808 Big Kahunaコミュのシナ母の作文。

お父さんの警察の会報誌みたいなのの企画でお母さんがハワイ旅行（私がいたとき家族で来たの）の様子を作文に書いたので載せるね。
紙面の都合上名前とか色々削ったけど、まちょっと読んでみて！




『夢のようなハワイ旅行』
親川敬子
私の家族は５人家族。でも当時、家には妻の私と次女（那覇高校二年生）の二人だけであった。主人は一年前より宮古署へ単身赴任しており、長男は山梨県の都留文科大学二年生、長女（琉球大学四年生）に至っては一年間のハワイ大学留学中であった。つまり、那覇・宮古・山梨・ハワイと四重生活をしていたのだ。
長女が渡米し、しばらくして「世界のうちなーんちゅ会議」が彼女いるハワイで開催され、連日その様子がテレビで放映されていた。「もしかしたら娘が映っているかも」と番組に釘付けになっていた時、ばらばらになった家族を集合させる素敵な方法を思いついた。それは、一度は是非行ってみたいと思っていたハワイ旅行である。次女と長男に合わせて三月の春休みを利用しよう。問題は主人である。何度も電話で声をかけ、誘って、しぶしぶ休みを取って貰い、参加する運びとなった。これも理解ある上司のおかげである。感謝、感謝。
さっそく旅行社へ一番安い台湾経由のチケット申し込んだ。二週間ほど経って「全員分のチケットが取れない」と言ってきた。帰りの飛行機が満席でキャンセル待ちだという。それなら、と次は大阪経由のチケットを申し込んだ。二人分しか取れない。残り二人は名古屋からとなった。大阪と名古屋の二組に分かれて飛行機に乗るのは不安ではあったが、どうしても行きたいと思った。結局、主人と長男の男組みは大阪から、私と次女の女組みは名古屋からそれぞれハワイへと向かった。安いチケットを手配したはずが旅行社のおかげで予算オーバーしての出発となった。
ハワイへは私たち女組みが先に着いた。常夏の生ぬるい風が私たちを迎えてくれた。でも、いくら探しても出迎えてくれるはずの長女が見当たらない。長女に電話をかけようと公衆電話を見つけたものの小銭がない。しかも両替場所がどこにもない。歩き回っていると、今乗ってきた飛行機のスチュワーデスさんが数人立っていたので思い切って両替をお願いしたら、快く自分の小銭入れを取り出し両替をしてくれた。おかげで長女と連絡がついた。道が混んでいてバスの到着が遅れているらしい。ほっとしてしばらく待っていると娘が駆けてきた。手にはレイ。ハワイではお決まりの歓迎のしるしで私たちを迎えてくれた。久しぶりに見るわが子はすっかり日焼けしてハワイアンになっていた。見知らぬ土地でわが子だけが頼りだが、それに十分答えられるほど成長して見えて、頼もしく嬉しい限りである。
早速長女の知り合いが用意してくれた部屋へ向かった。そこは３６階建ての高級マンションで、３３階にあるその部屋からはワイキキの海はもちろん、ダイヤモンドヘッドが目の前に広がる「眺め最高」の場所であった。荷物を置いて一休みして主人と長男の到着を待っていると、なんと二人は白のリムジンに乗ってやって来た。ハワイでは気軽にタクシーとしてリムジンに乗ることが出来るようで空港のタクシー乗り場で係員にタクシー一台をお願いしたらリムジンが来たらしい。こうしてなんともゴージャスな主人と長男の登場によって私たち家族は夢のような再会を果たしたのである。
それから私たちはハワイ観光をして、ショッピングを楽しんで、ワイキキビーチで泳ぎ、ダイヤモンドヘッドへも登った。長女の通うハワイ大学のキャンパスも見学して、彼女の友人にも会うことが出来た。友人たちは私たち家族をうちなー居酒屋で歓迎してくれて、バーベキューで送別会をしてくれた。友人の中には三線を弾きうちなーぐちで民謡を歌う変なアメリカンや、卒業後プロのアメリカンフットボールの選手になる者もいた。にぎやかで楽しい仲間に囲まれて長女は幸せな生活を送っているのだなと感じた。
長男と次女にとっては始めての海外旅行、少しばかりの英語が通じて満足しているよう。主人にとっては大学時代に来て以来、二度目のハワイで懐かしく楽しそうであった。私の思いつきで実現したハワイ旅行は大成功となった。
時間はあっという間に過ぎ、それぞれはハワイを満喫した楽しい思い出を胸いっぱいに詰めて、もちろん飛行機は大阪と名古屋の二手に別れ、山梨・宮古・那覇へと帰っていった。
あれから一年半が過ぎ、二人暮らしだった我が家に、現在は警察本部への移動となった主人と、留学を終えた長女が帰ってきた。来年は長男も大学を卒業する予定なので、五人がまた一緒に暮らせる日がもうすぐやってくる。おしゃべり好きな親川家が揃うと、それぞれの場で体験した話で盛り上がり、きっとあの夢のようなハワイ旅行の話題も出て、楽しい笑い声が響くのだろうと今からほくそ笑む私である。