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シークレットゲームコミュのシークレットゲーム 〜エピソード7〜 第3話[蠢く光と影]

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第3話[蠢く光と闇]                              〈作・桐島成実〉

〈現在の状態〉

[グループA]    PDA      状態    総一との関係
 御剣 総一     (2)        健康      
 桜姫 優希     (?)       健康      愛情
 北条 かりん    (?)       健康       良好
 北条 かれん    (?)       健康      良好
 長沢 勇治     (?)       健康      普通






総一達5人が居るエントランス。その出入り口と思われる部分が一面、セメントで塗り固められているという現実に、誰しもが言葉を失っていた。

総一「まさか、こんな・・・」

セメントで完全に塞がれている出入り口を前に、そう呟くのがやっとだった。

長沢「どうあっても、俺達をここから出すつもりはない、ってことだろうね」

長沢のその言葉で、さっきまで明るい雰囲気が、とたんに沈んでいく。

自身のおかれている状況を改めて認識した総一は、思わず頭を垂れる。すると、総一の目に床に放り出されているツルハシが見えた。

総一「・・・このツルハシを使って、セメントを削っていけば、出られるかもしれない」

総一はそう提案するのだが、それを長沢は鼻で笑う。

長沢「それは無謀だと思うよ」

かりん「どうしてよ!?」

かりんは賛同しようとしたのだが、長沢の反対に思わずムキになる。

長沢「もしセメントを削ってここから出られるなら、わざわざ建物の内部、それもこのセメントの壁の前にツルハシなんか置くと思う?もしそうなら、犯人はよっぽとお間抜けってことになるけどね」

かりん「それは、そうだけど・・・」

長沢「それにさ、そもそも俺達を閉じ込めておくつもりなら、わざわざセメントで出入り口を塞がなくても、縄とかで拘束しておれば済む話じゃないか」

たしかに、その方がずっと手間が省ける。こんな風に自由に建物内を歩き回っていること自体、誘拐の常套手段から外れている。

長沢「首輪にPDA、そしてこの建物。どう見ても金銭目的じゃないよね」

桜姫「金銭目的でもなくて、私達を縛り付けるでもない。と言う事は・・・」

首をかしげる優希に対し、長沢は、やれやれ分かんないかなぁ、いった表情で、その疑問に答える。

長沢「これはゲームさ。人を使ったサバイバルゲームなんだよ!」

長沢は自慢げにそう言うのだが、総一にはイマイチ納得がいかなかった。

総一「・・・これが、何かのイベントとかアトラクションだとか?」

考えた末に出た答えがそれだった。だが長沢はニヤニヤ笑いを浮かべるだけで、それに答えようとしない。

桜姫「・・・とりあえず、ここから出る方法を考えましょ」

沈んだ空気を打ち払うかのように、努めて明るい口調で桜姫はそう言った。

桜姫「ひとまず、こことは別の出口を探すべきだと思うのだけど、どうかな?」

桜姫はそう提案する。それに反応したのはかりんだった。

かりん「けど、そこも閉鎖されている可能性もあるわけだよね?」

長沢「そりゃそうだろうね。ここだけ閉鎖しても意味がないよ」

総一「とすると、やっぱり闇雲にあたりを歩き回るより、ここのセメントを破壊していった方が確実かな?」

総一はかりん達の方を向いて尋ねた。

かりん「私は、やってみる価値はあると思う」

長沢「・・・はぁ〜。もう好きにしてよ、あんちゃん」

呆れ顔でそっぽを向いてしまった長沢以外は、どうやら賛成のようだ。

総一「じゃあ、さっそく」

総一はそう言って、床に放り捨てられているツルハシを手に持ち、セメントの少し窪んだ部分めがけて、ゆっくりと振り上げる。

狙いを定めるように一呼吸おいて、思い切り振り下ろす。

ガツッ!!パラパラパラ・・・

セメントの砕けた音と共に、破片が下に落ちていく。

総一「こりゃ、いけるかも。ツルハシは1本だけだし、1人でやった方が効率いいかも」

桜姫「あ、じゃあ疲れたら交代するから。遠慮なくいってね」

後ろに居た優希は、総一の作業の邪魔にならない様にかりん達の方に歩む。

そうして、総一の作業をしばらく見ていた4人だったが、ふとかりんが誰にとも無く尋ねてきた。

かりん「私達はどうすればいいのかな?」

その問いにいち早く答えたのは、やはり長沢だった。

長沢「とりあえず、このPDAに書かれたルールの確認をしたいんだけどなぁ〜?」

かりん「ええっ!?こんなデタラメな内容を確認して何が・・・」

大げさに反応するかりんに対し、長沢はあざ笑うように言い放つ。

長沢「あのねぇ。どこの誰が、意味もなく精密機械なんか作って一人ひとりに配るっての?」

すると、ずっとかりんの後ろの方に居たかれんも、そっと口添えをする。

かれん「うん、その子の言うとおりだと思うよ。少なくとも地図は本当だったし・・・」

かれんは賛同したのだが、その言い方が気に食わなかったらしく、長沢はピクリと眉を吊り上げる。

長沢「誰が『その子の言うとおり』だ!俺を子供扱いするなっ!?」

かれん「ひっ、ご、ごめんなさい・・・」

長沢の剣幕に、思わずかりんの背中の顔を隠してしまう。

かりん「・・・アンタ、かれんを泣かせたりしたら、承知しないからね・・・!」

これまでの感情的な言い方ではなく、ドスの利いた低く鋭い口調だった。

桜姫「ま、まぁまぁ。じゃあルールの確認をしよっか」

桜姫はなんとか2人をなだめて、PDAに書かれているルールの確認を行ったのであった。



・・・
・・・・・


かりん「本当にデタラメな内容ね・・・」

一通りルールの確認を行った後、最初に出てきた台詞がそれであった。

幸い、4人と総一から借りてきたPDAを合わせた結果、ルールのすべてを把握することが出来た。

優希はそれを忘れないように、一語一句を自らのノートに書き込んでいった。

桜姫「ペナルティで人が死ぬ、3名以上の殺害・・・。たとえアトラクションだとしても、使って良い言葉じゃないわ」

かりん達が不安な表情を見せる中、桜姫は少し怒っていた。

長沢「どうかな?昨今のネットの世界なんかでは、こんな言葉いくらでも使ってるよ。・・・それより、そのノートちょっと貸してくんないかな?」

そう言って長沢は手を出す。桜姫は不満そうな表情をしながらも、ノートを開いた状態でシャーペンと共に手渡す。

長沢「サンキュー。さっそく書き写して、と」

長沢は桜姫が書いた文面を見つつ、最後尾のページにそれらを書き込んでいく。

書き込んでいく最中、長沢は恐ろしい事を口にしていた。

長沢「賞金20億かぁ。せっかくのチャンスだしなぁ」

きっと本人は心の中で思っているつもりなのだろう。その口元が醜く歪んでいた。

反射的にかりんが反論しようとしたのだが、それは今もせっせと穴掘りをしている総一の声で遮られた。

総一「うわっ、とっとっと」

先ほどからザックザックという掘り進める一定の音が、とたんに途切れた。

桜姫「!どうしたの、総一!?」

その様にいち早く気付いた優希は、足早に総一の元へと駆け寄る。

異変に気付いたかりん達もそれに続く。

総一「ふぇ〜、あぶないあぶない」

随分と掘られた穴は、人一人が完全に隠れるぐらいの深さになっていた。

その穴から出てきた総一の手には、ツルハシの柄が握られていた。

総一「ああ、優希。実はツルハシが壊れちゃって・・・」

木材で出来たツルハシの柄が途中で無残に折れ、本来先端にあるはずの金属部分が完全に取れてしまっていた。

桜姫「あ、ホントだ・・・」

2つに分割されてしまったツルハシを前にして、そう呟く。

かりん「うーん、やっぱり無謀だったのかな?」

総一「かもしれないね」

総一はやれやれといわんばかりに、もはや使い物にならなくなったツルハシを、そっと床に置き捨てる。

総一「このコンクリートの壁、結構な厚みがあるみたいだ」

まるで地面を永遠と掘り進めているような、そんな錯覚に陥っていた。

もちろんそんなことはないのだろうが、これだけ厚みがあれば、どうしてもこの建物から出さないという明確な意思が見え隠れして、不安を隠せない総一だった。

かれん「・・・?あれ?」

そんなやりとりの最中、最後尾に居たかれんが、ある事に気がつく。

かりん「ん?どしたの?かれん」

キョロキョロとあたりを見渡しているかれんに気付き、そう尋ねた。

かれん「えっと、その、長沢くんが・・・」

その答えに、かりんはハッと気付く。

かりん「あ・・・」

辺りを見渡すが、いつの間にか長沢の姿はどこにもなかった。

恐らくみんな揃って総一の元へ駆け寄った隙にこの場を後にしたのだろう。

総一「本当だ。長沢のヤツ、一体どこへ・・・?」

桜姫「とりあえず、あたりを探しましょう」

桜姫は迷わずそう提案した。

かりん「えっ!?でもアイツ、本気でこのふざけたゲームに乗る気でいるんだよ!そんな奴・・・」

かりんの言いたいことは桜姫も十分承知していた。

桜姫「うん。でもね、少なくとも誘拐犯が居ることは確実だから、放っておけない」

そう言って首を横に振る。たとえ気に入らない人でも、背を向けることはしない。それは彼女の生き様であった。

総一「それに、他にも誘拐されてきた人達が居るかもしれないから、どっちにしてもあたりを探してみるのは良いと思うよ」

総一の口添えに、しぶしぶながらもかりんは頷いた。

かりん「・・・わかった。じゃあどこに行く?」

桜姫「そうね、とりあえず・・・」

総一達4人は、今後の行動について、色々と話し合った。

だが総一達はいまだに、このゲームの真の恐ろしさには気付いていなかった。



・・・
・・・・・


長沢「おっ、いいもん見っけ♪」

総一と別れ単独行動をとっていた長沢は、いくつかの部屋を物色した後、それを見つけていた。

ツルハシがある以上、他にもあるだろう。その考えは当たっていた。

長沢「うわっ、結構重たいなぁ、コレ」

それは両手でやっと持ち上げることが出来るほどの大型の斧であった。

ずっしりとした重厚そうな黒い金属が、その重さを物語っている。

長沢「コレがこんな所に放置されているってことは・・・」

こんなものは室内の作業には到底向いていないし、建築や改築に使われるような道具でもない。

もちろん、気まぐれで放置しているはずもない。

長沢「やっぱり、このゲームは本物なんだ!くくっ、よおしっ!やってやろうじゃないか!」

そう言って慣れない斧の感触を確かめる為、何度も振り下ろす。

先端の鋭い刃が光を反射して、不気味さを露にしている。

それに感化されてしまったのだろうか?いつしか長沢は興奮状態に陥っていた。

長沢「見てろよ!これで俺を馬鹿にしたヤツラを見返してやる!」

そう決意し、部屋を後にした。

次に探すのは対象となる獲物だ。今の所確実に出会えそうなのは・・・。

長沢「やっぱり御剣のあんちゃん達かな?」

そう言う頃には、既に長沢の進む足は、総一達が居るであろう、エントランスへと向かっていた。

今の彼は相手を倒すことしか頭になかった。なぜなら・・・。

長沢「主人公がすべての敵を倒す。定番だからなぁ〜」

両手に持っている斧を一度床に置き、地図を確認する為に再びPDAを取り出す。

そのPDAの画面には、スペードの柄が9つ描かれていた。つまり『9』を示している。

さっき確認したルールの一覧を照らし合わせると、次のことが言える。

長沢「皆殺し、か。へへっ、上等じゃないか」

本来、与えられた解除条件では最もはずれといえるこの条件。しかも、誰かが首輪を解除して、そのまま戦闘禁止エリアに逃げ込んでしまった場合、それは長沢自身の死を意味してしまう。

つまり、早期決着が何よりも大事なのだ。

そのせいで、タダでさえ攻撃的な性格の長沢に、拍車がかかってしまったのである。

長沢「・・・うん?」

地図を確認していた長沢の目線が、ふと前方に向けられる。

前方にある通路は一直線に長い通路があった。そのずっと先に、かすかに見える人影があった。

長沢「他のプレイヤーか?それとも誘拐犯?」

遠くからではそれは判別がつかない。

長沢「けど、まぁ、どっちでもいいか」

PDAを素早くしまった長沢は、床に置いていた斧を持ち替えた。

目線の先にある小さな人影は、どうやら曲がり角を曲がっていったようで、もう既にここからでは姿は見えない。

だが、どうやら長沢の存在に気付いている様子はなく、ゆっくりとした動作で姿を消したのだ。

長沢「誰だか知んないけど、逃がしはしないさ」

その言葉通り、迷い無く斧を強く握り締めたのだった。



・・・
・・・・・


御剣総一と桜姫優希が再会した時と同じくして、別の場所でもゲームは密かに進行していた。

ここはとある部屋の一室。

そこのポツンと置かれているベッドに、1人の女性が横たわっていた。

麗佳「すぅー、すぅー」

彼女、矢幡麗佳は総一達同様、誘拐犯に連れ去られて、部屋に放り込まれていた。

この段階では、彼女は誘拐されていることすら気付いておらず、かがされた薬品によって深い眠りについていた。

ガチャ!

しんと静まり返っていた部屋に、ドアノブが回る音が響いた。

??「・・・ん?」

ドアを開いて、そこに1人の人物が部屋へと入ってきた。

??「・・・これは」

その人物は、ドアに遮られているが為に麗佳の姿を確認出来ず、別の方へと注目していた。

??「ここにもこんなものが・・・」

そう言ってあるものを手に取る。

それはPDAだった。その画面には、ハートの柄が7つ描かれていた。

??「ううむ、何のことやら」

腕を組んで考え込んでいたが、何気なしに横を向いて、そこでようやく麗佳の存在に気がついた。

??「ん!この子は?」

しばらくの間誘拐犯ではないかと疑ったものの、描いていた人物像とまるで違うことに気がつき、もしかすれば誘拐されて来た側の子ではないかと思えた。

??「きみ!きみ!」

いまだ眠りについている麗佳の元へと歩み寄り、そう呼びかける。

麗佳「んんっ・・・、すぅー」

かろうじて反応を示したものの、目を覚ます様子はない。

??「やむを得ない、か」

彼女は布団をかけて寝ているわけではなく、その身をベッドにさらけ出している。

男性である彼は、女性に対して手を触れることに抵抗を感じたものの、このまま時を過ごすわけにもいかない。やむなく麗佳の肩に手をやり、揺する。

よく見ると彼女が着ている白いワンピースが、同じく薄汚れたベッドの生地よりもずっと清潔で、それだけに違和感があった。

??「きみ!申し訳ないが、起きてはくれまいか?」

何度か身体を揺すった後、麗佳のまぶたがゆっくりと開く。

麗佳「ん・・・?んんっ」

ゆっくりと開けた瞳の視線は、空中を泳いでいたものの、その目が目の前に居る1人の男性の姿を捉えた。

麗佳「・・・え?なっ!!?」

まだ脳が覚めきってない麗佳であったが、見知らぬ男性を目にして、とたんに身を思い切り起こす。

??「わっ!とと」

余りに突然の動きに、男性の方が思わず後ずさる。

麗佳「あ、あなたは誰!?一体何をしようとしていたの!?」

寝ぼけていた目は一瞬で覚醒し、射抜くような鋭い視線をその男性に向けた。

??「お、落ち着いてくれ!僕は・・・」

麗佳「これが落ち着いていられますかっ!!?」

思い切り身を起こし、まるで噛み付こうとする勢いで身構える。

??「たぶん、僕と同じ立場だとは思うんだけれど・・・」

その男性は尻込みしながらも、なんとかそう答える。

麗佳「・・・は?」

そこでようやく、麗佳は今自身がおかれている状況を理解した。

見知らぬ部屋、見知らぬベッド、そして会った事もない男性の姿。

まるで廃墟に見える部屋の風貌が、誘拐され、監禁されているという状況を連想する。

その答えに行き渡った麗佳は、再び騒ぎ始めた。

麗佳「私をさらって、一体どうしようって言うの!?」

??「ち、違うんだ!僕も誘拐されてここに来たんだ」

麗佳「え・・・?」

その男性の返答が意外だったのだろう。麗佳はキョトンとして困惑の表情を見せる。

葉月「僕の名前は葉月克己。会社帰りに道路を歩いていた所までは覚えているんだが、気がついたらこの建物の中に居た。しばらく歩いていたら、君を発見して、というわけなんだ」

麗佳「・・・・・」

麗佳は無言だったものの、鋭い視線は向けたままだった。

構わず葉月は続ける。

葉月「恐らく君も同じようなものだとは思うんだが、違うかい?」

話を振られた麗佳は、慎重に言葉を選ぶ。落ち着きを取り戻した麗佳ではあったが、葉月に対していまだ疑惑の眼差しを向けたままだった。

麗佳「・・・はい。えっと・・・。そう、私も大学のキャンパスに向かう途中で記憶が途切れていて」

葉月「ふうむ。やはりそうなのか」

しばらく考え込んでいた葉月であったが、思いついたように再び問いかける。

葉月「そういえば、この機械みたいなのは、君の持ち物かい?」

葉月はそう言ってさっき拾ったPDAを麗佳に手渡す。

麗佳「これは・・・?」

それはコンパクトな液晶ディスプレイだった。画面にはハートの『7』が刻まれたトランプの柄が大写しになっていた。

しかし麗佳には思い当たる節はなく、ただただ困惑するだけだった。

葉月「君のじゃないのか。すると、やはり誘拐犯が置いていったものなのかな?」

その問いに答えられるものは居ない。PDAを渡された麗佳は、しばらく考え込んでいたが、画面に細長い指を押し当てた。

ピッ!

軽い電子音と共に、画面が切り替わる。

麗佳「これは、なんなのかしら・・・?」

何度か画面を押して操作している麗佳を見て、葉月も自身のPDAを取り出す。

葉月「なるほど、そうやって使うんだね」

葉月は、今までPDAの操作の仕方が分からなかった。麗佳に続いて自身の持つPDAの画面に触れてみる。

ピッ!ピッ!

そうしていくつか操作していく内に、地図の様なものが画面に広がった。

葉月「これは・・・。ここの地図かな?」

しかし初めて見たその地図を前に、葉月は半信半疑であった。

なにせ、有り得ないぐらいに広い地図だったからだ。画面の端から端までが、幾多もの通路や部屋で埋め尽くされていたからだ。

葉月「地図が途切れている。この先はどうやって見るんだろう?」

どうやら画面外にも地図の続きがあるようだ。あれこれと試行しながらうなっている葉月をよそに、麗佳は別の画面を見ていた。

麗佳「ルールの一覧。解除条件、PDA、首輪の作動、ペナルティで・・・死ぬ!?」

麗佳はルールの一覧を読み続けるごとに、驚きを隠せなかった。

―――首輪は今、私の首に巻かれている。PDAもある。これは、もしかして・・・

はっきりとした確証はないものの、今の状況はこれに書かれている事柄は、これが事実だと告げている。

と、すると単なるイタズラと考える方が間違いなのかも・・・。

葉月「大丈夫かい?」

葉月の視線がこちらに向けられているのに気付き、ハッと考えを打ち切る。

麗佳「え?ええ。大丈夫です」

どうやら深く考えている麗佳を見て、どこか具合が悪いのではないかと葉月は思ったようだ。

葉月「これが何だかは結局分からなかったけど、誘拐犯もいるだろうし、ひとまずここを出たほうがいいんじゃないかと思うんだが」

麗佳「・・・そうですね」

麗佳はうなずき、ドアの方に歩んでいく葉月の後に続く。

だが、言い知れる不安が、他ならぬ麗佳自身を襲っていた。

誘拐犯、PDA、首輪、ペナルティ。

そして今目の前に居る見知らぬ男性・・・。

麗佳「私は、どうしたらいい・・・?」

その問いに答えられるものは、この場にはいなかった。



・・・
・・・・・

総一達4人、長沢、そして麗佳と葉月。果たして彼らを待ち受けるのは?

次回は第4話[恐怖の迷宮]次回は、共に行動を開始した麗佳と葉月にスポットをあててみます。乞うご期待♪








コメント(9)

どうもこんにちわ、作者のなるみですっ♪

先週は本作品の続きを掲載出来なくて、大変申し訳ありませんでした。

実は私のパソコンはまだ復旧していないのです>パソコン本体だけでなく、回線の問題とか色々ありまして・・・。

今私は隣の市のネットカフェよりコメントを書き込んでいます。場所がちょっと遠いですけれど・・・。そこで記憶を頼りに再度作品を作り直し、こうして掲載することが出来ました♪

今後はいつも通り毎週日曜日(もしくは土曜日の夜)に掲載することが出来そうです♪ただ、皆さんのコメントに対するお返事がかなり遅れてしまいますけれど><

それでは、来週またお会いしましょう、でわでわ♪
だんだんとメンバーが明らかになってきましたね手(パー)次からのキャラとの出会いが楽しみですわーい(嬉しい顔)グッド(上向き矢印)とりあえず物語的に手塚パパと高山さんは決定です…よねあせあせ(飛び散る汗)あせあせ(飛び散る汗)あせあせ(飛び散る汗)
もりへいさん、第2章のコメントに続いてですけれど、こんにちわ♪

今エピソードでは、登場人物もそうなのですが、解除条件がすべてシャッフルされているという事も注目のひとつなのです。

例えば手塚くんが『J』で、24時間行動を共にした人物の生存となれば、無闇に人を殺したり、敵を増やす訳にもいかず、逆に高山さんが『3』で3名以上の殺害となれば、交渉の余地がないので容赦なく襲い掛かってくる、等の展開があるかもしれません。

ちなみに今回は長沢くんは『9』なので、生存出来る可能性はゼロに近い、という事になってしまうのですが・・・。




なるみさん本当にお疲れ様です><

桜姫優希やかれんが登場するのには驚きましたw
そしてPDAのシャッフルは個人的に凄くうれしい設定です^^
原作でもそうしてくれたらなぁ・・って思っていたぐらいですし^^;
これで誰が何のPDAを持っているか分かりませんし新鮮な物語を楽しめそうです♪

長沢はこの残酷なゲームの引き立て役みたいなポジションみたいですね
解除条件が厳しすぎる辺り使い捨てな感じが否めませんが・・・たらーっ(汗)
ザキさん、どうもこんばんわ♪

今エピソードの課題として、桜姫優希と北条かれんの2人をいかにうまく書くかが挙げられます。絵や音声がない分、上手に表現しないと存在感が出せませんし、頭の中でその情景が浮かびませんから。

ちなみに、エピソード『5』では文香編。エピソード『6』では手塚編でしたが、今回はそんな構図は当てはまりません。つまり、誰が死に、誰が活躍して、どのようなエンディングを迎えるかが全く想像つかない設定となっております。文字通り『謎』です。

もしかして長沢くんの逆転勝利!・・・なんてエンディングを迎えたりする・・・かも?
更新お疲れ様です。
だいぶプレイヤーが違うようだけど、一体どうなるのか楽しみですね。
ぜひともかれんとかりんには生きてほしいですね。
カンピオーネさん、どうもこんにちわ♪

プレイヤーが違うというのもありますけれど、各々の設定が変わっているというのもあります。総一が恋人と死に別れていないという点もその一つです。

かりんとかれん。姉妹である彼女達は絆も相当強いはずです。その絆がこのゲームを乗り越える鍵となり得るかもですね。

すると問題になってくるのは彼女達が何のPDAを持っているか、ということになってくるわけですが・・・。それによって大きく物語は揺れ動くわけですから。
なるみさん、第2話に続いてどうもです〜♪

キラークイーン本編の裏ルート攻略中なだけに、PDAもシャッフルされていて何だか新鮮な感じです。
郷田さんの代わりのゲームマスターも気になるところです。それにしても長沢が9とは…、運営の思うつぼですよね(笑)
レッドさん、2回続いてこんにちわ♪

郷田さんが参加していない事で、誰かはゲームマスターになっている事は確実に言えます。ただ今エピソードでは『ジョーカー』の異名を持つサブマスターの存在の方が重要ですかねぇ。

長沢くんの場合、本編では『3』今回は『9』ですから、置かれている立場としてはさほど変わりませんね。PDAの振り分けの際に、もし彼が『J』だった場合の行動や役回りは、とか考えたりしましたが、どうも想像がつきませんね・・・。

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