山陽本線沿線観光コミュの広島お好み村

　広島お好み村組合が運営する広島風お好み焼きのフードテーマパーク。
　広島のお好み焼きの源流は、小麦粉を水で溶き、ネギ・干エビ・紅ショウガ等を入れて焼いた戦前の一銭洋食で、「おやつ」のような存在でした。
　戦後、食事として食べられるようになり、栄養不足を補うために、具としてキャベツ・卵・魚介類・そば・うどん等を入れるなど工夫を重ね、今の広島風お好み焼が誕生しました。　
　お好み村のルーツは、昭和25(1950)年頃、中央通りに発生した屋台群です。当時は、ラーメン等の屋台もありましたが、お好み焼きの屋台が圧倒的に多かったため、作家のきだみのる(1895～1975)が「まるでお好み村みたいだね」と述べ、それがそのまま定着しました。昭和32(1957)年に西新天地広場（現；アリスガーデン）と、東新天地広場（現；新天地公園）へ移りますが、当時の営業屋台は約50軒でした。昭和40(1965)年に公園として整備された時に屋台は立ち退きになりましたが、その際に４軒は独自で移転先を見つけ、それ以外で移転先が見つからなかった14軒は広島市当局との妥協案として、同年12月にお好み村を構成する事になりました。発案者は初代村長になる「ちいちゃん」の古田正三郎と地元の食品卸問屋「住田」の住田一也でした。
　こうして、昭和42(1967)年に住田が、西新天地広場の対面側の現在地にプレハブ風の二階建て、延べ床面積260㎡の簡単鉄骨構造の建物を建てて、お好み村は復活したのです。その後、修学旅行のコースに組み込まれるなどして観光名所になり、県外客が来客者の7割を占める様になりました。
　しかし、建物が防火面で問題を抱えていたのに加え、平成６(1994)年に広島アジア競技大会を控えていた為に、老朽化した建物を建て替える事になり、平成２(1990)年に旧建物は閉鎖されて、中町の駐車場に作られた仮店舗で営業が行われる事となりました。
　平成４(1992)年に至って、新天地プラザと呼ばれる鉄筋コンクリート七階建て、延べ床面積2263㎡の複合ビルが完成、二～四階の1000㎡がお好み村となって、店数は27に増加しました。一階にはお好み焼き以外の食べ物屋が三店、五～六階はカラオケ店、七階は居酒屋になっています。
　広島駅から広電、八丁堀下車。