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荒野に生きるチームコミュの吉良 Change the worlD vol.72

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【第71話】http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=30380756


 由美子はところどころ監視カメラを気にしながら、研究所の中を進む。敷地内に入るのは難しくなかった。塀をまさぐるとメンテナンスハッチが隠されており、中のドアノブを引いたら勝手口が開いたのだ。

「ここはどこかしら」

 人の気配はない。これだけ大きな設備なのに、どういうことだろう。白い壁だけが続いている。
 時折交差点があって曲がりたい誘惑に駆られるが、下手に曲がれば方向を見失いそうだ。それに曲がった先に、誰かがいるかも知れない。由美子は武器も持たないことに、急に怖れを感じた。

 それでもしばらく行くと、景色が変わる。白い壁は相変わらずだが、この先の壁はガラスになっている。由美子は慎重にガラスに近づいた。
 そこにあったのは、異様な風景だった。円柱状の部屋を取り囲むように、トイレほどの大きさの個室らしきものが並ぶ。中心には何かの機械があって、今にも液体が垂れてきそうな管と、それを受けるビーカーがある。まだ稼働していないのだろうこの施設は、それでも消毒液の臭いが鼻についた。

 さらに進むと、鋼鉄の扉があった。暗証番号を打ち込むのだろうか、テンキーが横に付いている。

「暗証番号なんて知らないし。どうしよう‥‥。あ、でも」

 由美子は、幾つかのキーだけがテカっているのに気付いた。


 バンは、その青い建物に入っていった。高い煙突からは、煙などは出ていない。

「まだ稼働していないのか。ならば」

 警備員も含め、人は少ないはずだ。ここは強襲すべきか。吉良はヘリを青い建物の前庭に向け、エラを起こした。

「エラねえさん、起きて」

 だが、萩原の返事はない。やはり小口径とはいえ、銃弾のダメージは大きいのか。

「んが」

 萩原のイビキが、機内に轟いた。

【第73話】http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=30679044

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