おにぎり屋　米レボ　～最終章～コミュの異物混入　～そして終結へ～　１１７

２００５年１１月２日　水曜日　晴れ

　今日の１１時３０分過ぎに例のお客様がみえました。
彼女は先に代金を払って後でおにぎりとポイントカードを取りに来るというパターンをいつもされています。
うまくタイミングを見計らって、おにぎりを取りにみえた時におにぎりを渡しつつ「この前は申し訳ありませんでした」とお詫びをしました。
すると彼女は「どうだった？」と聞き返してきました。
「はい、あの後メーカーと話をさせていただきまして対策を取らせていただく事になりました」
「どんな？」
「メーカーでの選別の作業をこれよりも精度を上げる、そしてウチでもおにぎりを握る時に注意をする、このようにさせて頂きます」
「うん、わかった」
簡単な説明でしたがどうやら納得されたみたいです。
「こちら、よかったら使ってください」
僕はポイントカードを渡す時に一緒に『おにぎり１個無料券』を渡しました。
「ありがとう」
彼女は言いました。
「申し訳ありませんでした。　ありがとうございました」

たぶんこれで一件落着です。

　夕方、先日注文を出しておいたしぐれのメーカーが納品に来ました。
「まいど。　こちらは注文の品とあと例の対策書です。　一応今日の日付を入れておきました」
「ありがとうございます。　ではこの前の対策書をお返ししますね」
「で、あれからどうなりました」
「その件は決着がつきましたよ」
「と、言うと？」
「ちょうど今日買いに来てくれてお客様にメーカーと話をさせていただいて今後対策をとりますと説明させていただきました」
「それでお客様は」
「ああ、納得されていましたよ」
「直接謝りに行かなくても大丈夫そうでしたか」
「たぶん大丈夫でしょう。　これで買いに来なくなったら最後の手段として手土産持って一緒に謝りに行きましょうね」
「そうですね」
「でも、おかげさまでおにぎり１個無料にさせてもらいましたけどね」
「そうなんですか」
「今回もおまけをいただきましたが、また今度来る時、ちょっとしたお歳暮かなんかで色をつけといてくださいよ」
「わかりました。　そう言ってもらえると逆にありがたいです。　いや、中には変な駆け引きをする方も見えますからね」
「大丈夫ですよ、僕の場合はそれ、最後にやりますから」
「怖いなー」
「あと、次にこういう事があったらそのロットの商品、全部返品させてもらいますからね、当然代替を持ってきていただきますけど」
「厳しいですね」
「そうですか、だって素人の僕が検品できませんから。　今回はちょうど最後の１袋だったんでよかったですけどね」
「わかりました。　そうやってはっきり言ってもらえると助かります」
「すいません、基本的に直球しか投げないもんで」
「いやいや、ホントその方が我々、ありがたいです」
「まあ、なんかあったら連絡しますわ」
「わかりました」
「じゃ、今度のお土産、期待してますから」
「またまたそんなことを。　おおきに、ありがとうございました」

　ただ、同じお客さんに対し連続してクレームがおきるということは多々あります。
その点だけは注意をしたいと思います。