「フレンチエレクトロオブチーターマン」や「Cheetah Men vs Justice」などの素晴らしい楽曲を提供してくださっていたkz。さて、ここで、「ストロボナイツ」に関して、ちょっとした思考実験をしてみようか。この曲が10年前にリリースされていた場合。あるいは、10年後にリリースされていた場合。いったい、どうなっていただろうか?答えは明白だ。どんな時代にリリースされていたとしても、この曲はリスナーの心を必ず鷲づかみにする強烈なポップチューンに違いないのである。もはや、「初音ミク」などと言う商品名なんぞどうでも良い。力強く個性を主張する音圧職人芸。重低音の達人。伸びやかに弾む音たちの洪水。何度聴いても、知らず知らずにうちに体が動き出してしまう見事なリズム感。音楽の喜びが詰まりに詰まった5分46秒。雷鳴のごとく響き渡る、例の「スパーーーン!」……。文句のつけどころはどこにもない楽曲。タイミングも実に良かったと言える。世界で最も光ファイバーの価格が安いという状況を総務省が作り上げ、さらには「ニコニコ動画」開発部隊の驚異的なエンジニアリングによって、良い音質でアップロードできるという環境。なんて幸福な時代。そうでなければ、「フレンチエレクトロオブチーターマン」という、いわゆる「クソゲーが台無し」な音楽にも、私たちは出会えなかったはずだ。ちなみにkzは、傑作「リラホルン」でも知られる、かじゅきとlivetuneというユニットを組んでいるが、「リラホルン」にも雷鳴の要素は入っている。最初に入る「リラホルン♪ リラホルン♪」という地響きではないかとすら感じさせるリフレイン。強烈なまでの爽快感と陶酔。livetune というユニットに、あえて裏の名前をつけるとしたら果たして何になるのか? それは、稲妻<イナヅマ>になるのではないかと僕は考える。livetune の2人が作り出す音楽には、いきなり雷が落ちたかのような衝撃が生々しく刻印されている。