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開発民俗学 「地域共生の技法」コミュの「知的生産の技術」を語ろう! <理論各論>

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梅棹忠夫氏の「知的生産の技術」というともう大昔の遺物というか最近の学生さんでは知らない人が多いと思いますが、1969年7月に岩波新書の一冊として発売されたこの本は、日本でさまざまな議論と反響を呼びました。

なにを隠そうしばやんもこの本で学究への道を動機づけられました。(今は、ただのマリングッズ屋の一スタッフですが^^?)

私がこの本を読んだのは、惑うことなく高校1年生の冬、1986年12月7日のことです。なぜ正確にわかるかって?当時の多くの人が取り組んだように、私も実はこの本を読んだのをきっかけに京大カードの読書カードを記録するようになったからでした。

昔話になりますが、それから毎年100冊の本を最初から最後まできっちり読むという目標を立ててきたのですが、最近は100冊をきることが多いと思います。最近、ちょっと記録をさぼっていますが通算では1800冊は越えていると思います。

ところで、この100冊には、部分読みは原則入っていません。コンサルタント時代もいろいろな書類を斜め読みしてきましたが、それらの仕事で断片的に読んだ本はカウントしていませんので、まあいいペースでしょう^^? でも既にこのカードを付け始めてからもう22年も経つんだとちょっと感慨深いものがあります。

ちょっと前書きが長くなりましたが、たぶんというか明らかに梅棹さんの影響で私は「方法論」にこだわっています。

学問の仕方というと大げさですが、私の「知的生産」の手の内を紹介いたします。もちろん、皆様の秘儀?もまたこの場で紹介していただけるとさいわいです^^?

コメント(14)

とりあえずご参考までに「開発学研究入門」という記事を転載します。
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第4講:開発学研究入門(基礎理論編)(道具箱=ブックガイドその1)2000年8月15日


今、IT革命などという言葉が巷をにぎわせているが、やはりそれは一方的な情報の受け手(消費者)になることではなく、イントラクティヴ(双方向的)な人間同士の対話を目指すべきであろう。

ここで基本理論編として取り上げたのは、自分で考えていくためには、それなりの方法論があるということがまず一点。そして学ぶことの究極の目的は発信することにあり、そのためのテクニックが必要不可欠(表裏一体)であるということが一点。また、1990年代のコンピューターの発達と普及に従って、既存の知の枠組みや道具立て自体が変わってしまったことが一点。それら新しい知の体系として開発学を考えるための道具と、‘開発’学の入門書とリファレンス類を厳選して取り上げた。

主に、1990年代以降の動きを扱う。情報処理技術についての‘初歩の初歩’については、注1を参照のこと。

A.1990年代以降の知の世界

4‐1 野村一夫 『社会学の作法・初級編 社会学的リテラシー構築のためのレッスン【改訂版】』 文化書房博文堂 1999 (初版 1995) (1,600円;価格はあくまで参考。適宜確認のこと。)

4‐2 東郷雄二 『東郷式 文科系必修研究生活術』 夏目書房 2000 (1,900円)

4‐3 坪田一男 『理系のための研究生活ガイド テーマの選び方から留学の手続きまで』 講談社ブルーバックス 1997 (760円)

4‐4 中川昌彦 『図解 自己啓発と勉強法 楽しみながら自分を育てる』 日本実業出版社 1996 (1,262円)

(概説)

1990年以降に決定的に変わったのは、知の地平線や水平線がはるかに広がったことがあげられよう。ここでは詳細は述べないが、網野善彦、阿部謹也、家島彦一などが、それぞれ日本、ヨーロッパ、イスラーム世界の中世史において、今までの文献資料中心であった歴史学・社会学において、それ以外の全人間的なアプローチを駆使し、新たな学問の地平線を切り開いた。その世界は深く広いが、その前提と主体的に現代と切り結んだところに意味があるのではないかと思っている。それぞれが、自分と現在(現実世界)との格闘を語っている。(別途、「歩きながら考える」で取り上げます。)

そこでまず取り上げたいのは、現代社会に生きるということはどういうことかを考えようとする4‐1である。私は、以前、大学院への進学を試みたことがあったが、その際に、悩んだのは「外大生にはディスプリンがない」という俗説であった。母校や後輩の名誉のためにもあえていいたいが、結局、今では「そもそもディスプリン(パラダイム)にこだわることより、作法(リテラシー)を身につけることのほうが重要ではないか」と思うようになった。

今の大学の世界では、三文字学部というものがなくなりつつある。(つまり、文学部、農学部など)単に、看板が変わっただけと思ってはいけない。80年代から、「学際的interdisciplinary」とかいう言葉が出てきたが、その当時は、それぞれの「専門」のディスプリンをもった人たちが集まって研究するというスタイルであったと思うが、今では「理系」や「文系」という考え方自体がなくなりつつあり、「マルチ・ディスプリン」があたりまえという時代に突進している。決して専門家を否定するわけではないが、あえてどこかに足場を置くとしたら、まず「読み書き作法」であるというのは、あながち見当違いではないであろう。また、野村氏のいう<見識ある市民>とは、今だからこそ求められていると思う。

そして、4‐2(文科系)と4‐3(理系)では、今の時代の研究スタイルを端的に語っている。前者の著者が1951年生、後者が1955年生、あえていえば、4‐1の著者は1955年生まれである。つまり、今の学生が教わるであろう先生方のある標準的な感覚ともいえよう。

(続き)

また1990年代の必須アイテムとして浮上してきたのが、パソコン・インターネットを利用した新しい学習スタイルである。残念ながら、私が注1を書いた90年代初頭は、この新しい研究方法の体系ができていなかった。4‐1、2、3とも、最新のリファレンス情報が盛り込んであり、いずれも持っていて損はない。(特に、3‐1は、今、現代社会を主体的に生きようと考えるときに必携である。)

4‐4は、ビジネス書であるがあえてここに紹介する。私は、はっきり断っているように一介のビジネスマンに過ぎないが、逆に‘仕事をしながら(もちながら)考えていく’道を、この本ははっきりと示してくれた。また、パソコン、インターネットについて、「マルチメディア時代の自己啓発」として1章をさいてあつかっている。

入社して5年目くらいまでは、なかなか学生時代みたいに専門書を読むことができず、頭を休ませる(冷やす)ために、ずいぶん俗にいうビジネス書や血液型や相性の本、人生論や人間関係の本を、息ぬきとして読んだものである。

その中で感じたのは、ビジネス書は、現場に密着しているためトピックも早いし、実務に関する専門的な技術面については、はるかに具体的でくわしい。確かに玉石混交ではあるが、非常に興味深いジャンルではある。(学生さんとかはあまり関心がないと思うが、学問とは全く別の次元で理論が展開されていて結構参考になります。)

B.情報処理論の最前線

4‐5 メイヤー,J.J./黒川康正 『ビジネスマン奇跡の整理術・時間活用術』 三笠書房 1998 (1,400円)

4‐6 壺阪龍哉 『超図解 奇跡の整理術 パソコン以前の33の法則』 かんき出版 1997 (1,300円)

(概説)

4‐5、6は、あえてビジネス書という分野から、最新の実践的な情報処理理論を持ってきた。4‐5は、まさに‘目からうろこ’の本で、読後、仕事がずいぶんはかどるようになった。(別に、タイムマネジメントの手法や考え方を礼賛するわけではないが、「仕事をする」という実務上は、大変役に立つ知恵ではある。)

また、4‐6も、‘パソコン以前’といっているが、逆にパソコン時代でこその情報処理理論である。

C.新しい調査・研究手法

4‐7 佐藤郁哉 『フィールドワーク 書をもって街へ出よう』 新曜社 ワードマップ 1992 (1.800円)

4‐8 佐藤誠編 『地域研究調査法を学ぶ人のために』 世界思想社 1996 (1,950円)

4‐9 古川久雄 「現地調査―歩く・見る・聞く」、矢野暢編『地域研究の手法』 弘文堂 (講座現代の地域研究 一)1993 (4,800円)

4‐10 赤瀬川原平、藤森照信、南伸坊・編 『路上觀察學入門』 筑摩書房 1986 (ちくま文庫版あり)

4‐11 中村尚司・広岡博之編 『フィールドワークの新技法』 日本評論社 2000 (2,000円)

4‐12 嘉田由紀子・槌田劭・山田國廣編著 『共感する環境学 地域の人びとに学ぶ』 ミネルヴァ書房 2000 (2,500円)

(概説)

主に、フィールドワーク、地域研究、現地調査にかかる本を上げる。時代はフィールドワークというか、社会科学系の学問においても、かなり実証的な地域や地に足のついた研究がでてきたが、これはやはり時代の要請といえると思う。また、ようやく以前から地道にその調査に取り組んできた人が学会の前面にでてきたともいえるし、これは自然科学からの応用という見方もあろう。なお、4‐7の著者は1955年生、4‐8の編者は1948年生で、やはり新しい感覚ともいえよう。

4‐9は、本格的な現地調査論で具体的な示唆に富む。また、4‐8、9に関連するが、特に第三世界に関する地域研究(Area Study)についても現在ブームの観があり、なおかつ「開発」学ともからむのだが、これら第三世界をあつかうのには、かなり周到な準備が必要だと思う。90年代に入って、地域研究のみならず、歴史、社会学やあらゆる学問分野にかかるシリーズものの研究書がいろいろ組まれており、なおかつ最新の研究の成果が織り込まれているが、ここではあえてふれないし、その場ではない。ただ、本当に「地域研究」や「開発」に取り組もうとすると、かなりローカルな問題を考えなければならないし、さらに言えば、その地域の言葉に対しても関心をもたないといけないであろう。

4‐10は、ある意味で民間での取り組み。実は最近、地理学や民俗学、考現学、(文化)人類学などの隣接科学が面白い。本当に「歩く」学問がポピュラーになってきたと思う。(注2)
(続き)

全く最近であるが、京都よりまた「歩く」学問の概説書がでた。4‐11は龍谷大学の先生方、4‐12は京都精華大学の先生方がまとめたもの。いずれも今までの学問の枠を越えたセッションをおこなっている。わかる人はわかると思うが、例えば中村氏、槌田氏、山田氏は、すでに30年以上現場を歩きつづけている大ベテラン。(実は、私は1990年度の大阪外大での鶴見良行氏と同じく『地球環境論』というリレー式な講義でお会いしている。まったくもって当時の神前、高山、津田、松野、深尾先生方の人脈と先見の明に深く感謝しております。)

この「歩く」学問は間違いなく、21世紀の学問の一つの方向性を示すものであろう。

民俗学および地理学の現地調査(フィールドワーク)に関するマニュアル類については、第3講の補論も参照のこと。(2005年6月26日)


D.‘開発’学入門

4‐13 アジア経済研究所・朽木昭文・野上裕生・山形辰史編 『テキストブック開発経済学』 有斐閣ブックス 1997 (2,300円)

4‐14 佐藤寛編 『援助研究入門 ― 援助現象への学際的アプローチ』 アジア経済研究所 アジアを見る眼 1996 (1,442円)

4‐15 坂元浩一 『国際協力マニュアル 発展途上国への実践的接近法』 勁草書房 1996 (2,500円)

4‐16 国際開発ジャーナル社編 『国際協力ガイド 2000/2001年版』 国際ジャーナル社 1999 (1,000円)

(概説)

近日の、開発や援助を巡る学会、民間、市井の動きは、非常に激しく、毎日のように、開発にかかる新刊書や情報が流れている。今回の「基礎理論編」ではあえて‘開発’学にかかる本は最小限とする。

4‐13は、開発経済学の入門テキストであり、比較的新しく90年代の日本人学者の最新成果を踏まえているため、次の段階へのステップへとなろう。(「今後の学習案内」や「用語解説」が充実。ただし、この時点では翻訳されていなかった『M・トダロの開発経済学(第6版)』国際協力出版会 1998(7,000円)があることには留意のこと。)

4‐14は、3‐13と同じくアジア経済研究所が中心となってまとめた「開発経済学」以外からの開発へのアプローチが述べられている。本講座も、特に開発経済学を扱ったものではないし、今後はこのような学際的なさまざまな分野の知恵を「開発」や「援助」に持ち込むことになるのであろう。必ず4‐13と併読してほしい。

4‐15は、経済屋としての視点が強いが、援助の実践の場で、どのような段取りが求められているかが垣間みられる。途上国の資料へのアクセス方法等、資料編が充実しており、一種のチェックリストして使える。

4‐16は、月刊の業界紙である『国際開発ジャーナル』が取りまとめた国際機関、政府系機関、民間、NGO、研究機関など日本の援助とその周辺のガイド。年度版であるため比較的情報が新しいこと、また現場の声が多く掲載されていることが業界に関心のある人の参考になるであろう。
(続き)

E.レファレンス

4‐17 編集協力 国際協力事業団 『国際協力用語集 【第2版】』 国際協力ジャーナル社 1998 (初版1987) (3,000円)

4‐18 海外経済協力基金開発援助研究会編 『経済協力用語辞典』 東洋経済新報社 1993 (2,400円)

4‐19 二宮書店編 『データブックオブザワールド 世界各国要覧 2000年版』 二宮書店 2000 (520円)

4‐20 帝国書院編 『綜合 地歴新地図 −世界・日本― 三訂版』 帝国書院 1997 (1,500円)

4‐21 M.L. (Mert) Yockstick “Concise Earth Book World Atlas” Graphic Learning International Publishing Corporation, Boulder, Colorado, USA. 1987

(概説)

編者にみられるように、4‐17は、主に技術協力、無償資金協力の窓口である国際協力事業団(JICA)、4‐18は有償資金協力(円借款)の窓口である国際開発銀行(JBIC;海外経済協力基金(OECF)は輸出入銀行と統合されてJBICとなった)が取りまとめている。トピックや記事の解説に濃淡があるため、可能であれば両方とも常備することが望ましい。

4‐19は、倹価であるがコンパクトに世界各国の統計資料が掲載されている。

4‐20は、高校向けの地図帳(アトラス)ではあるが、サテライトイメージや歴史的な地名が重ね書きしてあるので、現地の重層的かつ立体的な理解に非常に役に立つ。

4 - 21は、例外的に英語の本を取り上げるが、実際日本語で気のきいたアトラスは少ない。この本の特徴は、地上のでこぼこが立体的に書いてあること、地名が結構詳しいこと。以前、Timeの定期購読のおまけでもらったものだが、非常にコンパクトで重宝している。もし、機会があったら気の利いた英語のアトラスも探してほしい。(海外でも利用しようとするとき、カタカナの地名が書いてあるような日本製のアトラスはほとんど使い物にならない。現地調査に使える道具については、4‐9を熟読・参照のこと。)

これらのリファレンス類は、全般的かつ一般的なものなので、ぜひ手元においてほしい。(特に、4‐19や4‐20のような資料は最新版を手に入れること。)


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注1:柴田英知 「第ニ部 リファレンスワーク入門」『アラブ・イスラーム学習ガイド 資料検索の初歩』 シーシャの会 1991(電子ファイル版2000)にて、リファレンスワーク、ビブリオグラフィーという観点から、主に文系の書籍データへのアクセス方法について論じた。
http://homepage1.nifty.com/arukunakama/g004.htm

注2:柴田英知 「「世間師」、「裸足の研究者」そして「絶望」を超えて」『歩きながら考える(008、009)』 2000において、それぞれ宮本常一、鶴見良行、鎌田慧を取り上げて、市井における「歩く」学問を論じた。
http://homepage1.nifty.com/arukunakama/n0008.htm

宮本常一および民俗学の視点については、第3講の補論を参考のこと。
http://homepage1.nifty.com/arukunakama/r0032.htm

(この項 おわり)
上記の‘開発民俗学’への途 「第3講:現状分析の視座をどこにおくのか?(補論)」を以下に転載しておきます。ご参考まで。もとのアドレスはこちらです。 http://homepage1.nifty.com/arukunakama/r0032.htm
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2000年8月12日 (2005年7月3日補筆)


補論1:定性・定量のベンチマークの考え方(民俗学の視点)

本来ならば、日本の援助機関、国際機関やNGO等の基準なりガイドラインを比較検討して論ずるべきであろうが、あえて主観で上記の項目をあげた。特にUNDPのHDIなどについてもふれようと思ったが、逆にこのようなことは他の教科書をみれば、既に比較検討されていることであるし、逆にマニュアルやガイドラインを作ろうとすると何でもかんでも詰め込んでしまいチェックリストが膨大になるだけで、結局、何が本質なのか訳がわからなくなってしまうからである。

ここで逆に読者に検討をお願いしたいのは、日本の民俗学研究や農業地理学などのフィールド調査で培われた分析・分類や調査手法である。

3−1 上野和男・高桑守史・福田アジオ・宮田登編 『新版 民俗調査ハンドブック』 吉川弘文館 1987

3−2 大島暁雄・佐藤良博・松崎憲三・宮内正勝・宮田登編 『図説 民俗探訪事典』 山川出版社 1983

3−3 文化庁内民俗文化財研究会編著 『民俗文化財のてびき−調査・収集・保存・活用のために−』 第一法規出版 1979

上記2冊とも、日本の民俗学調査のハンドブックで両者とも図版や取り扱い範囲が広く、特に途上国でフィールドワークを行う際にも、非常に参考になるものである。3−1は、特に民俗調査の方法と質問表文例について、村落から親族、生産技術、衣食住など日本を対象にしているものの、全ての人間生活の側面を扱っており、その意味でも目のつけどころがわかる。3−2については、I.衣食住、II.ムラの仕組みと信仰、III.生業とくらしIV.民俗芸能と、地域の人間生活全てを図解しているところが非常に参考になる。上記2冊とも、ぜひ手元に置いておきたい。3−3は、文化庁が定めた民俗文化財にかかる分類や調査のガイドライン。上記2点があれば特に必要ないか。


3−4 市川健夫『フィールドワーク入門 地域調査のすすめ』 古今書院 1985

 地理学者による日本の地域調査の入門書。特に農業にかかる農作物を切り口にした農村調査、山村、漁村、観光地、工業地域、都市地域などの地域特性に沿った調査方法を列記している点が特筆にあたる。

3−5 坂本英夫 『農業経済地理』 古今書院 1990

 上記に引き続き地理学者による農業地理学の入門書。筆者がいうように「経済要因を抜きにした農業地理の研究の多くは常識以上に這い上がれなかった」ことより経済要因にも配慮した基本的な入門書。新しい課題だけでなく主要な学説を押さえているところがうれしい。また「終章 農業地理学の研究調査法」は次のステップへの参考となる。

3−6 宮本常一 『民具学の提唱』 未来社 1979

 民具から各地域ごとの生業の成り立ちへ想いをはせる。具体的なものから人と地域を考える宮本氏の手法を垣間みることができる。われわれ日本人の祖先が、いかに現地の現状にあわせて道具をきめ細かく発達させていったのか、民具により技術や文化の伝播をも知ることができる。
(続きです。)

補論2:宮本常一氏の父(宮本善十郎)の「世の中をみる十か条」

宮本常一氏の自伝的著作である『民俗学の旅』講談社学術文庫 1993より、彼の世の中をみる視点の原点となった父の教えを、上記の私の上げた項目との比較という意味で下記に引用させていただく。若干略させていただいたが、この部分に限らず、ぜひ全文を味読してほしい。




(1) 汽車に乗ったら窓から外をよく見よ、田や畑に何が植えられているか、育ちがよいかわるいか、村の家が大きいか小さいか、瓦屋根か草葺きか、そういうこともよく見ることだ。・・・

(2) 村でも町でも新しくたずねていったところはかならず高いところへ上ってみよ、そして方向を知り、目立つものを見よ。・・・

(3) 金があったら、その土地の名物や料理はたべておくのがよい。その土地の暮らしの高さがわかるものだ。

(4) 時間のゆとりがあったら、できるだけ歩いてみることだ。いろいろのことを教えられる。

(5) 金というものはもうけるのはそんなにむずかしくない。しかし使うのがむずかしい。それだけは忘れぬように。

(6) 私はおまえを思うように勉強させてやることができない。だからおまえには何も注文しない。・・・しかし身体は大切にせよ。・・・しかし三十すぎたら親のあることを思い出せ。

(7) ただし病気になったり、自分で解決のつかないようなことがあったら、郷里へ戻ってこい、親はいつでも待っている。

(8) これからさきは子が親に孝行する時代ではない。親が子に孝行する時代だ。そうしないと世の中はよくならぬ。

(9) 自分でよいと思ったことはやってみよ、それで失敗したからといって、親は責めはしない。

(10)人の見のこしたものを見るようにせよ。その中にいつも大事なものがあるはずだ。あせることはない。自分のえらんだ道をしっかり歩いていくことだ。」 (前掲書37〜38頁)

しかし実に簡潔にして要を得た教えだと思う。世の中をみる視座というものは、そんなに複雑に考える必要はない。本質とはきわめて簡単(Simple)に存在するものだということを感じさせられる。
東郷雄二『[新版]文科系必修研究生活術』 ちくま学芸文庫 2009年4月


ニューメディア時代の研究術といっても実は泥臭い地道な作業の積み重ねであるということを、この本をみて改めて思いました。

実は、以前、『開発民俗学への途(第1部)』の「第4講:開発学研究入門(基礎理論編)(道具箱=ブックガイドその1)2000年8月15日」の中で触れていた本ですが、自分も学会発表の準備をするのに久しぶりに読み返そうと思っていたら、たまたま新版が出ていたのを本屋で見かけて買いなおした次第。(実は、東京を引き上げたときにかなりの本を処分していたので、旧版が手元になかったので^^?)

以前にも触れましたが、とにかくインターネットやパソコン時代の研究の仕方というのは大きく変わったようでいて、やる作業自体は、それほど紙とペンの時代と変わっていないし、‘やり方’はこれらの本でわかるが、‘何を’研究するかは、当然のことながら、誰も教えてはくれない。

この東郷先生も京大学派の一員ですが、結局、梅棹忠夫の岩波新書の『知的生産の技術』とか川喜多二郎の「KJ法」(中公新書の『発想法』)の原始的な?やり方を大きく変えるものではない。

まあ、それだけ「知的生産の技術」というものがきわめてパーソナルな訓練のたまものというか習熟して身につけるという性質のものであるということなのでしょうね。

ともあれ、この新版では、2000年の初版から8年を経て改訂されてあるだけあって、パソコン(ソフト)やインターネットの使い方などが加筆されており、まあコンパクトでよくまとまった研究案内だと思います。文庫本として、持ち運びも簡単になったので、大学生やこれから(文系の)学問の研究を目指したい人はぜひ手にとってみられたらいかがでしょうか。

ではでは^^?
ちょっと古いというか、すでに20年前の文章ですが、大学4年生のときに資料検索ということについてまとめた文章がありますので、参考までに転載しておきます。まあ、パソコン以前のアナログな手法ですが、先の東郷先生のレヴュー(『[新版]文科系必修研究生活術』)で触れたように、本質的には、あまり変わっていないと思うからです。少しは、参考になる点があるかも?しれません。

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アラブ・イスラーム学習ガイド(資料検索の初歩) (©1991)
(イスラーム地理書・旅行記勉強会コミュに再掲分 2010年1月23日)
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=49912316&comment_count=17&comm_id=4600043


第二部  リファレンスワーク入門


1.はしがき

2.資料の検索と整理術

3.第三部に関する文献案内とその補足


1. はしがき

 よい仕事をしようとすれば、当然、よいツール(工具)が必要になる。これは自明のことである。しかし、他の人文社会科学分野にも言えることだと思うが、日本ではビブリオブラフィー(書誌学)に関心が払われてこなかった。確かに、自然科学分野とは違い、研究者個人の感覚(センス)がより重要視され資料を探すのもセンスのうちなどと言われるのは止むを得ないし、否定もしない。だが、である。この状況に甘んじている事自体に、日本旧来からの学問のあり方、秘伝伝授や徒弟制度の名残を見るのは考えすぎであろうか。

 ともあれ、このアラブ・イスラーム学に限って言っても、年々、国内外を問わずレベルが上がってきており、全体像はおろか、専門的な個々の問題にいたっては、初学者には全く理解できないという状況になってきている。ここで、必要になってくるのが、書誌であり、リファレンスワークである。

 このリファレンスという面から見ても、欧米と較べると雲泥の差がある。あえて書籍の検索だけに限っても、まず図書館員からしてレベルが違う。欧米ではしかるべき大学の付属図書館では、教授クラスの研究者が司書をやっているという。学部の教授が書籍の購入を申し込んでも、司書に拒否されることさえあるという。それも、もっとよい本があるという理由で!

 つまり、欧米に於いては、書誌学(ビブリオグラフィー)と言うものが確立しており、学界まであり、ビブリオグラファーの地位自体も大学教授同様、非常に高い。以上、ある日本人研究者である某教授の話の受け売りである。しかし、このような情報の蓄積に関することについては、ビジネスやその他の分野に於いても日欧の違いが、近年、よく指摘されている。

 日本の学生と欧米の学生の学問的レベルの差というものが、実はこのような所から始まっているのかもしれない。ともあれ日本の研究者はもっと、後進の育成に心を砕いてほしいと思う。これは、学生の人格の形成うんぬんという問題ではなく、もっとツール(工具)の整備をしてほしいということである。

 実は、日本でも財団法人東洋文庫附置ユネスコ東アジア文化センターに於いて、佐藤次高(東大文学部教授)氏らにより、『日本における中東・イスラーム関連研究文献目録』が、1992年3月刊行をめざして編纂されつつある。明治から昭和までの、本や紀要のほぼ全てが網羅され、非常に有用なものとなることは明らかなのだが、価格的にもかなり高くなるであろう。しかし問題は、何よりもまず、研究者以外の誰がこの情報を知り得るのであろうか!

 当目録では、第一に書誌の書誌となるように心掛けた。次には、ずばり、購入する際のことを考慮に入れた。つまり、本の大きさによって分類している。本の背を読むとは、昔から言われていることだが、その効用の一つとして本の大きさや体裁を知るということが、挙げられると思う。本を探す際には、著者名題名、出版社名、出版年次が、必要なことは言うまでもないが、実際に古本屋で探す際には、大きさそのものが物を言う。例えば、最初から新書本だとわかっていれば、その棚の中から探せばよいのである。図書館では、もっと効果的な探し方があるが、いずれにしても、著者名と書名が判らないことには始まらない。そして、書名だけでは内容がよく分からないことも多い。やはり、本は実際に、自分の手にとって見ることが必要であろう。

 また、これは、断りでもあるのだが、この目録は私自身の基準で選んでいると言うことである。一部の始めでも述べたが、私は、かなり広範囲にわたって書籍を収拾している。現在、地中海に興味を持っているので、西洋史やヨーロッパに関するものも多く含まれている。このことは、逆に言えば、この目録のユニークな点でもあろう。ところで「イスラーム・アラブ関連」という自体、非常に曖昧な概念である。イスラームという点から言えば、中世のスペイン(アンダルス)や、現代の東南アジアは入るのかとか、分類自体に困難をともなう。だから敢えて、分類は試みなかった。

 以下に、リファレンスワークに関する、若干の文献案内を付けた。その次に当目録のお薦め文献を挙げたいと思うが、完全に私の独断と偏見によって、穴的な本をピックアップしたいと思っている。以上、よろしくご了承ください。
 2. 資料の検索と整理術

 まず、目録を使う前提条件として、リファレンスワークに関する本を紹介したい。はっきり言って、ビブリオグラフィーも、リファレンスも半分ぐらいは純粋に技術的な問題とも言える。そう割り切った上で、基本的なノウハウを押さえておくことは決して無駄ではなく、むしろ必要不可欠とも言えよう。

 最初に全体的な入門書にふれる。?は、資料の整理のついての古典的文献。?は、リファレンスワークに関する最も手近で実践的なものと言えよう。本論に一番関係があり、必読。?は、言わずと知れた、情報処理技術の古典。?はそのものずばりの本である。

 ?加藤秀俊 『整理学』 中公新書 1963

 ?加藤秀俊 『取材学 探求の技法』 中公新書 1975

 ?梅棹忠夫 『知的生産の技術』 岩波新書 1969

 ?斉藤孝ほか 『文献を探すための本』 日本エディタースクール出版部 1989

 「論文の書き方」のたぐいの本にも、示唆が多い。いずれも、新書版や文庫版で数多く出回っているので、1、2冊は手元に置いておいてもよい。

 ○板坂 元 『考える技術、書く技術』 講談社現代新書 1973

 ○澤田昭夫 『論文の書き方』 講談社学術文庫 1977

 ○保坂弘司 『レポート・小論文・卒論の書き方』 講談社学術文庫 1978


 文章の書き方として、非常に実践的なのが、以下の本である。

 ○本多勝一 『日本語の作文技術』 朝日文庫 1987

  これは、現実的な文章論として、ひとつの傑作とも言えよう。

 リファレンスブックの検索には、以下の非常に便利な本がある。当然、他分野の本も含まれているので、実際に関係あるのはその一部となるが、思わぬ拾い物もある。

 ○出版年鑑編集部編 『辞典・事典総合目録 1991』 出版ニュース社 1991

 大規模な目録として、以下のようなものもあるが、いずれも大部で、無駄のほうが多いであろう。

 ○『日本件名図書目録 77/84』 21編30分冊 日外アソシエーツ

   そのうち、?地域・地名(外国)、?歴史関係、?ことば関係、?哲学・心理学・宗教 ?社会・労働、?民俗・風俗、など。

 ○『20世紀文献要覧大系』 日外アソシエーツ

   そのうち、?文化人類学研究文献要覧、?東洋史関係研究文献要覧、?西洋史関係研究

文献要覧、など。

 したがって、新刊については、新聞や雑誌の書評や、実際に新刊書店の店頭でこまめにチェックするのがベストであろう。過去の本については、当目録やその他の本の、参考文献のページを参考に自分にとって必要な本のリストを個人個人で作っていくほうが現実的である。

 雑誌記事については、以下のものが、挙げられる。

 ○国立国会図書館参考書誌部監修 『雑誌記事索引/人文・社会編』

                      日外アソシエーツ

 また、歴史分野に限って言えば、『史学雑誌』の巻末の目録が、単行本のみならず、雑誌論文も掲載している点で、貴重である。

 洋書の検索には、以下のものが、毎年発行されている。これは、国内の主要図書館に収められた洋書を、著者名順に並べたものである。したがって、著者名が分からなければ、使えない。

 ○『新収洋書総合目録』 国会図書館+日外アソシエーツ+紀伊國屋書店

 さて、リファレンスの実際として、まず多角的に対象を概観することが必要であろう。どこに、拾い物があるか分からないからである。そして、徐々に研究対象が絞れてきたら、著者名をチェックする。研究書は当然、研究者自身が書いていることが多いので、その研究者自身の研究動向を確認するのである。そして、単行本から、紀要などの研究論文へと読み進む。また洋書について言えば、その過程で、参考文献や注を参考にピックアップしていけばよい。

 研究分野によれば、穴場的な所もないとは言えないが、結構、誰かがやっていることのほうが多い。だから、自分の問題意識が出発点であることは、当然であるが、先達の業績は、極力目を通すようにしなければならないし、それが礼儀でもあろう。
さて、資料が集まってくると、その整理という問題が生じてくる。以下にポイントのみ列挙する。

    本の整理

?自分の蔵書については、関連分野の本は近くにまとめて置いておく。そして、一覧できるように、特定分野に限っての、蔵書リストを作製する。これは二度買いを防ぐためである。欲張って、全ての蔵書を書き込んでしまったら、まったく利用価値が無くなってしまうので注意されたい。以下の目録も、その手段によって作られた。

?書籍整理にカードを利用する場合、原則的に自分の持っていない本を中心にするべきである。以下に見本を掲げる。カードの大きさは、5*3インチカードが、手頃であろう。その大きさの図書整理カードも市販されている。

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

例)・  著者名     作製年月日 ・

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  ・  書名(論文名)       ・

  ・                ・*一番下の欄に注目してほしい。

  ・  (出典雑誌)        ・この処置により、図書館の本も、

  ・  出版社    (総ページ数)・自分のものとして、存分に使いこ

  ・  出版年(月日)  (定価) ・なすことが出来る。

  ・  (ISBN)        ・

  ・*図書館名 分類番号/蔵書番号 ・

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 図書の整理方法については、以下の本がある。

 ○日本図書館研究会編 『図書の目録と分類 改訂第11版』

                    日本図書館研究会 1989

    論文の整理

 実際に論文を集める場合、コピーをとるという形になるが、ここで気を付けたいのはその大きさである。その大きさとして、A4版の大きさでコピーを取ることを勧める。すなわち、本の見開き2ページを、A4版1枚にコピーするのである。その理由として、単行本では、A5版(教科書サイズ)、B6版が多く、紀要等、雑誌では、B5版かA5版が多いからである。つまり、どの大きさからでも、比較的スムーズに大きさを変える事が出来て、整理の段階ではA4版のままでも、ボックスファイルに入れる事ができ、2つ折にして製本すれば、A5版という手頃な大きさになるからである。

 論文のリストについては、著者名ごとに、ルーズリーフを作り、論文名、出典名、出版年次を控えるようにすれば、すぐに一覧できる。

 以上、簡単ではあるが、リファレンスに役立ちそうな文献等の、紹介をしてみた。是非、自分の技術として使いこなしてほしい。
3. 第三部に関する文献案内とその補足


 分類方法については、「1.はしがき」を参照していただきたい。

 目録類は、<その他>の中の、事典、目録という項目で一括した。これらの他に、あと若干の専門の目録があるので、以下に列挙する。


○アジア経済研究所編『中近東関係資料総合目録』 アジア経済研究所1965

○長場紘編『中東−北アフリカ関係雑誌記事索引』 アジア経済研究所1978

○菊地忠純『中世イスラム時代アラビア語文書資料研究資料目録(1)』アラブ語センター 1987

 ○アジア経済研究所編『アジア経済研究所所蔵アラビア語文献目録 1988、12月末現在』 アジア経済研究所 1989

○「東アラブにおける社会変容の諸側面」研究会編 『東アラブ近現代史研究』 アジア経済研究所 1989

 最も網羅的な目録は、国内の研究状況に関しては、「1.はしがき」ですでに触れた1992年に発行される予定の、『日本における中東・イスラーム関連研究文献目録』となる事は間違いない。ただ、1988年のいわゆる昭和年間までとなる予定である。この手のものとしては、すでに『日本におけるアラブ研究文献目録』があるが、配列が、発行年代順での著者名順となっており、実際には著者名が分からないと使えない。現在においては、『中東地域の生活用品と関係図書目録』は、NDCによって、『中近東文化センター蔵書目録No,3 1987和書』が、独自の分類によって配列されている点で、最も利用価値が高い。


 事典類として、以下のものも補っておく。


 ○前嶋信次他編『シルクロード事典』 芙蓉書房 1975

 ○伊東俊太郎他編著『現代イスラム小辞典』 エッソ石油広報部 1986

 ○片倉もとこ他編著『現代イスラム小辞典』 エッソ石油広報部 1987


 西洋史関係の文献案内、事典類も見逃せない。

 ○前沢信行他編『文献解説ヨーロッパの成立』 南窓社 1981

 ○西川正雄編『ドイツ史研究入門』 東京大学出版会 1984

 ○ホーデン,G/掘越孝一監訳『西洋騎士道事典』 原書房 1991
文献案内については、特に、講座イスラム4『イスラム・価値と象徴』の巻末の「文献案内」が、最も手頃でかつ網羅的であろう。なお、一部においても文献案内の充実しているものは特筆してあるので、そちらも参照されたい。

 外国語の辞書については、非売品であるが、大阪外国語大学生協刊の『辞書の紹介』が、もっともアップ・ツー・デイトである。同『新入生に薦めるこの十冊』も、レベルが高い。いずれも、大阪外大の大学院生、教員が分担して執筆しており、前者については、28種類もの世界の言語を掲載している。

 雑誌の特集については、別記してまとめ、さらに巻号も明記して、実際に図書館で調べれるようにした。なお、『包PAO』は、音楽雑誌である。

 情報誌は一例に過ぎない。別に、関連雑誌一覧を付けたので、そちらも参考にしてほしい。

 単行本で、特記したいものを列挙すると、イスラームの世界史における位置付けに関して飯塚浩二の一連の作品がおもしろい。なお、彼には平凡社から全集が出ている。歴史のおもしろさを語ったものとしては、前嶋『東西文化交流の諸相』がよいであろう。

 文庫本においては、前嶋『サラセン文化』と蒲生『イラン文化』が上げられる。いづれも絶版であるが、これほどコンパクトで内容の濃い本というもの珍しい。他文庫での、再刊を願ってやまない。川真田『アラビア物語』は、エジプトの「みどりの文庫」という絵本のシリーズを翻訳したもので、原典も比較的手に入りやすい。

 新書本で、題名が紛らわしい本の内容をいうと、小田『歴史の転換のなかで』は、パレスチナ問題を扱ったものである。また、原『集落への旅』は、地中海沿岸の集落の実地調査に基づくもので、北アフリカや、トルコ、イランの都市も取り上げられている。また、前嶋『アラビアの医術』、『アラビアンナイトの世界』、そして矢島『アラビア科学の話』は、いずれも、コンパクトにアラビア文化を扱っている点で貴重である。

 あと、近年、話題になっているイスラーム都市についての本を上げる。都市のハードそのものを扱ったものとして以下の本が上げられる。

 ○ハキーム,S/佐藤次高監訳『イスラーム都市−アラブのまちづくりの原理』 第三書館 1990

 ○陣内秀信『都市を読む イタリア』 法政大学出版局 1988

 ○岡野忠幸『シルクロード建築考』 東京美術選書 1983

イスラーム都市研究そのものの動向を探るものとして、羽田他『イスラム都市研究』を上げておく。

 以上、目録に載っていないものを、若干補う形で文献案内を付けた。一部とニ部で出てくる本を全て三部に掲載したわけではないので、それぞれ、お互いに相補うものとして、いわば、全体でひとつの文献案内となっていることをよろしくご了承されたい。本目録自体は、完全ではないが、有機的に利用することによって、かなりの量の資料にアクセスできると思う。
↑ちなみに上記のガイドは「歩く仲間HP」で2000年5月から公開しています。続きはこちらをどうぞ^^?

アラブ・イスラーム学習ガイド(資料検索の初歩) (©1991)

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ちょっと更新がとどこおっていますが、また時間をみてアップデートしていきたいです。

ではでは^^?

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