山陽本線沿線観光コミュの広島市郷土資料館

　広島市南区宇品御幸二丁目６-20
　https://www.google.com/maps/@34.3647512,132.4615794,17z
　広島駅・西広島駅から広島電鉄宇品二丁目電停下車。

　この建物はこの明治44(1911)年に建てられた宇品陸軍糧秣支廠(ｳｼﾞﾅﾘｸｸﾞﾝﾘｮｳﾏﾂｼｼｮｳ)の缶詰工場の一部に当たり、広島市指定文化財となっています。
　帝国陸軍の糧秣の保管・補給・製造施設である陸軍糧秣本廠は東京市深川越中島に置かれましたが、支廠が大阪市天保山・札幌市苗穂・広島市宇品、及び満州に置かれました。
　明治40(1907)年頃からは戦時用だけでなく平時用の食料品製造・調達も行われ、明治42(1909)年８月の大阪の北の大火(天満焼け)や明治43(1910)年８月の大水害などの際には罹災者用の救援物資が広島から被災地へ向けて送られています。特に牛肉缶詰製造は大正12(1923)年）の関東大震災で本廠が被害を受けて以後は、全国の糧秣廠で宇品のみで行われる事となりました。
　昭和20(1945)年８月６日に投下された原子爆弾による爆風のため、北側屋根の鉄骨が同じ部位ですべて下向きに折れ曲がりましたが、倒壊する事無く持ち堪えた被爆建物の一つです。この場所は爆心地から南南東3.2km地点にあり、最大風速およそ28ｍ/秒、最大爆風圧約1.2ｔ/㎡を受けたと推定されています。戦後も国が管理していましたが、広島市が譲り受けて再整備し、広島市域の人々の暮らしにかかわる歴史をテーマとした博物館として昭和60(1985)年に開館しました。被爆により曲がった鉄骨等も保存展示されています。
　常設展では、大きく分けて、江戸時代以降に広島市域で発展した地場産業と、江戸から明治以降の広島市、特に宇品の歴史とこの建物の来歴についての展示が行われています。
　郷土資料館には、絹本著色不動明王画像〔広島県指定文化財〕・広島城下絵屏風〔広島市指定文化財〕・絹本著色弘法大師画像〔広島市指定文化財〕等の多くの文化財も寄託されています。