絢香ayaka＠関西コミュの【書起】月刊歌謡曲９月号（内容書き起こし）

月刊歌謡曲９月号

Ｐ．１３

インタビュー　絢香

読者にも大人気のシンガー・絢香が活動休止前の事実上のラストシングル『みんな空の下』をリリース！

いろいろな“ありがとう”

ピアノで作ったんですよ
お母さんがご飯作ってる間に（笑）

● 『みんな空の下』はすでにアジエンスのＣＭでもオンエアされていますね。
「はい。たとえば何か物事に真正面から向き合うってなかなか簡単なことじゃないと思うけど、まっすぐに立ち向かえたとき、そこには強さが生まれ、何とも言えない優しさも生まれてくる。そんな時に不意にこぼれる笑顔はすごく輝いてて、誰にも負けない美しさがあるんですよね。自分らしく真っ直ぐに生きることは難しいけど、私はそうでありたいと思うし、目の前にあるのが高い壁だと思っても、みんな同じ空の下で生きてて、ひとりじゃないんだって思えればきっと超えていけるって、そんな思いが込められてるんです」
● どういう状況で作った曲なんですか？
「１年半くらい前、ちゃんとした作業部屋もない大阪の実家に置いてあるピアノで作ったんですよ。お母さんがご飯作ってる間に（笑）」
● ご飯作ってる間に！？
「はい、集中して書いたんです（笑）。歌詞もメロディも同時だったので、１時間もかかりませんでしたね。言葉もすごくシンプルで、手紙を書くように、メールを打つような感覚で作っていきました」
● 今回歌ってみてどうでした？
「ひとつひとつの言葉が今の自分の心境にピッタリ合ってて、ちょっと不思議な感覚がありました。当たり前だけど、この曲もカップリングの『ありがとう。』も、今の自分を知らない１年半前の自分が書いたわけですからね」
● 『ありがとう。』は特に、絢香さんの今の心境を描いたのでしょうか？どういうきっかけで生まれたんですか？
「具体的な何かがあったわけではなく、最初はありがとうの意味は本当にいろいろとあるなあって思いながらだったんです。
● ≪♪優しさに甘え　傷つかないようにするのはもう終わり≫とありますね。
「本当はこうしなきゃってわかっていても決断が出来なかったり、フタをしたまま見ないふりしてる人って、自分も含めたくさんいると思うんです。でもそのフタを開けなきゃいけない時は必ず来る。しんどいと思うし、ひょっとしたら別れがあったりもするかもしれないけど、フタを開けたらもっと本当の自分になれるというか、新しい自分に会えると思うんです。そういうときに言うありがとうはすごく切なかったりもするけど、でもまたその先で、すごく心からうれしいありがとうに出会えるはずだと思っていて」
● ≪限りある人生≫だからこそ後悔はしたくないけど、まだまだ≪旅の途中≫ですからね。
「そういう思いが、聴いてくれた人のパワーになればいいなと思ってます。今は本当に、この≪ありがとう≫という言葉を、素直にファンのみんなに言えるタイミングだと思っていて。みんなが応援してくれたから今の自分がいるんだよってことを、素直に伝えたいです」