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いいお話がありましたのでシェアさせていただきます。




著者の小林昭洋さんは

「つらいときに読む本」(サンマーク出版)という本も

出版されています。

小林昭洋さんのHP【苦しまないで生きる方法】
http://www.geocities.jp/kurushimanai/index.html






山梨日日新聞児童文学入選作品

著者:小林昭洋


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「てっぺん祭り」  
                    
 ふもとからはぜったい見えない山のてっぺんに、月夜にかがやく泉がありました。

 その泉には昔ケンカをしていた熊村、猿村、うさぎ村を見守るために月の女神が移り住んだという言い伝えがあり、毎年そこで『てっぺん祭り』が行われているのです。

 祭りではたくさんの屋台がならび、花火大会をするのですが、今年は村の代表で競われるマラソン大会をみんな楽しみにしているのです。

 一ヶ月前には各村の代表選手として熊村からは心の優しいプーマン、猿村からはいつも前向きなモンタ、うさぎ村からは負けん気の強いラビが選ばれました。

 どこにいっても、誰が金メダルをとるのかという話でもちきりのなか、プーマンは仲間の熊たちと楽しそうに練習をしています。モンタは気持ちよさそうにマイペースで走り続けています。そんななか、ラビは朝から晩までマジメな顔で階段を上ったり下ったり、あるときは山を二つも越える大変な練習を繰り返していました。

 ある日、森の中、プーマンがモンタに出会いました。

 「毎日走っているのかい?」

 「うん、毎日走ってるよ。ずっと前から続けてるんだ。僕は走るのが好きで、もっと速くなりたいんだよ」

 汗をふきながらモンタはほほえみました。

 日が暮れて、帰ろうと思ったプーマンの前にラビが走ってきました。

 「こんな遅くまで練習をしているのかい?」

 「ああ、毎日やってるよ。俺は勝つ、絶対に負けるわけにはいかないんだ」

 ラビはその場走りを続けながらクールに答え、すぐに走り去っていきました。



 大会の前日は雨が降っていました。プーマンは仲間と楽しそうにごちそうを食べています。モンタが部屋で運動をしながら窓の外をながめていると、バシャ!バシャ!バシャ!レインコートを着たラビが走り過ぎました。雨風はいっそう強くなり、川にかかるつり橋は大きくゆれているのでした。

 ドーン!ドーン!昨日の雨が嘘のように晴れわたり、花火が打ち上がっています。ゴール地点の泉まわりでは屋台の準備が始まり忙しくしています。スタート地点の大きな木の下では、みんな今か今かとワクワクしながら選手を応援しています。

 いよいよスタートです。パン!という音とともに一番に飛び出したのはモンタ、続いてラビ、そしてプーマン。道ばたの声援に応えるようにみんな一生懸命です。

 前に川が見えてきました。つり橋に一番乗りしたモンタは橋のゆれに驚いて、真ん中で立ち止まってしまいました。おかまいなしのラビがゆれる橋に元気よく飛び乗ってモンタにせまろうとした、その時です!さらに大きくゆれた橋の綱がプツリと切れて、モンタとラビが川に落ちてしまいました。大変です!みるみる二人が流されていきます。

 ドッポーン!大きな水しぶきをあげて飛び込んだのはプーマンです。川のいきおいに流されそうになりながらも、なんとかモンタとラビに追いつき、二人を大きな両肩に乗せて必死に泳ぎます。やっとの思いで川岸にたどり着いたプーマンは大の字に倒れて息を切らせています。勝ちにこだわるラビは二人をおいてゴールを目指して行ってしまいました。

 「おいらは力を使いきっちゃったみたいだ、モンタも先に行ってくれないか」

 「プーマンをおいて行けるわけないだろ」

 「モンタは走るのが好きなんだろ、おいらのぶんまで頑張ってくれないか」

 少し考えてからモンタはコクリとうなずき、再び走り出したのです。

 猛スピードでモンタは必死にラビを追いかけます。ゴールと大観衆が見えてきました。

 大勢の声援がとびかうなか、「お兄ちゃん負けないで!」という妹の声にスピードを上げようと力をいれたラビがすべって転んでしまいました。あきらめずに立ち上がるラビをぬいてゴールテープを切ったのはモンタです。

 モンタのまわりを猿村のみんなが囲んで拍手が鳴りやみません。ラビはその横で地面を叩いてくやしがっています。モンタは休む間もなく人ごみをかき分け、お医者さんを見つけました。

 「プーマンが大変なんです!」

 その声に会場中が静まり返ります。

 誰かが指をさし「プーマンだ!」、叫ぶその先に大きな体をゆすりながらのっそのっそとゴールに向かう姿が遠くに見えてきたのです。歓声はプーマンコールに変わり、繰り返されるかけ声がプーマンのゴールを祝福しました。



 泉に月が映り、金メダルがモンタ、銀メダルがラビ、銅メダルがプーマンにかけられます。モンタが表彰台でインタビューに答えました。

 「自分の大好きなことでほめられて、すごくうれしいです。もっと速くなりたいから、これからも走り続けていきます。でも、今回の金メダルはプーマンです」

 猿村のみんなはモンタに拍手をおくります。それを聞いたプーマンは

 「おいらは仲間と楽しく戦えたことが一番うれしいです。そして、いっしょに練習してくれた仲間に感謝したいです。最後まで走りきれたのはみんなのおかげです。ありがとう」

 と言いきりました。

 熊村のみんなも大喜びでさらに大拍手です。

 プライドの高いうさぎ村のみんなはラビが金メダルをとれなかったことが気に入らないらしく、腕組みをしています。ラビがマイクをにぎって静かに話しはじめました。

 「金メダルをとることができなくて、残念です。くやしいです。」

 うさぎ村のみんなはブーイングです。ラビは頭を下げたまま歯を食いしばっています。そこにラビの妹が前に出てきました。

 「みんな、お兄ちゃんを責めないで、昔うちのお父ちゃんがカメさんに負けたことで私もお兄ちゃんもイジメられたの…だからお兄ちゃんはいつか俺が勝って村のみんなに認めてもらうんだって、ずっと言ってたの…」

 「ラビは昨日の大雨でも練習していたし、誰よりも頑張っていました」

 泣き出す妹の横でモンタがそう言うと、うさぎ村の中からポツリポツリと拍手がおき、しだいに大きく広がります。みんなの笑顔が見えたとき、涙目のラビが言いました。

 「モンタ、プーマン、君達と走ったことで大切なものがわかったよ、ありがとう」

 鳴りやまない拍手は猿村、熊村の全員にも伝わり、大歓声が三人をほめたたえます。

 そのとき突然!泉に光がさして美しい女神が現れたのです。

 みんなは目をぱちくりさせています。

 「三人の心がみんなに感動を与え、三つの村を一つにさせましたね。自分の好きなことに素直なモンタ、いつでも仲間と楽しむことを忘れないプーマン、全力で目標に向かったラビ、みんな素晴らしいです。これからも変わらずにいてください。村のみなさんも彼らのように、自分に大切なものをもち続けてください」

 女神はそう言葉を残すと、月まで真っ直ぐにのびた光の中を昇っていきました。

 女神が去ったあとの泉にはたくさんのバナナとニンジンが積み上げられ、大きな壺いっぱいにハチミツが入っていました。

 ドーン!花火の音がひびいた瞬間、みんなの笑顔が赤や黄色にそまります。いつもより明るい月にてらされて、『てっぺん祭り』の幕があく。

 


あとがき

 読んで頂いてありがとうございます。
作者はこの作品を通じて大切モノを再確認してもらいたいと考え、
この作品を完成させました。

 「今」を大切にするモンタ

 「過程」を大切にするプーマン

 「結果」を大切にするラビ

 あなたが一番大切にしたいのは何ですか?

コメント(16)

カズキさんおはようございます電球

ー(長音記号1)がまん顔
一番と言われると…
即答できないかも?
でも、私は

《結果》は後からついてくるものかな?と思います。

《過程》は大切

でも《今》を楽しく、精一杯やることで、私らしく生きられる
かな?と、今は感じましたわーい(嬉しい顔)
僕は、「結果」を大事にしたいですね。
毎日生きていていると、必ず「結果」が出ます。
今日は、こうしよう。明日はこう。1週間後はこれ。
1ヶ月後は。半年後は。1年後は。5年後は。。。。
何をするにしても、目標があって日々を生きてる。
「結果」が出ない事はない。
「結果」が出ない事も「結果」
自身に叶った「結果」はラッキー。
自身に不本意な「結果」も受け止める。
それから、また新たな目的に向かう。
「結果」を求めてね。



たしかに、
《結果》も大切ですよねげっそり
チューリップえみさん

クローバーflexibility77 さん


コメントありがとうございます。


僕は今まで、過程より、今より、結果がすべてでした。

理想とする結果を先に決めて、あとは潜在意識にまかせて
今を楽しんでいれば、過程は自然とできていき、
結果にたどり着く。

それが僕の基本的な考えでした。

でもこのとき、今を楽しめないと、過程はおかしくなって
結果は理想と違うことも経験しました。

大事なことは、今を楽しむこととバランスですかね。

この物語をよんでそんな風にかんじました。

掲載ありがとうございます。

今日の読売新聞に僕の著書
「つらいときに読む本」が写真付きで
掲載されました。

応援宜しくお願い致します。

小林昭洋
自分は今ですかね。

確かに結果を出すこと前提で、なのですが、迷いますね。

今精一杯やり、失敗しても、自分を持って居続けようと思うんです。

人に、心配して頂き、
結果は後からついてくる.という言葉を貰い結果を出しましたが、虚しいんです。
自分を押し殺して、出すだけでは、何なんだとなりまして、

全部大切ですが、確かに過程によって自分自身に良い変化はでますが。。

今かな、しみじみです(汗
アキヒロさん



おめでとうございます☆

これからも応援させていただきま〜す♪

きき☆さん


やっぱ、今ですね。

生きてるのは過去でも未来の結果でなく今ですもんね。

今をどう生きるか!!!これが一番大切なことのようにおもいます☆

ありがとうございます。
それは命ですexclamation ×2

命あればこそいろいろなる楽しみがあるし人を救っていけるんだと思います!
作者の小林昭洋です。
度々すいません。あせあせ(飛び散る汗)

先日、NHKに出演したVTRが
YouTubeにあがっていたので
貼り付けます。
もしよろしければ見てやって下さい。


今→今の連続が過程→結果

だから「今」

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