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小説を書いて読んで楽しもうッ!コミュのライムジェットコースター!『かへおれ覚醒!?』

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ソレから僕達は琥潤の転移魔法で一気にforget me notまで戻ると、
一路、次元回路を目指す。


すたすたすたすた…


…サラの誘導の元、木漏れ日が暖かい道中をゆっくり進んでいると、
タカが何かを思い出したかのように手をポンと叩き、琥潤に詰め寄った。


「おぉそうだ琥潤殿、拙者 貴殿に聞きたい事があったのでござるよ。」


「何タカ君、藪から棒に?」


彼女も突如 声を掛けられ、ソレとない顔でタカの話を聞く。


「うむ、実は朝の話の中で妙に気になる話が在ったのでな、
 もし宜しければ詳しい事を聞こうと思ったのだ。」


「だから何なの?ソレを言ってくれなきゃ答え様がないわよ?」


回りくどいタカの話も琥潤は嫌な顔一つ見せず、歩きながらソノ先を促す。


「おぉスマン、某【それがし】が聞きたい事と言うのは、
 琥潤殿が話して下さった『そうるちぇいん』なる魔法の事でござる。
 一体それは如何なる魔法なのか、出来ればご教授 賜りたいと思ったのでござるよ。」


「あらタカ君、魔法に興味があったの?」


「どうしたなりタカ?変な所でもブツけたなりか?」


「タカさん…動カナイデ下サイ、今スグCTスキャンヲ致シマスカラ。」


揃いも揃って奇異な目で見られるタカ…胸中 遣る瀬無い気持ちで一杯だろう…。
僕はそんなタカに軽く同情すると、置いてきぼりをクラッた彼の言葉に もぅ一度 焦点を合わせた。


「ソレでソノ『ソウルチェイン』って魔法が一体どうしたんだいタカ?
 まさかとは思うけど、習いたいなんて事 言うんじゃないだろうな?」


するとソレを聞いたタカは慌てて何かを掻き消す様に両手を振り、僕の杞憂を否定する。


「めめ、滅相もござらんッ!拙者にそんな才は無いでござるよッ!
 …拙者が気になったのは、先代と后【きさき】が同時に亡くなった事に、
 どんな因縁があるのかを聞こうと思ったのでござる。」


「……因縁…ねぇ…。」


漸く姿を現したタカの質問に琥潤は腕を組むと、秀麗な顔を少し俯かせながら考え込む。
そして暫く目を瞑っていたかと思うとタカの方に向き直り、ゆっくりと口を開いた。


「まぁどんな目的が在って知りたいのかは判らないけど、別に教えても問題はないでしょ。
 タカ君、ソウルチェインって言うのはね?その名の通り『魂を鎖で繋ぐ』魔法なの。
 もっとタカ君に判り易く言えば、ソウルは魂って意味でチェインは鎖って意味なのよ。」


「ふむふむ…そこまでは理解出来た、続きをお願いする。」


「うん、それでね?この魔法はどちらに比重を置くかが最大のポイントになるんだけど…。」


「ぽいんと?」


あ、タカが首を傾げながら英語を平仮名読みしてる…大体これが出た時は判ってない時だ。
僕は琥潤の説明の腰を折らない様、タカが聞き返す前にこっそり彼に耳打ちした。 


「タカ、ポイントって言うのは要点って意味だ。」


「おぉ…忝い【かたじけない】かへおれ殿、恩に着る。」


「それはイイから琥潤の話に集中しな…余所見がバレて、ヘソ曲げられても知らないぞ?」


「ソレはイカン!…では かへおれ殿、また後程…御免。」


タカは小声でそう言うと、再び彼女の講義に耳を傾ける。


「…もし仮に私とタカ君がソウルチェインの儀式を行って、私の魂に比重を置いた場合、
 タカ君は人間以上の寿命を生きる事が出来るし、もし君が死んでも私に生が在る限り、必ず生き返るわ。
 但し、私が何らかの事故、寿命等で死んだらタカ君も魔法の効力に拠って、強制的に死ぬけどね。
 逆にタカ君の魂に比重を置けば、寿命が長い私でも100年も生きない内にタカ君と一緒に死ぬのよ。
 …どうタカ君?これで『ソウルチェイン』がどういったモノか、判ってもらえたかしら?」


「…うむ非常に良く判った、有り難う琥潤殿。」


タカが琥潤に礼を言うのを皮切りに、僕達は再び歩き出す。

…どれほど歩いた頃だろう、道中 何となく忙しなかったタカが今度は サラに近寄と何やら耳打ちをする。
するとソレを聞いた彼女はタカの顔を見ると、何気無い仕草でコクンと1つ頷いた。
…僕としては自分の脇で何かコソコソやられるのは、非常に気になる…。
僕はこっそりタカの背後に回り込むと、惚けている彼の耳元でソッと悪戯っぽく囁いた。


「タ〜カ〜く〜ん…何コソコソやってんだよ、僕も混ぜてよ?」


「ぶぉわたっ!な、何だ かへおれ殿でござるか…驚かせないでくれ。」


必要以上に驚き、僕から飛び退くタカ…その時 僕の中で確かに小悪魔が囁いた…『遊んでヤレ』と…。


「怪しいなぁタカ…何をそんなに驚いてるんだい?
 ソレとも『教えられない様な事』でも考えていたのかなぁ〜?」


ドキッ!


そんな音は聞こえなかったけども、タカの顔を見れば感じで判る。
僕は挙動不審なタカの肩を抱くと、嫌らしい顔付きで冷ややかに笑い、
まるで別人の様な口調で彼を責め立てた。


「なぁ〜タカ…僕達の間で隠し事はないぢゃないかぁ〜…大切な仲間だろぉ〜?
 それになぁ〜タカ…盟友との間で隠し事をすると『もへもへぼむぼむの刑』に処せられるぞ?」


「も、もへもへぼむぼむの刑ですとッ!?」


案の定タカは、聞いた事のない言葉に動揺している。
彼の表情を見る限りでは、僕がついた嘘は見抜かれていないだろう。
我ながら悪どい手口だと思いながら、たじろぐタカを見ていると、
残酷な嗜虐心【しぎゃくしん】がゆっくりと鎌首を擡げ【もたげ】、彼を逃すまいと罠を張る。


「そう…コノ刑罰は『市中引き回しの上、獄門張り付け打ち首、並びに御家断絶』と等価なんだよ…。
 ココまで言えばどんだけ重い罰か…判るよなぁタカ…さぁ何をコソコソやってたんだぃ?言ってみな?」


ゆらぁ〜…


まるで幽鬼の様に立つ僕にタカはすっかり飲み込まれ、顔面を真っ青に彩っている。


「んんなァッ!?そ、その様な重い刑罰が かへおれ殿の時代では執行されるのかッ!?
 …だ、だがココは かへおれ殿の居た時代ではないでござるッ!そんな刑は無効だっ!」


強気に出ているもののタカの顔には在り々と動揺が見られ、いぢめ甲斐が在る事この上ない。
僕は何だか不思議な気分の侭、彼の心を突付き回した。


「まぁ僕はイイんだけどねぇ…でもどうなるかなぁ…あ、そっか…でもなぁ…。」


まるで出そうなクシャミが寸でで出ない様な苛立ちをタカに与え、少々僕は悦に浸る…。
一体いつの間にこんな悪ノリをする人間になったのだろうか?
すると横で僕達の遣り取りを聞いていた イブが頬に手をあて、
軽い溜息をつきながら、狼狽る【うろたえる】タカに真実を教えてしまった。


「…ハァ…かへおれさん、チョット趣味ガ悪イデスヨ?
 …イイデスカ タカさん、『もへもへぼむぼむの刑』何テモノハ現在ニモ未来ニモ存在シマセン。
 貴方ハかへおれさんニ担ガレタンデスヨ…モゥ少シ早ク教エテアゲレバ良カッタデスネ…。」


「なんとッ!嘘だったのでござるかッ!?」


クルッ!


漸く真実を知ったタカが、勢い良くコチラを振り向く…、
ソノ顔は怒りの色が濃く、容易く【たやすく】許してくれる気配が無い。


「た、タカ…落ち付いて話し合おう…ぼ、暴力からは何も生まれないぞ?」


「………」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ…


余程さっきの罰が怖かったのか、震えるタカの肩から空気を揺るがす程の濃い怒気が広がってゆく…。
するとタカは何かを思いついたらしく、サラの方をチラッと見ると、ソノ重たい口を開いた。


「…サラ殿…後で かへおれ殿に治療魔法を掛けてやって下され…。
 今から『少々』御仕置きをするのでな…宜しいかな?」


ソレを聞いたサラも素直に頷き、キシシと笑いながら僕の事を流し見る。


「純情&生真面目なタカを騙した罰なり〜♪」


しかも止めに入ってくれるだろうと思っていた琥潤やイブまでもが、いつの間にかタカの背後におリ、
期せずして僕は孤立無縁となってしまった。


スラン…チャキッ!


何の躊躇いも無く刀を抜き、峰を構えるタカ…イイのかッ!?武士がそんな簡単に刀を抜いてッ!!
しかし彼は粘っこくヌタリと笑うと、腰を低く落とし、たじろぐ僕に狙いを定める。


「なぁに大丈夫でござる…ちょっと『痛目』に引っ叩くだけでござるよ…。
 骨を折ったり斬ったりはしないでござるから御安心召され…。」


「そんな事 言われて『うん判った』なんて言えるかぁぁぁあぁあッ!」


半泣きになって逆ギレしてみるものの、タカは笑った侭 構えを解かず、
今にも飛び出してきそうな気配を放っている。
ソノ時、何処かで『カチリ』と、スイッチが入ったような音が聞こえた。


刹那ッ!


僕は不思議な光景を目にした…。
音が聞こえた途端、僕の右真横にぼんやりとした蜃気楼の様なタカが現れ、
ソノ頭上には『5秒後』と、ハッキリと数字が表示がされているのだ。
しかもソノ姿は今いるタカの辺りから、まるでコマ送りの様に一挙一動が現れ、
彼がどの様に刀を薙ぎ、どの様にココまで到達するかが鮮明に描写されている。
だが驚く暇は無いのか、頭上の時間は刻一刻と縮まり、もぅ後3秒も無い。
僕は一かバチか、攻撃線上から外れる様に真横のタカから離れ、
丁度タカの後ろになる場所へ飛び退いた。


シュバッ!スカッ!


「なぬッ!?」「うきょッ!?」「エェッ!?」「あらま」


「………嘘だ…ろ…?」


…キッカリ五秒後…僕の目の前には、刀を薙いだタカがいる…。
ソノ光景を見た皆も他者多様に驚くが、何を隠そう一番 驚いているのは僕自身だ。
すると今度は今 居るタカの頭上に『3秒後』と表示が見え、
ソノ姿はコチラを振り返る様に刀を薙いでおり、ココに居る事の危険性を余儀なく知らせる。
僕は出来るだけ早くタカの残像背後へ回り込むと、ソノ残象の手首を掴める体勢で待ち構えた。


シュバッ!パシッ!


「な、なんだとォッ!?」「ぽかーん…」「エェッ!?エェッ!?エェッ!?」「あらまぁやるわね♪」


……一体 何が起きたのだろう…僕は今 驚き慄く【おののく】タカの手首を掴んでいる…。


カチッ…


すると僕の後頭部付近で再びアノ音が聞こえると同時に、
タカの頭上に表示されていた数字が、何事も無かった様に姿を消した。


し――――――ん…


…静かな…とても静かな時間が、動く事を忘れてしまった僕達を包む様に流れる…。
…どれだけ雁首【がんくび】を揃えて惚けていただろう。
暫く経つと最初から素面【しらふ】だった琥潤が、嬉しそうに僕の腕に自分の腕を絡め、
目を細めながら擦り寄ってきた。


「うふふ…やっぱりルー様の魂が選んだ身体だけはあるわぁ〜♪
 こうも簡単にタカ君をいなすとは思いもしなかったわよ。」


ぎゅむぅ♪


華奢な身体に内包された柔らかい乳房が、僕の二の腕に柔らかな感触を与える。


「あ…いやぁ〜身に覚えは無いンだけどね…あははは…。」


ソノ蕩ける【とろける】ような感触に僕は掴んでいたタカの手首を放すと、空いた手で頭を掻き、
上目使いで見つめる琥潤の視線から目を逸らす。
すると今までポカーンと口を開けて惚けていたサラが、ソレを見た途端 正気を取り戻し、
僕と琥潤が仲睦まじくしている間に、グイグイと割り込んできた。


「むっっ!こらッ何ヤッテるなりッ!?さっさと離れるなりよ〜ッ!!」


ぐいぐいぐいッ!


ムキになって身体を割り込ませるサラ…いつもと様子が違う彼女の態度に僕も違和感を覚える。
だが琥潤はクスリと含み笑いを洩らすと、スンナリ身体を引き、
全てを見通した優しい瞳でサラを見ている。


「あらあらゴメンナサイ、ヤキモチ焼かせちゃったわね。」


「んなッ!!さ、サラはそんなモン焼いたりしてないなりぃぃいぃッ!」


「うふふ、ごめんごめん♪」


真っ赤な顔で怒りながらギャイギャイ騒ぎたて、琥潤に食って掛かるサラを尻目に、
僕は軽く溜息を吐くと、中々終わりそうも無い彼女の口撃に歯止めを掛けた。


「サラ、そろそろソノ辺にして先に行こう。
 このままじゃ埒が空かないよ。」


しかし彼女は僕に取り合う事無く何やら興奮した侭、琥潤に唾を飛ばす勢いで糾弾している。
僕は再び溜息を吐くとコチラを一切見ないサラの背後に近づき、
ソノ小さい身体をヒョイと持ち上げて、自分の肩に乗せた。


「ほら、もぅイイだろ?さっさとお前の母ちゃんが居る場所へ行こうぜ。」


するとあれだけ喧しかった【やかましかった】サラが、まるで借りてきた猫の様に大人しくなり、
バツが悪そうに口篭もった。


「…ま、まぁかへがソコまで言うなら、別に行ってあげない事も無いなり…。」


「そうか、それじゃ先に進もう。」


こうして僕達は先に進むのだった…が…。


「元はと言えば、お前がデレデレしてるから悪いなりッ!」


ガンッ!


と、癇癪を起こしたサラに、僕が折檻をクラってからの事だった。 

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