ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

バトル仮面舞踏会コミュの『カップ酒と老闘士』立川優尋

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
 一

「ほんまに、やるんか……?」
 古びた喫茶店の薄暗い照明の下で、誰に問いかけるともなく、確認した。
 汚れきった空気に重ねるように吐き出したセブンスターのけだるい煙を断ち切るように、吉野が言った。
「何この期に及んで迷うとるんや。もう行く道、来とるんやで。腹、くくらんかい」
 そうだ。もう、引き返しの出来ないところまできているのだ。
 
 吉野が大阪市街地図に赤マジックで点と線を書き込みながら、作戦計画を説明する。
 テーブルの上はこぼれたコーヒーと染みだらけの紙ナプキン、山盛りの吸殻を乗せた灰皿。雑然とした中に描かれる作戦計画。まさに俺たちにふさわしい戦争前夜の様相を演出してくれていた。

 最後の西成暴動から16年。
 俺は暴動の匂いをかぎつけて神戸から駆けつけた。最高指揮官の吉野が描く作戦計画に、乗ることを即答で了解してしまった。

「あとの一般兵士は日本橋に集結してから電気屋のトラックの荷台に載って合流。市更相前で一斉に飛び降りる」
 俺は、神戸からの部隊一つをを率いる指揮官の地位を吉野から与えられている。
「一般兵士より先にやらせてくれるんやろ? 火炎瓶も――」
「せや。神戸、和歌山、横浜、仙台、名古屋が突入や」
 俺は和歌山も横浜も、どこも指揮官の名を知らない。連絡先も知らない。誰が見方のかすら、その場に行かないと判らない。すべては吉野に預けるしかない。それが、吉野が言うには、身を守るため、なのだそうだ。
「ええか、今回の戦争は長期戦や。部隊がパクられたり負傷して撤収しても、その晩には残存部隊から戦闘部隊を再編成して翌日に備える。そのために、芋づる式にパクられるワケにはいかない。それで、翌日、翌々日、と歴史を塗り替えるんや!」
 俺の言葉をさえぎるように吉野が言った言葉。
「神戸には中核部隊を担ってもらう。間違いないように頼むで」
 俺は吉野が発する言葉の炸薬に、酔いしれた。

 大阪市西成区の生活保護受給で、特定の宗教団体との間に不正があったこと。それに抗議した釜ヶ崎の住人が西成警察に実力で排除され、軽く乱闘となったこと。
 前哨戦は既におきていた。西成の、通称「釜ヶ崎」にはさまざまな意図を持った団体が跋扈している。純粋に炊き出しや医療支援をする団体。キリスト教団体。その他宗教団体。新左翼。同和団体。新右翼。
 俺には、詳しいことは判らないし、判ろうとも思わない。

 ただ、平成二十年の日本に、戦場が出現したことに、はせ参じただけの自称兵士だ。
 戦闘服を身にまとい、電動エアガンを持って自衛隊さながらの戦闘を野山で繰り広げてきた、サバイバルゲーマーに過ぎない。俺にとっては、本物の戦場が存在すること、それだけが意味だ。
 俺は、神戸でサバゲーチームを組織していたので、いっしょに参加した何人かと、他に同じく神戸からきたゲーマーを指揮する「神戸第2部隊」指揮官を任じられている。
 他に、リアルでの格闘をやりたい格闘家、爆発物マニアなんかが部隊を構成しているらしい。
「免許や保険証はもちろん、身元につながるものは一切もっていくな。貰った場所が特定されるポケットティッシュもや」
 ただ、俺たちは電動エアガンの使用を禁じられたのが、不満だった。



   二

 雑多なだけの街路風景しかない。
 小便くさい自動販売機。ダンボールの中でカップ酒をあおるオッサン。金髪の中学生。走り抜けるねずみ。放し飼いの犬。路上で煮炊きする人。露店。ブルーシート。
 その「釜ヶ崎」の一角に通称「市更相」こと大阪市立更正相談所がある。
「予算が足らんいうて福祉よう受けられんのになんで奴らにはナンボでも出すんや」
「申し入れの回答、せんかい!」
「業務の妨害をしないでください」「当所に質問されても答えかねますッ」と大声を張り上げる職員。
「更正の相談するところやろッ! 福祉が使われへんのも問題ちゃうんか」と突っ込むオッサンの群れ。「ええかげんなことぬかすなッ! 大阪市には違わんやろッ」職員につかみかかり、警官に引きずり倒される汚れた作業服。
 おそらくどこかの現場で支給されたものであろう、土建業者のネーム入りのジャンパーに制服警官の安全靴がのめりこむ「午前10時8分、公務執行妨害で検挙!」
「こら、ボケ! 口は出しても手ぇ出すなゆうたやないか! ドアホ! ポリコの思うつぼやで!」指揮者が叫ぶ。興奮した群衆の中から、モノが飛ぶ。酒瓶の割れる音。群衆の中には吉野が指示したレポ(偵察)が混ざっている。携帯で逐一、状況が伝えられているのだろう。

 ジーパンの尻のポケットに入れておいた携帯がブルブルと震える。指揮官以外、携帯は持っていない。そして、その携帯も、吉野から渡されたトバシ携帯だ。
"Undisclosed-Recipient"
「広島第1、神戸第2、横浜第1、京都第4、名古屋第3、兵士第1班〜第5班とともに 市更相に突入」

 戦闘の幕は、酒瓶の割れる音と、トバシ携帯のバイブによって切っておろされた。



  三
 
 あるものはカジュアルで、あるものは労務者風に。
 統一感のないわが軍が、いっせいに住所不定の労務者の群れに合流した。
 先陣を切ったのは、名古屋の部隊の指揮官だった。
「名古屋第三、突撃!」
 石が、空き瓶が、爆竹がどっと舞った。 
 神戸第2も負けじとさまざまなモノをなげる。格闘家部隊もいるのだろう。市職員や警官が投げ飛ばされ、正拳突きに倒れる。
 市職員と警官の列が乱れる。逃げ出す市職員。
 大きなカゴを積んだ原付バイク。どうせ盗難車なのだろう。カゴの中には空き瓶や砕いたコンクリート。積荷を降ろしたらその場に放棄されるバイク。石が命中し、額から血を流す市職員。
 労務者と「わが軍」のけが人を助けるものはいない。警官・市職員のけが人は手際よく保護される。そのことにヒートアップする労務者。
 すぐに西成署から応援が来る。
 いったん退却し、各所に隠しておいた投擲物を用意する。
 西成警察署に向かう路地には既に警察官の群れと、労務者と「わが軍」の群れが白兵戦を演じている。ひっくり返されるリヤカー。投げ捨てられたバイクから流れ出したガソリンに火がつけられ、炎上する。
 
 面白いもので、いかにもマッチョな男が臆し、ヒョロヒョロの、しかし怒りに打ち震えた高齢の労務者が炎の中に突進する。
 路上に放置されている廃車の中に隠してあったビールケースが出される。中には、ビール瓶で作った火炎瓶。
 早速、投げつける。モノをなげるのはサバイバルゲームで培った「ハンドグレネード」で慣れているはず。
 飛んだ。
 放物線を描き、警官の群れの中に飛び込んむ火炎瓶。

 放水と消火器と火炎瓶。投石。空き瓶。何故か、機械部品も飛ぶ。
 路上に積んであった袋詰めのアルミ缶が破れ、空き缶だらけになる。
 足元には、消火剤と水と流れたガソリン。ガラス片。

 もう一本、投げる。今度は情けなく、全然飛ばないで、手前のほうに炎の壁を作る。
 なぜだ? あわてて毛一本投げる。いつの間にか、軍手をなくし、右手が素手になっていたことに気づく。手が熱さと油で浮ついてうまく瓶がもてない。地面に落としてしまう。幸い、割れていない。

「こうやるんや!」
 薄汚れたジャンパーに、作業服の老人が投げた。
 綺麗な放物線を描いて、警官のど真ん中に黒煙を上げた。



  四

「ネットで『戦友』募集? ネット世代のバーチャル戦士」
「ワシらの怒りを遊びにするな! 怒りのあいりん地区」
 新聞、雑誌には「わが軍」を非難する記事が踊り、ニュース番組ではしたり顔のコメンテーターが判ったような判らないような「分析」を述べた。
「吉野」こと長谷川は検挙され、「指揮官」たちも次々と検挙された。
 俺は公務執行妨害、器物損壊、傷害で起訴され、懲役1年、執行猶予3年の判決を受けた。
 勤めていた運送会社を解雇され、親からは勘当され、ネカフェ難民として神戸・大阪を渡り歩いた末、俺は大阪市西成区萩之茶屋の簡易宿泊所、つまり釜ヶ崎のドヤに暮らすようになった。
 午前4時。既におきてその日の仕事を手配されに「労働センター」行く。日雇い人夫が一人。
 
 仕事にありつけず、とりあえず「アブレ」こと日雇労働者失業保険を受給して三角公園(萩之茶屋南公園)に立ち寄った。「アブレ」は、日雇いの仕事にありつけなかったときに得られる給付金。日雇いの仕事をすると、一日一枚の印紙を貼ってもらえる。2ヶ月で28枚の印紙を貼ると、3ヶ月目から「アブレ」がもらえる。1日分が6,200円。最高で13日分までしか得られないが、貴重な収入源のひとつだ。

 紙パックの合成酒を飲みながら、ぼんやりとしていると、隣に薄汚れた年老いた男が座った。
「兄ちゃん、ちょっと前から見かけるけど、だいぶ日雇い人夫らしゅうなってきたなぁ」
 余計なお世話だ。
「はぁ……そうでッか……」
「この暮らしもなぁ、慣れるとええもんやで」
 慣れたくないけど、慣れなしゃーないからそうしとるだけだ。
「はぁ……そうでッか……」
「ワシもな、若い頃は……今でゆうなんや、過激派で派手にやっとったで。関西ブントでな、東京も応援にいったんや。安田講堂も三里塚もやったで。それで就職も決まらんさかいに、ここに来たんや。兄ちゃんもいっしょやな」
 何を言ってるんだ、このジジイ。
「はぁ? 何ゆうとんねん、おっちゃん」
「とぼけてもあかん。あんとき、なれない手つきで投げとったろ。火炎瓶。あれな、コツがあんねんで。遠心力や。瓶の口のほうをこう持ってな、遠心力で全身で投げるんや」
 ジジイは薄汚れた眼鏡をずり上げながら、興奮気味に酒瓶を振り回しだした。
「ワシはなんでもええんや。あの時代はあれが祭りやったんやな。兄ちゃんといっしょや。ウヒャヒャ」


 俺の、40年後が、見えた。




【感想はこちらにコメントする形でお願いします】

コメント(24)

ネタは良いし、人物像(特に主人公)もしっかりしてるし、地に足のついた感じの書きぶりでよいです。
ラストの一文は、肯定したいのか否定したいのか、それとも自分のことなのに他人事みたいな主人公の感想なのかはっきりしないのですが、作者としてはそれは読み手に委ねてはっきりさせたいわけではなかったのかもしれないという気もします。

誤字脱字があるのがちょっと惜しいですね。
投稿者:ちまみぃ - 05/20 17:03

老人が達人にあたるのかな。ちょっと僕のような空っぽ頭ではついていけない。

世界設定、独特な書き口に魅力大
投稿者: ゆきのしん - 05/21 15:20

安保闘争に捧げるオマージュ、三分の一を読んだあたりで思いました。今風の書き味なのにセピア色のフィルターをかけて撮った映画のようなイメージがあり、文章がしっかりしていて読みごたえがありました。かつて通過していった時代をここにもう一度蘇らせる、そういう意図があると思われます。三田誠広、あるいは村上春樹の初期作品などで読んだ光景が広がっていますね。面白かった。補給線のない戦いに身を踊らせる男達…いや、わかります。こういうの書きたくなる気持ち。そうとう好きなんスねぇ。オイラもですが。
多少誤字がありましたが、面白さで気になりませんでした。
投稿者: ひねもすのたり(寝袋青組No.22) - 05/22 07:28

残念ながら、感情移入出来ない。
良く取材してあって、体験談かと思う程のリアリティーは良くわかるのですが、その為冒頭から専門用語が並び、こちらは置いてきぼりを食った気分になります。

幕は、上がる。
切って落とされるのは、火蓋。

共感出来ない分、細かいところが気になってしまいました。
投稿者:雉乃尾羽 - 05/22 22:08

 えっと、老人が闘争の達人でしょうか……? 題名もそうですしね。

 雰囲気や緊迫感、臨場感はすごく伝わってきました。もし大学闘争とかの時代に生きていれば、この感じを肌で感じることが出来たのかな、と思ってみたりしました。
 ただ、どうしても、なんというか、共感が出来ませんでした。ここら辺、僕の性格の問題もあると思いますが……
 あと、題名の間違いとして、「カップ酒」じゃなく「パック酒」ですね。関係ないですが。
投稿者:みやこ - 05/22 22:44

>雉乃尾羽さん

タイトルは「パック酒」の間違いではないと思いますよ。
昔はカップ酒しかなかったので、老人のイメージだとカップ酒になります。そういう雰囲気ってことだと思います。
確かにパックしか出てこないのですが、パックだとさまにならないのですよねえ感覚的に。世代的な感覚のギャップかもしれません。

あと私も大学闘争の時代ではないのですが、年取ったらわかることってあるので、それもあるかもしれません。
身を持ち崩すってこういうことなんだなーでもまあいいかーみたいなのが、リアルに実感されるといいますか〜(笑)


>作者さま

間違ってたらスミマセン。
なんとなーく曖昧に知識としてある学生運動という言葉が浮かびました。
世界観は十分伝えられていると思うし、作者さんの下調べの努力が感じられる作品でした。ほかの作品とかなり作風が違って、わりと好きな作品です。

あくまで予想ですが、作者さんのなかで長編用としてストックしてあったネタを短編用に書いたのかなぁ、と。いや、短編では描き切れていない部分をまた読みたいと思ったので。

あと短編の内容を章で区切っていますがこれくらいの分量ならわざわざ区切る必要もないのかなぁ、と思いました。
テーマである「達人を登場させる」については、ちょっと無理矢理な感があります。火炎瓶を上手く投げられるからと云って「達人」は大袈裟過ぎる。ですがそれを抜きにすれば、面白い話でした。
もともとバトカメ用の話ではなかったのでしょうか。非常に細かいところまで調べていらっしゃる。釜ヶ崎の風景は実際に見たことがないのですが、天王寺から新世界界隈なら多少分かります。路上でチンチロリンなんてのがいれば、もっとリアルだったんじゃないかしらw

引っ掛かったのは吉野がエアガンの使用を禁止したこと。なぜですか?エアガンが使用されていれば「昭和の闘争」の雰囲気は出せません。火炎瓶の登場も必然性がなくなる。でもそれだけで禁止したのなら、それは物語の都合ではなく、作者の都合です。これは私の邪推でしょうか。

ラストの場面はとても印象深い。安保から始まって大学紛争まで。大義名分は平和だったり、大学受講料の無料化だったり、インターン廃止だったり。要するに何でもよくて、闘争が好きなんじゃないの?と言いたくなるような、あの世代の一部の薄ら寒い人間像を凝縮しています。もっと落ち着いた状況で、作者さんが本当に書きたかったテーマで書かれた作品を読んでみたいですね。
こういう話では私の場合リアルに知らないので、嘘とか本当とかは関係なく、話としての「説得力」を求めます。リアリティーとはまたちょっと違いますが、この場合は≒(機種依存かしら? だったらすみません)リアリティーかしらね? 実名の事件、事例が出てきていますので。
ただそれを、歴史史実風にするか、報告調で行くか、俺体感でやるか、臨場感を持たせるか、などなどで、説得方法は違います。
個人的にはこのオチである以上フィクションという前提の下、内容ではじけさせて「俺体感臨場」に割り切って書いてしまえば、リアル事象物語というのを無視した面白さがあったのではないだろうか。
そうすればこの手のネタでも、プロパガンダ的な意味合いが薄れ、エンタテイメントとして楽しめると思う。ま、プロパガンダ的に行きたいなら、別の意味での臨場感不足かな?
投稿者:サンソン - 05/23 12:46

学生闘争ですね?

貫き通して身を持ち崩すか、保身に行くか。
二者択一です。

あと、申し訳ないのですが。
『毛一本』(笑)
気になって気になって…(笑)
 楽しいなぁ。
 ルポだなぁ。
 Wikipediaを見るような喜び。

 あくまでも達人が「出てくる」話。火炎瓶の達人。結構ではありませんか。
 劇作の鴻上さんが『ヘルメットをかぶった君に会いたい』だったか。あれもよかったなぁ。
 きっちり書くことで、読者はわくわくするんだよなぁ。
 面白かった。ようがした。
随所にちりばめられた誤字、脱字、誤用が……


さて平成20年に何が起こるのか。
何故作者は平成20年を選んだのか。

興味深く読み進めていったら、特に何も考えてなかったんだな……と思い至った。


なんというか、リアリティがまったくない。
平成20年という、あまりにも想像しやすい未来。
なんだかよくわからないカリスマのもとに集まって、公権力を戦えるのだろうか? しかもネットであつまっただけの疎な集まりのなかで。
多分、烏合の衆としてしか機能しないだろう。
指揮系統がはっきりしている暴走族の方がまだ良く戦うだろうなぁ


特に納得がいかないのは刑事罰の軽さである。
火炎瓶は単純所持で3年以下、使用で7年以下の懲役刑だ。
殺人未遂とかなんとかかんとかが加わるはずで、執行猶予ついたりはしないだろう。


全体的にリサーチ不足。想像力の不足が伺える。


辛口になってしまったけれど、それだけ「おしい」作品だとはおもった。
投稿者:イビコ・J・D-05/29 22:28

調べてあるなしに関わらず、リアリティがあった。「調べてあるなしに〜」と言うのは、自分がこういうことをよく知らないだけです。なのに雰囲気がすごかった。厚みがあって、最後まで崩れなかった。ドキドキしました。

ただやっぱり、短編としては弱いのかなあ……内容は詰め込みすぎとまでは感じなかったし、かと言って省きすぎたとも思わない。ラストも良かったと思うんですけど……なんだろう、やっぱり、時代がちょっとだけ未来っていうのに無理があるのかな。一貫した雰囲気はあったけど、なぜこういう風に一貫されているのか、この時代背景にしてこの雰囲気で良いのか、いまいち釈然としなかった。ここらへん、字数さえあれば作者は書けると思うんですけど。

しかし、これはあくまでも短編、この中でやらなきゃいけない。


最後に、これはただの個人的な感想なんですが……すごく良い作品なんですけど、内容としては、特に好きではないです。

好きな人は好きなんだろうなあ。うまいし。
投稿者:ようこさん。 2008/05/30 19:37

うん。作者は西成区にもうしっかり根付いてらっしゃるんでしょうね。
かつて火炎瓶を投げてた人たちは就職が決まると髪を切って、もう若くないさとアタシに言い訳したもんです。思い出すなあ。
なんちゃって。
♪バンバン歌っちまいました。
素敵な一作です。

たまらないカッコ良さ。
雑然として薄汚れた雰囲気。
描写が見事です。私は西成は行った事ありませんが、横浜寿町や浅草竜泉界隈なら歩いた事ありますんで、なんとなく判る。
現実の切実さを知らない若者(主人公)と労務者との対比もいい。

> 放水と消火器と〜(中略)〜ガラス片。
ここ、特に好きです。こういう書き方。

ただ、誤字が多いのが珠に傷。毛一本て。w
あと、日雇労働者失業保険の説明は余計。本題から外れる。

ともあれ、終わり方も実にコミカルでいい。
よくぞこの字数で纏め上げた。
絶賛。情景がとても思い浮かびました。
また現代社会に対する深いテーマも感じ取りました。
投稿者:久遠- 06/03 23:41

リアリティを感じる味わいのある作品です。
最後の一行は惜しいです。
締めるなら含みが欲しい。
でなければ、総括を詠ってほしかったです。
投稿者:太郎丸-06/09 00:07

灰皿を山盛りのままにしておく喫茶店があるという世界で、日本は一体どう変わってしまったのかと読み進むうち、なんにも変わっていないのに気づいて、ちょっとショックを受けた。ネットを通すという設定は少し新鮮味に欠けるが、たまにニュースや小説の中に出てくる西成地区の様子はよく調べているなぁと感心した。
 人の価値観がぶれないとしたら、こんなジジイがいっぱいいる筈なのに、まあ、あっさり転向したよなー、安保闘争組は。
投稿者:橘内-06/13 00:04

 舞台設定も情景もかなり好みなのだけど、それだけに色々と考えてしまう。
 現代日本での闘争を描こうとしたら、未成年と銃器刃物について、もっと言及があったほうが「それらしい」ようになったと思う。
 ただ、電動エアガンの使用を禁止にして、古式ゆかしい火炎瓶に投石という手法を採ったことから考えると、指揮官の「吉野」が目指したのは、学生闘争の再現だった? 死傷者のいない無血革命のような理想を目指していた?
 だけど、主人公が電動エアガンの使用禁止を不満に感じたように、「わが軍」に集まった主人公たちは『ジジイ』と同じく、ただのお祭好きが大多数だったと思われるから、そこまで統一できていたとは思いにくい。平成二十年のいま現在、実際にネットを使ってどれほどの人員を集められるかが分からないけれど、実際に集合するまでに「電動エアガン(そしておそらく、その他爆発物なども)の禁止」という項目に反対する者は多いと思う。逮捕時の減刑目的でそうした武器を持たないという保身を考えてまで大人数が集まるとは考えにくいから、吉野は「武器と計画はこちらで準備する」と謳って数を集めたのかな?
 でもそうすると、サバゲーや爆弾を実際に使ってみたくて集まった連中は、意気揚々と集まった挙句に「武器は火炎瓶と石です」と言われて簡単に納得したのだろうか? いや、それを納得させるだけのカリスマ性が吉野にはあった、ということか。
 ふむ……六十〜七十年代を経験した人、もしくは知っている人でないと、作者の書きたかったことのすべてを読み取れないような気がする。
投稿者:とりしん-06/14 13:16

かっこいい〜!
汗臭さを感じるような臨場感のある描写が素敵です。椎名誠の書くSFのような雰囲気がありますねえ。

ログインすると、残り4件のコメントが見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

バトル仮面舞踏会 更新情報

バトル仮面舞踏会のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。