Ｃａｆｅ　Ｑコミュの●【SS】『別れ』『桜』『ミントチョコ』? /醸し人九平次

醸し人九平次　　　　　　　　　　　　2009年02月27日
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『別れ』『桜』『ミントチョコ』?

相変わらずの忙しさの中、夢中で仕事を片付けいた。
あれから３年、
孤独感に苛まれながら忙しさの中で打ち消してきた。
瞬間の安堵の中にもその思いは忍び込んでくる。
振り払っても、振り払っても
決して消えはしない。

嫌われた訳ではなかった
ただ、生き方が違っていた
共に仕事にのめり込んいた。
近くで同士のように励まし合うことも出来ず
相手を思いやるゆとりもできず、大事なものを見落としいた

お陰でそれなりの充実感はあり、
周りを見渡せる余裕もできてきた
腑とした雑誌の記事にあいつの名前が目に留まった
あいつも頑張っていた
その記事の中には眩しいばかりのあいつの姿があった

携帯を弄っていて
あいつのアドを見つけた
消せずに今も残っているアドレス
懐かしさのあまり１通のメールを送った
届かないかも知れない
届くはずもないと思いながらも
何故か送らずにはいられなかった
桜の散り際の中
神社の境内に腰を降ろし
送ってしまったメールを暫く見つめていた

暫く、片手でジッポを弄りながら
火の点いてないマルボロのメンソールを唇に銜えて・・

ひばりの鳴き声が青空に舞っていた

銜えたタバコに火を点け　
煙を静かに吐きだした

すると、携帯の着信音が成る

協奏曲第1番ホ長調「春」
『ヴィヴァルディ』

あいつだ・・・
この３年間一度も鳴らなかったこの曲

「お久し振りね・・元気だった？」

昔と変わらない声がそこにはあった
少し、鼓動が早くなるのを感じつつ
銜えていたタバコを携帯灰皿で揉み消した

『番号消してなかったんだ・・』
「あなたこそアドレス、消してなかったのね・・」

静かな物言いのやさしいトーンが耳に響いてる
あいつの艶やかな唇が眼下に浮かんできた

『雑誌、見たよ・・』
『なんかあんまり変わってなかった・・』
「そう〜？」
「これでも、小皺のひとつやふたつは増えてるのよ」
「誰かみたいにリアルに撮らないから・・」

相変わらずの減らず口は健在であった(笑)
交わす言葉も少なく
あいつの後ろで流れるＢＧＭだけが聞こえてくる

「新しい彼女は出来た？」
『余計なお世話だ〜！、そっちこそ・・』

しまった、
つい言わなくていいことまで喋り出す・・
この口は・・

「会いたいな・・」

思ってもいなかった言葉に動揺してしまう

『・・・・』

言葉にならない言葉を発し、黙ってしまった
相変わらず、
俺の受け答えだけで読んでやがる

「今度、時間作ってくれない？」

その言葉は俺の奥底に眠っている
あいつへの想いを
鷲掴みにしていった

胸ポケットから・・・

一方的に送られた別れの手紙を広げて見た
桜色の便箋に滲んだ文字
その時、拾った桜の花びらがひとひら
便箋の上で風に吹かれている

涙で滲んだ手紙の中に

《何年かして、気持ちが変わらずに　一人でいたら・・》

消えかかった文字の中にその言葉を見つけた

別れても諦めずにいた思いの訳がそこにあった

『今度帰る事になったから・・・』

言わずにいようと決めたいた言葉が
口をついて出てしまった

「うん・・待ってる・・・」

思わぬ言葉にこころ時めいた

「初めて逢ったあの広場で待ってる・・」
「目印はあの時と同じ『アンデス』のミントチョコね(笑)」

『待ってろよ・・』
『もう・どこへも行くな・・・』

暫くして、電話は切れた

新たにマルボロの封を明け
ジッポで火をつけた・・

空を見上げると
ひばりが仲良く飛びかう姿があった

新しい春の装いに胸が踊っていた。

立ち上がって
タバコの煙を吐きながら境内を後にした


春、新たな始まりである。

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【ＣＯＭＭＥＮＴ】
　　　※?の続編って事で頑張って見ました･・　
　　　　HappyEndに出来てよかった･・かな？(笑)

　　　　実は･・　To be continued. （笑）　　　　　　　　　　

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