大喜利ｉｚｍコミュの『テープカット』 　†鈴林凛†作

鈴林劇場建設記念式典



司会
『只今からテープカットを行いますので、ファンファーレの後、わたくしが「どーぞ」と申しましたら、テープにハサミをお入れ下さい』


♪〜〜♪〜〜♪〜〜♪



綾瀬(代表取締役６２歳)
『…ワクワクするねぇ』

小岩(理事長６５歳)
『へへへへへへ』


司会
『それでは、どーぞ♪』

『チョキっ』

『チョキっ』

『チョキっ』

『バキッ』


パチパチパチパチパチ〜〜〜♪


綾瀬
『いや〜おめでとう！』

小岩
『おめでとうございます！！これからもよろしくお願いします♪』


綾瀬
『やっと私の夢が叶ったよ〜♪かれこれ４０年さ♪ハハハハハハハハハハ』

小岩
『これはこれは♪亡くなったお父様の夢でもありましたからね♪天国のお父様もさぞかし喜ばれている事でしょう♪』


綾瀬
『…うん♪』


小岩
『ちょっとコーヒーでも頂いて来ますね♪』


綾瀬
『ん！？？もしかしてこのソファーも新品かね？？』

小岩
『あ、はい、そうですね』

綾瀬
『素晴らしいソファーだ♪座り心地もいい！！！これはテープカットしなきゃダメだ！君、また式をやるぞ！』


小岩
『え？！』



司会
『え〜、只今から、「ソファー新品記念式典」を行いたいと思います。わたくしが「どーぞ」と申しましたら、テープにハサミをお入れ下さい☆』


♪〜〜♪〜〜♪〜〜♪


司会
『どーぞ♪』



『チョキっ』

『チョキっ』

『チョキっ』

『シャキッ』


パチパチパチパチパチ〜〜♪♪


綾瀬
『おめでとう〜♪いい劇場にして行こう小岩君！！』

小岩
『あ…はあ。よろしくお願いします♪』


綾瀬
『ん？！！小岩君、この窓ガラスも新品だね！！しかも強化ガラス！！』


小岩
『あ、そうですね…台風が来てもガラスが揺れずに快適な劇を楽しんで頂くために強化ガラスにしました』


綾瀬
『素晴らしい！！こんな試みはうちだけだな！！こうしちゃいられん！！また式をやるぞ！』


小岩
『はああああ？！！』




司会
『え〜只今から「強化ガラス先取り式典」を行います。ファンファーレの後、わたくしが「どーぞ」と申しましたら、テープにハサミをお入れ下さい』


♪〜〜♪〜〜♪〜〜♪


司会
『どーぞ♪』


『チョキッ』

『チョキッ』

『チョキッ』

『メキッ』


パチパチパチパチパチ〜♪


綾瀬
『ハハハハハハハハハハ♪おめでとう♪劇場に強化ガラス♪我が国始まって以来の試みだ♪』


小岩
『は…はぁああ(笑)』


綾瀬
『どれどれ、さっそく劇場を見学しようじゃないか♪…ん！？？こ、これは…！！大理石の階段じゃないか！これは素晴らしい！！なあ小岩君！？？』


小岩
『(コレもおめーの発案だろーがボケ！)
は…はあ。すごいですね♪』


綾瀬
『す…素晴らしい…！！！大理石の階段！！観客がお城に入ってる感覚を味わせようと…素晴らしい！！これも式典じゃ！！』

小岩
『えええー！？？』



司会
『え〜只今から、「大理石階段お城気分式典」を行いますので、ファンファーレの後、わたくしが「どーぞ」と申しましたら、テープにハサミをお入れ下さい』

♪〜〜♪〜〜♪〜〜♪〜〜♪


司会
『どーぞ♪』


『チョキッ』

『チョキッ』

『チョキッ』

『キュッ』


パチパチパチパチパチ〜〜♪


綾瀬
『ハハハハハハハハハハ〜いや〜この劇場は実に素晴らしい！！内装や外観、文句なしだ！！』

小岩
『そ…そうですね…あ、社長、頭にゴミ屑が』


綾瀬
『おお、スマンな。
ん！？？君、このネクタイピン！！シャネルじゃないか！！』


小岩
『はい、娘から劇場建設祝いに貰ったんですよ♪なんでも、貯金をはたいて買ったとか♪娘もやっと親孝行をしてくれるようになりました♪』


綾瀬
『す…素晴らしい！！！建設祝いのために愛娘さんからプレゼントを！！しかもブランド物！！！クールビズを完全に無視したプレゼントを…素晴らしい！！式典だ式典！！♪それも盛大にだ！！♪』

小岩
『もういいっつーの！！！！！！』



司会
『え〜只今から「小岩の愛娘・クールビズ完全無視プレゼント式典」を行いますので、ファンファーレの後、わたくしが「どーぞ」と申しましたら、テープにハサミをお入れ下さい』


小岩
『(チッ…なんちゅーネーミングだ…)』



司会
『それでは、どーぞ♪』


『チョキッ』

『チョキッ』

『チョキッ』

『プッスゥ〜〜』


パチパチパチパチパチ♪


綾瀬
『ハハハハハハハハハハ〜〜私もブランド物のネクタイピンをプレゼントする娘が欲しかったよ〜♪』

小岩
『いえいえ、とんでもございません…』


綾瀬
『小岩君、君のような優秀な部下を持てたからこそ、私の長年の夢が叶ったのだ。本当にありがとう♪』

小岩
『いえ、私も綾瀬社長の下で働けてとても幸せでした。僕が２０代の頃、ろくに定職にも就かずに街でフラフラしていたら社長に声を掛けられ…あれから４０年です…くぅぅ(泣)』


綾瀬
『え、そうだっけ？？』

小岩
『ええええー？！！』



綾瀬
『君はなんて記憶力がいいんだ！！素晴らしい！！！私なんて昨日なに食べたかすら忘れてるのに…君は天才だ！！式典だ！！天才小岩記憶力式典だ！！』


小岩
『もう辞めるわこんな職！！！！！！！！！！！！！！』


終わり。