ガス爆発事故からの脱出コミュの家づくりの始まり

春の陽気に誘われそうだった土曜日、
まずは、金額的に難しいであろうビルダーへ出向いた。
ぶっちゃけた今の現状と、予算についてお話しをしたところ、
やはり予想通り「その予算では・・・」ということであった。

そりゃそうだろうねぇ。
もともとは「坪単価60万円以上」って言われてたし。
そういう訳で、こちらのビルダーさんは保留になった。
しかし、予算との差額は約1,000万円。
それが到底埋まるとは思えない。
「猫ぼんさんのおっしゃる予算で建てる・・・という業者があったら、
　それはお止めになった方がいいと思いますよ。」
とまで言われてしまった。

そして、さらに春の陽気が進んだ日曜日。
修繕見積でも大変お世話になった工務店さんへお邪魔した。
実は妻とこちらの社長が会うのは初めて。
私自身は、仕事上、いろんな所でお世話になっているので、
旧知の仲と言っても良い。

話はとても盛り上がった。
特に妻が一生懸命勉強した住宅の知識を、
社長は丁寧に解説していってくださる。
しかも、「それは良くない」という言い方ではなく、
「それにはこういうメリットとデメリットがあります」と説明してくださる。
ネガティブな発言に敏感な妻も、どうやら満足しているようだ。
とりあえずこの日、ラフ設計をお願いして別れた。
まずは、こちらの希望、そして、生活スタイル、そして予算。
「なんとかなると思いますよ」と微笑む社長の顔は、
きらきらと輝いていた。
なにしろ、この社長。家づくりが大好きなのだ。
しかも、普通の設計ではない我が家である。
設計士の血が騒いでいるに違いない。

1週間後にはラフ設計が出来上がってくる。
「10回くらいやって、やっと希望のものに近づくんですよ。」
とは社長の言葉。
おそらく設計が煮詰まるのに、2～3ヶ月はかかりそうである。

そして、この日の夜、町内会の総会に出席。
災害時の対応その他について、お礼を申し上げる場を与えていただいた。
心の底から丁重にお礼を申し上げ、
そして、今後の事についても少し話すことができた。
これで、被災者としては一段落だろう。
この先は、家の再建をがしがし進めていく段階に入ったのである。