ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

坂本ゼミ機関投資家班コミュの2

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 現在SRIの考え方が変化している。SRIが社会的な価値を実現するためのSRI(Socially Responsible Investment)から、社会の持続可能性の追求と企業の包括的な価値を評価するSRI(Sustainable and Responsible Investment)に変化している。SRIの中身が「投資決定プロセスに社会環境論理の問題を反映する。」ことから「持続可能な経済発展と、生活の質、環境の安全性をサポートする。」に変化している。このような動きが強まったのは社会運動的色彩・イデオロギー的色素が薄れてきたからである。1987年に「国連環境と開発に関する委員会」がだした報告書『我々共通の未来』において持続可能な発展が人類の課題として上げられた。そこで持続可能な発展とは、将来世代のニーズにこたえる能力を損ねることなく現在世代のニーズを満たす発展、と定義された。現在では持続可能性という言葉には、地球環境の持続性と言う意味に加えて、人間の社会経済システムの持続可能性も含まれるようになっている。そして人類社会の持続可能性を高めるためには、国や国際機関、公共セクターだけではなく、企業がそのビジネスにおいて持続可能性を組み込むことが不可欠だと考えられるようになった。一方株主側からのこの新しい」SRI投資家は次の3つに分類される。
・ 持続可能性を経営に組み込んだ企業を応援し、世の中を良くしていきたいという志のある投資家
・ 持続可能性に配慮した企業の企業価値は高い、という考え方に基づいて、パフォーマンスを向上させることが目的の投資家。特に長期投資家の対象となる企業の条件として、社会の持続可能性に自社のビジネスを調和させることを重要視する。
・ 大量の資金を持つ大手の投資家は、社会に与える影響力が大きいので、社会の持続可能性を高める義務・責任があるという投資家。
一つ目の投資家は、従来のSRI投資家と重なるが、動機が宗教や社会運動だけではなく、持続可能性という地球市民としての投資家である。三つ目の投資家は、資金を動かす投資家が広く社会に負う責任とこれまでの投資家責任とくらべて幅が広まっている。このように新しいSRIは共鳴する投資家をこれまでよりも増やしている。
欧米では、SRI投資家が着実に増えているが、依然として、年金基金が機関投資家として巨大な力を持っている。

欧米でのSRIの発展をみていきたい。1971年にアメリカでPax World Fundが世界初のSRIファンドとして登場した。1978年に401k法が成立(アメリカ)1986年に401k法に税制上の優遇措置令が加わり、急速に広まる。2000年にイギリスで年金改正により、年金基金運用会社に対して、投資先企業の社会評価を行っているかの義務化が行われた。このような制度の関係もあり欧米では年金基金が巨大な力を持っていえると考えられる。

具体的に欧米の年金基金がどのような運用方法を持ちいって、SRIを行っているのかみてみる。アメリカ最大大手の公的年金基金であるカリフォルニア州職員退職年金基金、通称カルパースについて見ていく。運用資産は1700億ドル(日本円で約18兆円)を超えている。このカルパースの運用方法はしっかりとしているため、日本国内でもカルパースを手本としているところが多く存在する。このカルパースの社会的責任投資家としての顔は5つに分類される。
・ タバコ産業を排除する投資家の顔(ネガティブスクリーニング)
・ 国際労働基準に関する政府の姿勢から特定の新興国には投資しないという投資家の顔
・ コミニティ投資を行う投資かとしての顔
・ 企業社会責任に関して議決権行使を行う投資家の顔
・ 企業のコーポレートガバナンスを改善させようとする投資家の顔
1つ目と二つ目について依然としてネガティブスクリーニングが行われていると言う印象が強い。しかし、宗教色が濃く、労働問題に関心の高いアメリカでは当然のことなのかもしれない。3つ目はCalifornia Emerging Markets Investment と言う取り組みでは、労働やインフラが存在しながらも再活発性化が必要な州エリアに焦点をあってたもので、債権や未公開株、不動産への投資をおこなっている。しかし、ここで受託者責任が問題になってくる。コミュニティ投資は地域経済の改善や住民の福祉の向上と目的とするが、あくまでそれは副次的な意図ではならなければならない。相当の収益率を確保することが第一目的でなければならない。4つ目は、1999年9月、カルパースは自らの組織に企業社会責任に関するグローバルサリバン原則の適応を決定した。2001年3月に従来のInternational Proxy Voting Guidelines とDomestic Proxy Voting Guidelinesを統合するかたちで公表されたGlobal Proxy Voting Guidelines では初めて、企業責任の原則という章を立てて「株式を保有している企業がグローバルサリバン原則やマックブリッジ原則で盛り込まれたものを含め、それに留まらない実績や方針と整合的な行動をとることを期待する」「仮にある国で深刻な人権侵害を起きたとしたら、そうした侵害を排除するための最大限の対策がこうじられることを期待する」と表明した。5つ目はカルパースは本来の力を発揮していない企業を企業統合などの改革を通じて業績を回復させ、そこから収益を獲得するという投資手法wpアメリカ、日本、ヨーロッパなどで展開しており、現在の投資規模は30億ドルに達している。

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

坂本ゼミ機関投資家班 更新情報

坂本ゼミ機関投資家班のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング