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北村太郎コミュの北村太郎さんの本

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自分の書斎にある、詩人の北村太郎さんの本コーナー。生前に刊行された本はすべてサイン入りである。北村さんの全集が思潮社から出たときにぼくは「全集が出るなんて亡くなった人みたいじゃないですか」とうっかり北村さんに軽口を叩いてしまった。北村さんは「そうなんだよ。思潮社はぼくのことを間もなく死ぬみたいに思っているんだよね」と応酬した。1冊7800円もする本で3巻セットである。なかなか売れなかった。
ぼくは北村さんに手紙を書いて、「北村さんの全国の友人・知人に地元の図書館で全集を注文する運動をするといいです。そうすればすぐに1000部ぐらいはけますよ」と書き、実際にぼくは鎌倉の図書館に注文し、北村さんの全集を入れてもらった。北村さんはぼくの手紙をひどく喜び、いつも持ち歩いて、共通の友達の家で、ぼくの手紙を読み上げてくれたそうである。それから間もなくして北村さんは亡くなった。

その後、北村さんの全集の担当者で思潮社の編集者だったOさんは、東京新聞文化部に転職し、ぼくの担当になった。最近、東京新聞に「米朝落語」についての書評を書いたが、これもOさんの注文なのだった。北村さんが亡くなったあとも、ぼくとOさんはつながっている。人との縁は本当に不思議なのである。
数年前に我が家でOさんと、河出書房の「文藝」で詩人の田村隆一さんの担当編集だったFさんとしこたまに酒を飲んだことがあった。Fさんは東大の国文で卒論で「安来節」を書いたという変わり種で、ぼくとFさんとOさんはぴったりと波長が合って、いつまでも延々と北村太郎さんと田村隆一さんと「荒地」の詩人たちの話に耽っていた。FさんとOさんは稲村ヶ崎の田村隆一さんの家の店子(田村さんは2階を貸していた)でもあった。ワインを5、6本は空けてしまった。やはり親しかった共通の故人の話をするのが何よりの酒のつまみになるのだった。

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