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受動喫煙防止を求める会コミュのたばこ産業による喫煙擁護戦略

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たばこ産業による喫煙擁護戦略

たばこ産業による喫煙擁護戦略(たばこさんぎょうによるきつえんようごせんりゃく)とは、喫煙規制とタバコ売上げ低下を防ぐ目的で行われる、政治・科学・一般大衆を対象の中心とするあらゆる方面でたばこ産業が行う情報戦略のことである。

○概略
疫学が受動喫煙の健康への影響を明らかにしていくにつれ、一般社会も受動喫煙の害を認識し、屋内禁煙などの喫煙規制法が様々な国で次々と成立している。[1]このため喫煙率・タバコ売り上げは減少し、たばこ産業の利益を減らしている[2]。これはたばこ産業にとっては痛手である。この対策としてたばこ産業は、環境たばこ煙による受動喫煙が危険なことを否定する誤った情報を流し続けている[3]。たばこ産業は、法規制を免れるため、科学者・弁護士・法律会社を雇い、金銭を提供して有名人に喫煙擁護を宣伝させるなど、いろいろな戦略を用いてきた[4]。

○米国たばこ産業に対する詐欺事件訴訟から
国民に対する詐欺行為で裁判にかけられた米国のたばこ産業は、喫煙者と喫煙者となる可能性ある国民に対し、次のような詐欺行為を行った、と米国連邦地方裁判所が判決文の中で明らかにした。[5]

1、誤りであることを知りつつ、喫煙の健康への影響を否定した
2、誤りであることを知りつつ、ニコチンや喫煙に嗜癖性があることを否定した
3、喫煙者を依存症に陥らせ、また依存症から抜け出られなくするのに十分な量のニコチンを摂取させる目的で、紙巻タバコの設計・構成を工夫していることを否定した
誤りであることを知りつつ、「ライトタバコ」「低タールタバコ」は摂取ニコチン量やタール量が少なく健康へのリスクが低い、と表現した
4、嘘であることを知りつつ、未成年に売込みを行っていることを否定した
5、誤りであることを知りつつ、環境たばこ煙が病気を起こすことを否定した
6、国民に、喫煙の影響・ニコチンの嗜癖性・を知らせないため、また訴訟において喫煙と健康の関連についての法的責任を最小限にとどめるため、多くの内部文書・情報・研究を隠蔽・廃棄した

○学界からの批判
2008年に米国心臓学会は、上記のような種々の行為や未成年へのたばこ売込み行為を批判し、このような戦略を行っているたばこ産業を「死と欺瞞の商人」「ならず者産業」と表現している[6]。


○背景
たばこ産業は、喫煙、特に受動喫煙の有害性が知れ渡ることを、かなり以前から強く恐れていた。[7]

医学界でさえ受動喫煙の有害性に関する研究が乏しかった1961年に、たばこ煙の84%が副流煙であり、副流煙は発癌物質を含む、というデータをフィリップモリス社の研究者が示した。これによってたばこ産業は、受動喫煙が深刻な健康被害や社会経済的影響を起こすことに気づき、気にかけていた。
1974年、たばこ協会会長のコーネゲイは、屋内で受動喫煙防止のための規制が行われれば、喫煙は社会から実質的に追放されると考えた。
1980年、レイノルズ社のホリガン最高経営責任者は、「たばこ産業の最大の脅威は受動喫煙問題」と述べた。
1990年、フィリップモリス社の報告書は、「喫煙習慣が社会の場で受け入れられるかがが、たばこ産業の直面している最大の問題だ。受けいれられないという意見は、もっぱら環境たばこ煙が病気を起こすことを根拠としている」としている。

○経緯
多くの文献が、たばこ産業のたばこ売上げ促進戦略について述べている。以下の多くは、2006年に米連邦裁判所が出した、たばこ会社による詐欺事件での判決文書による。

○たばこ会社が協同戦略を開始
1950年代初めには、増加しつつあった肺がんの原因を調べる研究者らが、喫煙と肺癌の関連性に気づいており、一般社会でも注目されつつあった。1953年、喫煙が気管支の癌を起こす、とするワインダーとグラハムの論文が発表された直後、たばこ会社の株は下落し、たばこの売上げも減少した(売上げの減少は、大恐慌以来の出来事であった)。 喫煙と疾病が関連性するという科学的証拠が積み上がりつつあることに危機を感じたたばこ会社は、これら科学的証拠に対抗するため、会社どうしで協同歩調をとる必要性を認識し、1954年に「たばこ産業研究委員会(the Tobacco Industry Research Committee、TIRC)」を設立し、“喫煙と健康に関するあらゆる事柄”についての研究に資金を提供することとした。同年10月19日の内部報告書によると、TIRCの重要課題は、「現在と将来の(たばこに対する)攻撃を止める十分強力な科学的基礎を作りあげること」とされた。

○たばこ産業からの偽情報発信
1953年から1964年の間、臨床医や大学の研究者・公的機関などによって、喫煙が健康に深刻な影響を与えるという示す証拠が膨らみ、特に肺がんとの関連は注目されたが、まだ科学的コンセンサスは得られていなかった。しかし既にたばこ会社は、喫煙が健康に深刻な影響を与えると内部で認識していた。 1950年代、たばこ会社は合同して、喫煙と疾病が関連する証拠を、ごまかし歪曲するキャンペーンを開始(内部文書では関連を認めつつ)し、講演会・出版物・メディアなどを通じて喫煙の無害性を訴えた。

例えば、1957年、TIRC(B&W社など複数のたばこ会社が設立した団体)は「ベンツピレン報告書に関する科学者のコメント」と題する出版物を出した(ベンツピレンはたばこの煙の中の発癌物質と先に報告されていた)。その中でTIRCは、「たばこ煙中のベンツピレンは癌の原因にはならない」と主張したが、この主張はB&W社の内部研究データと矛盾していた。

○喫煙は有害、との科学的コンセンサス発表後
1964年、米国保健省が喫煙と健康に関する約7000の科学論文を再検討し、「米国公衆衛生長官報告書」を発表。喫煙が疾病を引き起こす、という確固とした科学的コンセンサスを示した。その内容は:

・喫煙は、特定の疾患の死亡率を上昇させ、社会全体の死亡率を上げる
・喫煙は、男性の年齢調整死亡率を70%増加させる
・喫煙は、男性の肺がんの原因となり、女性の肺がんについても同様の傾向がある
・喫煙は、心血管系疾患の発症、特に虚血性心疾患による死亡を増加させる
この1964年以降も、科学界は、喫煙と膨大な数の深刻な健康への影響の関連を示す研究を発表し続けた。 1960年代からの内部文書と研究によれば、たばこ会社は引き続き、喫煙は深刻な健康への影響を与えると認識し続け、そのことが知られれば訴訟に影響しかねないと怖れた。このためたばこ会社は、1964年以降も、喫煙の疾病への深刻な影響を、ごまかし歪曲し続けた。さらにたばこ会社は、巨額を投じて組織的に喫煙と疾病の関連を示す科学的証拠を攻撃して歪めるキャンペーンに巧妙に着手し、「喫煙と疾病の関連はまだ未解決」と主張された。 1968年、ウイリアム・クレファー(William Kloepfer、たばこ協会広報副部長)のメモの中に、「たばこ論争での我々の基本的立場では、たばこ売上げ促進のため虚偽を述べたり誤解を招いたりしている責任をとらねばならない」との記述がある。

○平山論文の批判キャンペーン
1981年、受動喫煙と肺癌の関連を示す平山論文が発表された。この論文の影響を危惧したたばこ産業は、数百万ドルを投じ、平山論文を貶める世界的なキャンペーンを展開した。しかし、学界は平山論文批判を論破し、オーストラリアでは、たばこ会社は裁判所から、平山論文批判は虚偽の宣伝、との判決を受けている。

○受動喫煙の有害性を否定する
たばこ産業は、1950年代から能動喫煙の害を否定するために科学者・弁護士を雇ってきた[8]のと同じ手法を、1970年代から受動喫煙の害を否定するのにも用いている[9]。1980年代後半、たばこ産業は世界中の受動喫煙の脅威に対応すべく、「国際受動喫煙コンサルタント計画」を作るなど、この努力の強化を行った[10]。たばこ産業は研究資金を提供し、受動喫煙に関する「研究」をすすめた。

しかし、これらのたばこ産業の資金による研究は、「受動喫煙が健康に害を与えない」と結論を出す可能性が 88.4倍 に跳ね上がることが示され、その信用性に専門家が疑問の声を出している[11]。

○受動喫煙に関する誤謬報道事件
1998年には、WHOのIARCのような権威ある国際機関を利用し、たばこ産業にとって不都合な研究をおとしめるためデマをメディアに流している[12]

○害を認めたフィリップ・モリス
1999年、ついにフィリップ・モリス社は、「喫煙が肺がん・心疾患・肺気腫などを引き起こすとの圧倒的な医学的・科学的コンセンサスをウェブサイト上で認めるようになり、2000年10月にははっきりと述べるようになった。しかし同社のタバコの箱には、まだ、癌などの病気を起こすとは記載されていない。 R.J.レイノルズ社、ロリラード社、B&W社などはまだ公式に、喫煙が癌の原因となることも認めていない。2000年、B&W社は同社のウェブサイト上に載せた:「我々は喫煙が特定の人の健康を害したという証拠を知らないし、喫煙でなぜ健康を害する人とそうでない人がいるのかもわからない」。

○WHOを貶める
日本たばこ産業は、WHOをおとしめタバコを擁護する意見を有力メディアに投稿したことに対し、ロジャー・スクルートンに金銭を供与していた。

○エンストローム論文
2003年には、たばこ産業から資金供与を受けた研究者が、「ETS曝露による虚血性疾患・肺がんとの関連性は一般に考えられているより小さいかもしれない」と、他の大規模コホート研究と矛盾した結論の「エンストローム論文」を発表し、話題となった。これは致命的な瑕疵のため学界では評価されていないが、たばこ産業の主張の「疫学的おすみつき」として、さまざまな議論に引用される。

○路上喫煙禁止条例への抗議
京都市は、罰金を伴う路上喫煙禁止条例を2007年6月1日に施行した。これに関して、2007年3月22日に日本たばこ産業は、京都市長に抗議文書を渡している。それまでの受動喫煙の有害性に関する研究は屋内・屋外を問わないものであり、屋外に限定した研究がないという理由から、同文書は、条例の目的「路上喫煙等による(中略)健康への被害の防止」に疑問を付し、喫煙者への配慮を要望した。

○たばこ産業が設立した、喫煙擁護戦略のための組織
・INFOTAB関連組織
1977年、7つのたばこ会社が「たばこ問題国際委員会」を発足させた。「たばこ問題国際委員会」は、たばこ対策に反対する戦略を作り、地域・国別の製造業者団体間の世界的情報網を作り上げることが目的であった。その後、同委員会は「INFOTAB」と改名。たばこ会社は同組織を拡大するため迅速に行動し、1984年までには57ヶ国で操業する69社がINFOTAB組織のメンバーとなった。IMFOTABは、地域のたばこ抑制政策に対抗し、喫煙が許容される環境を維持するのに役立つ資料を提供するなどの活動を行った。その後、INFOTABの機能は、1992年に「たばこ文書センター」「アグロたばこサービス」の2組織が受け継いだ。「たばこ文書センター」は、喫煙関連情報とたばこ産業の主張を形成し、その資料を配布し続けた(その一部は、複数のたばこ会社から成る委員会によって作成された)。「アグロたばこサービス」(現在のホールマーク・マーケティングサービス)は、発展途上国でのたばこ耕作の経済的重要性を理論だてることで、INFOTAB・たばこ産業に関連する組織の「国際たばこ耕作者協会」を援助している。[13]

参考文献
1^ 中京大学 家田ゼミナール世界に広がる「禁煙法」
http://openweb.chukyo-u.ac.jp/~ieda/P-kinenhou.htm

2^ Fichtenberg CM, Glantz SA. Association of the California tobacco control program with declines in cigarette consumption and mortality from heart disease. N Engl J Med 2000;343:1772–7.

3^ 米国政府のたばこ会社に対する詐欺事件訴訟の判決文 p.1384

4^ Drope J, Chapman S. Tobacco Industry efforts at discrediting scientific knowledge of environmental tobacco smoke: a review of internal industry documents. J Epidemiol Community Health 2001;55:588–94.  Ong EK, Glantz SA. Constructing "sound science" and "good epidemiology": tobacco, lawyers, and public relations firms. Am J Public Health 2001;91:1749–57.  Bero L, Barnes DE, Hanauer P, et al. Lawyer control of the tobacco industry’s external research program. The Brown and Williamson documents [published erratum appears in JAMA 1997;277:885]. JAMA 1995;274:241–7.

5^ 米国政府のたばこ会社に対する詐欺事件訴訟の判決文 pp.1501-1528

6^ 君は何を吸っているか? - Facts - What Are You Smoking? – 米国心臓学会が発表した文書
http://americanheart.org/downloadable/heart/1202324446835Tobacco%20Fact%20Sheet%201-30-08%20final.doc

7^ 米国政府のたばこ会社に対する詐欺事件訴訟の判決文 pp.1406-1407

8^ Glantz S, Slade J, Bero L, et al. Lawyer management of scientific research. In: The cigarette papers, 1st ed: San Francisco: University of California, 1996:539.

9^ Barnes DE, Hanauer P, Slade J, et al. Environmental tobacco smoke. The Brown and Williamson documents. JAMA 1995;274:248–53.  Muggli ME, Forster JL, Hurt RD, et al. The smoke you don’t see: uncovering tobacco industry scientific strategies aimed against environmental tobacco smoke policies. Am J Public Health 2001;91:1419–23.

10^ Drope J, Chapman S. Tobacco Industry efforts at discrediting scientific knowledge of environmental tobacco smoke: a review of internal industry documents. J Epidemiol Community Health 2001;55:588–94.

11^ Deborah E. Barnes, MPH; Lisa A. Bero, PhD. Why Review Articles on the Health Effects of Passive Smoking Reach Different Conclusions. JAMA. 1998;279:1566-1570.

12^ Ong EK, Glantz SA. Tobacco industry efforts subverting International Agency for Research on Cancer’s second-hand smoke study. Lancet 2000;355:1253–9.

13^ McDaniel PA, Intinarelli G, Malone RE. Tobacco industry issues management organizations: Creating a global corporate network to undermine public health. Global Health. 2008 Jan 17;4(1):2

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