ミスチルの大昔の曲に「Hello,I love you」http://www.h2.dion.ne.jp/~jn1/MRC/indies/hello.htm という曲があります。歌詞を読んでも、「彼ら自身のリミットを越えられないという苦悩な声」を歌にした、という印象を受けました。そしてあれから何年経ったでしょう−歌手にとって、昔作った曲名に極めて似る「And I love you」という題名を付けるという事は、何か大きな意味合いが隠されている様に思います。
この「And I love you」という唄は、Mr.childrenにとって一つの大きな節目であり、彼ら自身を「原点」に戻すという意味にも繋がるかもしれない。「And」という言葉は、反復する感情移入を強調的に表現するだけでなく、“自身の中で変わり続ける「愛」ではあるが、それを同じ様に注ぐ”という原点からの再出発の気持ちがこもっているかも知れません。
過去の「Hello I love you」の苦悩的歌詞と比較しても、「飛べるよ」や「今なら歌える」などの自身に満ち溢れた歌詞が目に付きます。ここに彼らの「リミット」は感じられない。これは、同じ「love you」を題名に持つ歌として歌詞を比較すると驚くべき変化、成長です。こうやってミスチルは自らの成長を確かめるかの様に、素晴らしい唄々を作り上げるのです。そして「and.....」これからも。。。
今ならきっと照れないで
歌える 歌える 歌える
I love you
and I love you
and I love you
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この箇所が特に、胸を張って「I love you」って歌える喜びに溢れてる感じがする。
私には「and I love you」は「君が好き」の内容をなぞっているように思えるんですが、「君が好き」と「I love you」では多分言葉の重みが違うんですよね。
桜井さんはずっと「愛」をモチーフに色々な曲を作っているんですけど、木戸村咲さんの指摘通り、今まではどこかでテレとか意図的なズラしがあって、特にストレートに「I love you」って歌ったことが無い。
むしろ、それを言葉にしちゃうことをずっと避けてきた感じがする。多分、言葉に出すと(他のミュージシャンが臆面も無く歌ってみせるのと同じように)薄っぺらくなってしまうことを恐れて。
そこには「愛」という言葉に対する桜井さんの過剰な思いと、それと裏返しの不安が見てとれます。だから「愛」を歌いながらも、全体的にどこか屈折している。
特に「es 〜theme of es〜」に「愛とはつまり幻想なんだよと 言い切っちまった方が楽になれるかも」という言葉があります。愛が幻想に過ぎないことを自覚しながら、それでも「愛」を歌わずにはいられない桜井さんの矛盾した気持ちが端的に現れた曲だと思います。
ここでも「口先だけだとしても」という前提がやっぱりついていますが(笑)それでも、それが一つの真実なんだという確信が感じられます。
こういう捉え方ができるようになって初めて、桜井さんは心から「I love you(「『僕』は『君』を愛してる)」と照れずに歌えるようになったんじゃないでしょうか。
その意味で、他のミュージシャンが歌うよりも、遥かに意味は深いし、その「ようやく屈折を乗り越えて素直に歌える喜び」みたいなのがどこかで聞き手である私達にも伝わって、すごく感動するのでは無いかなぁと思います。
私もandっていう接続詞ってきになってました。
考えてみたんですが、普通andの後に来る語って、前の語とは違うものですよね。AとBみたいな。
それが、AとA、要は愛、愛。愛してるってことしかないってことだと思う。
and i love you and…のような、果てしなく続いてるってことなんじゃないかと思います。
そして長くなりましたが、And I love youのAnd。やっぱりそれは「それでも」、だとか「やっぱり」などのような、終わっても終わりきれないような・・・切ない、I love youに聞こえます。
2005年のI LOVE YOUド−ムツア−で、愛の始まりを唄ったHallelujahから引き続きand I love youを演奏することで、愛の終わりを唄っているのかな・・とも。
I love youのアルバム自体がいろいろな愛の形を唄った曲の集まり、のようなことを言っている記事を読んだことがあるので、ツア−の曲順も何かスト−リ−があるように思ってしまいます。