スピリチュアリティコミュの業（ゴウ）、カルマ（karman）、因果（インガ）

　およそどのような宗教においても、あるいは一般常識においても
「良い行いが原因となり幸福となり、悪い行いが原因となり不幸になる」
と、いう考えは通用するのではないかと思います。

　この事を、業（ゴウ）、カルマ(karman)、因果（インガ）、報い（ムクイ）等と言います。

　もちろん、良い悪いの定義が、宗教や文化、状況によって違うため、何が良くて何が悪いのかを決め付ける事はできません。

　良い悪いは別として、どのような行いや思いでも、自分自身に戻ってくるというのがカルマです。

　基本的に怒り、怨み、嫉妬といったネガティブな思念により動かされる行動は不幸を呼びます。

　幸運を呼び寄せるためには、常に感謝の気持ちを持ち、怒り、怨み、嫉妬といったネガティブな思念を消す事が基本であり最も重要です。

☆

　因果、業、カルマなどの多くのスピリチュアル的用語は仏教用語です。

　このような考え方を仏教として体系的に世界に広めたのが、仏陀（ブッダ）の業績でもあり、以下に最古の仏教経典の一部を掲載しました。

　仏（ホトケ）は、紀元前５００年ごろにインドにいた実在の人物で、ゴータマ・シダッタという名前です。

　ブッダ(buddha)とは“尊敬に値する人物”を意味するのですが、仏教ではゴータマ・シダッタを示します。

　ブッダ(buddha)が漢訳（中国で漢字があてはめられた）され、仏陀となり、略されて仏（ホトケ）と呼ばれるうようになりました。

　ゴータマ・シダッタ＝ゴータマ・ブッダ＝仏陀【buddha】＝仏（ホトケ）

　そして、仏が話した教えを仏教（ブッキョウ）といいます。

　仏教は元々がインドのものであり“業”のインド語（梵語、サンスクリクト語）は“カルマ【karman】”です。

　したがって、“カルマ”と“業”は同じ意味です。

　業（ゴウ）には、

「行いから発生する身業（シンゴウ）」

「言動から発生する口業（クゴウ）」

「思いより発生する意業（イゴウ）」

があり、この三つを“三業（サンゴウ）”といい、行動や言動だけでなく、思いだけでも業は形成されます。

　我々の行いや言動、思考は、全てが“業”となり、霊的（潜在意識等）に蓄積されます。

　これを宿業（シュクゴウ）といい、死んでも消えることは無く、来世（らいせ：生まれ変わった後）に持ち越されます。

　この自分自身による過去の業（カルマ）が原因となり、現状が形成される事を因果（インガ）、因果応報（インガオウホウ）といいます（このことより、カルマのことを因果と訳す場合もあります）。

　すなわち、自分自身による過去の業が因（原因）となり、自分自身の現状、あるいは、未来の運命という果（結果）が、得られるわけです。

　「未来の運命の原因の全てが自分自身にある」

　「現状の全てを作りだしたのは自分自身である」

　「自分を変えれば周りも変わる」

というのが、因果という意味です。

　したがって、開運をするためには、まずは自分自身の考え方や行動を修正する必要があるわけであり、それにより人相や手相も変化をします。

　仏教では霊（魂）は永遠であり、同じ霊が何回でもこの世に生れてくると考えているので、我々は過去世（今生に生れる前）からの業（カルマ）を持っているわけです。

　この事を六道輪廻（ロクドウリンネ）、または、単に輪廻（リンネ）といいます。

　日常のどんな些細な事でも、単なる偶然や事故に思われる事でも、すべてに原因があり、自分自身の業による結果としての現象であるというのが、因果の考え方です。

　たとえ、DNAや容姿や名前、生年月日に至るまで、すべての結果の原因は自分自身の中に存在します。

　また、罰（ばち）とか、天罰というものは、カルマが原因であって、“身から出たサビ”です。

　神仏や天使が“罰を与える”という事はありません。

注）妖怪などの低級霊を神としてあがめている場合は、神の怒りに触れる事がありますが、本当の意味での神ではなく、妖怪を神と錯覚しているにすぎません。

　基本的には、自分がこの世に生まれる前の霊界で、自分の両親や人生の青写真を、自分自身である程度決めて、この世に生まれてきます。

　そして、霊界で自分が決めた青写真に沿った人生を歩みます。

　それが運命といわれるものですあり、運命は自分自身で決めています。

　また、幼く低級な霊は、順風満帆な楽な人生を歩み、神に近い高級な霊は、体の障害などを持った苦難な人生を歩み、修行を加速するといわれています。

　キリストは政治犯として拷問、処刑され、現実的価値観から見れば罪人で敗者ですが、スピリチュアル的に見れば神であり、現実的価値観とスピリチュアル的価値観は真逆といえます。

☆重要な事

　カルマの考え方でのポイントは、あらゆる原因が自分の中にあるのであり、自分以外の他人はその投影にすぎないという事です。

　したがって、他人がいくら悪くても、他人を怨まない、怒らない、妬まないという事が最も重要です。

　スピリチュアリティにおいては、怒りや恨みの感情を、心の底から消すという事が最も重要であり、目的です。

　表面上は笑っていても、心の底で怒っていては、怒っていることになります。

　怒りや、怨み、嫉妬などの感情により突き動かされる行動が最も悪い行動となります。

　キリストは、自分が処刑されることでこの事を示し、差別の無い無条件の愛を示しました。

☆カルマの意味

　物質世界である現実社会を生きる事が、霊的な成長のための修行であるといわれています。

　カルマのシステムがあるからこそ、私たちは自分の行いを省みて、考えや行いを良い方向へ変える事ができるのです。

　そして、それが霊的な成長へと繋がります。

　現世での修行が完成し、現世での霊的成長が完了すると、輪廻を修了し、神の世界に到達します。

　最近の方では、マザーテレサが死後最速（通常は死後１０年以上の霊界修行が必要）に神階に移行したと言われています。

　霊的な成長により輪廻から脱した状態を成仏（じょうぶつ）、あるいは、輪廻からの解脱（げだつ）といいます。

　俗的には、目撃されていた幽霊（怨霊として現幽界に留まっている状態）が、４次元の幽界（アストラル界）へ旅立つことで、幽霊として目撃されなくなることを、俗に成仏と言います。

　しかし、この場合は、輪廻を繰り返し、再度、生まれ変わりの修行をする事になるので、真の意味での成仏ではありません。

☆ダンマパダ

　仏陀やキリストなどの聖者は、常にその人や状況に合わせた話をしてきましたが、記録を残しませんでした。

　また、その人や状況に合わせた言葉は、子供と大人に対する話が違うように、誰に対しても通用するというものでもありません。

　宗教的なあらゆる経典や聖書などは、聖者が話したという記憶や言い伝えなどより、人間が作り上げました。

　よって、経典や聖書には、制作当時の権力や宗教の影響、人間的習慣や文化、思い違い等が混在しています。

　また、ブッダの教えが元となり、ブッダの死後、長年にわたり、あらゆる宗教が融合し、ブッダの教えとする多くの仏教経典が作られました。

　したがって、純粋な仏教を知るためには、できるだけブッダが生きていた時代に近い時代に作られた仏教経典を参考にする事が必要となります。

　真の仏教思想を考える上で、宗教学会などの学術機関において最も重要視される最古の経典の一つとして「ダンマパダ」があり、その中よりいくつかの詩句を載せてみました。

　２５００年前の詩と思ってみてみると良いと思います。

　　多くのものは心に支配され、心を主とし、心よりなる。
　　もしも人が汚れた心を持って語り、また行うならば、
　　かれに苦がしたがうことは、
　　あたかも車を引く牛馬の足に車輪が
　　したがうごとくである。

　　多くのものは心に支配され、心を主とし、心よりなる。
　　もしも人が清浄な心を持って語り、
　　また、おこなうならば、
　　かれに楽がしたがうことは、
　　あたかも影が離れないごとくである。

　　あらゆる悪をなさず、善を実行し、自己の心を清める。
　　これが、仏たちの教えである。

　　心は騒ぎ、動揺し、守りがたく、抑えがたい。
　　賢者はこれを直(なお)くすることが、
　　あたかも矢師が矢を直くするごとくである。
　　とらえがたく、軽率で、欲情にしたがって動く心を
　　制御することこそ、喜ばしい。
　　制御された心は安楽をもたらす。

　　心に煩悩がなく、思慮に迷いがなくて、
　　善悪を超越し、目覚めた人には、恐怖がない。
　　心の怒りを防ぎ、心を制御せよ。
　　心の悪行をすてて、心によって善行をおこなえ。

　　およそこの世において、
　　怨(うら)みは怨みによってやむことはない。
　　怨みをすててこそ、はじめてやむのである。
　　これは永遠の真理である。

　　自己のよりどころは自己のみである。
　　他にどのようなよりどころがあろう。
　　自己がよく制御されたとき、
　　人はえがたいよりどころを獲得する。
　　みずから悪をなして、みずから汚れる。
　　みずから悪をなさず、みずから清められる。
　　人は他人を清めることはありえない。

　　なんじ、みずから自己のよりどころをつくれ。
　　すみやかに努めよ。賢者となれ。
　　じつに自己こそ自己の主であり、
　　自己こそ自己のよりどころである。

　　もしも他人に教えるとおりに、
　　みずから実行するならば、みずからよく制御されて、
　　他人を制御することができよう。
　　実に自己は制御しがたいものである。
　　他人の過失は見やすいけれども、自己の過失は見がたい。
　　人は実に他人の過失をまきちらすけれども、
　　自己の過失はおおいかくす。

　　他人の過失を見るなかれ、
　　他人のなすこと、なさないことを見るなかれ。
　　ただ、自己のなすこと、なさないことのみを見よ。

☆カルマに関わる熟語やことわざ

①自業自得（じごうじとく）
　自分の行為の報いを自分自身が受けること。
　一般に、悪業の報いを受けることにいう。

②情（なさ）けは人のためならず
　人に親切にすれば、その相手のためになるだけでなく、やがては良い報（むく）いとなって自分にもどってくる、ということ。
　他人への情け（親切）は自分のためになる。

③人(ひと)を呪(のろ)わば穴(あな)二つ
　他人を呪って殺そうとすれば、自分もその報いで殺されることになるので、墓穴が二つ必要になる。
　人を陥れようとすれば自分にも悪いことが起こるというたとえ。

　人が悪いから、人を恨（うら）むのだが、恨むという気持ちをもつことで自分自身への不幸を招く。

　誰が悪くても、恨み、怒り、嫉妬（しっと）などのネガティブな思念を持たないようにし、常にポジティブな思念を持つ事が開運のコツである。

　自分、他人を含めて、全てを許すという気持ちは幸福を招く。

※ネガティブな思念：批判的で消極的な暗い考えや思い（基本的には他人との比較）。
　不安（ふあん）、怒り（いかり）、恨み（うらみ）、嫉妬（しっと）、差別（さべつ）、軽蔑（けいべつ）、恥（はじ）、悔み（くやみ）、批判、憎しみ、悲しみ、自己嫌悪（じこけんお）、絶望、優越感、劣等感など。

※ポジティブな思念：肯定的、建設的な明るい考えや思い。
※肯定的（こうていてき）：存在を認め、受け入れる事。
※建設的（けんせつてき）：現状をよりよくしていこうと積極的な態度。

④類(るい)は友を呼ぶ
　気の合った者や似通った者は自然に寄り集まる。
　この作用を特に「波長の法則」と言いうが、自分自身の普段の気持ちによって、自分に似た人たちが周りに集まってくるという事は、因果の作用。

　相手は自分の鏡。相手のいやな面が気になるのは、自分の中にも同じ面があるというメッセージであり、相手では無く自分自身を正す、あるいは許す必要がある。

⑤身(み)から出た錆(さび)
　《刀の錆は刀身から生じるところから》自分の犯した悪行の結果として自分自身が苦しむこと。自業自得。

☆お金とカルマの関係

　お金のシステムは神の考えとも言われています。

　「動物がお金に興味が無い」というのが、無欲という意味です。

　「お金が欲しい」という欲求が満たされないと、それに対抗すために「お金は汚い」という気持ちが生まれます。

　お金は汚いので自分はいらないと、言い訳をして我慢するわけです。

　私たちが「お金は汚い」と思うと、お金という言葉にネガティブなエネルギーが宿ります。

　また、お金は私たちの苦労と努力の結晶であるといえます。

　カルマ的にいえば、私たちは、誰かに何かをお願いした場合、カルマのバランスを取るために、私たちは何かを相手に差し出さなくてはいけません。

　すなわち、やってもらった相手に労働の対価を支払うといったように、お金を渡す事によりカルマのバランスをとる事ができます。

　お金を支払うときは、相手が自分にしてくれた労働に感謝すると、幸運に繋がります。

　「お金を払ってやる」といった高慢な心は良い結果をもたらしません。

☆

　また、お金は儲け方ではなく、使い方で、その人の価値観が現れます。

　投資などのマネーゲームや宝くじ、バクチ（ゼロサムゲーム）等で儲ける事は、自分の勝ちを願う反面で相手の失敗や負ける事を願っている事になります。

ゼロサムゲーム：親、勝者、敗者の利益、損失を全て足す（サム）とゼロになる生産性のない行為。

　相手の負けや失敗を願うような行為は人生の浪費であるばかりか、バクチ等で儲けたお金は、負のエネルギーに満ちています。

　こういったお金でもマザーテレサのように人々を助けるために使ったり、世の中の役に立つ事業を開業するなどの使い方をすれば、良いカルマとなるようです。

　お金の使い道で、その人の価値感が伺われます。

　最も悪い使い方は、お金の力により、人を支配、コントロールするというのが最悪であり、そのような傲慢な人間は、悪魔の家畜となります。

　また、お金は無目的に貯めると爆発するといわれています。

　無駄な貯蓄をする事で、事故や事件に巻き込まれたり、道楽息子が生まれたりと、散在の運命をたどるわけです。

　逆に、お金を儲けるためには、その使い道である目的を持つと良いといわれています。

　また、スピリチュアル的な能力を開発するためには、スピリチュアル的能力の開発に投資をするという事が必要です。

　「お金に糸目をつけない」という言葉がありますが、人は必要と思うものにはいくらでもお金を使うものであり、不要と思うものにはお金を使いません。

　投資をしたくない（お金をつかいたくない）という事は、その価値を認めないという心を表していて、スピリチュアル的能力の開発を拒否した事となります。

　心の力であるスピリチュアリティは、こういった事が強く影響します。

☆奉仕

　奉仕というのは宗教的概念でが、基本的に善を積むという自分の利益を考えた行為です。

　この行為は、「相手に貸を作る」という事であり、相手には、いずれ何かの形で返すという借金のカルマが溜まります。

　なるべく無料な物、安い物、サービス品等を求め続ければ、カルマ的な謝金は膨らみ、裕福な人生は遠くなる可能性があります。

　お金を払うという行為は、相手を救うという行為であり、多めに払えば、やがて自分が救われるというカルマを積むことになります。

　特殊な例外は別として、相手に何かをやってあげた場合、相手から、その労働の対価をいただくのが、カルマのバランスを取ることになり、相手を救う事に繋がります。

　宗教会員が無償で働き、あるいは寄付をして、その結果、教祖や宗教団体の幹部が、金銭的糧を得ているのであれば、それは奉仕という意味を悪用し、宗教会員を奴隷として働かせているだけです。

　宗教的な奉仕をする場合は、教祖や幹部が社会や世界に対して、そのぐらいの奉仕を行っているかといった、生活態度を見る事が重要です。

☆刑罰とカルマ

　犯罪を行い刑罰を受けた場合は、負のカルマの軽減になります。

　悪い事を行うと、すぐに親や先生、警察に発見されるという不運な人もいますが、こういった人は、守護霊（シュゴレイ）や天使などに守られている人です。

　どのような悪い事をしても見つからないという人は、一見して運が良いように見えますが、天に見放された人であり、最終的に最悪の結果を招きます。

　もちろん、天から見放されたといっても、本人が聞く耳を持たないというだけであり、神聖な存在を受け入れようと心から願えば、ただちに天からの守りを受ける事ができます。

　どのような邪悪な悪魔であっても、全てが神の子であるのです。

☆カルマの現状について

　カルマは私たちの霊的成長のためのシステムであると言われています。

　行動の結果を見ることで、よりよい行動を選択できるようになり、それが霊的成長に繋がるわけです。

　しかし、前世でやられたから、現世でやり返し恨みを買い、また来世でやられるといったループに陥り、その負のループから抜け出すことができないといった現象も生まれます。

　２１世紀のアセッション（次元上昇）の時代では、神階において、カルマの評議会が結成されたといいます。

　カルマの評議会では、アセッションに向け、カルマによる負のループを帳消しにしようという動きがあるようです。

　私たちは、心の奥に眠る怒りや恨みの念の存在を発見し、認め、クリアーにするよう努力をしなくてはいけないようです。

☆