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「中国政治論」を学ぶコミュの課題の参考に

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 以下は共同通信の加盟社用に小生が書き下ろした論説資料です。他の新聞の社説と比較して課題作成の参考にして下さい。

「中国共産党大会」

胡体制は盤石か 
 

 中国が大きな歴史的転換期を迎える中で胡錦濤総書記(国家主席)体制が二期目に入った。その折り返し点となった共産党の第十七回大会とそれに続く中央委員会総会で、今後五年間の施政方針と十年後以降の中国を担うことになる革命第五世代の若手指導者の抜てき人事が明らかにされた。
 今回の大会で特筆すべきことは政策調整、制度改革、人事異動の三つに分けられる。
 まず胡氏が独自の指導理念「科学的発展観」を党の憲法とでも言うべき党規約に明記させたことだ。経済発展を現在の暴飲暴食型から環境や省エネなどに配慮した持続可能型へ転換を目指すのが狙いだ。
 江沢民前総書記時代以来の高度経済成長がもたらしたゆがみが誰の目にも明らかになっている以上、スローガンとしては文句をつけようがない。
 だが問題はどう実行するかだ。実際に五年前に胡体制になってからむしろ成長率は加速し、バブル現象が拡大している。その間の中国政府の経済運営を見ると、景気減速を恐れるあまり本格的な過熱抑制策を発動するのに二の足を踏んでいるとの印象を受けるからだ。
 胡総書記は大会初日の演説で「民主主義」という言葉を何十回も繰り返し、聞く者をして民主化への期待を膨らませた。しかし具体的内容というと党内の選挙で候補者を定員より増やす「差額選挙」の導入といった微調整にとどまっている。農村など社会の基層で行われている直接選挙をより高いレベルまで引き上げるといった党外の民主化には口を閉ざしたままだった。
 現在の中国で最大の矛盾は、経済発展に追いつかない政治改革である。経済が発展すれば、社会が多元化し、利害関係は複雑になる。こうした中で政策調整を最小限の政治コストで行おうとすれば民主主義的な制度の導入しかない。もちろん、民主主義は一夜で実現するものではないが、今大会の経緯を見ているとまたしても政治改革の先送りかとの感を深くする。
 ポスト胡体制の行方と絡めて注目されたのが中央委員会総会で選出された新しい指導部の顔ぶれだった。五十代の習近平・上海市党委書記と李克強・遼寧省党委書記の二人が異例の抜てきで政治局常務委員会入りし、ポスト胡体制の後継者候補として浮上した。
 しかし、政治局常務委員会の派閥別分布を精査すると、胡総書記直系の共産主義青年団出身者グループ、江前総書記の配下の「上海閥」、高級幹部子弟のいわゆる「太子党」の微妙なバランスの上に成り立っていることが分かる。加えて当初、先行するとみられていた胡総書記直系の李氏の序列が習氏の下になった経緯も舞台裏の妥協の結果をうかがわせる。
 こうしてみると胡総書記は盤石の権力を確立したとは言えず、今後の経済運営の成り行き次第では他の二派閥との関係で指導力を問われる局面も出てきそうだ。そうなるとポスト胡体制への移行も予定調和的には進まなくなるだろう。(西倉)

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