Hilcrhyme ﾋﾙｸﾗｲﾑコミュの新潟日報より

2011年１月３日付新潟日報より

「故郷の後輩たちへ」　

ラップユニット Hilcrhyme TOCさん（29）　＝上越市出身＝

「遊びが仕事」命懸け

「県内の私大を卒業し就職したのを機に、音楽は一度あきらめました。新潟のクラブイベントから出て、音楽で食っていった前例はなく、プロは夢物語。会社員の仕事も上手くいっていたから。」

「だけど、会社員になって３ヶ月ぶりに行ったクラブイベントで爆音を浴び、涙が止まらなかった。オレは自分の人生を生きているのか、オレの生きる場所は、ここだと。」

上越市に生まれ、剣道少年として育った。
高校時代は東京学館新潟高校の寮に入り、剣道漬けの毎日を送った。

「小学校の頃は、警察官になりたいと思っていました。県警で剣道や柔道を専門に練習する特練（特別訓練員）がプロみたいな存在。でも大人になるにつれ、いろいろなことをやりたいと思うようになって、剣道は高校で、やめました。」

「大学では、とにかく遊びました。でも半年たっても、剣道に代わるものは見つからない。そんな頃に出会ったのが音楽。それからの生活は、ずっと音楽でした。」

2001年、ユニットを組むＤＪ KATSU（カツ）さんと出会う。
音楽中心の生活だったが、プロになる夢は描けなかった。
そして就職。しかし音楽が、再び心を揺り動かした。

「あのクラブイベントの後、KATSUに思いを伝えました。忘れもしない05年６月９日。２人の間で『ミスド会議』と呼ぶオレたちのターニングポイント。新潟駅南のミスタードーナツで熱く語り合った。KATSUはバーで働いていたけど、音楽をやっていきたいという思いは同じ。そこからヒルクライムが始まりました。」

メジャーデビューは09年７月。同年９月発売のセカンドシングル「春夏秋冬」が大ヒット。しかし、それまでは飲食店や建設現場などのアルバイトで食いつないだ。

「売れる自信は、なかった。でも好きなことをやってダメなら、死んでもいいと思った。遊びが仕事になった感覚だから、命懸けで遊ぶ。そんな思いで、やっています。」

「今年は、まず、全国22都市のツアーを成功させる。セカンドアルバム『MESSAGE』を多くのファンに伝えたい。武道館ライブも、したいですね。新潟ならエコスタ。まだ野外ライブは、ないですよね？エコスタの野外ライブ１発目を狙いたい。」

「夢は追えばいい。でもオレの周りには夢をあきらめても、家族のために頑張る仲間がいる。それも、むちゃくちゃカッコいい。」と話すTOCさん。

サイン色紙には、「命懸けで遊ぶ！」と書かれてありました。