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自分が持っている歌詞中の世界コミュの第5話  HOME WORK

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2003年8月14日
朝一番で僕は部長のデスクに呼ばれた

「おはようございます」

「おはよう!! 
 三木君喜べ!!明日からの夏休み後は
 この東京営業部ではなく全国統括営業部に行きなさい!!」

「は?」

「認められたんだよ!!
ずっと東京営業部でトップを取ってきた
 お前が、全国統括営業部からお声が掛かったんだよ」

「本当ですか?ありがとうございます」

「これからの事はまた後ほど話すから」

「はい!!」

僕は突然の移動を命じられた!!
かなりの出世ということになるが、全国統括営業部は
名前の通り全国を駈けずり回るいわばうちの
会社の肝となる部署で
もちろん僕としては光栄な事なのだが、
今でもなかなか瑞樹と会えないのにこれから
もっともっと会えなくなってしまう事に
少しだけ胸が痛かった(涙)

その日の夜、瑞樹に電話で話そうとした。
しかし瑞樹は、明日やっと懐かしい僕の実家に帰る事が、
相当嬉しいらしく話すきっかけがつかめなかった

「それじゃーまた明日ね」

「うん、それじゃー」

カチャン・・・・・・
切った電話を見つめる僕は
別に悪いことをしているわけではないのだが、
『僕のせいでもっと会えなくなる』
という事実が罪悪感を持たせた。

「は〜」

ため息をついた僕が電話の前から離れようとした瞬間

プルルルループルルルルルー
電話が鳴った・・・・・・
誰だろうと思いながら電話に出てみると

「もしもし悠ちゃん?
 忘れていた、ごめんね〜 大好き!!」

「ハハハーわかっているよ!!
 でもありがとう☆
 明日は早いからもう寝てね」

「うん、おやすみ」


(悠介の日記)
2003年8月14日
今日移動の事を瑞樹に話そうと思ったが、なかなか話せなかった
明日こそは話さないといけないとだろう。
少し気が重い・・・・
仕事と恋をどちらかを選ぶ人もいるけれど
俺らしくしたとしたら、どちらも大切だ。
きっと瑞樹もわかってくれるだろう。
明日はやっと会えることだし、たまには甘えてみようかな?
瑞樹からKissがしやすいように
瑞樹と会ったら背中をかがめてみよう
してくれるかな?


2003年8月15日
ピッピーーーー
瑞樹の家の前でバイクのクラクションを2回鳴らす
それが僕らの合図だ
ベランダから顔を出し僕を確認して手を振ってくれる。
こんな事をするのも何回目だろうと思いながら
瑞樹のヘルメットを用意しながら降りてくるのを待っていた。
きっとこのときの僕はまるで夏休みの宿題を終えたあの頃のように
笑顔で待っていただろう。

「おまたせ〜」

瑞樹もいつもの大人っぽさから少女のような笑顔で
僕の元へ駆け寄ってきた。
そして僕は背中をかがめて瑞樹の唇の前に
頬っぺたを寄せると周りを見渡し、誰もいない事を確認して
Kissをしてくれた


バイクで約1時間掛けて僕の実家に着いた。

「ただいまー」

バタバタバターーーーーーーーー
ものすごい勢いで親父が走ってきた

「みーちゃん!!いらっしゃい〜」

「善さん、ご無沙汰しています」

「さっ!!入って入って」

「おい!!親父、俺はシカト?」

「お前はこの間あったばかりだろうが」

まったくとため息をついて家の中に入っていった。

「すいませーん」

「あ、いらっしゃいませ〜
 おい、悠介!!みーちゃんにお茶でも出して!!
 俺はお客さんきたから店戻るから」

「は?お茶葉の場所なんて知らねーよ」

といった僕の肩にそっと手を置いて

「私がやるよ」

と言って瑞樹は台所のほうに向かった。
さすがに4年間家でアルバイトをしていただけあって
僕よりも家に詳しいのではないかと思うくらい
自然な行動だった。

お茶を運んできてくれた瑞樹を見てきっと結婚したら
こんな感じなのかなと思いながら新婚生活を
想像してしまった。
そして背筋を伸ばしてお茶を飲んでいる
瑞樹を後ろから見ながら
どうすればもっと好かれるかも考えていた。

「ねー悠ちゃん、アルバムとかってないの?」

「あー俺の部屋に行けばあるよ、行く?」

「うん」

僕の部屋に行って二人でアルバムを見ることにした。

「ハハハー悠ちゃんかわいいー
 でも、何で悠ちゃんあんまり笑っている写真がないの?」

「え?ああ、俺が写真に写っているってことは
カメラマンは親父でしょ?俺は親父と一緒に
写りたいのに、親父は撮り続けたからブスくれていたんだ」

「へーそうなんだ、あ、
善さんも写っている写真もあるよ!!」

「海が、バックのやつでしょ?そのときはさ俺があんまり
 駄々をこねるもんだから人に撮ってもらったんだ」

「でも、善さん顔が引きつっている」

「そう、親父があんまり写真に写らないのは写真撮ると
 緊張して顔が引きつってしまうんだって!!」

「ハハハー善さんかわいい」

ページをめくっていく瑞樹はこんな質問もした

「私はさ、高校生の悠ちゃんからしか知らないじゃない?
 でも、善さんが本気で怒ったところってあんまり、
 見たことないよね?
 悠ちゃんがタバコで停学になったときだって
 学校ではものすごく怒って私と担任の先生が
 とめに入らないと
 どうなるかと思うくらい怒っていたけど、
 実際家に帰ると二人ともケロっとしていて
 タバコぐらい吸うよなーなんて言っていたじゃない?
 あれはどういうことだったの?」

「あー、あれはさ殴る前に親父が俺の胸ぐらつかんでボソっと
 <ごめん、我慢してな>って言って殴ったから
 俺も悪い事したと思っていたし、
 親父の優しさわかっていたから」

「そうだったんだー」

「でも今迄で、2回ばかりしこたま怒られた事があったなー」

「なにしたの?」

ニヤニヤしている瑞樹

「1度目は保育園の頃俺の好きだった女の子のが、
 うちの店の近くで近所の悪がきに
 いじめられていたんだよね。
 それを助けるのがかっこ悪く思った俺は
 そのまま帰ってきちゃったんだよ、それを親父に話したら」

「バカヤロー、いいか悠介、男の一番大切な仕事は、
 プロ野球選手もスーツを着て働いている
 男の人も大切な人を守ることなんだ!!お前だって男だろ?
 だったら好きな女を全力で守れ!!」

「保育園生に言う言葉じゃないだろ?」

「ハハハー、善さんらしいね。で、二回目は?」

「うん、2回目はさ、
 中学の頃俺がキャプテンをやっていた野球部の試合でさ
 最後の夏の大会、都大会の決勝まで言ったんだ。
 普段は忙しくて見に来られないくせに
 そのときは店を休んで見に来てくれたんだ。
 俺がピッチャーで9回ツーアウト、
 1点差で勝っていてランナー2,3塁の場面で
 相手はライトフライを打ち上げたんだ。
 完全なイージーフライで、
 俺は全国大会はもらったって心の中で思ったんだ
 そうしたら緊張していたんだろうな、
 ポロってエラーしちゃってセカンドランナーも
 ツーアウトだからスタートしていてさよなら負け。
 試合が終わって俺ボロボロ
 泣いちゃっていたら、親父がすごい形相で立っていたんだよ
 それでさ、俺をみんなから離れた場所まで
 連れて行ったんだよね、
 俺もわけがわからなかったんだけどさ」

「いいか、悠介、お前が悔しい気持ちも良くわかる
 3年間がんばったもんな
 でもな、ライトの彼のことを考えろ!!
 お前よりつらいのは彼なんだぞ!!お前はそんな男か?
 人の気持ちもわからない男か?
 こんな時こそみんなを慰める
 強い男になれ!!辛いときこそ笑顔でいろ。できるな?」

「そういわれた俺はキャプテン失格だ!!って思って、
 みんなに声をかけることができた。
 親父を尊敬し始めたのはそのときからかな?」

「善さんあっての悠介なんだね」

と一言つぶやいて瑞樹は僕の昔の写真をゆっくりと見ていた。
何時間そんなことをしていただろうか?
日も暮れ始めたころ

「食事の用意をしてくる」
そう言って僕の部屋から台所へ向かった。

瑞樹が食事の用意をしている間に店に出ている親父のところ
に行ってしばらくは忙しくて帰れないことを伝えに行った。

「親父!!実は昨日、会社で営業部から全国統括に
 行けって言われたんだ。
 だからしばらくは忙しくて帰ってこられないと思うんだ」

「そうか・・・・・・
 良かったな!!でもこれから忙しくなるってことは
 みーちゃんともなかなか会えなくなるのか?」

「うん」

「悠介!!これだけは言っておくが、仕事の忙しさを
 言い訳にみーちゃんを不安にさせたり悲しませる
 事はするなよ」

そう少し寂しそうにする親父の後姿を見ながら
「わかった!!ごめんな親父」
と心の中でつぶやいた。

しばらくすると

「ご飯できたよー」

と僕らを呼ぶ瑞樹の声が聞こえ
店を閉め始めた親父を僕も手伝った。

夕食はとても楽しいものになった。
さっきまで少し寂しそうにしていた親父も
瑞樹の前では明るく何事もなく時間が過ぎていった。

夕食を食べ終えた僕は瑞樹にさっき親父に話した言葉を
そのまま伝えた。

「そうか、統括に行くんだ!!
 でも良かったじゃない!!光栄な事よ〜
 応援するよ!!」

なんだか、罪悪感を持っていた僕がバカに思えるくらい
あっさりと言われ少し拍子抜けしていたら
突然親父が、

「じゃーUNOやろーぜ!!」

とUNOを持ってきた。
親父はいくつだよ!!と思ったが、いつでも一人の
親父だし、きっと微妙になってしまったこの空気を
変えようとしてくれたのだと思い苦笑いをしてUNOを始めた。

「もうそろそろ寝るか」

親父の一声で僕と瑞樹は僕の部屋に戻り布団に入った。
なかなか寝付けない僕は一つの賭けを瑞樹に提案した

「みーずーき、明日はどっちが先に起きるか昼飯かけようか?」

「う〜〜〜ん」

眠そうな返事がだんだん聞こえなくなってきた。
結果はきっとわかっている!!
瑞樹の寝顔を見ている僕がきっと負ける。


2003年8月15日
(悠介の日記)
今日は瑞樹と実家に帰ってきた
この先忙しくなる事も伝えた。
二人とも応援してくれた。
親父にも言われたけど、仕事を言い訳に
瑞樹を悲しませないそういう俺でいたい。
今はあの告白しそこなった夏の日、
ホタルを見ていたように、捕まえたりしないでも
瑞樹に好きだと伝えられる!!
きっとこれからはあえない日々が、大切になるから
どんなに小さなことでも伝えたい!!
そう思ったら素直になろうと心に決めた

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