世の中謎だらけコミュの何故納豆に辛子が付くのか？

日本国民なら一度は口にするであろう納豆。

健康食品にして安価。と言う一般庶民の味方である。
納豆求め、近所のスーパーへ開店ダッシュする主婦のスプリンター姿は、もはや日常茶飯事と言ってもいいだろう。

それほど我々には馴染み深い日本独特の食品だ。

かく言う私も好んで食す。

今朝は事務所で朝食だ。
朝食テーブルにはご飯、味噌汁、吉野家の牛皿が湯気を立て食欲をそそっている。

そして一昨日購入した納豆。
刻みネギが加われば最高なのだが、特売日が今日なので今はない。

納豆パックの上蓋を開け、付属のタレと辛子をテーブルに置く。
薄いラップ紙を丁寧に三角に畳むと、容器の納豆にタレを垂らし納豆菌の増殖に拍車を掛ける。

しつこい程に混ぜ合わせた後、熱々ご飯にササッ、とのせる。

これで朝食の準備は整った。

「いただきます」

食前の祈りを捧げ、再び食卓に目を落とす。

納豆ご飯、味噌汁、吉野家の牛皿、空き容器、辛子……

「……辛子……」



さて、今回の謎に迫ろう。

『何故納豆に辛子が付くのか？』



個人的に納豆に辛子が合うとは思えないのだが、
私は少数派なのだろうか？
はたまた
食べ合わせが善いのだろうか？

勿論、全ての納豆製品に付属されてる訳ではない。

藁で売ってる納豆。
自家製納豆。
仕事に追われる日々で、大豆をほったらかしにしてたら奇跡的に発酵した納豆。(この場合、更に奇跡的に辛子が付属する事態も有り得る)
等である。

しかし、プラスチック容器の納豆となると、結構な頻度で辛子が現れる。

辛子好きの山山打なんかは｢今夜はおでんだね｣とかヌカし、納豆は食べず辛子だけ抜き取る程だ。


私は朝食を前に納豆と辛子の因果関係を考え込む。
が、一向に答えが見付からない。
仕方なく茶碗に箸を置き、私は資料室へと歩きだした。

食堂から資料室に移動し思い付く限り調べたが、何一つ手掛かりは掴めなかった。

ここはやはり、朝食を済ませてからの方がいいだろう。

資料室から食堂に行くには十秒もかからない。
間には反省室が一室あるだけだからだ。

食堂へ向かう途中で反省室のガラス窓を伺う。すると五大後はアニメを視聴していた。

反省の欠片も無い後ろ姿は、握り拳を造るに充分である。
力任せにドアを開け、振り向く五大後とアニメが目に飛び込むと、意外にも謎の答えが頭の中に閃いた。



反省室で五大後が見ていたアニメは『一休さん』。
知る人ぞ知る名作である。

♪すきすきすきすきすきっすきっ♪
♪あ〜い〜して〜る♪

何てな大胆な告白から始まる歌詞は、当時の若年層の度肝を抜いた。

そして、この後に続く歌詞に答えは隠されていた。

♪とんちは鮮やかだよ一級品♪
♪お経も満点だよ一級品♪
♪いたずら厳しく一級品♪
♪だぁけどケンカは『からっきし〜』だよ三級品♪

からっきし…

からきし…

からし…

辛子！



もうお分かりだろう。

一休さんはケンカはからっきし。
つまり、一休さんにも辛いモノはある。と言う事だ。

そして、アニメ一休さんの顔を思い浮かべて貰いたい。
強引だが大豆状の顔立ちである。すなわち納豆顔であるとも言えるのだ。

つまり、そうゆう事なのである。

納豆一粒一粒が一休さんの顔面で、そこにパンチを効かせる為(ケンカに強くなる為)に辛子を入れる。
と言う訳だったのだ。



想像したくないが、明日からも我々は、一休さんの顔面を噛み砕き続けるだろう……





謎が解けた所で朝食にしよう。

おっとそうだ

「五大後君。
ちょっと来てくれたまえ」

「なんだい？」

「冷蔵庫に、もう、納豆が無いんだが…誰が買いに行く？」

「じゃあ、ジャンケンで負けた人が買いに行こう！」

「私と君しかいないが…
まぁ、いいだろう…」

「じゃいくよ。
最初はグッ！ジャンケンポイ！
あっ！負けた！」

「やはり言い出しっぺは負けるようだね。
では、五大後君。頼んだよ」

「あっ！わざと僕に言わせたな〜。ズルいや！」


しかし、何故言い出しっぺは負けるのだろうか？


何故だろう………


「ズルいや！ズルいや！」


次の謎は決まりだな。





「ズルいや〜！」