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イングリッド・ベタンクールコミュのコロンビアを知る2G:暴力の50年 PART.7

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PART.7:米国と麻薬戦争

FARCが軍事力を過去10年間に増強したのに対し、準軍組織の活動も活発となった。1985年にFARCはコロンビアの1071の地方自治体のうち173を支配していただけだったが、1998年までには622の地方自治体をコントロールするようになっていた [39]。FARCの進撃と戦うために、フィデル・カスタニョが1994年に失踪して以来ACCUを率いていたカルロス・カスタニョは、1997年4月に準軍組織の活動を地方レベルから全国レベルに拡大した。ついで彼は、コルドバとウラバの農民自衛団(ACCU)という名称を、コロンビア自警団連合(AUC)と変更し、伝統的にゲリラの基盤であったコロンビア南部での攻撃を開始した。

1998年11月、アンドレス・パストラナ大統領は、FARCとの間の和平会談の準備として、コロンビア南部の16200平方マイルの地帯から、2000名の兵士と警官を撤退させた。和平会談と同時に行われた準軍組織の攻撃は、4日で、136名の市民の死者を生んだ。これに対して、FARCは、準軍組織が和平プロセスを妨害しているとし、政府が右翼死の部隊を解散する真面目な努力をするまで会談を続けることはできないと述べた。パストラナ政府は何名かの前任者と同様、平和の働きかけが寡頭支配層、軍、準軍組織により妨害されるという問題に直面した。というのも、こうしたものたちは、ゲリラが要求していることの中に正当なものがあることを認めたがらなかったからである。

さらに、米国政府は「麻薬に対する戦争」を軍事力で解決しようとし続けた。米国にとって、麻薬に対する戦争がゲリラに対する戦争とほとんど同義語であった。クリントン政権は、繰り返しゲリラを麻薬取引と結びつけ、「麻薬ゲリラ」と呼んだ。その結果、米国政府は、「50年にわたり、コロンビア社会に大きく広まっていた対立が、政治的・社会的・経済的不平等に根をもつ」という点をひどく曲解して伝えたのである。米国麻薬局すら、次のように述べている。「FARCは国際的な麻薬商売には関与していない。そうではなく、麻薬取引に関与する多くの関係者の一つなのであり、関係者の中にはコロンビア軍と準軍組織も含まれる」[40]。

1998年、米国議会は、向こう3年間の予算として、コロンビア向けに対麻薬予算2億9000万ドルを割り当てた。この予算の大部分は、コカを根絶させるために使うヘリコプターや武器をコロンビア軍と警察が購入するためにあてられた。代替作物プログラムに割り当てられたのは、4500万ドルに過ぎない。また、1998年、米国政府はコロンビア政府に対して、Tebuthiuronという薬剤を使うよう圧力をかけた。これは、触れたものほとんどすべてを殺害する非常に強力な化学物質である。

製造者のダウ・アグロ科学すら、広範囲のコカ根絶にこの薬剤を使うべきではないと述べている。「Tebuthiuronは、コロンビアの作物にはいずれも使うに不向きであり、我々は、これが不法作物根絶に使われないことを希望する。これは、傾斜地で、降雨量が多く、残しておきたい植物や木が近くにあり、なおかつ理想的とは言い難い状況で使われる場合は、非常に危険である」[41]。この状況は、まさに、多くのコカが栽培されているコロンビア山岳地の雨林地帯にそのまま当てはまる。そして、米国が望むような空中散布は、「理想的とは言い難い」状況での利用である。コロンビア政府は、環境に対する憂慮を理由に、米国によるTebuthiuron利用の圧力に屈しなかった。

現在の、ゲリラとコカ栽培者に対する戦争を行うために米国が西半球で最も激しい弾圧を行なっている軍に援助を与えるという戦略は、貧しい農民たちがコカの生産を行わざるを得ないという経済的現実を無視するものである。1999年のインタビューで、FARCの最高司令官マヌエル「必殺」マルランダは、FARCはコカを3から5年で根絶できると述べている。

マルランダは、それを証明するために、もし政府あるいは国際組織が経済援助を与えてくれるなら、FARC支配下の一地方自治体で代替作物に切り替えコカ栽培を根絶することを実際に示すこともできると述べた [42]。マルランダの主張が実現可能かどうかは別として、米国の、農民に代替作物計画を全く提供せずに、ただコカを根絶しようとする戦略は、失敗してきた。

注・参考文献
39. Mark Chernick, "The Paramilitarization of the War in Colombia," NACLA-Report on the Americas, Mar./Apr. 1998, 32.
40. Coletta Youngers, "U.S. Entanglements in Colombia Continue," NACLA-Report on the Americas, Mar./Apr. 1998, 35.
41. Tod Robberson, "Drug War Herbicide May Harm Environment," Dallas Morning News, May 2, 1998, Heraldlink, Online.
42. "Colombian Rebels Offer to Wipe Out Drug Crops," Reuters, January 17, 1999, CNN Interactive, Online.

続く→
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