劇団ヒロシ軍コミュの『My嫌Life』vol.3

僕は、よく周りから「考えすぎ」「マイナス思考」と言われる。

ちょっとしたことで、ものすごく考えちゃうし。

冗談とかも通じない。

だから僕と一緒にいると、ほとんどの人が愛想を尽かす。

でもね僕だって、考えたくて考えてるんじゃないよ。

元々、僕は全く考えない人間だったんだよ。

僕が考えすぎるようになったのは、お母さんのせいなんだ。

僕のお母さんの名前は坂口美紀子(ｻｶｸﾞﾁﾐｷｺ)。

45歳。年をとってる割には顔は若く見られる。

一般の主婦に比べれば、家事はしっかりやるし、食事だって作ってくれる。

だけど一つだけ問題があった。

僕のお母さんは全く考えない人なんだ。

宝くじをたくさん買うためにヤミ金に手を出したり

消費期限が半年過ぎた食べ物も平気で使うし

金が無い時は自分の身体を男に売ったりしていた。

そんなお母さんの口癖は『大丈夫、なんとかなるさ』だった。

お母さんの行動に嫌気がさした父さんは十年前に家を出て行った。

こんな何も考えないお母さんがいるから

僕が、こんなに考えちゃうんだ。

僕は僕も嫌いだけど、それ以上に…

お母さんも大嫌いだ。

あのトラックの事故から一週間が経った。

奇跡的に助かったとは言え、まだ体はボロボロだ。

退院するには２ヶ月かかるらしい。

僕は別に退院してもしなくても良い。

どっちにしても、つまんないんだから。

………………………。

ねぇ？マイナス思考すぎるでしょ僕。

つづく