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シークレットゲームコミュのシークレットゲーム 〜エピソード6〜 第11話[混戦]

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第11話[混戦]                              〈作・桐島成実〉

【残りの生存者数・・・10/13人】

〈現在の状態〉

             PDA      状態    手塚との関係

 手塚 義光     (10)       健康         

[グループA]
 御剣 総一     (A)        ??       良好
 姫萩 咲実     (Q)       ??       普通
 綺堂 渚       (J)       ??       不穏
 葉月 克己     (4)        ??       良好
 
 高山 浩太     (?)       ??       普通

 長沢 勇治     (?)       ??       険悪

 矢幡 麗佳     (?)       ??       敵対
  
 郷田 真弓     (5)        ??       敵対

 色条 優希     (?)       ??       敵対

 漆山 権造     (7)        死亡       敵対

 陸島 文香     (?)       死亡       敵対

 北条 かりん    (?)        死亡      知らない






長沢「くそぉ、さっさと撃たれちまえよ!」

長沢の持つマシンガンが火を吹く。

ガガガガガッ!!

優希「ひっ」

優希の近くに銃撃が通り過ぎる度に、か細い悲鳴をあげる。

かれこれ10分ほど経過しただろうか。優希は間髪入れずに長沢にずっと追いかけられ続け、度々銃で狙われていた。

長沢からすれば、これほど格好の獲物はなかっただろう。

優希と出会った長沢は、躊躇することもなく、先制とばかりに優希に攻撃を仕掛けていた。

優希も慣れない銃を手に持ち、何度か反撃はしたものの、追いかけられているという状況の為、狙いがつけられないでいた。

しかも、銃を撃った時の反動で、手が大きくブレてしまい、弾は壁や床に当たり、大きく外れる結果となっていた。

優希「た、助けて・・・、誰かッ・・・!」

助けを呼ぶ声も、息を切らし続けている今の状況では、その声もかすれて途切れ途切れにしか聞こえない。

長沢「ぜぇ、ぜぇ、弱虫のくせにっ!」

長沢は再び銃口を優希に向ける。

優希は直進状の通路を走り抜け、左右に分かれる曲がり道を、左に曲がろうとした時、目先に人の姿が見え、びくりと大きく身体を反応させた。

手塚「よぉ、また会ったな」

優希「―!!?」

通路の角の先には、かつて自身を銃で襲った男が、堂々と優希の目の前に立ち塞がっていた。

優希「あ・・・あぁ・・・」

逃げ道を塞がれたことで、優希の身体は瞬間的に硬直した。

だから、反対側の曲がり角に逃げればいいと気付く前に、長沢の銃撃が、動けぬ優希の身体に突き刺さった。

ザシュザシュッ!!

優希「あ!ぅ・・・!」

硬直しきった優希は、悲鳴をあげることもできずに、身体から力が抜ける。

優希に注目していた為、その先に手塚がいることに長沢が気付いたのは、優希が倒れこんだ後だった。

長沢「お前は手塚!!、やっと見つけたぞ、この野郎!!」

長沢は勢いそのままに、銃口の先を、通路の角の向こう側にいる手塚にかえた。

手塚「おーおー、相変わらず元気なこって」

対する手塚は、顔だけをわずかに通路の角から出した状態で、余裕の口ぶりであった。

手塚「だがよぉ、ちったぁ自身の愚かさ、ってものを自覚した方がいいぜ」

長沢「なんだとっ!!」

手塚の挑発に、律儀に長沢は反応する。

手塚「銃を持つ相手に突っ込んでくるバカさ加減を自覚しろ、って言ってるんだよ」

手塚は口ぶりは余裕であったものの、その動きに無駄はなく、通路の角から銃口をわずかに出し、引き金を引こうとした」

長沢「な!?」

長沢は勢いよく走っていた足を、わずかに乱す。

手塚「ん?」

手塚は一瞬、長沢が身の危険を悟って動揺を見せたのだと思った。

だが、長沢の目線が、手塚が向ける銃口から逸れていることを読み取り、それが違うということに気付いた。

ここは階段近く、度重なる銃撃、そして長沢の目線―

その答えが一瞬にして手塚の脳内を駆け巡り、反射的に床を蹴って後ろへ跳んだ。

ガァーン!ガァーン!!

そこへ銃撃が飛んで来た。

長沢「うわっ!」

長沢も思わず身体を仰け反らせる。

銃撃はちょうど手塚と長沢との真ん中の壁へと突き刺さった。

手塚「やっぱりアンタだったか、嬢ちゃん」

そこには、いつの間に近づいてきたのか、手塚や長沢が来た通路とは別の方角に、麗佳の姿があった。

その手には、前に持っていたライフル銃ではなく、口径の大きい単発銃だった。

単発ではあるものの、命中すれば致命傷になりかねないほどの威力を秘めている大型の銃だ。

手塚は跳んだ勢いを両足で踏ん張り、再び体勢を構えた。

手塚の視界からは麗佳の姿は、角の壁に遮られて見えない。つまりある程度は距離をとっている、ということだった。

今3人は、Y字型の3方向の通路に、別々に居る状態へとなっている。

状況としては、Y字型の中心部の間近に居て、身をさらけ出している長沢が一番不利だ。

とはいうものの、手塚も麗佳もすぐには攻撃を仕掛けなかった。

手塚「コイツはまずいな、たとえ長沢を葬ったとしても、その瞬間を狙って攻撃を仕掛けてくる」

恐らくあの嬢ちゃんも俺と同じく、そう考えていることだろう。だが長沢のガキのことだ。そんことはお構いなしに攻撃を仕掛けてきたら、否が応にも、2人を同時に相手にしなければならない。

素早く状況を理解した手塚は、きびすを返して2人の居ない通路の方へと駆け抜けていく。

長沢「待ちやがれッ!手塚ッッ!!」

長沢は手塚の予想した通りに突っ込んできた。

手塚「ったく、やっぱりガキはガキか・・・」

手塚はやれやれといわんばかりに、構わず通路を走り続けた。

そして、長沢が通路の角を曲がって銃を撃つ前に、手塚はその向こうの通路の角を曲がった。

長沢「〜〜!!どいつもこいつも逃げてばっかりじゃねえか!!」

自身の思い通りにいかない状況に長沢は憎々しそうにイラつく。

手塚が曲がって逃げた通路の角を、長沢も続いて曲がる。

手塚「・・・大体、あれだけ声を張り上げていたら、それだけ息が続かなくなるっての、まだ気付かないのかねぇ?」

手塚は長沢の猪突猛進ぶりに、ほとほと呆れを見せていた。

長沢「おいコラ!腰抜け!!さっさと―」

とたんに長沢の声が遮断される。

長沢「―え!?」

いつの間にか、長沢の足は宙を浮いていた。

長沢が走っているはずの通路。長沢が居る部分の床が、ぽっかりと穴が空いていた。

追い続けることに夢中だった長沢は、自らの足で落とし穴の罠を作動させてしまったことに、全くといっていいほど気付いていなかった。

長沢が状況を理解したのは、すべて事が終わってからだった。

長沢の足は、バタバタと空回りしたまま、まるで無抵抗そのままに、その穴へと落下した。

長沢「うわぁぁぁっ!!」

長沢の悲鳴も、落ちた後にすぐ穴が閉じられたせいで、それきり声は全く聞こえなくなった。

手塚「・・・究極のバカだな、アイツは」

手塚はそう呟いたが、すぐに気を引き締めなおした。

手塚「おっと、まだ気を緩めるわけにはいかなかったな、嬢ちゃん」

手塚は麗佳が居るであろう通路の先の方に目を向け、そう言い放つ。

だが、麗佳は沈黙を保ったままだった。

手塚「あん?返事をしない、というよりは・・・」

まるで気配が感じられない。考えてみれば、全力で走っている俺を追って長沢が追いかけていたわけだから、長沢は背後を無防備にしていたはずだ。

すると、あの嬢ちゃんにとっては、狙いどころのはずなのに、銃撃がまるで聞こえてこなかった。

手塚「・・・逃げやがったか」

そう結論づけた手塚は、ひとまず優希が倒れている場所へと向かった。

自身の首輪を外す為、優希の首輪を作動させる為に。


・・・
・・・・・


手塚は一応は周りを警戒していたものの、ここで麗佳が奇襲を仕掛けるとは思っていなかった。

近くに居るとわかっているのに、奇襲を仕掛けるのはあまり意味がないことだと分かっているからだ。

手塚「長沢のガキと違い、結構頭が切れやがるな、あの金髪の嬢ちゃん・・・」

手塚の予想どおり、あれから麗佳が姿を見せることはなかった。

その疑問は、すでに亡き者となっている優希を前にして、すぐに解けた。

手塚「なるほどな。あの嬢ちゃん、俺たちよりもPDAを回収することを優先させやがったか」

目的は俺たちじゃなくPDAってことか。結果的に、一番漁夫の利を得たのはあの嬢ちゃんだったのかもしれないな。

手塚「とはいえ、俺も収穫を得たわけなんだがな」

手塚は『10』の図柄が描かれたPDAを、ぴくりとも動かなくなった優希の首輪へと差し込む。

『あなたは、解除条件を満たすことが出来ませんでした。15秒後にペナルティが施行されます』

手塚は素早くその場を離れる。

しばらくして、その幼い少女の身体に無数の銃撃が撃ち込まれる。

手塚「生死に関係なくペナルティが施行される、か」

手塚の呟きも、銃撃にかき消された。



・・・
・・・・・


優希の首輪を作動させた後、ほんの少し離れた所で煙草をふかしていた手塚だったが、通路の向こう側から複数の足音が近づいてくるのがわかった。

聞こえてくる方向から、それが御剣達なのだと、すぐに予想がついた。

恐らくそこには渚の姿もあるのだろう。ならば逃げるのが良策のようにも思えた。

だが彼はあえて逃げなかった。なぜなら・・・。

総一「て、手塚さん!!」

手塚「おう、お前らか」

手塚の予想は当たっていた。

慌てた様子の総一に対し、片手を挙げて呑気に応じる手塚。その違いは端からみれは滑稽にも見えた。

御剣以下4人は、手塚の元へと走ってくる。

総一「一体どうしたっていうんです!?いきなり姿をくらましたりして・・・」

総一は血相を変えてそう詰め寄る。

手塚「あー、前に言っただろ?幼い少女の姿を見かけたことがあるってな。そいつが長沢のガキに追いかけられてたんで、助けようと思ってな」

手塚は嘘八百をかまし続けていた。

手塚「お前達を呼んでたら姿を見失うかもと、とっさにそう思ってな、仕方なく1人で追跡した、というわけさ」

総一「そ、そうだったんですか・・・」

その言葉に、総一の怒気も失せた。

手塚は今まで起こった状況をかいつまんで説明していった。

長沢がその幼い少女を撃ったこと。そこへ金髪の嬢ちゃんが攻撃を仕掛けたこと。

そして、長沢を撒いた後、ここへ戻ってきたところ、首輪が作動していたこと。

手塚「恐らく、あの金髪の嬢ちゃんの仕業だとは思うんだがな・・・」

総一「と、いうことは彼女は『10』のPDAの持ち主だと?」

総一の疑問に、手塚はかぶりを振る。

手塚「いんや、そうとは限らんぜ。首輪を他のヤツらに渡したくなかったからかもしれねえし、ただペナルティがどのようなものかを把握したかっただけなのかもしれねえ」

手塚は吸っていた煙草を床に投げ捨てた。

手塚「いずれにしても、金髪の嬢ちゃんが階段のところにずっと居座っていたことは確実だ。ということは」

手塚の続く言葉を、他の4人はじっと聞き入る。

手塚「この近くには人が集まっているってことさ。長沢の野郎もいずれここにやってくる」

すると、沈黙を守っていた葉月も口を開く。

葉月「すると、手塚くんの首輪を外すチャンス、ということになるのかな?」

―――あー、そうだった。確か俺のPDAは『7』で、他のヤツラと遭遇する必要がある、ってことになってるんだったな。

面倒だな、こりゃ・・・。だが下手なことを言って感づかれても困るな。

手塚「そうしたいのはやまやまだが、ここで襲われたら金髪の嬢ちゃんと挟み撃ちになるのがオチだ。ここはヤツの居る階段を突破する方が利口なんじゃねえか?」

手塚の問いに各々が考え込む。

咲実「問題は、どうやって突破するか、ですね」

手塚「そうなるな」

暫くの沈黙後、総一が唐突に切り出した。

総一「俺もその方法をずっと考えてました。で、恐らくこうすればいいと思うんですが・・・」

総一の話す突破の方法に、手塚がうなずく。

手塚「ああ、いいんじゃねえか。やってみようぜ」

手塚はさも感心した様に振舞ったが、目はギラついていた。

―――ここにも、油断ならないヤツがいやがったか・・・。

ただの銃撃を逸らすバリケード、ぐらいにしか思ってなかったんだがな。

手塚はそう思いつつ、麗佳が居るであろう階段へと足を運んでいったのであった。



・・・
・・・・・


互いにぶつかりあい、そして命を落としていく人達。この戦火はいまだ止む事を知らずに続けられていくのでした。

次回は第12話[再来]階段で待ち構えているであろう麗佳。一体どのように突破していくのでしょう。そしてこちらへ向かっているであろう高山は一体?乞うご期待★















コメント(7)

Duvalさん、おはようごさいます♪

渚さんは今の所、手塚くんのことも自身の真の姿も明かしていませんね。仮に手塚くんの真相を説明したとしても、本当かどうか確かめるためにどの道総一くん達から接触する可能性が高いと判断したのかも。・・・でも、自身の正体を明かしてでも総一くん達を止めた方が結果的には正解だったのかも?

そういえば、優希ちゃんを殺したのは前回も今回も長沢くんですね・・・。優希ちゃんは今回は見せ場もなく命を落としましたけれど、前回と今回でこの結果ですから、次のエピソード『7』ではもしかしたら大活躍の上に生存する可能性が高い・・・かも?期待しておいて下さい☆

さて、みっともないところばかり見せている長沢くんですけれど、これから挽回出来るのかなぁ?再び手塚くんと合間見えることになりそうな流れが・・・。



這い上がってこい手(パー)長沢。笑


どーもこんばんはグッド(上向き矢印)今回の3人の遭遇はアツかった指でOK特に我が嫁(何人いるんだ?笑)はしたたかにPDA回収して消えましたね電球次こそは銃撃戦かなあせあせ(飛び散る汗)ぜひ嫁達には生き残ってもらいたいでするんるん
もりへいさん、こんばんわ〜♪(時間的にはこんにちわ♪)

麗佳さんは(まだ解除条件を明かしてませんけど)PDAを5個必要としています。で、恐らく彼女は今PDAを2個持ってますので、残り3個。いずれにせよ誰かと戦うことになると思います。

長沢くんも同様で、あと2人のプレイヤーを殺さなければいけません。・・・もし、手塚くんが『3』のPDAの持ち主で、3名の殺害が必要ならば、文香さん、漆山さん、そして優希ちゃんを先制して攻撃していれば、解除条件を満たすことが出来ますね。やっぱり恐るべし!手塚くん。

なるみさん、どうもです〜♪

長沢は相変わらずの猪突猛進ぶりで(笑)
長沢が不意をつかれて脱落すると予想していたのですが、まさか落とし穴トラップが来るとは…。

またしても長沢の犠牲者になってしまった優希ですけど、長沢に簡単に負けるような参加者も少ないのがこのゲームですね!

総一達と再合流した手塚さんですが、渚さんの存在が行動を慎重にさせそうな上に、総一も新たに警戒するようになり…とターゲットをどう絞っていくがが見ものですね!
今回も優希はあっさりと死にましたね。彼女が目立つのはEpisode4だけと・・・そして長沢は哀れ、トラップで下の階に・・・
次は麗佳との戦闘、そして高山がどう動くのかが気になりますね。
レッドさん、こんばんわぁ〜☆

長沢くんの場合、ずる賢い面も垣間見せるのですけれど、時折短絡的な行動に出るときもあります。(まぁ、今回の長沢くんは同人版キラークィーンの方に似てるきもしますけれども)ただ、彼もやられっぱなしではありませんよぉ♪

再び手塚くんと渚さんを含む総一くん達が合流したわけですけど、お互いある思惑を持っていたりするのです。手塚くんは、実は今最も脅威ではないかと思われる渚さんの正体を暴く為。そして渚さんは・・・。それが判明するのは第13話ですね♪

カンピオーネ@CR−Zさん、いらっしゃーいですぅ〜♪

優希ちゃんはやっぱり総一くんと一緒に居た方が輝くのかも?優希ちゃんが人を殺して狂っていく様を見たいと思う人はきっと居ない・・・はず。本編でも彼女の出番は少ないので、エピソード『7』以降は出番を多くしようかなぁ、とただ今シナリオ考案中です♪

今の所、誰が有利かと言えば、誰にも当てはまらないと思います。強いて言えばJOKERのありかを知ることが出来る高山さん、かな?彼がどう出るかで今後に大きな影響を与えるでしょう。

現在の位置づけは中盤戦といえます。ここでは決着がつきませんけれど、第14話あたりから終盤戦。盛り上がりが一気に加速するのもそこらへんあたりかも?

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