ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

創作恐怖話〜新感覚恐怖へ〜コミュの気配(Another Version)

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
※探偵シリーズが、あまりにも進まないため

お詫び(もしくは、こんな古い話もあるよ)です。

---------------------------------------------------------------------------------

僕のお父さんは、お坊さんだからなのか分からないけど

特別な力があると思う。

生まれつきかは分からないけど

人とか霊魂がいるって、普通の人よりも分かるみたい。

僕は、お父さんに呼ばれて

「本堂を見てきなさい。」って言われたんだ。

真っ暗で、風がビュウビュウ吹いてて

怖くて行けないって言ったら

「じゃあ、お父さんと一緒に行こう。」って。

うちはお寺で、本堂まで長い廊下を歩くんだけど

お父さん、懐中電灯にすればイイのに

わざわざスッゴク大きなロウソク持ってきたんだ。

普段は優しいんだけど、ロウソクの灯りだと

なんだか別の人みたいに見えて、怖くて…。

で、本堂に着いたら仏像の真ん前で

「ここに座りなさい。」って。

僕、すぐ母屋に帰りたかったんだけど、

一人じゃ帰れないから、仕方なく座ったんだ。

「いいかい、これから話す話を聞いて、信じられないかも知れない。」

お父さんが、真剣な顔で話し出したんだ。

「お前はお父さんが良い人だと思っているだろうが、実は違うんだよ。」

「お父さんは、お坊さんだろ。昔から火葬される現場にも、何度も立ち会ってきたんだ。」

僕は、ワケも分からず聞いてたんだ。

「あの、人を燃やす時のニオイ。アレは、とても臭いものなんだよ。」

「…うん。」

「でもな、いつの頃かお父さんは…そのニオイが…とても好きになってしまったんだよ。」

「え!? お父さん!? どうしちゃったの!?」

「まぁ聞きなさい。しかし、年間でもそんなに火葬は出ない。」

「それで、お父さんは考えたんだ。あの、死体の脂身が焦げるニオイを、普段から楽しめる方法を。」

僕は、お父さんの言葉が、まるで知らない誰かの言葉みたいで

ただ、ぼんやり聞いてたんだ。

「色々と文献を調べて、昔のロウソクはクジラの脂身を使って作られているのを知った時は…嬉しかったなぁ!!」

「あぁ、お前は覚えているか? 観念という小坊主がいたろう?」

「…う、うん。病気で」

「そう!! 表向きは病気で死んだ事になっているが、アイツは私が殺したのさ!!」

僕は、口の中がカラカラで、何も言えなかった。

「観念を殺した後、脂身だけを取って、それでロウソクを作ったんだ。」

「毎日の御勤めの時、そのロウソクを使っていたのだから、考えてみればバチ当たりな話だが、この楽しみは止められなかった。」

ロウソクの灯りに照らされた人は、もう僕の知っているお父さんじゃなかった。

「しかし、このロウソクが最後の一本なんだよ。」

コメント(19)

「お…お父さん?」

「すまないが、このロウソクを作るため…死んでくれ!!」

そう言うと、お父さんは懐から光るナイフを取り出した。

僕は、一気に怖くなって逃げようとしたけど

足がすくんで、ただ「死にたくない!! お父さん!! 死にたくないよぉ!!」と

叫ぶしかなかった。

「…そんなに死にたくないのか?」

「う、うん!!」

「ならば、ロウソクの材料となる人を殺す手伝いをしなさい。」

僕は、顔がジンジンして真っ青になるのが分かった。

「お父さんは、あのニオイを1日もかがないとオカシクなってしまうんだよ!! お前が死にたくないと言うなら、代わりの人を殺すしかない!!」

お父さん…優しかった…お父さん…

僕は、いつの間にか泣いていた。

一緒にメンコで遊んでくれたお父さん…。

お風呂で100数えて、二人でのぼせてしまって笑いあった…お父さん。

目の前にいる人は、お父さんの姿をした

別の人だった。

「でも、!! 他の人って!!」

「それについては大丈夫だ。さっき誰かが寺に入るのを見た。多分、賽銭泥棒だろう。ならば、殺しても何も問題は無い。」

「僕、嫌だよ!! 人殺しの手伝いなんか!!」

「ならば、お前で作るしかないなぁ。」

僕は、涙でグチョグチョになった顔で何度もイヤイヤをした。

「手伝うのか!! ここで死ぬか!? お前でも足止め位は出来るだろう!?」

僕は、死にたくないから

「手伝います。手伝います。」って言った。



その瞬間

本尊の後ろから人が飛び出して

あっ!! という間に外の暗闇に消えて行った。

僕は、ポカンとそれを見ていた。

「フ〜、行ったか。」

振り返ると、お父さんが額の汗を拭いて

ニッコリ笑っていた。

「いや、先ずは怖い思いをさせて済まなかった。」

お父さんはペコリと頭を下げた。

「実はな、賽銭泥棒らしき人影が本堂に入るのを見たんだが、相手が何を仕出かすか分からない。何を持っているかも、だ。」

「それで、お前には済まなかったが、芝居を打ったという事なんだよ。」

僕は、ただ呆然と聞いていた。

「で!! でも、そのロウソクは!?」

「あぁ、ただの百目ロウソクさ。」

そう言うと、お父さんは本尊に手を合わせて

「いくら息子を守るためとは言え、仏様の前で生臭い話をしました事、お詫び致します。」

僕は、さっきとは別の涙でグシャグシャになった顔を

お父さんの作衣に擦り付けた。
「またメンコで遊んでくれる!?」

「あぁ、良いとも。」

「あのね、街に街頭テレビって出来たんだって!!」

「あぁ、今度一緒に見に行こう。」

安心し切った僕の鼻に、百目ロウソクが揺らいで

黒い煙が、僕の鼻先に流れてきた。

その時にかいだロウソクの

「魚が焼けるようなニオイ」は

きっと、僕の気のせいだったんだ。

きっと…きっと、そうに決まってる!!

「さ、母屋に帰ろう。」

僕は、今まで死んだり、里に帰った小坊主さんの数を数えながら

お父さんと本堂を後にした。
むあさん>

人を焼く時『魚を焼く時のような臭い』がするそうです。

きっと、子供の気のせいだとは思いますが…。
うわ〜、懐かしいです(≧∀≦)
真実は神ならぬ父のみぞ知る、ですね。
子を守るいい話なのかそれとも…。

怖いです(>_<)あせあせ(飛び散る汗)あせあせ(飛び散る汗)
二葉さん>

この話、けっこう気に入ってるんですが

埋もれてたんで、ちょっと発掘してみました(爆)

『真実は神ならぬ父のみぞ知る』まさしく、です。
懐かしい!

でも実は…???
ふくみがあるところがまた恐怖心を煽りますよね(((゚д゚;)))
R嬢さん>

ホコリかぶってたの、発掘してみました(爆)

こういう『含み』がある話、個人的にも好きなので

もう一度チャレンジしてみたいです指でOKぴかぴか(新しい)
手術の助手に入るといろんな匂いを嗅ぎます電球
電メスで止血する時、肉が焦げる匂い。
開腹した時の内蔵の匂い。
骨にスクリュー(骨折整復のネジ)を入れる時の匂い。
何度嗅いでも慣れませんバッド(下向き矢印)
相手は犬・猫が主ですが、きっと人間も同じような匂いがするのでしょうね…

お父さん…息子で新たな蝋燭を作るつもりでしょうか…
怖ッげっそり衝撃

トピずれ、長文失礼しましたm(__)m
でもおもしろかったですわーい(嬉しい顔)ぴかぴか(新しい)
怖面白っΣ( ̄▽ ̄;)
今アロマキャンドルにはまってるので、余計怖かったです(´∀`;)

今横で燃えてるキャンドルの材料はなんだろう…(汗)

お父様…息子は跡継ぎだから蝋燭にしちゃダメですよね(違)

私、部分麻酔で自分が電気メスで焼かれた事がありますが、手術の緊張のあまりテンパッてて匂いは覚えてないな…煙が上がっていくのは見えたんですが。

今思えば勿体無かったかも(笑)

もっとアンテナ立てておけば良かったかなぁ右斜め下右斜め下右斜め下

私も動物病院勤務なんで解ります、開腹した時の生きてる生物の内蔵の独特の匂いとかありますよね。

電気メスの匂いは、本当に『焼き肉屋』の匂いでビックリした記憶が強いです。

って変な話を失礼しましたm(__)m
☆CHANDU☆さん>

以前、何かで読んだ話(失念しました)なのですが

『人間を焼く時のニオイは、魚を焼く時の様な匂いがする』という。

そこからヒントを得たのですが、さて、どうなのでしょう。

実際に人間から蝋燭を作っていたのか?

それとも、賽銭泥棒を退けるための方便だったののか?

真相は、薮の中です。

☆CHANDU☆さんは、どのように取られましたか?
りさΦwΦ白い猫さん>

時代設定が昭和中期(街頭テレビが出始めた頃)なので

多分、魚とかは『生臭物』で食べられなかったと思うんですよ。

で、お父さん

焼き魚の匂いと重ね合わせて…?

そんな感じです。

『電気メスの匂いは、本当に『焼き肉屋』の匂い』

これは、知識としては知っていても

やはり現場の人からの声は、凄まじくリアルです!!

ありがたい指でOK
これは僕もよんだことありますわ!
ちなみに俺の部屋がイカ臭いのも気のせいだろう
人面ひよこさん>

懐かしシリーズ(爆)

ちなみに、俺の部屋もイカ臭かったです。

…以前はひよこ
なんか、最後に 不思議な不安が残る・・・ちょっとステキなホラー御伽噺風でいいですね。
子どもが語っているような文が 素直に怖さを受け入れさせられちゃう感じで、ついつい 引き込まれました。

すばらしいですねexclamation ×2
やじぴょんさん>

昭和初期〜中期って、こういう『猟奇的な御伽話』が

入り込む『隙間』があった気がします。

そのものズバリの恐怖ではなく『漠然とした不安感』を出したかったので

こういう終わり方となりました。

ありがとうです!!
歯茎のレーザー治療を受けたとき、ホルモンが焼けるような臭いがしたのを思い出しました。
なかなか美味しそうでした。

お話、面白かったです。( ´∀`)

ログインすると、残り2件のコメントが見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

創作恐怖話〜新感覚恐怖へ〜 更新情報

創作恐怖話〜新感覚恐怖へ〜のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング