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シークレットゲームコミュのシークレットゲーム 〜エピソード7〜 第12話[悲しき姉妹]

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第12話[悲しき姉妹]                              〈作・桐島成実〉
〈現在の状態〉

             PDA      状態     解除条件
[グループA]
 御剣 総一     (2)        ??    JOKER破壊  
 姫萩 咲実     (?)       ??       ??

[グループB]
 桜姫 優希     (6)       ??    JOKER5回使用
 色条 優希     (4)       ??    首輪3個収集

[グループC]
 北条 かりん    (?)      左腕負傷       ??
 北条 かれん     (Q)       健康     2日と23時間生存
 
 矢幡 麗佳     (7)     数箇所負傷   全員との遭遇
 
[グループD]
 綺堂 渚       (10)      ??    首輪5個作動
 麻生 真奈美    (J)      ??     24時間共にしたプレイヤーの生存

 手塚 義光     (?)      健康        ??

 高山 浩太     (?)      死亡        ??

 葉月 克弘     (K)      死亡     PDA5個収集

 長沢 勇治     (9)       死亡      皆殺し

【所在不明のPDA・・・『A』Qの殺害、『3』3名殺害、『5』チェックポイント通、『8』PDA5個破壊】






手塚の追撃を逃れたかりん達は、その事を確認すると、走り続けていた足のペースを落とした。

かりん「な、なんとか撒いた、かな?」

かりんは息を切らしつつ、独り言を呟くかのようになんとか言葉を出したのだが、かれんは答える余裕もないようだった。

かれん「はぁっ、はぁっ!う、げふっ!ごほっ!」

かりん「ちょ!ちょっとかれん!?」

かれんの調子が悪いのは、誰の目から見ても明らかだった。顔色は青白く、呼吸がままならないのか、息遣いも一定でなくなっていた。

かりん「すぐ休まなきゃ!あ、でもさっきの男もすぐにやってくるはず・・・」

かりんはそう言って自身のPDAを覗き込む。

そこには地図の画面と共に、罠を示すイラストが描かれていた。

これは総一たちと別れる前にインストールしたソフトで、罠の位置と種類を知らせるソフトであった。

これがあったからこそ、一時的にでも時間稼ぎが出来たと言える。

かりん「とにかく、なんとかやり過ごさないと」

手早く地図を確認しつつ、あたりを見渡す。

かりん「近くに戦闘禁止エリアはないから、ええと・・・」

地図から得る情報も限られているし、時間もない。その為、近くの部屋へと逃げ込むことしか思いつかなかった。

2人はひとまず比較的広い部屋へと避難し、そこに隠れることにした。

かりん「人が隠れられそうな場所は・・・」

部屋の中をくまなく、そして音を立てずに探る。もしかしたら部屋の外に、あの男が忍び寄っているのかもしれないのだ。

置かれている家具等を探っていると、突如かりんとかれんが持つ、2つのPDAからアラームが流れてきた。

かりん「ひゃっ!?な、なに!?」

突然の事で驚いたが、悲鳴をぐっと飲み込むように口元を押さえる。あの男に聞かれなかっただろうか?その不安がよぎった。

それが念頭にあったからだろう。アラームが鳴った意味は何か、と考える前に、そのアラームの音が原因で居場所を知れるのでは、とかりんは考えた。

かりん「音、音を塞がないと・・・!」

いまだ鳴り続けるアラームに、アタフタとしつつも、近くにあった毛布を手にとって、かれんのPDA共々それにくるんだ。

かりん「ふぅ、これでなんとかなるかな・・・?」

アラームが音漏れしていない事に安堵に息を漏らすが、ゆっくりと事を構えるわけにはいかない。部屋中を調べ、なんとか人が入れそうなスペースを探しだした。

かりん「あ、あった!じゃあ、かれん。かれんはそこに隠れて」

かりんが指し示したのは、高級そうな収納棚だった。その上側は大きく間口がとられていて、人が入るのには十分なスペースがあった。

かれん「お、お姉ちゃん・・・」

苦しそうな息遣いの中、かろうじて出した言葉と共に、不安そうな目で姉を見るかれん。そこには1人が隠れるのがやっとで、2人一緒に入れそうにはなかった。

かりん「大丈夫、心配しないで!私がかれんの事守ってあげるから!」

励まそうとあえて明るい言葉で気軽にそう答える姉のかりん。それに影響されてか、かれんもやっと微笑みを見せた。

かれん「・・・うんっ!」

力強くうなずくかれんの表情には、姉に対する信頼が窺えた。身体をフラフラさせながら、その収納棚に近づく。

かりん「私はこっちのロッカーに隠れてるから。・・・もしあの男が来たらじっとしててよっ」

かりんが入ろうとしているのは古ぼけた縦長のロッカーだった。扉は5つあるが、これも人が1人ずつ入るのがやっとだった。

別々の扉にそれぞれ入れば良かったのだが、ずっと立ち続ける必要がある為、かれんにはキツイと判断したのだろう。

かれん「お姉ちゃんも、無事でいてね」

かりん「うん、一緒に帰ろう」

そう言って2人はギュッと抱擁する。かれんは姉に励まされ一筋の希望を持ち始めていたように見えるが、姉のかりんは違っていた。

もうこれが、最後の抱擁になるかもしれないということが。

かりん「じゃあ、30分ぐらい隠れよう。あの男が遠くにいってくれたらいいんだけど・・・」

最後の言葉はかれんに聞こえないように声を小さくした。

そして2人はおのおのの場所に隠れた。

それからどれくらい時間が経っただろうか?家具とロッカーの中に隠れて扉を閉めた状態だと、暗闇に支配される格好になってしまい、時間の経過も狂いそうになった。

かりん「3分30秒・・・」

自身のPDAに表示されている時間を確認して、心の中でそう呟く。液晶ディスプレイの光が、唯一暗闇を照らす明かりだった。

かりん「このまま何事も起きませんように・・・」

その願いは瞬時に打ち砕かれた。

バァン!!

けたたましく扉が開く音が部屋中に響いた。

かりん「!!?」

突然の事に驚き、思わず悲鳴を上げそうになるが、その声をグッと飲み込む。

カツカツカツ・・・

部屋の中を誰かが歩き回っているのは確かだ。それが誰かは窺い知ることは叶わない。

―――い、一体誰!?さっきの男!?それとも総一たちと別れた時に襲ってきた別の男!?

ドクンドクンドクン・・・

心臓の音が跳ね上がりそうなほど響いてくる。ロッカーの扉一枚を隔てたその先に居る人物に聞こえそうなほど。

足音がとたんに止み、静寂に包まれた。

かりん「・・・・・」

かれんは無事だろうか?恐らく私と同じく怯えているはず。

極度の緊張に晒され続け、もはや2人共限界に近かったが、それでも耐え続ける。

先ほどの足音は段々とこちらに近づいているように感じられた。

恐らくロッカーの目の前に居るのではないかと思われる。

一体目の前に居る人物は何を・・・?

かりん「・・・?」

しんと静まり返った現状に、不気味に感じ始めたその時、突如起こった。

ガァン!!

かりん「・・・!!?」

思わず声が出そうになった。それを歯をぐっとかみ締め堪える。

何かが接触したような音。一体何があったというの!?

音がした瞬間、ロッカーが揺れた感じがした。

その疑問は、続けざまに聞こえてきた声が、恐怖へと塗り替えられる。

手塚「チッ!外れか・・・」

かりん「!!」

今一番会いたくない男が、目の前に居る。それを理解したかりんはガタガタと身体を震わせた。

手塚「オイコラ!そこに居るのは分かってんだぜ」

手塚は、持っていたクロスボウの矢をセットしつつ、そう脅しをかける。

さっきの音は、クロスボウにつがえていた矢が放たれて当たった音。ロッカーの一番右側の扉に向けて。

そこには矢が全長の半分ほどが扉を貫通して内部に入り込んでいた。

手塚「出てこねえと矢が当たっちまうぜ?ホラ、2発目っと」

ガァン!!

今度は最初に撃った隣の扉に向けて矢を放った。

かりん「ど、どうして!?なんで私達が居る場所がバレたの!?」

部屋に手塚が入って来てから、ほとんど迷いなくこちらにやってきた。

物音を立てた覚えはない。それとも本当に心臓の音でも聞きつけたと言うの!?

大声を出して恐怖を外に吐き出したい。そんな衝動に駆られるが、自身がやられれば、次はかれんが殺されてしまう。

手塚「なんでい、また外れか。・・・だが、次は3分の2の確率で当たるぜ」

手塚はそう言って再びクロスボウに矢を装填し始めた。

かりん「3分の2?私1人なんだから3分の1になるはずじゃ・・・?」

その疑問を辿っていく内、一つの答えにたどり着いた。

―――そうか!この男は私達そのものが見えてるわけじゃないんだ!きっと私が持ってるこのPDAを感知するソフトで、位置を特定しているに過ぎないんだ!

かりんの左手には毛布に包まれたかりん自身のPDA。そしてかれんのPDAの2つ。

だからロッカーに2人が隠れていると勘違いして・・・!

しかし、それが何の解決策にも繋がらないことに気づき、閃いた考えは瞬時にしぼんでしまう。

かりん「ダメ・・・。私がやられれば結局は同じ。すぐにかれんも見つかってしまう・・・!」

ならばいっそこちらから仕掛ける?けれど本当にやれるのだろうか?

手塚「さぁーって、3発目っと」

最悪、相打ちでも・・・!?

そう結論を出し、ポケットに入っていた果物ナイフを取り出して、前方に身構える。

そして、ロッカーの扉を勢い良く開こうとして・・・。

バァン!!

かりん「え?」

突如、部屋の奥の方から扉が物凄い音を立てて開く音が聞こえた。

木製同士がぶつかって発生する、独特の乾いた音がっ・・・!

かりん「かれんっ!!?なんて真似をっっ!!」

止まる間もなく、かりんは目いっぱい勢いづけて扉を開く。

手塚「―!?」

最初、手塚は後ろから音がした事を気をとられた。そこには人が居ないだろうという誤った思い込みが、一瞬の隙を作る。

更には、かれんがそこから姿を現して、今まで見せたことも無い叫びと共に、唯一持っていた携帯電話を手塚めがけて思い切り投げつけた。

かれん「お姉ちゃん!!?」

手塚「なんだとっ!?」

手塚は瞬時に相手の動きを見抜き、イチ早く身をかわそうとする。

だが、わずかに遅れたタイミングでロッカーから飛び出してきたかりんの存在を見逃す羽目となってしまった。

ズドォーン!!

ボーガンから矢が発射されるが、狙いが外れたそれは、かりんのすぐ脇を通り過ぎ、そのままロッカーに突き刺さる。

かりん「うわああぁぁぁっ!!?」

雄たけびを挙げ、ナイフを手塚目掛けて突き刺そうとする。

手塚「チィッ!?」

手塚は持っていたクロスボウを瞬時に強く握り、両手をそのまま下に振り落とす。

ガツッ!!

かりん「あぐぅっ!?」

果物ナイフが手塚の脇腹に刺さる寸前の所で、クロスボウはかりんの眉間に直撃した。

かりん「あぅ!!?うぐあぁぁぁっ!あぁぁっ!?」

金属の塊であるそれが頭に当たった衝撃は、並大抵ではなかった。額を切られ、眉間から瞬く間に流血した。

勢いそのままに、手塚はもう一度クロスボウを構えて叩きつけようとした。

かれん「やめてえぇぇぇぇっ!!?」

かれんの悲痛な叫びと共に、背後から体当たりを食らわせようとする。だがそこは手塚といったところか。その動きを瞬時に察知し、片足で踏ん張った後、大きく回し蹴りを食らわす。

手塚「遅せぇんだよ!ガキの分際で!!」

ドコォッ!!

手塚の足は、かれんの顔面にヒットする。

かれん「きゃああああっ!?」

勢い良くはじかれ、そのまま後ろに吹き飛ばされ、木箱の山に激突する。

かれん「あぅ、う・・・」

かりん「かれんっ!!!」

妹に乱暴を働いた事に、かりんは瞬時に激高する。ギリリと歯を食いしばって痛みに耐え、必死の形相で床に落ちたナイフを拾い上げようとする。

手塚「見え見えだっての!」

回し蹴りで浮いた足をうまく反転させ、ナイフを蹴り上げる。

かりん「ああっっ!!?」

その際、かりんの手に手塚の足が接触する。

手塚「頭に血が上ったヤツぁ、始末におえねえな。ま、その方が分かりやすくていいんだがな」

手塚は再び両手を大きく振り被り、持っていたクロスボウをもう一度かりんに叩きつけると、フレームの部分が真っ二つに折れた。

バキィッ!!

フレームが折れた音と共に、かりんの頭蓋骨にヒビが入る。

かりん「あ゛ああぁっ!!?」

あまりの痛みに、張り裂けんばかりの悲鳴が響き渡る。

勢い良く流れ出た血はかりんの顔を覆い隠すが、目は死んでなく、キッと鋭い視線を手塚に浴びせかける。

手塚「しぶてえヤツだ。そのまま大人しくくたばりやがればいいものをよぉ」

折れたクロスボウを投げ捨て、腰に手をもっていき、投げナイフの一つを手に取る。

手塚「冥土の土産に、一つ食らっとけや!!」

そして手塚はナイフをかりんの首へと突き立てた。が、実際はそうならなかった。

ズドォーン!!!

その音を聞いた時、それが何を意味するのか、手塚には分からなかった。分かったのは、自身に変化が訪れた事を悟った時だった。

手塚「なんっ、だと・・・!!!」

手塚の脇腹には、一つの銃弾が貫いていた。そして銃を撃ったのは・・・。

かれん「お、お姉ちゃん、を・・・放して・・・!」

痛みをこらえ、両手でしっかりと銃を持つかれん。その手はカチカチと震えていた。

先ほど木箱に叩きつけられた際、破損した木箱から銃が零れ落ちていたのだ。

幸いなことにその銃は手塚から見て死角だった。そして何よりも、手塚自身、銃が現存するという事実を知りえなかったこと。それが、かれんの銃の一撃を食らう要因となったのだ。

手塚「ま、まさか銃を隠し持っていやがるとはな。ぐぅっ!?く、くそっ!」

体勢を大きく崩した手塚は、前のめりになってロッカーに身体を打ち付ける。

だがなんとか踏ん張ろうと、ロッカーを柱にして倒れそうになる身体を支える。

かりん「い、今のうちにっ・・・!」

かりんは果物ナイフを手にしようと足を動かすが、床に落ちている果物ナイフは、ちょうど手塚を挟んで向こう側に落ちていた。

かりん「こ、これじゃ・・・!?」

さ迷う目に飛び込んできたのは、床に落ちている手塚が放ったクロスボウの矢。

断続的に続く痛みに、意識が飛びそうになるものの、なんとかそれを拾い上げる。

そして、それを強く握り締め、手塚の心臓に向けて突き立てた。

かりん「う、うわぁぁぁぁぁっ!!?」

ザシュュッッ!!!

殺そうとした訳では決してなかった。かりんもかれんも。

ただ、大切に人を守りたい。その一心で、目の前の悪魔に牙を向いた。

手塚「ごぉっ・・・!?くそっ、たれぇ・・・!!」

身体がもつれ、そのまま床に転倒した手塚の心臓には、一本の矢が突き刺さっていた。その矢には今もかりんの手がしっかりと握られていた。

かりん「あ・・・」

襲い掛かる激しい痛みに、一瞬気を失いそうになるものの、無理やり自らを奮い立たせた。

だが、手塚の反応が無いこと。それと手に滴り落ちる、ドロッとしたようなモノ。それらは次第に、事が起こった事実を鮮明に伝えていく。

かりん「う・・・そ・・・?」

かりんは放心状態に陥った。今起こった現実を受け入れたくなかったからだ。

けれど、いくら否定しても目の前にある光景は変わらない。

かりん「わたし、は・・・?」

知りたくない。けど知ってしまった。妹を、そして自らを守る為に、人を、人を殺めてしまった事を・・・!

かりん「な、なんで・・・こんな」

だが非情にも、先ほどまで悪魔に見えた手塚は、ピクリとも反応しなかった。代わりに、別の変化が訪れた。

『あなたはQのPDAの所有者を見事殺害し、解除条件を満たすことに成功しました!』

それはかりんのPDAから聞こえてきた音声。

そして続けざまに、かりんの首輪がいとも簡単に外れてしまった。

かりん「どう、いうこと・・・?」

考える気力はどこかへ行ってしまい、ただ今の疑問に問いかけるのみだった。

かれん「!コレ・・・!」

ふらつきながらも姉の元へと寄ってきたかれんは、何かを発見したらしく、そっとそれを指差す。

それは手塚のポケットから落ちたであろう、PDAの内の一つだった。かりんはそれを拾い上げる。

そして、そこに描かれていたものは・・・。

かりん「ハートの、クィーン!?」

かれん「どうして・・・?」

かれんのPDAであるクィーンは、今も毛布に包まれてロッカーの中に置いてある。それは間違いない。

かりん「クィーンが2つ・・・?」

自らが犯した過ちを受け入れたくないのだろう。思考は空転しながらあっちの方向へとズレていく。

かりん「これは、まさか・・・JOKER!?」

ルールを必死で思い出していく内、思いついた考えがそれだった。

かりん「でも、ルールには確か・・・」

もう一度ルールの4番を反芻して、次第に表情が強張っていく。

【このPDAをコネクトして判定をすり抜けることはできず、また、解除条件にPDAの収集や破壊があった場合にもこのPDAでは条件を満たすことができない】

かりん「JOKERは直接首輪に差し込んで解除する事は出来ない。破壊や収集もカウントされない。けれど・・・」

―――けれど、クィーンの殺害に関しては何も記述がない・・・。

その答えに行き着いた瞬間、緊張して凝り固まっていた身体が、とたんに崩れだす。

かれん「お姉ちゃん・・・」

すると、すぐ傍にいたかれんと目が合う。妹の無事な姿。そして今の自分の血塗れの姿を見られた事に、かりんの心は大きく揺さぶられた。

かりん「!かれんっ!?わ、私!私、人を殺しちゃった!私、人殺し・・・!」

うろたえるかりんに対し、かれんは意を決したかのように、かりんに近づき、そしてギュッと再び抱擁した。

嗚咽を交えながら罪の意識に押しつぶされそうになるかりん。それを全部受け止めようとするかれん。

かれん「私が銃で撃ったから、私が殺したの。・・・だからお姉ちゃんは何も悪くないの」

かりん「で、でもっ!?私は、かれんは・・・!」

それでも人殺しである事に変わりは無い。どちらにしても嫌だと訴えるかりんを、強く抱きしめる。

かれん「お姉ちゃんのした事は、私がした事でもあるの。・・・だから一緒に帰ろう。それで一緒に罪を償おう。ね、お姉ちゃん」

それはこれからも共に歩んでいこうという約束。それは、折れて砕け散りそうなかりんの心に、一筋の光が見えた気がした。

共に同じ罪を背負ってくれる妹が居る。そう、かりんの首輪が外れた事で、妹と一緒に帰ることが出来るのだ。

かりん「うわぁぁぁぁぁぁん!!?かれんっ!かれんっ!!?」

大声で泣き喚くかりん。血で視界が塞がれるのも構わずに、そのまま泣き崩れる。

だが心の奥底では、凄惨な現実を受け入れることが、少しずつではあるが出来ていた。

そして姉として、共に罪を背負う者として、決して自暴自棄にならずに、このゲームを無事、乗り越える決意を固めたのだった。

しかし―

ガァン!!

何の前触れもなく部屋に響いた、一発の銃声。

かりん「・・・え?」

かりんは信じられないものを目撃し、瞬時に硬直してしまう。

それは『本当の』悲劇の始まりを示すものであった。




・・・
・・・・・


手塚と戦い、血で手を染めたかりん姉妹。試練を乗り越えたかに見えた2人でしたが、この後更なる悲劇が繰り広げられる事になるのでした。

次回は第13話[悪夢]かりんは気づきませんでしたが、途中PDAから発せられていたアラーム。あれは全員に知らされたものでしたが、その内容はあまりにも残酷なものでした。それは次回明らかに、乞うご期待♪

コメント(7)

こんにちは〜手(パー)いよいよ物語も佳境ですねグッド(上向き矢印)それにしても、かりん、かれんと手塚のバトルは仕方ないとはいえ、辛いですねあせあせ(飛び散る汗)しかも来週からさらなる絶望に遭遇しそうで…これはついにジョーカーの登場かexclamation & question
いいところで終わりましたね。
手塚とのバトルは色々と辛いものがあるでしょうね。
そしてラストの銃声はやはり・・・生き残っていることを祈ってます。
もりへいさん、こんにちわです〜♪

手塚くんが脱落した事で、一見すると好戦的なプレイヤーは居なくなったかの様に見えます。そうなりますと、今後襲い掛かる悲劇のほぼすべてにジョーカーが絡んでいる、と考える事が出来ます。

ついでに言いますと、生存者は総一くん以外は全員女性なんですよねぇ。4人連続で男性陣が脱落するというのは、すべてのエピソードと比較しても初めてでしょうね。意図した訳でなく、結果的にこうなっただけです(汗)

カンピオーネさん、どうも〜なのです♪

実は今回のこの話、元々第11話の後半に入っていたんです。しかしながら、あちこち修正している内に、文字数が入りきらなくなってしまいまして・・・。一つのトピックにつき、最大10000文字までなんですけれど、なんとか削ってきりの良い所で区切った結果こうなった訳です。

次回はしばらくご無沙汰だったプレイヤーが続々登場します。と、いう事は合流出来た可能性が高いわけです。が、逆を言えばジョーカーが目の前に居るかもしれない状態なので・・・。
なるみさん、どうもです〜♪

女性を甘く見る傾向のある手塚さんですが、見事に負けましたね。ただ手当たり次第に襲って負けるのは長沢っぽい最期だった気がしました(汗)
かりんも首輪こそ外れたものの、ケガは酷いうえに妹の方が外れない→避難はしないので厳しいですよね。
レッドさん、こんばんわ♪

高山さん曰く『追い詰められれば女子供は関係ない。俺の同僚は何人も女子供にやられている』だそうで、今回はかれんを想うかりんが勝ったということでしょう。けれど、確かに長沢くんに似てますねぇ。もっと粘りがある方が手塚くんらしかったかも?

かりんちゃんの怪我は相当なものです。手当てをしたとしても脳溢血でポックリ・・・なんて可能性もありますから。

ラストの銃声の真意に関しては今の所何も言いません。いずれ判ることですから。
なるみさん、うp乙ですー。

今回で北条姉妹が大きく動きましたね。
ただかりんの怪我も今後に支障が出そうなほどのモノ。
どうなるのかー、と考えたところでラストの銃声。
やはりこれはジョーカーでしょうかね。

それと本文とは関係ないですが、他の方のレスにあった、

>>ついでに言いますと、生存者は総一くん以外は全員女性なんですよねぇ。4人連続で男性陣が脱落するというのは、すべてのエピソードと比較しても初めてでしょうね。


これは今回で、本当の意味での「キラークイーン」誕生となるか!?
とか少し思ったりw

続きも楽しみにしてます。んではノシ
とらぞうさん、どうもなのです〜♪

ジョーカーが仕業だったとしても、誰が誰(もしくは何か)を撃ったのかが問題ですね。果たしてジョーカーの正体はいかに・・・?

さてさて「キラークィーン」とは、総一くんの事を指すのてしょうか、それとも女性陣の事を指すのでしょうか。ん〜、総一くんなら有り得るかも?



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