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演奏家のための著作権法入門コミュのJASRACに公正取引委員会が立ち入り調査

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JASRACに公正取引委員会が立ち入り調査した事件の関連ニュースが今日もミクシィ・ニュースに配信されています。この記事の中で、

「包括契約なら楽曲を使用する際、1曲1曲許諾を取ってそれぞれについて使用料を支払う――という手間が省けるが、放送局がJASRAC“以外”の管理楽曲を使いたい場合、使用料を別に支払わなくてはならなくなる。JASRACだけならいつもの料金(収入の1.5%)で済むのに、新規参入事業者の楽曲を使う場合は余計にお金がかかるというわけだ。」

という部分が、楽曲の利用者の側の都合(事情)がよくわかる興味深い記述であると思います。仮に公正取引委員会が主張するようなJASRACの独占状態が解除された状態が形成されたとしても、そのことで楽曲の利用者側にどういう得(メリット)が発生するのか、そのあたりの見通しが公正取引委員会には不十分なのではないかという感想を持ちました。

つまり、通常、公正取引委員会が市場の独占状態を監視し、これを改めさせようとする場合は、価格が独占価格になるなど、その独占状態が消費者や需要者に不利益をもたらしているからそれを改めさせようとするわけです。

ところが現状のJASRACの管理楽曲の独占状態が成立しているために、利用者が楽曲を利用するさい、利用の包括契約で「手続や管理が簡便で便利だ」というメリットが提供されているという側面があることは否定できないわけです。

逆に言うと、JASRAC以外に有力な(つまり利用者が利用したいと思うような楽曲を相当数管理下に置いている)著作権管理団体が複数あったとして、利用者がJASRACを含むそういった複数の管理団体とパラレルに利用契約を結んで利用状況を管理していかなければならなくなったとしたら、そのことで利用者は本当にメリットが享受できるのかという点の「つめ」が甘いように思うのですが、みなさんはいかがお考えでしょうか。

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http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=484937&media_id=32

4月末、公取委がJASRACに立ち入り検査に入った。JASRACが音楽著作権管理市場を独占しているのは事実。だが、状況を改善する努力も続けてきている。「なぜ、今なのか分からない」と、新規参入事業者・JRCの荒川社長は言う。

 公正取引委員会が4月23日、日本音楽著作権協会(JASRAC)を立ち入り検査した。音楽の著作権管理事業への新規事業者の参入を困難にした独占禁止法違反(私的独占の禁止)の疑いがもたれている。

 JASRACは音楽著作権管理事業を独占的に展開していたが、2001年の「著作権等管理事業法」施行で新規参入が認められ、イーライセンスやジャパン・ライツ・クリアランス(JRC)などが参入した。だがいまだに楽曲の99%をJASRACが管理する、という独占状態が続いている。

 各紙の報道によると、今回公取委が問題視したのは、JASRACが放送局と結んでいる「包括利用許諾契約」。包括的利用許諾契約は、放送事業の収入の1.5%を支払えば、JASRACが著作権を管理している曲を、何度でも自由に使うことを認めるという内容の契約だ(JASRACの規定:PDF)。

 包括契約なら楽曲を使用する際、1曲1曲許諾を取ってそれぞれについて使用料を支払う――という手間が省けるが、放送局がJASRAC“以外”の管理楽曲を使いたい場合、使用料を別に支払わなくてはならなくなる。JASRACだけならいつもの料金(収入の1.5%)で済むのに、新規参入事業者の楽曲を使う場合は余計にお金がかかるというわけだ。

 これによって放送局などが新規参入事業者の管理楽曲の利用を避ける事態になれば、競争阻害要因になり得る――公取委は2003年3月に公表した「デジタルコンテンツと競争政策に関する研究会報告書」でこう指摘している。

 JASRAC独占はなぜ崩れないのか、JASRACによる「参入障壁」を感じたことがあるか――JRCの荒川祐二社長に意見を聞いた。

 JRCは2000年12月に設立。音楽著作権の「録音権等」(CD、CM、ゲームソフトなどへの録音)と、「インタラクティブ配信」(ネット配信)を管理。L'Arc-en-Ciel、スピッツ、BENNIE Kなど有力アーティストやインディーズなど約5000曲の管理委託を受けている。JASRACやイーライセンスと異なり、放送に関連する権利は扱っていない。

 JRCはこのほど、同社の管理楽曲をYouTubeでの利用について包括利用許諾契約をGoogleと締結(関連記事:YouTubeに初の音楽著作権包括許諾・JRC スピッツやラルクもOK)するなど、変化の激しいWeb上の音楽配信状況への柔軟な対応を売りにしている。音楽業界とネットの関係や、理想的な音楽著作権管理のあり方などについても話を聞いた。

●JASRACの努力に冷水を浴びせるのではないか

――JASRACに公取委が立ち入ったことへの感想は。

 なんで今なんだろうと思った。著作権等管理事業法施行以前はJASRACはいわば、「法が定めた独占」。法改正した時点では100%独占事業者しかいない市場で、生活に根付いたと言えるほどのシステムを誇ってた。

 そこに民間が参入しても、そんなに簡単に独占が崩れるはずがないというのが、一般論としてはある。公取委は以前から、「JASRACはこの事業エリアのドミナント。見守っていく」と言っていたが、なぜ今なのか分らない。

――報道によると、放送局と結んでいる包括契約が問題視されたようだが。

 包括契約が新規参入を阻害している要因とされているが、JASRACが意図してやったことではないだろう。包括契約という契約形態は合理的で、その契約方法自体には問題がないと言って差し支えないと思う。

 当社もYouTube上での楽曲利用について、Googleと楽曲使用契約を結んだが、これも包括許諾。毎回個別に「この曲を使いたい」と利用申請し、許諾するという作業を繰り返すのではなく、「全曲使っていいです」と包括的に利用を許諾し、使用実績を事後報告してもらうという形だ。

 圧倒的ドミナントの組織が包括許諾契約をやることによって、結果としてある種の参入障壁を招いてしまっているとは言えるかもしれない。

 ただJASRACは、民間企業や放送局と共同で、放送に使用された音楽を全曲把握するシステム作りとルール作りをここ数年進めている。今回の立ち入りは、それにある種の冷水を浴びせかけるのではないか。

 もし「そんな努力をしても、独占状態にあるからだめ」と断じられてしまうのであれば、今後そういう動きはどうなっちゃうんだろう、という懸念がある。

●包括契約の問題は

――新規参入事業者として「包括許諾契約が参入障壁になっている」と感じたことがあるか?

 今回特に問題とされている放送について言えば、当社は具体的なアクションを起こしていない(放送分野には参入していない)ので、そこで障壁を感じたことはない。

 ただ、ネット上のストリーミング番組の料率について、似た問題はある。ストリーミング番組の料率は、JASRACがNMRC(ネットワーク音楽著作権連絡協議会)と協議して定めた「収入の3.5%」という包括的な使用料率が、事実上のスタンダードになっていた。

 そこに当社が参入する際どうすべきか。例えば、10曲使われているストリーミング番組で、1曲だけ当社の管理曲があったとする。「1回再生当たり○円」と単価を設定できればベストだが「9曲目を再生したかどうか、サービスによっては把握できない」といった問題があり、現時点では現実的ではない。

 そこで、包括的な使用料を定めることを検討したが、当社が参入した時点で3.5%というJASRACが定めた料率がデファクトスタンダードになっていた。かといってJRCが同じく3.5%と設定すると、JASRACに3.5%支払っている利用者が、JRCにも3.5%上乗せし、計7%支払ってもらうことになり、それも現実的ではない。

 解決策として当社は、「全体のストリーミング使用実績に対し、JRC管理作品の使用実績を按分計算したものを徴収額とする」という規定を打ち出した。ストリーミング番組の10曲のうち1曲だけ当社の管理曲であれば、収入の3.5%を100としたうちの10%を案分徴集する、という要領だ。

 だが、全ストリーミングサービスで、再生楽曲の確実なログを取ることは難しいなど、完全な解決の道はまだ見いだせておらず、NMRCと協議を続けている。

――JASRACは、法改正後も音楽著作権管理市場の9割以上を独占しているという状態が続いている。これはなぜなのか。

 新規参入事業者の努力によって独占状態を解消できるなら一番いいが、それには限界がある。

 細かい話になるが、例えば、音楽著作権の支分権(録音権、インタラクティブ配信権、放送権など各種権利)全部をJASRACに預けていた音楽出版社が、インタラクティブ配信権と録音権は別のところに預けるという契約をする際、JASRACに対して7万5000円(信託契約申込金、税別)を支払わなくてはならない。

 もし「JASRACにインタラクティブ配信権を預けていると1円も入らないが、他に預ければ100万円になる」というのであれば、権利者も積極的に新規事業者に乗り換えるだろうが、そういうわけでもない。7万5000円は意外と大きい。

 1つの楽曲の支分権を複数の管理団体に信託すると、使用料使用料分配の計算の手間も増える。例えば、Aという作品の録音権とインタラクティブ権をJRCに委託し、残りの支分権をJASRACに信託していたとする。音楽出版社は、JRCとJASRACからそれぞれ分配を受け、それを再計算して作詞家・作曲家に再分配する。届け出先がJASRACだけなら1回で済むのに、2カ所から別のフォーマットで来て、また計算しなくてはならない。

 そういう細かなことが積もり積もっていくと、管理の現場が「積極的に新しい管理事業者に乗り換えよう」というわけには、なかなかいかないという現実もある。

――カラオケに関連する著作権管理について、JASRACが新規参入を事実上阻止しているという批判もある。

 カラオケも、JASRACが独占して参入阻害しているわけではないと思う。ただ、利用料を徴収するのが難しい。それこそ北は北海道から南は沖縄まで、JASRACが足を使ってカラオケスナックと契約し、JASRACマークを貼ってもらっている。

 カラオケスナックで、「このレパートリーを歌ったときはここに分配」と細かく設定するのは現実的ではない。JASRACは冷静に見て、ある種の社会インフラ化しているところがあり、そういう場に新規参入するのは現実的ではない。

●新規参入事業者が“付け入るスキ”はあるのか

 そんな中で、新規参入事業者は「JASRACから移るとこんなメリットがある」と打ち出さなくてはならない。JASRACは「横暴」と言われることもあるが、それなりに適正なところでやっていて、そこまで差をつけられるポイントは、なかなかない。

 われわれの特徴の1つは、「インタラクティブ配信で、利用された楽曲の使用実績を権利者に全数報告する」ということ。JASRACの報告は「この作品が、着メロで今期いくら」くらいまでまとめた数字になる。何万行・何千万行というデータを集めた上ではじき出した数字であり、そこに悪意があるとは思えないが、不透明と感じる権利者はいるだろうと思う。

 われわれは報告の精度を上げるために努力し、誰もが「問題ない」と言えるくらい透明にすることを意識してシステム設計し、契約の中身を作ってきた。

――JASRACには演奏権、録音権、貸与権、出版権、放送権、インタラクティブ配信権などさまざまな支分権を信託できるが、JRCは録音権とインタラクティブ配信権だけだ。なぜこの2つを選んだのか。

 確実に数えることができる領域だからだ。録音権はCDなどメディアで数えることができ、インタラクティブ配信もログをベースに数えられる。それ以外は数えるのが難しい。

 放送分野の使用料徴収では“丼勘定”という比喩がよく使われる。丼勘定はある意味合理的だったし、徴収も分配も、精度を高めようとさまざまな努力がなされてきている。だが「全部数えられる」というところまではいっていない。

 今まではいわば丼に水をくんでいた状態。青い水をくんで、その中に赤い水を一滴入れてもどこに行ったか分からなくなる。赤い水をコップ一杯ぐらい入れたとすると、紫になるかもしれないけれど赤の比率は分からない。

 デジタルなら「丼に入れるのは米粒にしましょう」と言える。サーバにはログが全部残り、数えることができる。赤い米粒が青い米粒に埋まって見えなくなっても、数えようと思ったら数えられる。

 数えることができ、適正な分配ができる、という確証が立たない分野は、当社は参入すべきではないと考えてきた。参入障壁があったからではなく、権利者に対する責任の問題だ。

●YouTubeとは包括契約を結んだが

――YouTube上での楽曲利用については、Googleとは包括契約を結んだ。「透明で数えられるシステム」という考え方とは矛盾しているのでは。

 アーティストやプロダクションは、YouTubeをメディアとして欠かないものととらえ、積極的に発信していきたいと考えている。だが、自分たちが発信する場がグレーな状態のままでは気持ち悪いという部分があり、権利的な側面は、全部きれいになっていてほしいと考えていた。

 隣接権を併せ持ついろいろな権利者が当社に「YouTubeで配信したい」と言ってきていた。それを受けて当社は「著作権に関してはこういう形でGoogleと契約しようと思っているがどうだろうか」と全権利者に投げかけたが、積極的な反対はゼロだった。現時点では少なくとも、委託してくれている権利者すべての同意が得られている。

 契約の詳細は非公開だが、「正確に数えるために、こんなことがしたい」という要望に対して、Googleから100点満点の答えがあったから契約した、というわけではない。現時点で100点でも半年後には30点かもしれないし、今の時点で何をもって「完成」しているかというのは評価ができない。すべてが完璧と見極めてからやるのは難しい。

 Googleには、世界中の技術的なトップレベルが集約されているのでは。ものすごく乱暴な言い方だが「Googleに技術的にできないことは、ほかで形にするのは難しい」と言い換えてもいいぐらいかなと思っていて、そこに期待している。

●独占市場ではJASRACの料率が高いか安いかも分からない

――そもそも、JRCはどういう経緯で設立されたのか。JASRACのオルタナティブを示したい、という思いなのか。

 アンチJASRACの旗を掲げていたわけではない。JRCは、アーティストやそのマネージメント企業、プロダクションの出資を受けてスタートした。「自分たちの権利のことを自分たちで考えてマネージメントしていく場が必要」と考えて作った。

 JASRACは60数年間にわたる旧法の時代、ちゃんとやってきていたと思う。ただし、独占市場ではなかなか動きが生まれづらい。外にいて、JASRACのルールに唯々諾々(いいだくだく)と従うだけでは、例えば、JASRACの料率が高いか安いかなども、よく分からない。

 自分たちがやってみることによって何が適正か分かってくるし、そのためには自分たちが動かないとどうしょうもないと思った。

――これまで7年運営してきて、JASRACの料率は適正と思ったか。

 録音権、特にCDやレコードを作成する際の録音権の料率は完全なデファクトスタンダードが成立していて、0.1%程度のプラスであっても既存のルールに割って入っていくのは難しい。デファクトはあまりいじくってもしかたがない、という思いも正直、ある。

 料率は、必ずしも高ければいいというわけではない。権利者としては、利用形態によっては「もっと高く評価されていいのでは」と思う瞬間もあるが、それは利用者側に高く支払ってもらうことにもなり、ビジネスとして大変。いい関係を保って契約をしていくことが重要だ。

 料率をいじるよりは、徴収や報告の精度を高めたり、管理手数料を低減する、といった形で、何らかの還元ができるようにするしかない。

 インタラクティブ配信では少しずつ新規性を打ち出せていると思っている。例えば、ゆるいDRMをかけた配信は、料率を高めに設定するなどだ。

●「コピーフリー前提」には違和感

――DRMフリー配信も増えてきた。

 DRMを付けて配信する権利者がメインストリームだった時代は、DRMを客観的指標にして使用料を決めていくことには合理性があった。世の中のトレンドとしてDRMフリーが一般的になっていくなら、時代の要請とともに考え直さなくてはいけない。

 ただ、ビジネスとして音楽配信をやっていく際、アーティスト側の判断でプロモーションの手段としてDRMフリーで配信することもあるだろうが、一般的には権利者や配信事業者が「どんどんコピーされることがいい」と考えてビジネスを構築することは、あまりないと思う。

 世の中には悪意を持って――とまでは言わないが、「コピーできるならしちゃっていいじゃん」と、自由にコピーさせ、客が集まれば、その客に対して別の物を売ることでビジネスをしようという人がいる。それは、音楽をあまりに都合よく解釈しているつらいビジネスだと思う。

――ネット上の音楽の状況は、めまぐるしいスピードで変わる。どれぐらいのサイクルで契約形態の見直しなどを行っているのか。

 1年ごとぐらいだ。一度許諾を出したら安定性が必要で、ころころ変えればいいというものではない。契約を結んだ後、半年後に世の中が変わったからといって「また契約変えましょう」となると、利用者が混乱し、結果として信用を失うことにもなる。

 先回りできるのが理想的だ。例えばサブスクリプションモデルは先回りできた例だ。2005年夏ごろにNapsterが日本法人を作り、サブスクリプションサービスをスタートすると発表した。

 当時、すでに米国ではサブスクリプションモデルが始まっていて、そのモデルを研究し、「日本でやるならこんな条件ではないか」と関係者と話した。06年4月から当社の利用料規定にサブスクリプションモデルを入れ、9月からのNapster日本版に間に合った。

 当時は米国などで先に起きたものが日本に来るというのが多かったが、YouTubeのようなものは、世界同時に動き、先回りがなかなか難しい。1年ごとに見直すというのがぎりぎり最短のペース。頻度を高めすぎるのも良くない。

●理想の音楽著作権管理とは

――音楽著作権管理の理想型は、どういうものだと考えているか。

 著作権のことを意識する必要なく、ある部分は保護保全され、ある部分はちゃんと利用してもらえる、という状態。権利について、考えなくていい状態が理想だろう。アーティストやその周辺にいる人たちが「JRCに任せておけば心配ない」という事業者になれれば一番いい。

 むやみやたらに権利制限の方向に行くのは良くないし、むやみに権利を自由に行使させてしまうのも良くない。バランスを真ん中で取っていき、アーティストに安心して任せてもらえるようになりたい。

 僕らには音楽を生み出す才能はないが、権利についてのそれなりの知識と考え方とシステムを持っている。それをアーティストの方にうまく使ってもらうことで、より良いクリエイティビティーを発揮してもらい、より良いものができたらそれをまた管理させてもらえれば。

 そういう状態で生まれてきたものは、音楽ファンの方にもきっと受け入れてもらえる。

●ネットは可能性を自らの手で摘んでいないか

 音楽著作権については、今は「あんな利用形態が出てきた、どうしよう」と、みんなが右往左往している状態。それはもったいないというか、本質ではない。

 JRCを起業する以前、僕は坂本龍一のコンサートスタッフをしていた。95年に坂本“教授”が初めて大規模なネットライブをした際のスタッフだったが、その時「時代は変わるな」とすごく感じた。

 それまでは、遠隔地に音楽をライブで流すというのは、圧倒的な資本とネットワークを持っている人にしか許されない、テレビを使ったある種のぜいたくだった。だが教授のネットライブでは、ボランタリーベースで集まってPCを持ち寄り、「StreamWorks 1.0」という動画再生ソフトとサーバで配信した。すごくインパクトがあった。

 96年、「インターネットエキスポ」公式事業の一環で、教授が東京・渋谷のオーチャードホールでコンサートを開き、楽屋にもカメラを置いて生中継し、メーリングリストも作った。

 教授はサービス精神旺盛なので、メーリングリストに「今楽屋に来たよ」と投げつつ、カメラに向かってメッセージを見せたり、ステージ衣装に着替える時、わざわざカメラの前で脱いだりして。

 そういうのがネットの本質だと思った。その後、技術的に面白いものは出てきているが、それを超えるものはないのではないか。

 ネットはその可能性を、自らの手で摘んでしまっているような気がする。そうしてしまったのはビジネスレイヤーかもしれないし、コンシュマーレイヤーかもしれない。

 もっとみんなで単純にマナーを守り、普通のことをやっていれば、楽しいこともいっぱいあるはずなのに、なんでこんなにキツキツな感じでやらないといけないのかと残念だ。

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