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創作恐怖話〜新感覚恐怖へ〜コミュの【茶話】おばあちゃん

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私の母が入院している。
癌で余命半年と先生に言われている。

最近私は妊娠していることに気づいた。
この子は母からみれば初孫になる。

母にそのことを話すと、母はパソコンが欲しいと言った。

私がお見舞いに行くたびに母にパソコンの操作を教えた。
私のお腹が目立つ頃には、母は一人でパソコンで文章を打てるようになった。










季節が変わり、私が出産する少し前に母は逝ってしまった。











生まれた子を抱きながら私は母の残したパソコンを見ていた。
マイドキュメントに母の打った文章がたくさん残っていた。

日付順位並べてみていると、最初は「あいうえお」などと文字入力の練習だったが、やがて自分の名前になり、その日の献立とか薬のことなどの文章になっていた。

短い間にずいぶんとパソコンを使えるようになったんだと感心した。

癌治療の薬が強くなって、母がボーッとしていることの多かった頃の文章は、時たま意味が通じないような言葉の並びになっていることもあった。











それでも、最後の方には私のお腹の赤ちゃんに話しかけるものもあった。

「これから生まれるあかちゃんへ。おばあちゃんですよ。あなたが生まれる頃には私は居なくなっているけど、元気に育ってね」

などと書かれていた。

子供の育児などで忙しく、母のパソコンはそのままになってしまった。










3年くらい経った頃に、夫が仕事でパソコンを使いたいと言い出したので、母のパソコンを思い出し、久しぶりに起動してみた。

ハードディスクの中を見ていると、今まで気づかなかった「登美子」と母の名が付けられたフォルダがある。

「あれ?こんなの有ったかなあ」と思いながら中を開くと、“まだ見ぬ孫へ”とタイトルの付いているファイルがある。

何だろうと開くと、そこには母の思いがいっぱい書かれていた。

見ることの出来ない孫への愛情いっぱいの言葉でつづられていた。

このパソコンをしまったときには気づかなかったけど、母はこんなに一杯思いを残していたんだと気づかされ、きっと母は残念に思っていたことだっただろう。

仕事から帰ってきた夫にこの事を話すと、夫も感心していた。

いつも仕事で早起きする夫に「明日はこの子の3歳の誕生日だから早く帰ってきてね」と言った。













翌朝早くに起きた夫が、母のパソコンを見ながら大きな声で私を起こした。

「おい、これを見ろよ」
「え?なあに」

パソコンのディスプレイには「まだ見ぬ孫へ。私も一度はあなたを抱きたいのよ。3歳の誕生日に迎えに行くから待っててね」と母の文章が映っている。

あわてて我が子の元へ行った私がみたものは・・・・・




















布団の中で冷たくなっている我が子だった。

コメント(13)

おばあちゃん!!
それは アカンでしょ――。
(`ε´)
お婆ちゃんΣ(ΩдΩ)!!!!!

誰も幸せじゃない…ただの自己満足だよーーー!
えっ(゚m゚;)

悲しいけどいい話やと思ってたら…
そ、そんな(;Д;)
やはり、連れていかない方が良かったですかね・・・

連れていくのは愛情じゃないですね…

今のゆがんだ愛情が蔓延している世の中なら有り得る話かもしれません。
パナソ○ックのCMのようには、

いきまへんな…
話の前半は、心暖まる話だと思ったら、どんでん返しが凄いですね冷や汗

印象に残ります。

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