9/24(土) 18時、店のドアの前のスペースで、リハの音を聴いていると、この情報の提供者シゲちゃんがやってきて列に加わった。シーナの歌声でスローなブルースが聞こえてくる。『400円のロック』、『ビールスカプセル』、セッション用の曲か『Born To Be Wild』も。ちょっとずつ行列が延び始めて、ビルの階段の上から降ってくる音がモコモコした響きになってきた。
布谷文夫さんは、客席にいる限りでは普通の爺様だった。が、バンドがステージでJBの「Sex Machine」をやり始めるとやおらサングラスをかけ、杖をつきながらステージに上がると、シャウト一発かまし、独特のMCで観客を引き込む様子に只者ではない凄味を感じた。ギターの富士氏はキレのいいカッティングを続けながら、節目でバンドとVo布谷氏に合図を出す、実質バンドの司令塔。この2人よりかなり年齢はなれていそうな、サンダーバードのベーシストとドラマー氏もしっかり2人を持ち上げている。なかなかええ感じやん。2曲目は、ジョン・リーの「Boom Boom」。富士氏のギター、黒レス・カスタムの音色、艶もあり、いかにもレスポールっぽい、昔のロックやブルースの音色で、ギャンギャンすごいフレーズをかましてくれる。かなりの手だれ。3曲目はアニマルズ繫がりで「朝日のあたる家(The House Of The Rising Sun)」。なかなか歌いださない布谷氏にちょっとあせってた富士氏・・・。このあと富士氏のギター・プレーも音色もバッチリはまっていた「Foxy Lady」等、計6曲で、あっという間のステージだった。「うーん。それにしても布谷さんって」どこかで見た名前だったような気がしていたが、後で川嶋さんに聞いたところ、竹田和夫のクリエーションの前身である「Blues Creation」でVo.をやっていたという伝説的なミュージシャンで、もう65〜66のお年齢らしい。そりゃあ、只者じゃあ無いわな。大変貴重なステージを観させて頂いた。
1曲目は「ビールスカプセル」。いつもより長いギターソロ。奈良さんも、川嶋さんもジャムるように奔放にプレー。鮎川さんのMC。「『Crawdaddy Club』いうのは、ストーンズが最初の頃出とったクラブの名前と一緒なんよね。そんなスゴイ名前の店が新宿にあったなんて・・・。」んー、俺も知らんかった。2曲目は「You Ain’t Nothin’ But Fine」というロックンロール。この後、3曲目、「Jungle」のイントロにのりながら、ラメラメの衣装をまとったシーナが登場。ステージ上が一気に華やぐ。4曲目は最新アルバムの『Japanik』から王道ロックのリフでグイグイ押す「Japanik」。5曲目以降は、奈良さんがシーナ&ザ・ロケッツに加入した最初のアルバム『Happy House』からの曲を立て続けに4曲、「The Spy」「Poison」「Lady Sniper」「Rough-Neck Blues」。「Rough-Neck Blues」では、シーナが客席に踏み入り、宣伝相(宣伝相のブログもチェックしてみてね!!⇒ http://plaza.rakuten.co.jp/sendensho/diary/201109270000/ )と握手はするわ、前述の『リトル鮎川』をステージに上げて一緒に踊るわ、ちょっとしたパーティになった。次は「400円のロック」。そして、『真空パック』から「Lazy Crazy Blues」、そのエンディングからつなげたまま「Lemon Tea」。むかーしっから聴いてきて馴染みの深かった曲だけに、じっとしていられなくなり、ソファから立ち上がりこぶし突き上げてしまっていた。12曲目「You May Dream」は、高校の放送室に器材を持ち込んでレコーディングの真似ごとをして遊んでたときの懐かしいマテリアル。いろんな想いをめぐらしている間に4人がステージを降りた。
店中がアンコールを求める中、終演後の煙草をゆっくりふかす間もなく、再び奈良さんと川嶋さん、続けて鮎川さんとシーナ、そしてBlues Breakersの富士氏がステージに上がり、最後に再び布谷文夫氏が登場。リハでやっていた「Born To Be Wild」を布谷氏のメインボーカルで、ソロのメインパートも富士氏がシブくキメた。続けて「Jhonny B. Goodeを聴きたいかー!?」との鮎川さんのコールにテーブルを気にせず前の方に詰め掛けたオーディエンスが「イエー!!」とレスポンス。切れのあるカッティングでロックの一大イノベーションであるチャック・ベリーのロックン・ロール・フレーズが鳴り響き、演奏が始まった。川嶋さんのタイトな太鼓の間、裏の拍から奈良さんのグイグイ戦車のように迫るベースが・・・ゴキゲンなリズム隊に乗って、シーナと鮎川さんが一緒に歌っている。幸せな時間。あっという間にアンコールの2曲が終わった。