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大人は伝えているか?コミュの花さき山

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 それは今から20年ほど前、当時まだ4歳だった長男を連れて、
実家の千葉から山形に戻る途中の出来事でした。
私たちは、東京駅の構内で、白杖をついて歩く視覚障害者に
出逢ったのです。

 「どこまで行かれるのですか?」と尋ねたところ、
孫の見舞いに新宿まで行きたいとか―。
私は自分の肩につかまってもらい、一緒にゆっくり歩きながら、
中央線のホームまで連れて行きました。

 「誰か、新宿まで行く人はいませんか?」―。

 私の大声に周囲の誰もが振り向く中、状況を察した一人の若者が
手を挙げました。事情を話すと、彼は新宿の病院まで案内すると
言ってくれました。

 予定していた特急「つばさ」に乗り遅れた私たちは、駅の食堂で
ラーメンを食べました。「帰りが遅くなっちゃったね」と私が謝ると、
長男は「山に花が咲いたよ」と笑顔で言うのです。
そして、絵本「花さき山(斎藤隆介・作、滝平二郎・絵)」(岩崎書店)の
内容を得意げに話してくれました。

 以来、この絵本を小学校で読み語る度に、「良いことをすると花が咲く」と
教えてくれた長男の笑顔を、私はいつも思い出すのです。

 今年の1月、全盲の視覚障害者が駅のホームから転落し、
電車にひかれて死亡するという事故が起きました。
その後、駅の視覚バリアフリーの観点から、
ホームドア(可動式ホーム柵)の普及が叫ばれるとともに、
ホームに敷かれた点字ブロックの取り換え工事が急速に進んでいます。

 ホームの点字ブロックは、平成14年に国土交通省がJIS規格に沿った
ガイドラインを定めたものの、それまではメーカーによって
規格はバラバラでした。中には、突起の数が多くて、靴で踏むと
平らに感じてしまうものもあったのです。もちろん、それでは
点字ブロックとして役には立ちません。関係者からの指摘にもかかわらず、
それらの多くは今まで放置されていたのです。

 それにしても、私は気になるのです。マスコミは、こうした取組の
必要性を叫ぶばかりで、なぜ「手助けをしよう」とか「助けを求めよう」という
主張をしないのでしょう? 人と人との「つながり」を呼びかける運動も、
マスコミの大切な使命だと思うのです。

 そう―、白杖をついている視覚障害者を見かけたら、誰もが
声をかけましょう。そして、手を貸しましょう。

 もちろん視覚障害者も、「誰か、案内をお願いします」と大声を
あげましょう。言葉が不自由なら、白杖を持ち上げ、反対の手を振るだけでも
良いでしょう。危険に満ちたホームや通りなら、それだけで誰かが気がつき、
声をかけてくれるはずです。

 私たち日本人の心には、「花さき山」があるのです。



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