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シークレットゲームコミュのシークレットゲーム 〜エピソード5〜 第11話[それぞれの思惑]

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第11話[それぞれの思惑]                              〈作・桐島成実〉

【残りの生存者・・・10/13人】

〈現在の状態〉

[グループA]    PDA      状態    総一との関係
 御剣 総一     (A)      腕を負傷      
 陸島 文香     (6)       健康      信頼
 北条 かりん    (K)      肩を負傷     信頼
 色条 優希     (9)       健康      信頼

[グループB]
 高山 浩太     (?)      健康     未接触
 矢幡 麗佳     (?)    わき腹を負傷   敵対

 綺堂 渚       (?〉      ??      ??

 葉月 克己     (?〉      ??       険悪

 長沢 勇治     (?)      ??      険悪

 郷田 真弓     (?)      ??     未接触

 姫萩 咲実     (?〉      死亡      普通

 漆山 権造     (?)      死亡     知らない






総一達4人は5階の階段を警戒しながら上っていった。

先に上った高山と麗佳が、難なく上っていった為、麗佳達が5階で待ち伏せをしている可能性を除けば、危険は少ないはずだった。

それでも警戒を緩めず、やっとのことで5階へと足を踏み入れたのであった。

【2階が進入禁止になりました!】

PDAのアラームがなり、その知らせを伝えたのはちょうどその時だった。

文香「開始してからもう40時間余りが経過したことになるわね」

ゲームは73時間ある。その半分以上を消費したことになる。

総一「急いで6階まで上りきりましょう」

先ほど決めた方針通り、6階の階段で待ち伏せすることにした。

全員が先に6階へ上がってしまったら、待ち伏せ自体が無意味となってしまう。

総一「それにしても、この5階にはどんな武器があるというんだ・・・?」

4階にあった武器を見れば、今総一が持っている武器などかわいいものだった。なら5階、そして6階にある武器は・・・。

想像すると寒気がする総一だった。

文香「それじゃ、優希ちゃん。さっそくPDAを検索してくれないかしら?」

文香は周りを警戒しながら優希にお願いした。

優希「あ、うん、わかった」

優希は素早くPDAを操作する。

やがて検索が終了し、画面に投影される。そしてみんなで優希のPDAの画面を確認していく。

優希「えーと、たぶんこれがさっきの2人組だよね?」

優希はそういって総一達からさほど離れていない場所にある2つの光点を指差す。

かりん「うん、2人が5階に来てまだ間もないから間違いないと思う」

かりんはうなずく。

優希「他には・・・。えっと、こっちに光点が2つ一緒にあるね」

麗佳達がいるであろう場所から数ブロックほど先に、2つの光点が存在していた。

文香「その光点よりさらに離れた場所にも2つあるわね」

その光点はちょうど最初の2つの光点の延長線上にあり、3ヶ所の光点がちょうど直線をを描く形で存在していた。

かりん「あとは、さらに離れた場所に光点が1つ・・・」

総一「と、すると」

この5階に存在するPDAの数は総一達の分も含め実に11個。つまりほとんどの人がこの5階にひしめき合っていることが伺える。

文香「問題はこれが誰を指すか、よね」

だが、PDAの所持数によりそれが誰かを特定することは困難であった。

生存者数は10人なのだから、最低でも誰か1人はPDAを2つ持っていることになるのだろうが・・・。

文香「今まで以上に警戒して行動する必要がありそうね」

文香の顔は深刻そうだ。

総一「どうします?6階の階段へ急ぎますか?」

総一は文香に尋ねる。

このメンバーの中で最年長であり、姉御肌でしっかりした文香は、いつの間にかメンバーの中心となっていた。

文香「そうね、他の人たちがまだ5階にいる内に行きましょう」

総一達はうなずき、周りを警戒しながら先を急ぐのだった。



・・・
・・・・・


郷田は一本道の通路を1人歩いていた。

郷田「予想どおり、あまりゲームは盛り上ってはいないわね」

ゲームが開始されてから既に40時間以上が経過しているが、生存者数はいまだ10人。

プレイヤーの数が極端に減ることも困りものだが、一向に減らないのもゲームの主催者側にとっては困る要素ではあった。

しかも、これまでに死んだ3人の要因は、ルール違反に罠にサブマスターの裏切りと、正規のプレイヤー同士のいさかいこそあったものの、いまだ犠牲者が出ていない状況であった。

今、多数のメンバーが5階に密集しているとはいえ、このまま争いが起こるかどうか不透明だった。

郷田「・・・だからといって、この指令がくるとは思わなかったけど」

郷田は自分のPDAを覗き込みながらため息をついた。

そこにはこう書かれていた。

【サブマスターの首輪の解除の可能性を作る為、かの者と合流して24時間以上行動を共にせよ】

【又、他のプレイヤーが近くにいる場合は速やかに攻撃をしかけよ。ただし必要以上に殺さず、最小限の被害に抑えよ】

郷田は画面を機能の一覧に切り替えた。

郷田「まったく、人使いが荒いわねぇ」

郷田はグチをこぼしながら、PDAを素早く操作した。

郷田「たしかこの辺のはずだけど・・・」

郷田はPDAを真剣に見ていたが、ふと視線を通路の前方に移した。

郷田「あら?」

郷田の視線がある一点を捉えた。



・・・
・・・・・


麗佳は少し前を歩く高山の背中をずっと見つめていた。

この男、高山と出会ったのは、麗佳が4階の戦闘禁止エリアで休んでいた所に、いきなり高山が進入禁止エリアに入ってきたのがきっかけだった。

麗佳はとっさに武器を構えようとしたが、戦闘禁止エリアだと忠告され、反撃することが出来なかった。

それどころかたった一つしかないドアの方に高山が居たこと。それに出会い頭になった時、まったく動じなかった様子からこの男の強さを悟り、その場から逃げ出すことは叶わなかった。

そこに高山が協力を依頼してきたので、手を組むフリをして隙を見て逃げ出すなり攻撃を仕掛けるなりしようと企んだ。

しかしその思いも虚しく、まるで隙の見当たらない高山を前に、従わざるをえない状態が続いていた。

人に裏切られることを恐れる麗佳にとっては、今一番警戒するべきは、周りの敵ではなくこの目の前にいる人物だった。

そんな時、T字型の通路を曲がろうとした高山が、麗佳の前に腕を伸ばして制止した。

麗佳「!?」

麗佳は一瞬びくっとして身をすくませたが、それが止まれという合図に気づき、麗佳は足を止めた。

麗佳の視線に気づいている高山は、視線で通路の前方を指す。

麗佳は高山が向けている視線の先を辿った。

麗佳「あれは・・・」

そこに1人の女性がいた。それは麗佳も知っている人物であった。

この場には似合わぬゴテゴテとした服装や装飾。たしか綺堂渚という名前だったはずだ。

その渚は、まるで無警戒なその様子で高山達に背を向けて佇んでいる。

高山達とはある程度の距離があるものの、どうやら高山達に全く気づいていないようだった。

高山はT字型の通路の角に身を潜ませ、しばらくじっと様子を伺っていたが、とたんに反対側の角に身を潜めた麗佳に視線を向けてきた。

『どうする?』

その視線はそう言っていた。

麗佳は手に持っていた銃を、軽く動かす。

攻撃を仕掛ける。そう認識した高山は、自身のPDAを麗佳に向けた。

そこには地図が書かれており、ちょうど麗佳達がいる通路がアップで映し出されていた。

そして高山はある通路を指でなぞっていく。

それはちょうど通路を迂回して渚を挟む感じだった。挟み撃ちにしようという作戦のようだ。

麗佳はそれに気づきうなずく。

本来なら移動していない渚を前にして、ひそひそと相談することも出来たはずだが、必要以上に高山と距離を縮めるのを麗佳が嫌った。

高山もそれを予想していたらしく、距離をとったまま作戦を知らせたのだった。

そして、高山は通路を迂回する為に行動を開始した。

麗佳はその場に留まり、渚の様子をずっと観察していた。

だが、この時麗佳の考えていたことは全くの別のことだった。

―――今なら逃げ出せる。

麗佳は、高山が通路を迂回しきる前に攻撃を仕掛け、手早くPDAを回収してその場を逃げ出す算段だったのだ。

麗佳は焦り気味だった。

麗佳のPDAは『8』である。JOKERを除く5台のPDAを破壊しなくてはならなかった。

しかし、いまだに麗佳は一つもPDAを得られていなかった。それに高山が居る事で緊張状態が続き、正常な思考は失われつつあった。

もはや麗佳には、他人を蹴落とすことしか考えていなかった。

だから、躊躇なく渚に向けて銃を構えたのであった。



・・・
・・・・・


通路をひた走る高山は、今回の作戦が上辺のものだということを十分に理解していた。

あの様子からすると、恐らく麗佳は逃げだすだろう。そう踏んでいた。

それでもあえてこの作戦を提示したのは、自身が首輪を外す上で、麗佳はもはや用無しだと判断したからだ。

必要な情報はすでに麗佳の口から得ることが出来た。

だがしかし、あの様子ではいつか裏切るだろう。それならリスクを避けつつ手を切るのが良いと考えた。

高山は地図を映す画面を操作し、トップの画面に切り替えた。

そこにはクラブの『2』が描かれていた。JOKERの破壊が首輪の解除条件である。

破壊なので、慌ててJOKERを入手する必要はない。

麗佳がJOKERを持っているか否かは不明だが、首輪を探知するソフトがあるぐらいだから、他のソフトを収集してから対策を練る方が良い。

早い内から打って出る必要はない。慎重な高山はそう考えていた。

高山はPDAを操作しながら、通路を駆け抜けていた。

慎重な彼が、通路をあまり警戒せずに走り回っているのは、彼にインストールされている首輪を探知するソフトのおかげであった。

これは5階に上がった直後に発見したものだ。麗佳と2人で少し探索をしていたが、このツールボックスを見つけ、麗佳に気づかれないように
密かにインストールしたものだ。

もちろん麗佳はこの存在に気づいていない。

だから近くに敵がいないことも、麗佳が逃げたかどうかもこれを見ればすぐに分かるということだ。

高山「さて、あのお嬢さんはどう出るか」

高山はPDAで首輪の位置を再び検索しながら、もう少しで渚がいる所に到着しそうな時、通路の向こう側から銃声の音が数回響き渡った。

その銃声は渚がいるであろう方向から聞こえてきた。

高山「む、もう戦闘は始まっているのか!?」

高山は走る足を止めず、検索が終了したPDAを覗き込んだ。

首輪が3つ!?

高山「どういうことだ?」

さっき検索した時は、比較的近くに首輪の反応がいくつかあったのは確認したが・・・。

高山は幾多もの状況を想定しながら、首輪の光点があった通路の曲がり角の前まで来て、そこからそっと角の向こう側の様子を窺った。

高山「なに・・・?」

そこで高山が見たものは、お互いに対面する形で立つ2人の女性。

1人は渚、そしてもう1人は妙齢の高貴な感じの女性だった。

そして麗佳は・・・、

2人の間に挟まる形で、床にうずくまっていた。

そこから血を大量に流していることは、遠目から見ている高山にも分かった。

麗佳「ぐっ、ごぼっ・・・」

まだ反応はあるみたいだが、どう見ても助からない。高山は一瞬でそれを悟った。

郷田「全く、もう少し周りを警戒しなさいな」

渚「すみませ〜ん」

2人の会話が高山の耳に入ってくる。高山はじっとその会話を聞いていた。

渚「でも、麗佳さんが私を狙っていることはちゃんと見抜いてましたよ〜」

渚はそう言って両手に持っているサブマシンガンを前に掲げた。

郷田「・・・あなた、私の前でもそのしゃべり方を続けるつもりかしら?」

郷田はいぶかしげな目で渚を見る。

郷田「ま、いいわ。ところで、あなたの方にも指令が届いているはずでしょう?」

渚「は〜い、ちゃんと届いてますよぉ」

―――指令?どういうことだ?

高山は思考を巡らせる。

郷田「一応あなたと行動を共にするけど、ただ首輪の解除条件を満たすだけじゃダメなのはわかってるわよね」

渚「そうですねぇ。あ、それなら―」

郷田「と、その前に」

郷田の視線が通路の向こう側へと向けられる。

―――まずい!?気づかれた!

高山が気づくや否や、高山に向けて郷田の銃撃が襲う。

ガァン!ガァーン!!

高山「くっ・・・」

高山は急いでその場を後にした。

あの2人は追って来ない。

高山はそれでも距離をとる為走り続けた。

高山「気配は完全に消していたはずだ。あの2人、まさか・・・」

高山は思考の先にたどり着いた憶測に対し、眉間にしわを寄せた。



・・・
・・・・・


麗佳が瀕死の状態になり、ますます混沌としてきたゲーム。郷田&渚の2人は、次は何を仕掛けるつもりなのでしょう?

そして高山、麗佳の運命は・・・?

次回は第12話[暴走]物語も中盤戦。さらに波乱の展開が待ち受けています。








コメント(12)

面白い展開になってきましたね〜
ゲームマスター二人が手を組むのは始めての展開ですし、今後どうなっていくのか楽しみですw
Duvalさん、夜分遅くようこそなのです♪

たしかに、郷田さんが襲撃するとしたら、今一番人数の多い総一達が妥当と言えるでしょうね。再度分断するとか。

意外とあっけなく消失してしまった高山&麗佳コンビ。この2人が活躍する所が見たかったという人も結構いたんでしょうね。

けど今回は巡り合わせが悪かったということです。これがこのゲームの特徴でもある所ですね。

KEI@華菜ちゃん、さん。夜分遅くにウェルカムなのです♪

この2人の組み合わせも結構厄介といえるでしょうね。なにせゲームを知り尽くしている2人ですから。

強いて欠点を述べるとするなら、立場上不必要な殺戮は出来ない、といった所ですね。
まさかの高山&麗佳ペアは終了ですかあせあせ(飛び散る汗)しかし、残りの人を考えたら…葉月&高山は…なんかなぁあせあせ高山&長沢は…なんか親子みたいだしあせあせ(飛び散る汗)そう考えると高山は1人もしくは総一達と合流しそうな感じですねウッシッシ




それにしても俺の嫁が減ってくのは悲しー(長音記号2)がく〜(落胆した顔)バッド(下向き矢印)
麗佳さんはここで退散ですか、残念です。
ゲームマスターの2人が協力とは今までになかった展開ですね。この事実に気づいた高山がどういった行動にでるのか楽しみです。
もりへいさん、お昼の青々とした空の彼方でこんにちわ☆(意味不明な所はツッこまないで)

麗佳さんは今回あんまり活躍しませんでしたので、エピソード6以降に期待してください。咲実さんも同様です。

とは言うものの、人気投票1位の渚さんが敵に、第2位の麗佳さんが瀕死に、ヒロインの咲実さんも死に・・・。かなーり危険な路線を歩いているような?

リョウさん、コクのある紅茶を飲みつつこんにちわ(挨拶マンネリ防止?)

高山さんも麗佳さん同様、活躍しているとは言えませんが、郷田さん達を排除するのか、他のプレイヤーに接触を試みるのか、はてさて?

総一達が居る5階には、文章から見ても分かるように、他のプレイヤーの存在もあります。今後どのように絡んでくるのかも注目ですね♪

加速する現代文明の波に乗りつつ、なるみさんこんにちは(^ω^)

麗佳ー!もうちょっとネバってほしかった…

いや〜しかしゲーマスの二人が共に行動というのは興味深い。これからも楽しみにしておりますぞ!

勉狂さん、はじめましてこんにちわ♪

今まで麗佳さんは終盤まで生き残る場合が多かった為に、早めの退場となってしまいました。

その分渚さん達には頑張ってもらわないと・・・。

それにしても麗佳さんの人気がかなり高いことが伺えるですねぇ。

GMとサブマスが組むとは・・・
ますます先の展開が読めなくなってきましたね・・・
あの2人を相手に、総一達がどう立ち回るのかが楽しみですね!
さっちんさん、夕日が海に沈んでいく今日この頃(??)ようこそいらっしゃいました☆

郷田さん&渚さんには、他のプレイヤーに攻撃を仕掛ける様にとの指令が下っていますから、脅威ではありますね。

総一達は今の所怪我はあるものの、致命的な被害は被っていませんが、さて、このまま無事に乗り切れるのでしょうかねぇ・・・?

残念ですが麗佳さんはここまでのようですね…

それにしても渚さんと郷田は間違いなく強敵ですね。
もしも総一たちが対抗するとしたら、高山さんが鍵になりそうな気がします。
あと葉月さんも帰ってきて〜。

明日の更新楽しみにしています♪
茶そばダディさん、どうもこんにちわです☆

ストーリーを考えていく上で、麗佳さんの扱いが一番悩んだところではあります。

味方でも敵でも魅力的な麗佳さんですが、仲間になるまでの過程が難しいところです(汗)

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