころをほぐしながら、よりよく聴けるよう、耳を澄まし続けます。

その、小さな、声を聴き逃さないよう。心を込めて、さまざまな角度から、その声に耳を傾け、聴き続けます。

怒りがあれば、悲しみが裏に必ずあります。その悲しみは何なのでしょう。理解されなかった悲しみ。乱暴に扱われた悲しみ。喜びの表現を無理に押しとどめられた悲しみ。

この怒りが、堅い塊となって、人の筋肉によろいのように巣食い、自分自身のやわらかな心をまもろうとしています。けれどもそれが、実は、心を閉ざす基になったり、人とのさらなるいさかいの原因になったりします。

そこにあなたの愛を注いでみましょう。あなたの小さなものをいつくしむ心を、自分自身の悲しみに注ぎ込みます。感情があふれてきたら、それを押し止めずただ流します。ゆったりと大いなる宇宙にまかせきって、すべての思いを流していきます。

ありがとうございました。

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