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ザ・ヨーガ・ライフ・ソサエティコミュのわたしの初めてのインド・18

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わたしの初めてのインド・18

ハリオーム! 成瀬です。
カイヴァリャダーマのパート・2です。ローナワラを出て、いよいよリシケーシに向います。


●ローナワラからリシケーシへ
12月10日。
いよいよ13日にはボンベイからデリーに行き、さらにリシケーシに行くのですが、実はデリーで、ある人を迎えてその人を連れてリシケーシに行かなくてはならないのです。
13日にしたのは、京都から来るOさんというその女性を15日にデリーで迎えなくてはならないからでした。Oさんは佐保田先生のお弟子さんで、一人でインドに来ることになっていました。女性の一人旅ということもあり、きっと佐保田先生から井上先生に面倒を見てくれるようにと連絡が行ったのだと思います。しかし、井上先生もカイヴァリャダーマの試験や何かがあるらしく、デリーまでは迎えに行けないということで、たまたまリシケーシに行く予定だったわたしが出迎えることになったのです。
わたしとはまったく面識もないので、どのような顔かたちの人なのか皆目分かりませんので、井上先生に年恰好など特徴をお聞きしました。Oさんの方もきっと、わたしの年恰好や特徴を佐保田先生から聞いているはずです。
井上先生や前田先生がおっしゃるには、そのOさんという女性は霊能力者で、佐保田先生もたいへん信頼されているということです。そういえば、佐保田先生が東京でお話をされたときに、女性の霊能力者のお話しをされたことがありました。そのときは名前を言われなかったのでわたしもそれ以上のことは覚えていないのですが、今回リシケーシにお連れしなくてはならないのはどうもその方のようです。
正直言って、一人旅に慣れていたので一緒にリシケーシに行くのは面倒くさいという気持ちもありましたが、お世話になっている井上先生や前田先生に頼まれては断れません。それに、どうせ近々わたしもリシケーシに行くことになっていましたし、霊能力を持っているという人にまったく関心が無かったと言えば嘘になります。

モーニングティーの薬草茶を飲み、少し休んでからアーサナ。
部屋にいるとどうしても寝てしまうので、近くにあるという観光地カルラ・テンプルに行ってみることにしました。カイヴァリャダーマを8時過ぎに出て、バス停に。しかし、カルラ・テンプル行きのバスは9時に出るとのこと。まだ30分以上もあるので、近くの食堂でプーリーとチャイの朝食。
バスは満員でした。土曜日のせいか制服のパンジャビーを着た女子学生たちの集団が乗っていて、大きな声でおしゃべりをしたり歌を歌ったり、とても騒々しくうるさかった。
バスはわずか30分ほどでカルラ・テンプルに着きました。以外に近くにあったのです。しかし、カルラ・テンプルは山の上にあるので、ここから歩かなくてはなりません。暑い中を長い階段を上って行きましたが、正直いってたいしたことはなく、どのような寺院だったか記憶もあいまいです。また長い階段を下りてきて、サトウキビ・ジュースを飲みました。
帰りのバスもあの女学生たちと一緒になりました。バスの本数が少ないので、どうしても同じになってしまうのでしょう。

12月11日。
朝、このカイヴァリャダーマにケーチャリー・ムドラーを実践している人がいるというので会いにいきました。
ケーチャリー・ムドラーには二通りの方法があります。一つは舌を裏返しにして上顎やさらに奥の軟口蓋にあてる方法。もう一つは、舌の裏の筋を切り、舌を長く伸ばしてそれを軟口蓋よりももっと奥の入れるという方法です。これによってアムリタの流れを絶ち、その結果、長生きができるというのです。
これから会う人は後者のケーチャリー・ムドラー、つまり舌の裏の筋を切る方法を行なっているというのです。
ケーチャリー・ムドラーに関しては、ハタ・ヨーガの教典を読んで知識としては知っていましたが、実際に行なっている人がいるなんて、正直言って信じられませんでした。
そのヨーギーは学生宿舎のあまりきれいとはいえない部屋に住んでいました。わたしはケーチャリー・ムドラーを見せてくださいとお願いすると、以外にもあっさりと了解してくれました。しかし、実際に見せてくれるまで数十分を要しました。

ヨーギー(名前は忘れてしまいました)は、小さな木箱の上に古ぼけた鏡を置きました。いよいよ始まるのかと、ドキドキしながらヨーギーの一挙手一投足を瞬きもせず見つめました。日本に帰ってしまったら、ケーチャリーを見るチャンスなど二度とありません。
ヨーギーはゆっくりとした動作で髭そり用の剃刀と水の入った容器を出しました。わたしはこの剃刀で舌を切っていくのかと思い、その痛さを想像しました。すると、彼は次に石鹸を取り出すと顔に塗り、鼻の下やあごに泡を立てはじめました。何かへんです。彼は、わたしが瞬きもしないで見つめているのに、なんと髭を剃り始めたのです。緊張の極みにいたわたしは、いっぺんに拍子抜けしてしまいました。
長い時間をかけて髭を剃り終わると、今度は小さなナイフを取り出しました。手製のようです。ヨーギーは舌を手で挟むと、ゆっくりと伸ばし始めました。筋肉の固まりだからでしょうか、犬の舌のように急に伸びたり引っ込んだりはしません。長く伸ばされた舌は、鼻の頭やアゴのところまで届きます。やがて舌を裏返しにすると、どこの筋だか分かりませんが、ナイフで少しずつ切り始めました。うっすらと血が滲んでいます。よだれもポタポタトと流れ落ちています。聞くところによると、19年間毎日少しずつ切っているということでした。毎日切らないと、元に戻ってしまうのでしょうか。
こうして長く伸ばした舌を軟口蓋のさらに奥にある穴に入れて、アムリタの流れを防ぎ、長寿を得るというのです。そのヨーギーのグルは、このケーチャリーのおかげで100歳を超えた今もベナレスに元気でいると言っていました。
そのヨーギーはケーチャリーのほかにも、胸に巻いた鎖をある呼吸法を使って切ることができると言って、ベッドの下からジャラジャラ鎖を引っ張り出しました。さすがに鎖切りまでは見ませんでしたが、ケーチャリーの一部始終をじっと見ていたわたしは少し気持ちが悪くなり、ヨーギーにていねいにお礼を言うと彼の部屋を退散しまた。この貴重なケーチャリー・ムドラーの写真は拙著『インドの叡智』の200ページに掲載してありますし、大きく伸ばした写真も数枚ありますので、機会がありましたらぜひ皆さんにもお見せしたいと思います。
部屋に戻ると、なんだか気分が悪くなり熱が出て下痢をしてしまいました。先ほど見たケーチャリーのせいではないのでしょうが、吐き気がして、寒くて寒くて震えが止まりません。やがて熱が出ました。立とうと思っても膝にまったく力が入りません。井上先生が毛布やお湯を持ってきてくださいましたが、その夜は身体中が痛くて眠れませんでした。

12月12日。
昨夜から気分が悪く、最悪。まだ熱も下がらない。足腰に力が入らない。明日はデリーに行かなくてはならないのに大丈夫だろうか、とても不安になりました。昨日、ケーチャリー・ムドラーなんか見なければよかった…。



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