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リレー小説「起承転結」コミュのダジャレー夫人の恋人〜バレンタインデー三角関係ラブコメの筋

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〜喜劇はどこもかしこも、似たり寄ったり、だぎゃあ〜(R・H・OLE)

主な登場人物
ナタリー(ナット):サルス・ベリーから嫁いだ美貌の若妻。
ボルテージ(ボルト): ダジャレー屋敷の主。北英紛争に従軍後、車椅子生活になったが、新聞業が引き続き順調で巨万の富を誇っている。ヨ・ダレー系英国人。
ショート(笑止):ダジャレー屋敷の使用人。
ピーチ(桃尻)/カール(尻軽): 双子姉妹。ダジャレー屋敷住み込み侍女。
コボレリッチ:おかかえ運転手。

第一章 「ドア」

朝食の片付けに来たピーチとカールを呼び止めたナタリーは、鉢に盛ったチョコレートブロックをテーブルに載せる。
バラの蕾のような唇から発せられる雅なお言葉である。
「あのよぉーこれ、おみゃぁさんたぁにあげるで、持ってってちょうでゃぁ。
今日はヴァレンタインデーだってこと知っとるでしょ。
女から一年に一度だけ、男に言い寄ってもエエ日だでなぁ。"愛の告白"の印だで、分かっとる?
好きな男の人にあげたりゃぁ。
今夜はボルトもおらんで、おみゃぁさんたらぁに閑やるで、羽根を伸ばして遊んでりゃぁせ」
ピーチとカールは顔を綻ばせる。
「ボルトとショートへは、わしから渡すで、おみゃぁさんたらぁは、いかんよ。照れくさぁけど、格好だけ」
ピーチとカールは、愛らしく腰を屈めて会釈して出て行く。
ドアを閉じると、二人は手を取り合ってはしゃいだりする。
「やったがね。あたし、誰にあげたろうかな。姉さんは決めた人おるんでよ?誰?」
カールは口を尖がらせて言う。
「それは、言えん」
「でゃぁてゃぁ分かっとる。双子だもの、好みは一緒だでかんわ」
「それだがね、困るのは。ウスウス知れとるでかんわ」


庭の手入れや垣根の修繕を一段落させたショートが荷車に腰掛けて休んでいる。
この時間は、掃除中のピーチもカールも庭に下りてくる。
いつものように、バスケットから出したお茶とジャム付きパンをショートに渡す。
いつものように、3人が並んでおしゃべりすることになっている。
「こんにちは。きょうも、ピーチもカールも見分けがつかんくりゃぁ、綺麗だがね。お天とさんがヤキモチ焼いてござる」
「嫌だぁ。ショートったらぁ。口が上手いで、気をつけんといかんがね」
「なに言っとりゃあす。ほんとの事だがね」
「あのね、チョコレートあげるでね」
「ピーチ、抜け駆けはいかんがね。わたしもあげたるで」と、カールもショートの手にチョコレートを握らせる。

ナタリーの部屋の窓ガラスから、彼らの甲高い笑い声が聞こえている。
大きな花器にはショートが今朝摘んだ「ウインターダフネ」が生けられている。
花ことばは、栄光。
ダジャレー家への思いが、高い香りを放って伝わってくる。
(花占い:遊び好きなのが欠点。目的達成を遅らせています)
ショートの秘めたメッセージだが、ナタリーは気づかない。
ナタリーは花に合わせて戸棚の絵皿を取り替えている。
キューピットに射られたアポロンがダフネに恋焦がれる劇的画面が描かれている。


ダジャレーは商用で、出張がちである。家を留守にすることが多いが、ナタリーの寂しさはこの為ばかりではない。
ナタリーとボルテージの結婚は、富豪の夫と美貌の妻という、人も羨む幸せな新郎新婦であった。
ただし、この幸福は夫が従軍するまでの話だった。



その晩、灯りを持たない若い男がナタリーの部屋の前に立ち止まる。
ロックされていないのを確かめると、ドアを押して部屋に入っていく。
ナタリーの囁きが聞こえる。
「ショート?ショートでしょ」

(P)
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第二章「露見」


闇の中で手探りにランプを探る音につづいて、マッチを擦る音が聞こえた。

「遅かったやん。今日は来えへんのかと思とったわ」

ナタリーはゆっくりと体を起こし、ベッドに腰掛けた。

「もう寝てはりらっしゃいましたか。お起こししてしまったんだったら、えろうすんまへん。もうちょっと早よ来たかったんやねんけど、ついさっきまで廊下で誰かごちゃごちゃしてはりよったみたいやし」

ショートが慇懃に詫びながら、ランプの芯にマッチを近づけた。


「まあ、やましい事は無い言うても、李下に冠を正さず言うからな」

ナタリーがゆったりと、歌うような調子で言う。

「ボルトはあんな性格やし…まあ、座り」

勧められたショートは一礼をし、ベッドのそばの椅子に腰掛ける。
ランプの火が揺れて二人の影に動きを作った。

「分かりますわ。旦那さんはほんまにまっすぐなお人やねんですけれど、その分何もかも曲がった事は許さへんお方だから…
こうして、奥様と二人でお話しておるとお聞きになっただけでもう、てんやわんややさかいですなあ。」

ナタリーが目をこすりながら、緩慢に答える。

「私がお前と話しよったら安心する言うのは、ボルトも納得はしてるやろ。
ただ、頭で理解できても、絶対に許す事は無いやろけどな」

ナタリーは顔も上げずにつぶやいた。まるで独り言のような調子だ。

「そらあ…私と奥様は、同郷のよしみやさかいですから。
こんな事言うのは恐れ多いですけれども、私には奥様の辛さがよう分かります。ドートン地方の人間は商魂たくましい、品の無い奴らや言われて。
そんな奴らばかりやないし、奥様のお里のような由緒正しい家だってあるのに…。」

ナタリーは少し微笑んだようだった。相変わらずうつむいて、上の空のような調子で聞いている。

「とかく、なまりの事を馬鹿にされるたび、砂を噛むような思いしながらも必死で直したもんですわ。でも、未だに、中部の言葉を喋っている自分は、私ではないような気がしますんです。だから、こうして奥様とお話していると、懐かしいような、故郷に帰ってきたような気がするねんですな。」

不意にナタリーが立ち上がり、ゆっくりと窓に歩み寄った。

「こっちに来てから、まるで魚が地上で窒息するように、私は窮屈で辛かった。ボルトは決して悪い人ではないねんけど、心を許しきれんかったんや…今もな」

ナタリーが窓を開けると、風に吹かれたランプの火がかすかな匂いを残して消えた。暗闇から月の光が徐々に部屋の輪郭を浮かび上がらせてゆく。

「ショート」

突如、いつものような毅然とした声になってナタリーがつぶやいた。

「アンタは、優しい子や。ほんまに…優しい子や。
だけど、その優しさが時として人をかえって傷つけることを、アンタは知らなあかん。…辛い事やろうけど」

その調子に、思わずショートは姿勢を正す。

「今日、ピーチとカールの両方から貰ったやろう、チョコレート。
この際聞いておきたいねんけど…
あんた、どっちを本気で思ってるんや」

不意をつかれたように、ショートは言葉に詰まって何も言えずにいた。
何の感情も読み取らせない彼女の表情がさらに彼を困惑させる。

「答えられへんか。それが、アンタの良いところであり、最大の罪作りなところでもある言うことや。悪気はのうても、情けをかけられた方が傷つく事もある。はっきり言う事も思いやりやで」

「奥様、…わては…」

「それやっちゅうとるやろ」

ナタリーが言葉を遮った。

「あんた、ドートン地方出身でないんばればれやっちゅうねん」


「な
…!!!!」

『なして分かりはりましたのん!!!!』と言おうとしてショートは口をつぐむ。
タイミングよく飛んでくれたムクドリの羽音が、沈黙を上手い事演出してくれていた。



(ふらと絵梨)
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「どうもこうもないっちゅうねん、ショート。あんたキョートもんやろ」
「それもちゃいますねん。拙者、幼い頃に母を亡くしたなり。父は絵描きで全国の風景を描いて回ってましてな、わいも土地土地の言葉を覚えたけん、言葉がごっちゃ混ざっちまったざます」

「えらい人生送ってたんやなあ。まあこれでも食べや」
「これは、旦那様に贈るバレンタインデーチョコやなかと?」

「ええねん。どうせ今日かて仕事とかゆーて帰ってけーへんから。よかったら召し上がって」
「ありがたき幸せ」

ショートは、上質な包みを丁寧に開き、一粒のチョコを口にした。

「ワインチョコばい。バリ香りがたまらんばい」
「そないなことゆうて。ほんまはピーチやカールにもらった方がうれしいんやろ」
「そ・そ・そ・そんなことねーずら。よかったら奥様も召し上がるべ」

ショートはナタリーの口唇にワインチョコを運ぶ。その手は少し震えているように見える。

「ほんまや。ワインの香りがじょうひ・・・」

言い終わる前にショートの口唇がナタリーの言葉を塞いだ。

「あんた。いきなりなにすんの。。。」
「す。すみません・・・ばってん」

ショートはそのままナタリーをベットにやさしく押し倒した・・・

「ええか〜?ええのんか〜?」
「やんか・・・やんか・・・」

「でやでやでや」
「やんかやんかやんか」

−−−−

第三章「傷跡」

ボルテージは英国第三の都市、ラステンドにある新聞社の社長。北英紛争では社長でありながら従軍記者として活躍。臨場感あふれる筆致で人気を集め、英国一の新聞社へ育てあげた。ただ、紛争が激化したころ、北軍の流れ弾を受け両足を失い、車椅子生活を余儀なくされている。

バレンタインデー。事件は暦を考慮しない。セキガフィルズに構える北軍の動きに変化が見られるとの報告もある。徹夜待機は避けられないだろう。そんなところに来訪者。ダジャレー屋敷の侍女、ピーチ&カールだった。

「おはこんばんちは」「おお、なんだぎゃ」
「なしてもなんもないがね。今宵はバレンタインやがな」

「そんなん俺にゃー関係にゃーで。事件は現場で待ってくれにゃーで」
「でもな。奥様な、チョコ準備して待ってるでな、今日帰ってこなんだら、チョコがワヤだがね」

隣で聞いていた運転手のコボレリッチ。
「ドライバーであるミーが申すのもなんでござるが、そろそろ最前線に立ってニュースペーパーのエディット作業にあたるにゃー、あんばようないんでにゃーか。社長は身を引いてメンバーをハートウォーミングにウォッチするくらいのスタンスがあってもグッドかと」

相変わらずカタカナが鼻につく男だ。欧米かぶれめ。しかし彼の一言にたびたび助けられてきた経緯もある。考えてみれば、ナタリーと結婚してからクリスマスや正月でさえ、一緒にゆっくり過ごしたことはなかった。今日くらいは早く帰ってもバチは当たるまい。部下に作業の一通りを指示し、帰りの車に乗り込んだ。

「きーーーーーん」

後部座席のピーチ&カールは久しぶりの車にはしゃいでいた。

一方ボルテージは助手席で黙考。結婚当初、お見合いではあったが、誰もがうらやむ新郎新婦だった。しかし紛争で弾を受けてから少しずつ変わっていった。両足を失った悔しさから、今まで以上に仕事に没頭した。2ヶ月3ヶ月家を留守にすることもあった。彼女は今まで以上に優しくなった。しかし、それは愛情ではなく哀れみなのではないか。そもそも彼女が私に心を開いてくれたことは今まであったのだろうか。。。

屋敷に到着。邸内は車椅子がスムーズに通れるよう全ての段差をなくしている。これをボルテージは「ばりゃあふりゃあ」と名づけた。後のバリアフリー住宅の原型となっている。

彼はピーチ&カールとコボレリッチを連れ、寝室に向かった。帰宅途中に買った「味噌カツういろう」は彼女の大好物。きっと喜んでくれるであろう。

−−−−

ショートは最大限のささやきで叫んだ。

「なんでじゃ!?なんで旦那様帰って来るんじゃ!?こちとらまだ終わってないんじゃあ!!」
「そないなこと、ウチにわかるわけないやんかやんか!ええからどこか隠れて!」

ショートは慌てて自分の服をベッドの下に押し込み、カーテンの裏に裸のまま隠れた。

ボルトはドアをノックした。
「ナタリー。まだ起きとるがね?」

(ごはんどん)
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第四章「発覚」

「みゃぁみゃぁ。ボルテージだぎゃぁ、いま帰っただぎゃぁ」

ボルテージはいつもしているように、ドアを叩くノック音に合わせて「みゃぁみゃぁ」言った。
ピーチとカールには日常的な出来事なのでなんともないのだが、ナタリーの部屋に初めて来るコボレリッチにとって、それは可笑し過ぎる行為で、笑いを堪えるのに必死だった。

「ありゃボルト、それにみんなも。どうしたん?」

「おおナット、おみゃぁに会いに来たでよ。ほれ、味噌カツういろうも」

「嗚呼、愛しいボルト、私の為に嬉しいや〜ん」

つい先程まで交わされていた情事の後ろめたさと、すぐそこにショートが隠れているという危険な状態が相まって、ナタリーは大袈裟に喜び、車椅子のボルテージを抱きしめるのだった。

「ん?ナット。おみゃぁ、口の横になんか付いてるだぎゃ」

「げっ!じゃなくて、えっ!!(やばいがな、チョコだがや)」

慌てて拭き取ろうとするナタリーの手を制したボルテージ。
さすが英国紳士。ポケットからハンカチーフをさっと取り出すと、優しく口の周りを撫でる。

「チョコだがや。チョコがちょこっと付いとったがや。ガハハ」

どうだい?俺のダジャレは最高だろう?と言わんばかりに笑うボルテージに合わせ、笑うナタリーだったが、内心はそれどころではなかった。

「あ、えっと、これはあれだぎゃ。今日はバレンタインだからチョコを渡そうと思っただぎゃ。それで味見したら不味かっただで、全部食べてもうたでぇ」

「そうかそうか、それでチョコがちょこっとついとったでやガハハ」

「「あははは」」

笑う一同。

しかし、ナタリーの笑いには、笑っていれば誤魔化せるかもしれないという目論見がありありだった。

「まあよいで。ここにおみゃぁの好きな味噌カツういろうがあるでぇ、みんなで食べるぎゃぁ。カール、紅茶を淹れに行って来るだぎゃ」

「旦那様、私はカールでなくピーチですぎゃ」

「ありゃ、かーるくカールと間違えたでよガハハ」

−−−−

紅茶が入り、ナタリーの部屋のテーブルに座る5人。

「ん?そういえばショートが居らんで。コボレリッチ、ちょっとショートを呼んで来るだぎゃ。席を立つとき、紅茶がコボレんようにするだでガハハ」

「(げっ・・・)ボルト、このテーブルに6人は狭いやんか、大広間に移動したほうがええんじゃないけぇ・・・」

「そんなことは無いだで。15人は座れるでぇ。大広間は蝋燭を点けて回るのが大変だで」

立ち上がり、部屋を出て行こうとするコボレリッチの足に何かが絡まる。

「ホワッツ?なんだぎゃ・・・ジーンズだで。メンズのジーンズだで」

「「ああっ!それはショートのジーンズだぎゃぁぁぁ」」

ピーチとカールが双子らしくハモった。

「なんでショートのジーンズがあるだぎゃ?しょーとうおかしい話だで」

またもボルテージはダジャレを絡ませるが、疑念含みということもあり、ガハハは出なかった。

「えっと、これは、ショートのジーンズが破けて、縫ってやってたところだぎゃぁよ」

「いつも縫い物はピーチとカールに頼んでりゃあよ。それにナット、おみゃぁは縫い物が出来んみゃぁよ」

「縫ったんじゃにゃぁて、アイロンを・・・」

とナタリーが言い掛けたとき、突然カーテンの裏から声が発せられた。


「もうええんです・・・奥様ええんです・・・わてがあきまへんねん」


カーテンの裏から裸にブリーフ姿のショートが現れた。

「「ショ、ショート!!」」

双子のハモリ。

「アンビリーバボー」

鼻につくカタカナ。

「しょーとう時間が過ぎてます。しょーとう時間が過ぎてます」

混乱し、訳の分からないダジャレを標準語で二回繰り返すボルテージ。

ショートはノロノロと歩き出すと、ボルテージの前で土下座をした。

「旦那様、申し訳御座いませぬ。わて、どうしても我慢できんくて・・・」

涙ながらに訴えるショートの口元にもチョコが付いているのだった。

私の居ぬ間に、ナタリーとショートは「ええのんか」な関係になっていたのか・・・
そしてついさっきまで、チョコが溶ける程に密着していたのか・・・

「ぬぅぅ!貴様ぁぁぁ!」

そう怒鳴ると、ボルテージは土下座したショートの手を、車椅子の車輪でグリグリやった。

「ぎっ、ぐわぁぁ!!」

叫びをあげるショート。

「「旦那様!やめておくんなまし〜、ウチ等の大事な王子様なんですぎゃぁ〜」」

涙ながらにショートを庇うピーチとカール。

ナタリーも涙ながらに訴える。

「ボルト、おみぁさんは仕事ばっかしおるねん、アタイのことほったらかしにするだでぇ寂しいでぇ〜、アタイなんかドートンの田舎臭が抜けんで、ボルトの高貴な匂いと混ざって変な臭いになってるって、近所のババァ連中がぬかしとるでぇ〜。そこんとこショートは地方出身でで、訛りもきついだりゃぁ、ちょっと心が傾いただけだぎゃぁ・・・みゃぁみゃぁ」

「仕事だで、仕方あるみゃぁ。ただ、私もこんな体になっちまったで、本当はちょくちょく帰ってきたいと思っておってもなかなか動けんでぇ。でも、これからは、おみゃぁが寂しくないように帰ってくるだで。近所のババァ連中にも何も言わせんて、おみゃぁは立派なダジャレー家だで。そして、私の立派な嫁さんだでぇ。ボルトとナットはいつまでも二人で一つだぎゃぁぁぁ」

「嗚呼、ボルト。堪忍だでぇ、ほんに堪忍だでぇ」

第五章「罪と罰」

「今宵は恥ずかしいところを見せてしまっただぎゃぁ。申し訳ないみゃぁ。さあ、おみゃぁさんら、紅茶が冷めてしまったが、味噌カツういろう喰うでぇ」

ブリーフ一丁のショートもテーブルにつくと、「うみゃ〜うみゃ〜」と言って、味噌カツういろうを食べた。2コも食べた。

それを忌々しく見るボルテージ。

(あの野郎、あんな事件起こしておいて、ニコニコと2コも味噌カツういろうを喰いおったで。なんや和気藹々な雰囲気になってもうたが納得いかんでぇ。許せんだぎゃ)

ボルテージは急に、乗ったティーカップがソーサーごと3センチも浮き上がる程に、テーブルを両の手の平で叩き付けた。

ボルテージの豹変に驚き、呆気に取られてボルテージを見る一同。

「拷問部屋だぎゃぁぁ!コボレリッチ!ショートを拷問部屋に連れていくだぎゃぁぁ!!」

「か、かしこまりですねん社長。ゴー トュー ヘル! ゴー トュー ヘル!」

一瞬戸惑うも、素早い反応でショートを地下の拷問部屋に連行するコボレリッチ。

「「そんな、旦那様、拷問なんてあんまりですぎゃぁ」」

「ええんや、わてはそれだけの事をしてしまったで、拷問も素直に受け入れるでぇ」

ナタリーも声を掛けようと立ち上がったが、掛ける言葉が浮かばず、ゆっくりと椅子に座り、下を俯いてしまった。


カビ臭く、湿った薄暗い地下の拷問部屋に連れてこられたショート。
コンクリートが打ちっ放しの部屋の中央には古びた椅子が置かれている。
椅子には、腰の部分と手首と足首に革のベルトが付いていて、ショートはその椅子に括りつけられた。
良く見ると、ドス黒く変色した血が、椅子や椅子の周り、コンクリートの壁など、ところどころに飛び散ってこびりついている。

ショートは30分ほど放置されただろうか。

急に重い鉄の扉が軋んで開く。

そこに現れたのは、薄汚れた白衣を纏ったボルテージ。
白衣にも返り血が飛び散り、ドス黒い斑点模様を作っていた。

ボルテージは細い棒のようなものを取り出すと、ショートに近づいてくる。

「うぐぐ、うぐぐ・・・」

猿轡が邪魔で声が出せないショート。

ボルテージはニヤリと笑うと、ショートの右耳の穴にその細い棒をゆっくり突っ込んだ。


そして・・・


耳垢を綺麗に取り去る。
左耳の耳垢も。

「さあ、笑い地獄を味わうがいいだで」

そう言うと、ボルテージは部屋の隅にあるスイッチを押した。

すると、椅子の前方に置かれたスピーカーからダジャレの数々が流れてきた。

「布団が吹っ飛んだでぇ」
「コーディネートはこーでにゃーと」
「百円喰う?ひゃぁ喰えん」

「ガハハハ、私も早くここから出にゃぁ、笑い死ぬでぇ。三時間だで。ショートは三時間の罰だで」

ボルテージは耳を塞ぎながら急いで拷問部屋を出て行った。

数々のダジャレにクスリともしないショートを置いて。
まあ、違う意味で拷問なのだが・・・

尾張。いや終わり。

(鯊)

コメント(28)

ダジャレー夫人!どんなにドロドロの6角関係に陥っても、
ダジャレでどーしてもコメディになってしまいますね!

赤福いってらっしゃいませ!!
ダジャレーの『結』は誰じゃ〜

・・・

ボクです・・・

織田信長でも登場させるしかないw
桶狭間だぎゃー!

Pさん「美味せ参り」お帰りなさいませ!
ふらとさんwrote:

大変遅くなり、また締め切りを一日破ってしまい、申し訳ございませんでした。

推理小説の時と同じく、普段自分が書かないような物語を作ることは、なんと新鮮で、何と難しいのだろうと実感しております。


実はどうにかして名古屋弁を喋らせない方向に持っていく設定を考えるのに9割ほど時間を費やしておりました。「トーキーにしよう!」とか考えていた自分はアホだったと思います。

「転」のごはんさん、よろしくお願い申し上げます!!!!
標準語をしゃべろうとしてちょっとだけなまってしまう女の子が大好きなごはんどんです。
言語が4つくらいになってる!バイバイリンガルになってがんばります!
えーっと。すみません遅れます!

「起」の「ダフネとアポロン」をどないしようかめっちゃ悩んでんねん!
えーっと。ショートは京都弁ってあってますよねきっと。
名古屋弁ちゃんと使えてますかね。教科書はアラレちゃん。

流れに身を任せていたら不倫してしまいました。Pさんごめんなさい。

というわけで寝室に全員集めときました。結びの料理を鯊さんよろしくお願いします!
とりあえず書き終わりました♪
ちょっとコメントは後で書きます。
なんだかオチが脱線気味になってしまいました。
さらに尻つぼみ感がありあり(笑
そして、
またしても長く、またしても遅くなってしまいました。
すいませんだぎゃぁ。。。
名古屋弁もメチャクチャに書いてしまったし、
これ、名古屋の人が読んだら怒るんだろうなw
やばい!何度読んでも笑える!!
3行に一度は笑える!!!3の倍数で変になる!!!!
ごはんさん>
世界のなべあつだぎゃ〜w
ちなみに、
Pさんの名古屋弁サイトによると「3の倍数でアホになる」は、
「3の倍数でた〜けになる」になるみたいです。

Pさん>
試しに

「今宵は恥ずかしいところを見せてしまっただぎゃぁ。申し訳ないみゃぁ。
 さあ、おみゃぁさんら、紅茶が冷めてしまったが、味噌カツういろう喰うでぇ」

を東京弁に戻して、正式な名古屋弁に変換してみたら

「今宵は恥ずかしいところを見せてしまった。申し訳ない。
 さあ、おみゃーさんら、紅茶が冷めてしまったが、味噌カツういろう喰おう」

でした。
ありゃ、意外とシンプルだぎゃ(笑
やば・・・
最後の拷問部屋のところで、ボルテージが車椅子に乗っているということを
完全に忘れてしまっている俺です。。。
「歩いて」とは書いてないからギリでセーフかなと笑
確かにぎりぎりだてねどんまい。

名古屋弁変換サイト。。。こんなのあったんだぎゃぁ。
ストーリーよりも、方言やらでむちゃ苦労したのに。。。
まっと前に知りたかっただなも。

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