ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

セルティックス魂(PRIDE)コミュのセルティックスの“新”アイザイア!? 身長175cmで打ち立てた驚異の記録。

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
 2016年も終わりが近づいた12月30日。ボストンのTDガーデンは地元ファンによる熱狂的な「MVP!」コールに包まれた。

 1980年代には、ラリー・バード、ケビン・マクヘイル、ロバート・パリッシュの初代Big3、2000年代には、ケビン・ガーネット、ポール・ピアース、レイ・アレンのBig3と長きにわたりスターを輩出してきたボストン・セルティックス。労働者階級の熱狂的なファンを持ち、リーグ優勝最多の17回を誇る超名門球団である。

 そのコアなボストンファンが送ったMVPコールは、公称わずか5フィート9インチ(約175cm)の小さな選手に向けられていた。

 その男の名前はアイザイア・トーマス。

 NBAに馴染みがある方ならば、聞き覚えがある名前だろう。1980年代中頃から1990年代初頭にデトロイトの“バッドボーイズ”ピストンズで活躍し、2度の王者に輝いたアイザイア・トーマス。

 彼と同姓同名なのである。

レイカーズファンの父が付けた名前が「アイザイア」?

 殿堂入りしている元ピストンズのレジェンドと親戚関係にはない。

 命名した父親が熱狂的なピストンズファンだった訳でもない。

 西海岸出身の父は逆にレイカーズの大ファンで、'88年にマジック・ジョンソン率いるレイカーズの優勝後、友人と翌年のレイカーズ優勝を賭け、負けたら生まれてくる子供に天敵のスター選手である「アイザイア」の名を付ける約束をしてしまったのだ。

 そして、'89年はピストンズが優勝し、約束通りアイザイアと名付けられた(綴りは変更)子が、今コートに立っている27歳の彼だ。

::1試合で52得点。しかも3Pシュートを9本決めた!

 2016年12月30日、トーマスはマイアミ戦で歴史に残る大活躍をし、チームを勝利に導いた。この日、彼は52得点。シュート26本中15本成功、そのうち3Pは13本中9本決め、フリースローは失敗なしの13本中13本成功。また52得点中29得点は試合終盤の4Qに挙げた。

 この記録がどれ程凄いことなのか説明しよう。

 1人の選手の1試合50得点以上は、長いセルティックスの歴史の中でも過去わずか7回のみ。これまでその経験があるのはバード、マクヘイル、サム・ジョーンズ、ピアースの4名だった(バードは50得点以上を4度記録している)。今回彼はそのエリートの仲間入りをした。

 その中でも、トーマスより多く得点を記録したことのあるセルティックスの選手は、バード(60点と53点)、マクヘイル(56点)の2人だけである。

 そして、1試合9本の3Pはアントーン・ウォーカーが2001年と02年に打ち立てた球団記録と同率1位。

 また、試合終盤の4Qに挙げた29得点はNBAの歴史上2位(1962年にウィルト・チェンバレンが100得点を記録した試合で4Qに31得点)で、セルティックスの1Q内の最高得点記録を樹立した。

 NBA史上、1試合52得点&3P 9本以上を記録したのは、コービー・ブライアント、ステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、カイリー・アービングとトーマスのわずか5名のみなのだ。

偉業を達成したのは、NBA現役選手で最低身長の選手。

 特筆すべきは、世界最高峰の舞台でこれほど立派な記録を成し遂げたのが、神に選ばれた身体能力を持つと言われる“キング”レブロン・ジェームズでも、“NBA史上最高のシューター”との呼び声高い天才ステフィン・カリーでもなく、2メーター級の大男達が集うリーグ現役選手中、最低身長のアイザイア・トーマスだということだ。

 これまでのトーマスのキャリアを表現するなら、「逆境との戦い」だった。

長らくスター選手扱いをしてこなかったメディア。

 公称175cm(実際には170cmないと言われている)という彼の身長は、一般的に高身長が有利に働くという常識があるバスケットボールの世界では、不利と言える。

 大学時代ワシントン大学で活躍したにもかかわらず、2011年のドラフトでは全選手中最後の2巡目60位指名。彼を最後に指名したのはサクラメント・キングスだった。

 '14年にフェニックス・サンズに移籍後、'15年にセルティックスにトレードされた彼は、若い指揮官ブラッド・スティーブンズのもと頭角をあらわした。

 得点力を見ても昨シーズン平均22.2得点、今シーズンはここまで平均27.7得点と他のエースガードと比べても遜色ない働きであるにもかかわらず、メディアは彼を球団を代表するスター選手として扱わなかった。決定的な場面でサイズが不利に働く可能性も度々指摘されてきた。

「今後セルティックスが大型選手をトレードで獲得する際の良い駒にすぎない」、そんな声すらあった。

「身長からくるレッテルを覆す作業の繰り返し」

 それを払拭すべく活躍を続けた彼に、転機が訪れた。

 昨年2月、監督推薦でオールスターに選ばれたのだ。NBAがドラフト2巡制を導入後選ばれたオールスターの中で、一番ドラフト順位の低い選手だった(ドラフト外選手は除く)。

 メディアの取材に対しトーマスは、「監督やコーチの推薦での選出は、業界内での評価なのでとても名誉なこと」と喜んだ。

 トーマスはことあるごとに「自分のバスケ人生は常に身長からくるレッテルを覆す作業の繰り返しだったし、今もなにも変わらない」と言う。

 トーマスを知るコーチや関係者はそんな彼のことを「He always has a chip on his shoulder」と評価する。

 意訳すると、「彼は常に“なにクソ”精神がある」。逆境を跳ね返す精神力に満ちているということだ。

 試合終盤の決定力を疑問視されたことに関しても、今回NBA史上2番目の記録を打ち立てたことによって批判の声を消した。

「日本人選手はNBAで活躍できるのか?」への答え。

 トーマスは才能はもちろんだが、身長のレッテルに負けず夢を成功させる意志をエンジンにNBAでスターに登りつめたと言える。

 よく「日本人選手はNBAで活躍できるのか?」という話題になるが、私はトーマスのような選手こそ、それが可能であることを証明していると思う。

 あの夜、ボストンのTDガーデンに鳴り響いた「MVP!」コール。これこそが多くのレッテルを跳ね除け、自らスターの座を勝ち取ったアイザイア・トーマスにとっては最高のご褒美だったに違いない。

 そして、ボストンの長年のファンは、'80年代後半アイザイア・トーマスという名に苦しめられた苦い想いを胸に、今現れた小柄な“ニュー”アイザイアに夢を託すだろう。

長澤壮太郎さんコラムより

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

セルティックス魂(PRIDE) 更新情報

セルティックス魂(PRIDE)のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング