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創作恐怖話〜新感覚恐怖へ〜コミュの骨子さん

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ねぇ?
私の話、聞いてみる?

病院の怪談ってマトモじゃないよ。
病院自体、死に一番近い場所なんだから、
そこにある怪談はやっぱりマトモじゃないよ。
ねぇ、たとえばトイレとか有名だよね。
あれから太郎さんとか、やみ子さんとか、赤いちゃんちゃんことか、
赤い手、白い手。なんて色々なものがいるって怪談。
あれはトイレが一人きりで密室にいなくちゃいけない、
その不安から生まれた怪談なんだけど、
病院の不安はそんなもんじゃないの。
分かるでしょう?死の恐怖って。
それがどれだけの恐怖か、みんな分かっているでしょう?
トイレの不安なんか、ちっぽけなものに見えてしまうもの。
だから、病院の怪談ってマトモじゃないよ。
病院の不安から生まれた、恐ろしすぎる怪談。
私、知ってるんだ。
その怪談は、花子さんならぬ、骨子さん。
あ、先に断っておくけど、病院から抜け出した人を追いかけたら、
墓場で骨をかじっていた、なんて怪談じゃないからね。
カルシウムはサプリメントで取る時代だから、ちょっと時代遅れだよね。
骨子さんは、もっと近代的なものだから。
ただね、この怪談はちょっと、ええと、アレなんだ。
たとえばさ、婆去れって知ってるよね。話を聞いたら来るってやつ。
感染系?それにちょっと似てるんだ。あとちょっとグロいかもね。
だからさ、そういうの嫌な人は止めておいたほうがいいかも・・。

それじゃぁ、いい?いくよ。


真夜中の病院、歩いたことある?
看護婦とかいないんだよ。
真っ暗な廊下を窓からの光や、非常口の明かりが照らしてるってぐらい。
歩くと、自分の履いているスリッパの音が、ぺったんぺったんって鳴って。
音が響くからスリッパの音がいくつ聞えちゃうんだよね。
後ろから誰か追いかけてきてるみたいで。
しかも暗いからなかなか廊下の向こうが見えないの。
誰もいないって確認できないの。
だから、すっごく怖いのね。
気のせいだ、気のせいだって思っても、無理。無理なの。
しかもね、病室から声が聞えるのよ。
ホテルと違って壁薄いのよね。
それに中はカーテンみたいなもので仕切られてるし、
扉もちょっとあいてたりする病室もあるから、どうしても寝息が聞えるの。
スースー、って静かな寝息ならいいけれど、
その寝息が合わさって恐ろしい寝息に聞えたり、
とても苦しそうな寝息が聞えてきたり、これも確認できないわよね。
本当に人の寝息なのか、それとも違うのか。
声と足音。それが合わさったら、それだけで恐怖よね。
それって、我慢できるかしら?
我慢できなくてもね、トイレに行きたくなったら行くしかないのよ。
看護婦が来てくれるわけじゃないし。
ナースコールなんてもってのほか。笑われてしまうもの。
と、ここまでは怪談じゃなくて、普通の病院の話ね。


問題は病院の廊下なの。
病院の廊下にはね、骨子さんが棲んでるのよ。
さっき病院の廊下の先は、暗くてよく見えないって言ったわよね。
その暗がりに骨子さんは棲んでるの。
夜、廊下を歩く人を暗がりからじぃっと見ているの。
でもね、安心して。
骨子さんは普通は人を襲ったりはしないから。
彼女はとっても恥ずかしがりやでね、自分の姿を見られたくないのよ。
だから、姿の見えない暗がりでじっとしてるの。
それで朝になるとボイラー室とか、人がこない部屋に隠れているの。
普通に病院で生活しているなら、彼女に会う事はないわ。
ただ一つ、彼女の名前を呼んではいけないの。
あ、昼はどれだけ呼んでも大丈夫よ。なんならば、今呼んでもいいわ。
骨子さーんって、廊下に向かって叫んでごらん。大丈夫だから。
けどね、今が夜だったら、絶対に呼んじゃだめ。
家ならまだいいけれど、病院では絶対だめ。
来ちゃうのよ。骨子さん。
呼ばれると出てきちゃうの。
恥ずかしがりやなんだけど、名前を呼ばれるといてもたってもいられないの。
そしてね、呼んだ人の所へ行っちゃうの。
どうしてかって?
それはね、彼女が看護婦だからなの。
患者さんに呼ばれたら、もう行かなくちゃって、すっとんでいくのよ。
で、呼んだらどうなっちゃうのか。
ここで一人、彼女を呼んでしまった中学生の女の子の話をするわね。


彼女は病院のすぐ近くの学校に通っていた子なんだけど、
授業中に突然お腹が痛くなっちゃってね、
すぐさま運ばれて、ウィルス性の胃炎だって言われちゃったの。
症状は軽かったから、一日入院すれば直っちゃうって診断されて、
それで入院することになったの。運悪く一人部屋に入れられちゃってね。
普通、病室ってカーテンで仕切られたベットがいくつかあって、
一つの部屋に6.7人ぐらい入れられるってイメージがあるけど、
空いてる場合は一人部屋に入れられる事が多いの。
病院って怖い所だから、一人で知らない部屋に入れられるのってかなり怖いよね。
まだテレビとかあるならいいけど、それすら無かったらどうする?怖いよね。
まさに彼女はそのとおり、何もない、ベットしかない部屋に入れられちゃったの。
栄養とりましょうねって、腕に点滴まで打たれちゃって。
点滴はかなり長い時間かけて入れるものだから、その間、針がずっと体の中に入ってるの。
それで動く時は点滴の台と一緒に動かなくちゃいけないから、
点滴の台が倒れちゃったりしたら、腕に入ってる針が勢いよく抜けちゃって。
そう考えると、なかなか動けないものよ。
彼女もそうだった。
昼にトイレに行きたかったけれど、倒れたらどうしようって思っちゃって、
ちょっと腕を動かすと、異物感があるからチクッてするのね。
その小さな痛みが怖くて、結局彼女は夜までトイレにいけなかったの。
でね、その間に彼女はある噂を聞いたの。
彼女の部屋の前で患者さん達が話している、ある噂を。


「骨子さんという看護婦がいるらしいのよ」
「私、結構入院してるけど見たことないわよぉ?」
「それがね、夜にだけ働いてるんらしいの」
「夜勤の人?」
「けどね、絶対に彼女の名前呼んじゃいけないんだって」
「もしかして、こわいやつ?」
「そうそう、呼ぶとなにかおこるらしいのよ」


彼女は怖くなって、そのままトイレに行かずに眠ってしまったの。
深い眠りのあとに、ふと気が付くともう夜になっていて。
何もない部屋が更に真っ暗で怖くなっていて、
窓から差し込む月明かりだけがぼんやりと部屋を照らしていたの。
彼女は電灯をつけようと思ったけれど、点滴が怖くて動けない。
けれど今のままじゃ、怖くて怖くて仕方が無かったの。
その時、彼女の頭に浮かんでしまったのね。寝る前の会話が。
夜勤の看護婦、骨子さん。
彼女は寝ぼけていたのね、彼女の名前を呼んでしまったの。
「骨子さん、電気つけて・・・」って。
言ってから彼女は気がついた。
「もしかして、こわいやつ?」
「そうそう、呼ぶとなにかおこるらしいのよ」
って会話。
彼女はとたんに恐ろしくなって、布団を頭からかぶったわ。
もう点滴のことなんか忘れて。
するとね、廊下から何かおかしな音が聞えてきたの。
彼女は聞きたくないって思うけれど、さっきも言ったとおり病院って静かだから、
音、響くのよね。


ゴキ・・・ポキポキポキ・・・

         ポキッ・・ポキポキッ・・ゴキィッ・・・

メキメキメキ・・・ポキポキ・・ボキッ・・・

             メキメキッ・・メキメキ・・ボキボキ・・ポキッ・・・

     ポキポキポキポキ・・ポキポキ・・ポキ・・

            ゴキゴキ・・・メキメキ・・・ゴキゴキゴキ・・


そう、骨の音。骨子さんの音よ。
廊下から骨が鳴り響く音が聞えてきたの。
そして少しずつ、ゆっくりと彼女の部屋に近づいてくるの。
彼女はナースコールを布団の中から手をのばして探そうとしたの。
でも、眠っているときに落としてしまったのか、ベットの上にはないの。
そうこうしている間に、ついに骨の音は彼女の部屋の前まで来た。
ドアの前から、ボキボキボキボキボキッて聞えるの。
ノブがポキポキって音と一緒に回されて、
彼女は震えながら、それでもドアの方をみてしまったの。
「呼ンダカシラァ?」
機械的な声がして、ドアが開いたわ。
そして、開いた隙間から女性の手が見えたの。


手首にブレスレットのようなものが巻かれているのが見えて、
あっ、普通の看護婦さんだ。って一瞬彼女は思ったわ。
でもね、腕はそのまま、だらん、と下に垂れ下がったの。
骨が、折れているのね。
「キャァァッ!!」
彼女は悲鳴をあげてベットの奥へと布団を持ちながら逃げたわ。
ドアから伸びた手はスルスルと中に入ってきて、続いて看護婦の服が現れたわ。
体はくねくねと曲がって、全身の骨が折れているようだった。
怯える彼女の前で、最後に看護婦の顔がドアから現れたわ。


声にならない悲鳴が彼女の口から盛れたわ。
骨子さんはね、まず口が真っ黒なの。歯がないのね。
目も真っ黒なの。目もないのね。
それで、髪の毛が暗闇に溶け込むようにして、まったく見えなくて、
まるで暗闇そのものが彼女の髪のように、わさわさとなっているの。
で、骨子さんが動くたびに、顔もゴキゴキと変形して、
たぶん頭の骨が折れているのね、開いた三つの穴がぶよぶよ動くのよ。
怯える彼女の前で、骨子さんは完全に部屋に入ってきたわ。
で、言ったの。
「ゴ用ハ、ナニカシラァ?」
そう言って、ゴキゴキと折れた手を差し出したわ。
でも、恐ろしさから彼女は何も言えないの。
カダガタ震えて、布団を掴むのでせいいっぱい。
「ゴ用ハ、ナニカシラァ?」
さっきより強い口調で骨子さんが言ったわ。
このままじゃ、絶対に殺されてしまう。
そう思った彼女は、声を震わせて叫んだ話。
「で・・・電気をつけてぇ!!!」って。
「ワカリマシタワァ・・」
骨子さんは小さく頷くと、ゆっくりと彼女に近づいたわ。
「ひぃ・・・・っ!」
彼女は涙を流しながら、いやいや、と首を振ったわ。
でもね、この首を折れた骨子さんの指が掴んだの。
凄い力でね、しかも指の骨が折れてるから、その感触が気持ち悪いのよ。
それでね、その力がギリギリギリってどんどん強くなっていくの。
「ギャァァアアアアアア!!やめてぇえぇぇぇ!!」
頭の骨がね、軋む音が聞えてきて、彼女は絶叫したわ。
「私ハ、看護婦ナノヨ、私ハ、看護婦ナノヨ」
歯のない口が彼女の前でぱくぱく動いたわ。
そう、彼女が着たら看護婦の仕事以外、頼んじゃいけないのね。
彼女看護婦だもの。
それ以外の仕事を頼んでしまったり、何も頼まなかったら・・彼女怒るのよ。


        「私ハ、看護婦ナノヨ、私
             ハ、看護婦
           ナノヨ、私ハ、看護婦ナ
         ノヨ私ハ、看護婦ナノヨ、私
                   ハ、看護婦ナ
           ノヨ、私ハ、看護婦
             ナノヨ私ハ、看護
                婦ナノヨ私ハ、看護婦ナ
       ノヨ私ハ、看護婦ナノヨ」


部屋からミカンが潰れるような<ぐちゅっ>ていう水音がしたわ。
そして、ゴキゴキ・・メキメキメキ・・・・・ボキボキボ・・ボキ・・って、
骨がへし折られる音が響いたそうよ。


朝になって、看護婦が部屋を訪ねると、
そこには骨を剥き出しにさせた中学生の女の子の死体が転がっていたそうよ。
可哀想に、全身の骨がボキボキに折られていて、
顔なんて本人かどうか分からないぐらいの状態だったらしいわ。


これが骨子さん。
病院に棲んでる骨子さんよ。
ね、病院の怪談ってマトモじゃないよね。


一説によれば患者にいじめられて、
屋上から飛び降り自殺したら、運悪く工事中だった道路に落ちてしまって、
ドリルやらミキサーやらで体中めちゃめちゃになってしまった看護婦だとか、
看護婦にあこがれてコスプレをして、そのまま妖怪になってしまった人だとか、
色々な説があるけれど、詳しいことは分からないの。
しかもね、この骨子さん、
たいていの病院に潜んでいるって話なの。
時には病院から、診察にくるらしいの。
だからね、夜には絶対に彼女を呼んだらだめ。
骨が折れる音が聞えてきちゃうよ?


あ、一つ言い忘れてたけど、
骨子さんって文字見るだけでも効果あるって噂、知ってるの。
夜中に骨子さんって文字、読まないほうがいいよ。


あれ、もしかして、今、夜中に読んでない?


-----------------------------------------
こんばんは。投稿多くてすみません。ミ(ノ;_ _)ノ =3 ばたっ。
今日は昔に書いた怪談を少し修正して投稿してみました;
かなり昔のものだったので、文章が拙くて恥ずかしい///
火照った顔を冷ましてきます。
=========└|∵|┐

コメント(29)

正に創作。
正に新感覚。

ありがとうございましたわーい(嬉しい顔)ぴかぴか(新しい)ぴかぴか(新しい)
すごいです。怖いし面白いし巧いし文章素敵だしもう虜です。
夜中読むの躊躇ってよかった(´Д`;)
感想いっぱいありがとうございますw 嬉し涙ちょちょ切れ斬られ。
これからもサイトに昔に書いたのと最近書いたのを時々UPれたらな、と思いますv
ではでは、木の根っこに躓いてきます。
=========└|∵|┐
ひいいいいいいいいいいい
昼でよかったです
今、病院に友達の見舞いに来てますむふっ早速この話を読ませますわーい(嬉しい顔)奴も怖がりだから楽しみ手(チョキ)
あにゃあ〜げっそり
こんな時間に読んじゃったよ〜泣き顔
これ読んだ時
トンネルの中でした


怖かったァ(゜д゜;)
たくさんの方々、感想ありがとうございますv
レスが遅くなって申し訳ありません;

>なかなか面白かったですよ
その言葉だけでお腹いっぱい満腹ですv

>昼でよかったです
昼だと思っていたらいきなり真っ暗に(嫌)

>早速この話を読ませます
ああ、逃げてー!w

>こんな時間に読んじゃったよ
4:06ですね。ガクブル…。

>トンネルの中でした
おお。トンネルの中で怖い話を読むとは勇者ですねw
自分はガクブルなのでできません…w

ではでは、しゅたっ。
=========└|∵|┐
>侑紫さん
|ω・`))
|ミ ズルッ
|
怖がっていただけると嬉しいというのは、いいのか悪いのか…w
感想ありがとうございましたv

>湿布TB・catさん
|
|)
|;ω;)ひょこ
現在の状態に関連する怖い話を読むと、怖さが三倍になりますね…。
状況は怖さの増強剤デスネ(うまくない)
>みっこチャンさん
はわわ。お大事にして下さいませ!;
こんな話を見せてしまってすみませんんんん。

うへぇぇぇぇぇぇえ

顔、想像してもうたぁぁぁぁぁぁぁ

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